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第8章 夜の契約 ナイトバインド
039 目に見えない赤い糸の真実
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オルアとアリムさんの熱い夜が早く始まって欲しい。
◇
オルアさんとアリムさんは夕食を買って、オルアさんの部屋に戻った。
夕食と夜の歯磨きを済ませたあとで、ふたりはベッドに座っていた。
オルアは、アリムさんの目をとても強いまなざしで見つめていた。
オルアさんと見つめ合うことに幸せを感じるアリムさんも、長い時間の果てに、思わず目を閉じてしまった。
その瞬間、オルアの唇がアリムさんの唇と重なった。
それから、3分間がすぎた。
オルア
「ナイトバインド!
アリムさん、これからのあなたは私と私が決めたのこり二人の女性、真々美と冬香以外を愛せなくなります。
そして、あなたにはわたしを守る責任と義務が生まれます。
わたしには、あなたの性欲を守る権利と義務が生まれます。
アリムさん、わたしとのナイトバインドを受けてくれますか?」
アリム
「はい、受けます。
よろしくお願いします。」
オルア
「アリムさん、ありがとう。
とても、うれしいわ。
じゃあ、これを見てくれる?」
オルアは、とても美しい女性の裸の立体映像を見せた。
アリムさんのプリンスは、しーんとしている。
アリム
「えっ?
ボクは精神的に病んで不能になってしまったの?
悲しい。」
オルア
「大丈夫よ。
アリムさん、これを見て!」
オルアさんは、カッターシャツの上の方のボタンを開けて、胸の谷間をアリムさんに見せた。
物語に出てくる騎士がロングソードを天に向かって掲げるような光景だった。
アリム
「は、恥ずかしいよお。
でも、大丈夫で良かった。」
オルア
「うふふ、とっても素敵よ。
アリムさん、ごめんね。
御帽子を付けさせてね。」
アリム
「は、はい。」
アリムさんは恥ずかしそうにしている。
オルアはうれしそうにニヤニヤしている。
オルアは、左手で優しく持ち上げるとともに、右手を軽くにぎった。
オルア
「ああ、気持ちがやすらぐわあ。」
アリム
「・・・」
オルア
「どうしたの? アリムさん。
ほほを赤く染めて、かわいいわあ。」
オルアは理由を分かっていて聞いている。
アリムさんに、意地悪するのが幸せそうである。
アリム
「あ、あのね。
オルアさん、始める前にして欲しいことがあるの。」
オルア
「なあに、言ってみて。」
アリム
「ボクの左手のひらと、オルアさんの右手の手のひらを合わせながら、ボクが言う言葉を繰り返して欲しいんだ。」
オルア
「もちろん、良いわよ。」
オルア こころの声
『性的に恥ずかしい言葉を言わせるつもりかしら。
アリムさんも男性ね。
なんだか、うれしいわ。』
オルアは、アリムさんに言われたように、右手のひらをアリムさんの左手のひらに合わせた。
アリム
「えーっとね。
与える方が左手を、受け止める方が右手を出します。
初めての時は、男性が左手を出す方が女性が安心できると言われています。」
オルア
「わかったわ。」
オルア こころの声
『アリムさんの好きなエッチなマンガに出てくるのかしら。
まあ、乗ってあげましょうか。』
アリム
「オルアさん、始めます。
ボクが言う言葉を受けても良い、同じ気持ちになってもいいと思ったときは、繰り返して欲しいんだ。
ただし、そこまではイヤとか、付き合いきれないと思ったときは、黙って手を話してくれたら良いです。
・・・
だけど、だけどね。
・・・
最後まで、繰り返してくれたら、うれしい。
・・・
そして、真々美さんと冬香さんともナイトバインドする約束だから、
同じことを真々美さんと冬香さんにも、求めます。
・・・
どこまで、受けてくださるかは分からないけれど・・・
そして、もし3人のうち一人しか最後まで受けてくれないとしたら、その一人はオルアさんを希望します。」
オルア こころの声
『ずいぶん、前置きが長いわね。
どんなスケベで恥ずかしい言葉を言わせるつもりだろう。
アリムさんの本性を暴く良い機会だから、最後までつきあうけれど、内容次第では教育しなきゃね。』
オルア
「どんな言葉か聞いてみないと判断できないわ。
とりあえず、始めてくれる?
