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第8章 夜の契約 ナイトバインド
049 9日目 冬香とアリムさんの御休憩
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冬香とアリムさんの御休憩が始まろうとしていた。
◇
9日目 PM 02:30
《2日に一度の会議: なし、
第1回襲撃予測日: 当日》
アリムさんは、冬香の個室をキョロキョロと見まわしていた。
アリム
「バナナは無いよね。
それなのに、冬香さんはどうしてあるって言ったの?」
冬香
「アリムさんがバナナを持っているわよね。」
アリム
「どこに? 持ってないよ。」
アリムさんは手を広げて見せた。
冬香
「これ以上はっきりと言わせないでよね。
じゃあ、バナナのことは忘れて、お風呂に入りましょうか?
洗いっこしましょう。」
アリム
「えっ? 期待して良いの?」
冬香
「もちろんよ。」
お風呂の脱衣場についた二人。
冬香がアリムさんを、じーっと見ている。
アリム
「どうしたの、冬香さん。
じーっと見られたら、恥ずかしいよ。」
冬香
「あらあら、これからもっと恥ずかしいことをするのに何を言っているの?
覚悟を決めてよね。
それとも、脱がせてあげようか?」
アリム
「じ、自分で脱ぎます。」
冬香
「そう、良い子ね。
ちょっと残念かな?」
アリム
「さあ、あとはパンツ1枚だけです。
冬香さんが脱がないのに、自分だけ脱ぐなんて恥ずかしいよ。」
冬香
「そう?
全部脱いだ方が恥ずかしくないと思うけどなあ?
じゃあ、パンツは履いていていいよ。
その代わり・・・
じっとしててね。
はい、できた。
とっても、いいわあ。」
アリム
「えっ? 嫌だよ、こんな格好。
パンツを脱ぐ方がマシだよ。」
冬香
「じゃあ、脱いで!」
アリム
「ううっ。」
冬香
「よし、アリムさんの準備はできたわね。
両手は横にして、きょう付けの姿勢(stand at attention)になってね。」
アリム
「は、はい。」
冬香
「良い子ね。
アリムさん、わたしから目を離さないでね。」
冬香が1枚1枚脱いでいく姿は、海外のプロのストリッパーが焦らさずに豪快に脱ぐようなポーズで、とても美しかった。
アリム
「き、きれいだ。
とっても。」
冬香
「そう、うれしいわ。
バナナを見れば、お世辞じゃないって分かってうれしいわ。」
アリム
「バナナって?
・・・
あっ、そういう意味なの?」
冬香
「うそ、本気で分からなかったの?
洗いたてのバナナにチョコレートを塗って食べたいという意味も?」
アリム
「冬香さんがそういうエッチなことを言うとは予想しなかったんだ。」
冬香
「それは残念。
はい、アリムさん、左腕のひじを外側に、くの字に形に突き出してね。」
アリム
「どうぞ。」
冬香
「うふふ、どうかな?
直接あたる感じは?」
アリム
「最高です。」
冬香
「どれどれ?