嫌と思ったら、遠慮しないから、あんまり気を遣わないでね。」
アリム
「ありがとう、オルアさん、じゃあ、本当に始めるね。」
二人がいるオルアのベッドがある個室は、ムードが出る明るさにしてあった。
5W(ワット)のオレンジ色の豆電球だけが点灯していた。
アリム
「あなたが、好きです。」
オルア
「あなたが、好きです。」
アリム
「あなたのことを、想っています。」
オルア
「あなたのことを、想っています。」
アリム
「あなたのことを、信じています。」
オルア
「あなたのことを、信じています。」
アリム
「そして、あなたを・・・」
オルア
「そして、あなたを・・・」
オルアは見た。
アリムさんが、ものすごく真剣で覚悟しているような顔を。
アリム
「愛しています。」
オルア
「愛しています。」
アリム こころの声
『うれしい!
オルアさん、受けてくれた。』
オルア こころの声
『あれ? あれ?
スケベな言葉が1個もない。
え?
スケベな言葉を考えたのは、わたしだけ。
しかも、どれだけ純情なのよ。
アリムさんを疑ったわたしの性根の方が恥ずかしいわ。
時を戻せるならば、戻したい。
そして、なんて、まっすぐな瞳で見つめてくるの。
うれしい意味で恥ずかしいわ。
クールな真々美や、冷静な冬香でも、わたしのように顔を赤くすることは間違いないわ。
愛しているなんて、言葉は、プレイボーイが唱えるだけの軽い言葉と思っていたけれど、今日、この瞬間ほど重く熱く感じたことはないわ。
アリムさん、うたがって、ごめんなさい。
わたしもアリムさんを愛しています。』
アリム こころの声
『あとは、このまま見つめ合うだけのはずだけど、どれくらいの時間を続ければ良いのかなあ?』
オルア こころの声
『あれ、これで終わりじゃないのかなあ?
アリムさんの真剣な視線が痛いくらいだわ。
キスして終わりにしたら、ダメな気がする。
まあ、アリムさんが望むなら朝までこのままでもいいか?
でも、最初の相手は私にしたいのだけれど・・・
あ、スケベなのは私の方だった・・・
真剣に見つめ返さなきゃ。
でも、右手が熱いわ。』
アリム
「あ、赤い光が出た。」
オルア
「えっ? 赤い光?
そう言えば、部屋が明るいような?
でも、豆電球だけを点けて、部屋を暗めにしたはずだけれど・・・」
アリムさんと手を合わせている右手を中心に、赤く大きい光が見える。
アリム
「オルアさん、うれしいよ。
見て、サトスの光(The light of Satoss)だよ。」
オルア
「熱いと思ったけれど暖かいと感じがするわ。
そして、見ていると、とても落ち着くわ。
不安が消えていく気がするわ。」
アリム
「本当に愛し合う二人が、今の言葉を復唱すると、現れる女神さまの祝福だよ。」
オルア
「へえ、女神さまの祝福ね。
いいわね。」
オルア こころの声
『初めて聞く話ね。
アリムさんが未来に書く予定の小説の設定かな?』
アリム
「オルアさん、
「運命の相手とは目に見えない赤い糸で結ばれている。」
って話を聞いたことが無いかな?」
オルア
「ああ、有名な話ね。
目に見えないのに、どうして赤い糸と決めつけているか納得が行かないけれどね。」
アリム
「赤い糸の物語の元は、今、ボクたちが見ているサトスの光(The light of Satoss)なんだよ。」
オルア
「そうなんだ。
ロマンティックね。
くわしく聞かせてくれるかな?」
アリム
「むかし、むかし、隠れて愛し合っている男女がいました。」
オルア
「ふむふむ。」
アリム
「女神さまは、愛し合うふたりの気持ちを目に見えるようにしてあげたいと思って、二人が手を合わせると赤く光るようにしました。」
オルア
「それが、この光ね。」
オルアは、アリムさんと手を合わせたまま、アリムさんの話を聞いている。
アリム
「そうなんだ。」
オルア
「でも、赤い光は球状で、糸ではないわよね。」
アリム
「おっしゃる通りです。
ある日、あの二人は隠れて愛し合っているのではないか?
もし、そうなら、隣村とは敵同士だから引き離さないとダメだ。
しかし、証拠を押さえないと、追及できない。
そうだ、二人の捕まえて、手と手を合わせて見つめ合わせれば分かるんじゃないか?
試してみよう。
ということになったんだ。」
オルア
「実験してみたということね。」
アリム
「そうなんだ。」
オルア
「そして、どうなったの?」
アリム
「合わせた手と手はボクたちのように赤い光を出したそうだよ。」
オルア
「ふーん、それから、どうなったの?」
アリム
「引き離された。」
オルア
「悲しいわね。
でも、そこから、赤い糸にどうつながるの?」
アリム
「ふたりが引き離されても、赤い光は縄のように二人の手と手をつないでいた。」
オルア
「まさか、伸びきった状態は?」
アリム
「そう、糸のように細くなって、見えなくなった。」
オルア
「だから、目に見えない赤い糸って、語り継がれたのね。」
アリム
「そうだと教えてもらった。」
オルア
「だれから、まさか、どこの女性なの?」
アリム
「前世の先生からだよ。」
オルア
「前世?
アリムさんは前世の記憶があるの?」
アリム
「あるよ。」
オルア
「すごいじゃない。」
アリム
「そうでもない。
前世の記憶があっても、前世でできたことが出来るわけではない。
ただの妄想、夢物語でしかないよ。」
オルア
「他にも、前世の話はあるの?」
アリム
「そうだね。
前世でも、クラスター制度、正性知識、性魔力のコモンルーンは存在していた。」
オルア
「じゃあ、他のひとより有利よね。」
アリム
「そうでもないよ。
ここまで完全に思い出せたのは、50歳を超えてからだからね。」
オルア
「そう、でも、まだ活かせる機会はあるかもね。」
アリム
「そう願うよ。」
オルア
「ところで、この赤い光を消す方法はあるの?」
アリム
「あるよ。
サトス様、ありがとうございます。
また、見せてくださいね。
と二人で言えばいいんだ。」
オルア
「そう、じゃあ、せーので言おうか?
せーの。」
アリム、オルア
「「サトス様、ありがとうございます。
また、見せてくださいね。」」
◇
オルア
「アリムさん、わたしね。
もう待てない。」
アリム
「えっ?」
オルアは、アリムを押し倒してキスをした。
そして、アリムさんの服を、すべて脱がせた。
それから、オルアもすべての服を脱いだ。
アリムさんの両手をつかんで、自分の両胸に押し当てた。
オルア
「アリムさん、お手手を、グッパー、グッパーしてくれる?
そう丁度いい力加減ね。
その調子よ。
続けてくれる。
はい、ありがとう。
一度、手を放してくれる?
御帽子を付け直しましょうね。」
アリム
「恥ずかしいよう。」
オルア
「そう?
とても立派よ。
恥ずかしがることは無いわ。
わたしの胸ではさんであげるわね。
どうですか?」
アリム
「とっても気持ちよくて幸せです。」
オルア
「そう、良かった。
うれしいわ。
じゃあ、頂きます。」
◇
オルアとアリムさんは、とても熱い夜を過ごした。
オルアは、一度も攻守交代をゆるさず、アリムさんを攻め続けた。
自分の腕と胸の下で、可愛い声を出して、顔を真っ赤にするアリムさんを眺め続けた。
アリム
「オルアさん、大好き。」
オルア
「わたしも、大好きよ。
もう止められないわ。
覚悟しなさい。」
力尽きて、気を失ったアリムさんを抱きしめて、オルアはアリムさんにキスをした。
アリムさんは翌朝まで、オルアの抱きまくらだった。
7日目の夜が終わり、8日目の朝が始まった。
◇
作者の注釈 ナレーション
「なんて、すてきな初夜。
うらやましくて、たまらない。」
【読者様へ】
「お気に入りに追加」 【 ↓ 】 お願いします。
◇
オルアさんとアリムさんは夕食を買って、オルアさんの部屋に戻った。
夕食と夜の歯磨きを済ませたあとで、ふたりはベッドに座っていた。
オルアは、アリムさんの目をとても強いまなざしで見つめていた。
オルアさんと見つめ合うことに幸せを感じるアリムさんも、長い時間の果てに、思わず目を閉じてしまった。
その瞬間、オルアの唇がアリムさんの唇と重なった。
それから、3分間がすぎた。
オルア
「ナイトバインド!