うん、硬《こう、Hard》ね。
軟《なん、Soft》からは、ほど遠いわ。」
アリム
「もう、恥ずかしいよお。」
アリムさんは、冬香の手をどけようと試みた。
冬香
「だめよ。
抵抗しないで。」
冬香は、アリムさんを風呂場の中に案内した。
冬香はアリムさんの全身を手に泡を塗って、きれいに洗いあげた。
そして、当然、アリムさんにも同じように自分の身体を洗わせた。
アリム
「まだ、手に感触が残っている気がする。」
冬香
「もっと、触ってみる?」
アリム
「う、うん。」
冬香
「じゃあ、ジャンケンして勝った方が1分間好きなところを触りましょう。」
アリム
「何回勝てるかなあ。」
冬香
「やってみないと分からないわね。」
◇
結果は、冬香の全勝だった。
アリム
「ひどいよ。
1回も勝たせてくれないなんて。」
冬香
「泣かないで、その代わり、ベットの上では攻めを譲ってあげるから。」
アリム
「本当に?」
冬香
「本当よ。」
身体を拭いて髪の毛を乾かした二人は、ベッドに移動した。
冬香
「髪の毛が短いと乾かすのが楽ね。」
アリム
「お医者さんだから、すぐに出動できるように短くしているのですか?」
冬香
「そうよ、髪の毛を乾かすのに時間が掛かったから、急患に間に合いませんでした。
なんて、嫌だからね。」
アリム
「ご立派です。」
冬香
「どうも、それよりも、アリムさんの立派な所を見せてよ。」
アリム
「スポーツなら、テニスが得意だよ。」
冬香
「うーん、おしいわ。
さあ、こっちよ。」
冬香は全裸になって、ベッドに横たわった。
そして、両手をアリムさんにむけて広げた。
冬香
「さあ来て、アリムさん。」
アリム
「とっても、きれいだ。
このまましばらく眺めていたい。」
冬香
「どうぞ。」
アリム
「でも、その前に、して欲しいことがあります。」
冬香
「愛の言葉ね。」
アリム
「オルアさんと真々美さんから聞きましたか?」
冬香
「ええ、楽しみにしていたわ。」
アリム
「それなら、お願いしやすいですね。
ボクの左手のひらと、冬香さんの右手の手のひらを合わせながら、ボクが言う言葉を繰り返して欲しいです。」
冬香
「繰り返せば良いのね。」
冬香は、アリムさんに言われたように、右手のひらをアリムさんの左手のひらに合わせた。
アリム
「与える方が左手を、受け止める方が右手を出します。
初めての時は、男性が左手を出す方が女性が安心できると言われています。」
冬香
「わかったわ。」
冬香 こころの声
『アリムさんは、純愛物語が好きみたいね。
真剣に見つめてくる まなざしが痛いくらいだわ。』
アリム
「冬香さん、始めます。
ボクが言う言葉を受けても良い、同じ気持ちになってもいいと思ったときは、繰り返して欲しいです。
ただし、そこまではイヤとか、付き合いきれないと思ったときは、黙って手を話してくれたら良いです。
・・・
だけど、だけど。
・・・
最後まで、繰り返してくれたら、うれしいです。
・・・
そして、これはオルアさんと真々美さんにも求めたことです。
・・・
しかし、圧力をかけてはいけないから、オルアさんと真々美さんがどこまで受けてくださったかは言えません。」
冬香 こころの声
『ていねいな前置きね。
わたしで3回目だから省略したいでしょうね。
それなのに、手を抜かない真面目なところは、アリムさんの長所ね。』
冬香
「どんな言葉か聞いてから判断するわ。
嫌と思ったらやめるから、あんまり期待しないでね。」
アリム
「よく聞いて考えてからで大丈夫です、冬香さん。
じゃあ、本当に始めます。」
昼間だから遮光カーテンを閉めて、部屋を暗くしていた。
5Wワットのオレンジ色の豆電球だけが点灯する暗さというか明るさの中で、ふたりは見つめ合っていた。
アリム
「あなたが、好きです。」
冬香
「あなたが、好きです。」
アリム
「あなたのことを、想っています。」
冬香
「あなたのことを、想っています。」
アリム
「あなたのことを、信じています。」
冬香
「あなたのことを、信じています。」
アリム
「そして、あなたを・・・」
冬香
「そして、あなたを・・・」
冬香は見た。
アリムさんが、ものすごく真剣で覚悟しているような顔を。
アリム
「愛しています。」
冬香
「・・・」
冬香は繰り返さなかった。
それでも、アリムさんは冬香の言葉を待っていた。
きっと繰り返してくれるはずと信じて・・・
3分が経過した。
アリムさんは悲しそうな顔をした。
そのとき、冬香は右手を少しだけずらして、アリムさんの指の間に指を入れて、アリムさんの手を握った。
冬香
「もう少し考える時間を頂戴。
手は放して欲しくないから、握らせてもらうわ。」
アリム
「はい、よろしくお願いいたします。」
冬香
「さらに5分間、いいえ、3分間ください。」
アリム
「はい。」
冬香 こころの声
『オルアは、喜んで受けたでしょうね。
即答だったと思う。
1秒も待たせなかったはず。
真々美は、小説を笑ったとき、5分間もアリムさんの手を握り続けたくらいだから、受けたでしょうね。
真々美は本当に義理堅いから、埋め合わせする絶好の機会を受け入れたでしょう。
☆ 030 アリムさんの小説を読ませて!