アリムさん、これからのあなたは私と私が決めたのこり二人の女性、真々美と冬香以外を愛せなくなります。
そして、あなたにはわたしを守る責任と義務が生まれます。
わたしには、あなたの性欲を守る権利と義務が生まれます。
アリムさん、わたしとのナイトバインドを受けてくれますか?」
アリム
「はい、受けます。
よろしくお願いします。」
オルア
「アリムさん、ありがとう。
とても、うれしいわ。
じゃあ、これを見てくれる?」
オルアは、とても美しい女性の裸の立体映像を見せた。
アリムさんのプリンスは、しーんとしている。
アリム
「えっ?
ボクは精神的に病んで不能になってしまったの?
悲しい。」
オルア
「大丈夫よ。
アリムさん、これを見て!」
オルアさんは、カッターシャツの上の方のボタンを開けて、胸の谷間をアリムさんに見せた。
物語に出てくる騎士がロングソードを天に向かって掲げるような光景だった。
アリム
「は、恥ずかしいよお。
でも、大丈夫で良かった。」
オルア
「うふふ、とっても素敵よ。
アリムさん、ごめんね。
御帽子を付けさせてね。」
アリム
「は、はい。」
アリムさんは恥ずかしそうにしている。
オルアはうれしそうにニヤニヤしている。
オルアは、左手で優しく持ち上げるとともに、右手を軽くにぎった。
オルア
「ああ、気持ちがやすらぐわあ。」
アリム
「・・・」
オルア
「どうしたの? アリムさん。
ほほを赤く染めて、かわいいわあ。」
オルアは理由を分かっていて聞いている。
アリムさんに、意地悪するのが幸せそうである。
アリム
「あ、あのね。
オルアさん、始める前にして欲しいことがあるの。」
オルア
「なあに、言ってみて。」
アリム
「ボクの左手のひらと、オルアさんの右手の手のひらを合わせながら、ボクが言う言葉を繰り返して欲しいんだ。」
オルア
「もちろん、良いわよ。」
オルア こころの声
『性的に恥ずかしい言葉を言わせるつもりかしら。
アリムさんも男性ね。
なんだか、うれしいわ。』
オルアは、アリムさんに言われたように、右手のひらをアリムさんの左手のひらに合わせた。
アリム
「えーっとね。
与える方が左手を、受け止める方が右手を出します。
初めての時は、男性が左手を出す方が女性が安心できると言われています。」
オルア
「わかったわ。」
オルア こころの声
『アリムさんの好きなエッチなマンガに出てくるのかしら。
まあ、乗ってあげましょうか。』
アリム
「オルアさん、始めます。
ボクが言う言葉を受けても良い、同じ気持ちになってもいいと思ったときは、繰り返して欲しいんだ。
ただし、そこまではイヤとか、付き合いきれないと思ったときは、黙って手を話してくれたら良いです。
・・・
だけど、だけどね。
・・・
最後まで、繰り返してくれたら、うれしい。
・・・
そして、真々美さんと冬香さんともナイトバインドする約束だから、
同じことを真々美さんと冬香さんにも、求めます。
・・・
どこまで、受けてくださるかは分からないけれど・・・
そして、もし3人のうち一人しか最後まで受けてくれないとしたら、その一人はオルアさんを希望します。」
オルア こころの声
『ずいぶん、前置きが長いわね。
どんなスケベで恥ずかしい言葉を言わせるつもりだろう。
アリムさんの本性を暴く良い機会だから、最後までつきあうけれど、内容次第では教育しなきゃね。』
オルア
「どんな言葉か聞いてみないと判断できないわ。
とりあえず、始めてくれる?