じゃあ、わたしは?
アリムさんの要求1分間の握手に対して、わたしは1分間の握手で応えた。
オルアは3分間の握手、真々美は5分間の握手。
ふたりに比べると私のアリムさんへの想いは弱いのかもしれない。
近い将来、オルアと真々美はアリムさんの子供を生むだろう。
さらに、シュウピンさんは、あの会議の時に、シュウピンさんの意図を感じたアリムさんを良しと判断したはず。
☆ 040 8日目 真々美とアリム
メラニィさんは、やたらアリムさんにつっかかっているから、アリムさんのことが気になっている証拠よね。
☆ 041 8日目 シュウピンさんの意図は
だから、シュウピンさんとメラニィさんは、【遺伝子獲得権】を行使する相手にアリムさんを選ぶ可能性が高い気がする。
つまり、4人はアリムさんの子供を生む可能性が極めて高いと言える。
わたしが、もし、
愛しています。
と応えなかったら、心に傷が多いアリムさんは私に2度目のチャンスをくれないだろう。
姉妹関係が成立していても、真々美やオルアとの仲が冷めてしまう可能性が極めて高い。
なによりも、アリムさんより素敵で魅力的な男性に出会える可能性はゼロに等しい。
というか、10回生まれ変われたとしても、出会える可能性はゼロに等しい。
唯一の問題は、
愛しています。
と言ってしまったあとで、私自身が冷静を保てるだろうか?
独占欲を出して、オルア・真々美と対立してしまうかもしれない。
それでも、わたしが選ぶべき答えは・・・
』
冬香
「愛しています。」
アリム こころの声
『うれしい!
冬香さんも、受けてくれた。』
冬香 こころの声
『待っててくれて、ありがとう。 アリムさん。
アリムさんの目から涙がこぼれそうね。
不安にさせて、ごめんね。』
赤い強い光が、冬香とアリムさんの手を包んだ。
アリム
「冬香さん、うれしいです。
ご覧ください、サトスの光《The light of Satoss》です。」
冬香
「出て良かったわ。
待たせすぎたから無効になるかと思ったわ。」
アリム
「ボクは拒否されることを覚悟していたから、うれしいです。
説明を続けますね。
本当に愛し合う二人が、今の言葉を復唱すると、現れる女神さまの祝福です。」
冬香
「女神さまの祝福。
いい響きね。」
冬香 こころの声
『初めて聞く話ね。
アリムさんが未来に書く予定の小説の設定かしら?』
アリム
「冬香さん、
「運命の相手とは目に見えない赤い糸で結ばれている。」
って話を聞いたことが無いですか?」
冬香
「ええ、有名な話ね。
目に見えないのに、どうして赤い糸と決めつけているのか納得が行かないわ。」
アリム
「赤い糸の物語の元は、今、ボクたちが見ているサトスの光《The light of Satoss》です。」
冬香
「ロマンティックね。
くわしく聞かせてくれる?」
アリム
「むかし、むかし、隠れて愛し合っている男女がいました。」
冬香
「ええ。」
アリム
「女神さまは、愛し合うふたりの気持ちを目に見えるようにしてあげたいと思って、二人が手を合わせると赤く光るようにしました。」
冬香
「それが、この光なのね。」
冬香は、アリムさんと手を合わせたまま、アリムさんの話を聞いている。
アリム
「そうです。」
冬香
「でも、赤い光は球で、糸ではないわ。」
アリム
「おっしゃる通りです。
ある日、あの二人は隠れて愛し合っているのではないか?