嫌と思ったら、遠慮しないから、あんまり気を遣わないでね。」
アリム
「ありがとう、オルアさん、じゃあ、本当に始めるね。」
二人がいるオルアのベッドがある個室は、ムードが出る明るさにしてあった。
5W(ワット)のオレンジ色の豆電球だけが点灯していた。
アリム
「あなたが、好きです。」
オルア
「あなたが、好きです。」
アリム
「あなたのことを、想っています。」
オルア
「あなたのことを、想っています。」
アリム
「あなたのことを、信じています。」
オルア
「あなたのことを、信じています。」
アリム
「そして、あなたを・・・」
オルア
「そして、あなたを・・・」
オルアは見た。
アリムさんが、ものすごく真剣で覚悟しているような顔を。
アリム
「愛しています。」
オルア
「愛しています。」
アリム こころの声
『うれしい!
オルアさん、受けてくれた。』
オルア こころの声
『あれ? あれ?
スケベな言葉が1個もない。
え?
スケベな言葉を考えたのは、わたしだけ。
しかも、どれだけ純情なのよ。
アリムさんを疑ったわたしの性根の方が恥ずかしいわ。
時を戻せるならば、戻したい。
そして、なんて、まっすぐな瞳で見つめてくるの。
うれしい意味で恥ずかしいわ。
クールな真々美や、冷静な冬香でも、わたしのように顔を赤くすることは間違いないわ。
愛しているなんて、言葉は、プレイボーイが唱えるだけの軽い言葉と思っていたけれど、今日、この瞬間ほど重く熱く感じたことはないわ。
アリムさん、うたがって、ごめんなさい。
わたしもアリムさんを愛しています。』
アリム こころの声
『あとは、このまま見つめ合うだけのはずだけど、どれくらいの時間を続ければ良いのかなあ?』
オルア こころの声
『あれ、これで終わりじゃないのかなあ?
アリムさんの真剣な視線が痛いくらいだわ。
キスして終わりにしたら、ダメな気がする。
まあ、アリムさんが望むなら朝までこのままでもいいか?
でも、最初の相手は私にしたいのだけれど・・・
あ、スケベなのは私の方だった・・・
真剣に見つめ返さなきゃ。
でも、右手が熱いわ。』
アリム
「あ、赤い光が出た。」
オルア
「えっ? 赤い光?
そう言えば、部屋が明るいような?
でも、豆電球だけを点けて、部屋を暗めにしたはずだけれど・・・」
アリムさんと手を合わせている右手を中心に、赤く大きい光が見える。
アリム
「オルアさん、うれしいよ。
見て、サトスの光(The light of Satoss)だよ。」
オルア
「熱いと思ったけれど暖かいと感じがするわ。
そして、見ていると、とても落ち着くわ。
不安が消えていく気がするわ。」
アリム
「本当に愛し合う二人が、今の言葉を復唱すると、現れる女神さまの祝福だよ。」
オルア
「へえ、女神さまの祝福ね。
いいわね。」
オルア こころの声
『初めて聞く話ね。
アリムさんが未来に書く予定の小説の設定かな?』
アリム
「オルアさん、
「運命の相手とは目に見えない赤い糸で結ばれている。」
って話を聞いたことが無いかな?」
オルア
「ああ、有名な話ね。
目に見えないのに、どうして赤い糸と決めつけているか納得が行かないけれどね。」
アリム
「赤い糸の物語の元は、今、ボクたちが見ているサトスの光(The light of Satoss)なんだよ。」
オルア
「そうなんだ。
ロマンティックね。
くわしく聞かせてくれるかな?」
アリム
「むかし、むかし、隠れて愛し合っている男女がいました。」
オルア
「ふむふむ。」
アリム
「女神さまは、愛し合うふたりの気持ちを目に見えるようにしてあげたいと思って、二人が手を合わせると赤く光るようにしました。」
オルア
「それが、この光ね。」
オルアは、アリムさんと手を合わせたまま、アリムさんの話を聞いている。
アリム
「そうなんだ。」
オルア
「でも、赤い光は球状で、糸ではないわよね。」
アリム
「おっしゃる通りです。
ある日、あの二人は隠れて愛し合っているのではないか?