もし、そうなら、隣村とは敵同士だから引き離さないとダメだ。
しかし、証拠を押さえないと、追及できない。
そうだ、二人の捕まえて、手と手を合わせて見つめ合わせれば分かるんじゃないか?
試してみよう。
ということになりました。」
冬香
「実験してみたのね。」
アリム
「そうです。」
冬香
「どうなったの?」
アリム
「合わせた手と手はボクたちのように赤い光を出したそうです。」
冬香
「それから?」
アリム
「引き離されました。」
冬香
「悲しい話ね。
でも、そこから、赤い糸にどうつながるの?」
アリム
「ふたりが引き離されても、赤い光は縄のように二人の手と手をつないでいた。」
冬香
「とすると、伸びきった状態が糸なのね?」
アリム
「そうです。
引き離される距離が増えるにしたがって、糸のように細くなって、最後には見えなくなりました。」
冬香
「だから、目に見えない赤い糸って、語り継がれたのね。」
アリム
「そうだと教えてもらいました。
村人たちが罪悪感を少しでも消したいという気持ちから語り継がれたそうです。」
冬香
「アリムさんに教えた人は誰なの?」
アリム
「前世の先生です。」
冬香
「前世?
アリムさんは前世の記憶があるの?」
アリム
「あります。」
冬香
「そう。
前世の先生の名前を聞いても良い?」
アリム
「ナーム=トゥ=マミ《Naam-to-Mami》 という御名前《おなまえ》です。」
冬香
「知らないひとね。
ところで、この赤い光を消したいときはどうすればいいの?」
アリム
「消したいときは、
サトス様、ありがとうございます。
また、見せてくださいね。
と二人で言えば消えます。」
冬香
「そう、じゃあ、せーので言いましょう?
せーの。」
アリム、冬香
「「サトス様、ありがとうございます。
また、見せてくださいね。」」
◇
冬香
「アリムさん、今度は私の願いを聞いて欲しい。
アリムさんを人生のパートナーとして、ナイトバインドしたい。
私を第3志望とするナイトバインドを受けてくれますか?」
アリム
「オルアさん、真々美さんの次に、冬香さんを大事にします。」
冬香は左手でアリムの肩を押さえて、右手でアリムさんのあごを上に上げた。
そして、キスをした。
冬香
「ナイトバインド!
アリムさん、お互いの生と性を守り合う関係を受けてくれますか?」
アリム
「はい、受けます。」
冬香とアリムのナイトバインドが成立した。
冬香
「ありがとう、アリムさん。」
アリム
「ありがとう、冬香さん。」
冬香
「じゃあ、まだ昼だけれど、これが私たちの初夜よ。」
アリム
「うれしいです。」
冬香
「わたしもよ。
じゃあ、まだアリムさんの遺伝子治療が終わっていないというか始めてもいないから、ヘルメットを付けさせてね。」
冬香は避妊具をアリムさんに取り付けた。
それから、ベッドに横たわって、両手をアリムさんにむけて広げた。
冬香
「さあ来て、アリムさん。」
アリム
「とっても、きれいだ。
AIで作成された美女みたいに綺麗だ。」
冬香
「あれれー、アリムさん、眼鏡を掛けても良いのよ。
AIが作成した美女よりも美しいはずだけど、よーっく見てくれる?