もし、そうなら、隣村とは敵同士だから引き離さないとダメだ。
しかし、証拠を押さえないと、追及できない。
そうだ、二人の捕まえて、手と手を合わせて見つめ合わせれば分かるんじゃないか?
試してみよう。
ということになったんだ。」
オルア
「実験してみたということね。」
アリム
「そうなんだ。」
オルア
「そして、どうなったの?」
アリム
「合わせた手と手はボクたちのように赤い光を出したそうだよ。」
オルア
「ふーん、それから、どうなったの?」
アリム
「引き離された。」
オルア
「悲しいわね。
でも、そこから、赤い糸にどうつながるの?」
アリム
「ふたりが引き離されても、赤い光は縄のように二人の手と手をつないでいた。」
オルア
「まさか、伸びきった状態は?」
アリム
「そう、糸のように細くなって、見えなくなった。」
オルア
「だから、目に見えない赤い糸って、語り継がれたのね。」
アリム
「そうだと教えてもらった。」
オルア
「だれから、まさか、どこの女性なの?」
アリム
「前世の先生からだよ。」
オルア
「前世?
アリムさんは前世の記憶があるの?」
アリム
「あるよ。」
オルア
「すごいじゃない。」
アリム
「そうでもない。
前世の記憶があっても、前世でできたことが出来るわけではない。
ただの妄想、夢物語でしかないよ。」
オルア
「他にも、前世の話はあるの?」
アリム
「そうだね。
前世でも、クラスター制度、正性知識、性魔力のコモンルーンは存在していた。」
オルア
「じゃあ、他のひとより有利よね。」
アリム
「そうでもないよ。
ここまで完全に思い出せたのは、50歳を超えてからだからね。」
オルア
「そう、でも、まだ活かせる機会はあるかもね。」
アリム
「そう願うよ。」
オルア
「ところで、この赤い光を消す方法はあるの?」
アリム
「あるよ。
サトス様、ありがとうございます。
また、見せてくださいね。
と二人で言えばいいんだ。」
オルア
「そう、じゃあ、せーので言おうか?
せーの。」
アリム、オルア
「「サトス様、ありがとうございます。
また、見せてくださいね。」」
◇
オルア
「アリムさん、わたしね。
もう待てない。」
アリム
「えっ?」
オルアは、アリムを押し倒してキスをした。
そして、アリムさんの服を、すべて脱がせた。
それから、オルアもすべての服を脱いだ。
アリムさんの両手をつかんで、自分の両胸に押し当てた。
オルア
「アリムさん、お手手を、グッパー、グッパーしてくれる?
そう丁度いい力加減ね。
その調子よ。
続けてくれる。
はい、ありがとう。
一度、手を放してくれる?
御帽子を付け直しましょうね。」
アリム
「恥ずかしいよう。」
オルア
「そう?
とても立派よ。
恥ずかしがることは無いわ。
わたしの胸ではさんであげるわね。
どうですか?」
アリム
「とっても気持ちよくて幸せです。」
オルア
「そう、良かった。
うれしいわ。
じゃあ、頂きます。」
◇
オルアとアリムさんは、とても熱い夜を過ごした。
オルアは、一度も攻守交代をゆるさず、アリムさんを攻め続けた。
自分の腕と胸の下で、可愛い声を出して、顔を真っ赤にするアリムさんを眺め続けた。
アリム
「オルアさん、大好き。」
オルア
「わたしも、大好きよ。
もう止められないわ。
覚悟しなさい。」
力尽きて、気を失ったアリムさんを抱きしめて、オルアはアリムさんにキスをした。
アリムさんは翌朝まで、オルアの抱きまくらだった。
7日目の夜が終わり、8日目の朝が始まった。
◇
作者の注釈 ナレーション
「なんて、すてきな初夜。
うらやましくて、たまらない。」
【読者様へ】
「お気に入りに追加」 【 ↓ 】 お願いします。
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気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
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この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
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今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
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