目を洗ってきたり、目薬が必要なら、処方するわよ。」
アリム
「眼鏡をよく拭いてから掛け直します。
そうですね。
失礼しました。
いままで見たどのAI美女よりも冬香さんたちは美しいです。」
冬香
「そうでしょうとも、そうでしょうとも。
真々美、オルア、わたしのように
才色兼備、容姿端麗、眉目秀麗、頭脳明晰、文武両道、性格温厚
が揃った女性は、
本当に稀有《けう》で、SSR《エスエスアール、スーパースペシャルレア》なのよ。」
アリム
「本当にそう思うよ。
ボクは夢の中にいるのではないか?
早く目を覚まさなきゃ!
と
目の前にある現実をまだ信じられないよ。」
冬香
「目の前にある現実を確かめるためには、確かな手ごたえが必要ね。
今度は眺めるだけじゃダメよ。
優しく いろんなところを触ってね。」
アリム
「じゃあ、遠慮なく。」
アリムさんは、冬香の額にキスをした。
鼻のあたまと両方のほほにもキスをした。
そして、唇にもキスをして、あごと首筋にもキスをした。
両手で肩から腕、ひじ、手、指先を包むように撫でた。
左腕を撫でてから、右腕も同様に撫でた。
そして、胸は触らずに、ウエストとお腹を触った。
冬香
「あら、胸は触らないの?」
アリム
「最後の方で、じっくりと触らせてもらうよ。」
冬香
「焦《じ》らすわね。
でも、いいわ。
今回は私が受けをするわ。
だから、やさしく攻めてね。」
アリム
「ありがとう。
冬香さん。」
冬香
「続けて、アリムさん。」
アリム
「うん。」
アリムさんは、ふとももから足のつま先まで優しく撫でていった。
冬香
「ねえ、そろそろかしら?」
アリム
「冬香さん、うつぶせになって、背中を見せてくれないか?」
冬香
「いいわよ。」
冬香は背中を見せた。
アリム
「とっても綺麗だよ。」
アリムさんは、両方のみみたぶにキスをした。
冬香
「ふあ。」
そして、首筋にキスをした。
アリム
「とても美しいうなじだよ、冬香さん。」
冬香
「ほめすぎよ。」
アリム
「女性を選ぶときは後ろ姿で選べ!
というプレイボーイのマンガがあったけれど、とってもきれいだよ。
冬香さん。」
冬香
「じんじん来るわ。
言葉で愛撫されているみたい。」
アリムさんは、冬香の背中をおしりの割れ目付近まで舌で舐めていった。
アリム
「美しい。」
冬香
「ひゃあ。」
アリム
「その可愛い声、もっと聞かせて。」
アリムさんは冬香の耳元に優しく小さな声でささやいた。
冬香
「そんなこと言われたら、声が止まらなくなっちゃうわ。」
アリム
「いいね。
いっぱい、冬香さんの可愛い声を聞かせてね。」
アリムさんは、冬香のおしりを触らずに、いきなり足首をつかんだ。
冬香
「えっ。なぜ足首をつかんでいるの。」
アリム
「冬香さんを逃がしたくないという意思表示だよ。
安心して痛くはしないから。」
冬香
「ぜったいよ。
痛くしないでね。
アキレス腱はこわいわ。」
アリム
「ごめん、痛かった?
もっとやさしく触る方が良いかな?」
冬香
「痛くはなかったけれど、びっくりしたのよ。」
アリム
「痛くないなら良かった。
続けて、触らせてね。
とても素晴らしい手触りだよ。」
アリムさんは冬香のふくらはぎをやさしくマッサージした。
そして、ふとももをマッサージした。
冬香
「やっと感じやすいところを触ってくれたわね。
待ち遠しかったわ。」
アリム
「そして、いよいよ、メインデッシュのおしりを触らせてもらうね。
ああ、なんて、素晴らしい。
とても気持ちいいよ。」
アリムさんは円を描くように、やさしくやさしく冬香のおしりを撫でまわした。
冬香
「あ、ああ、いい。
もっと触って。」
アリム
「こうかな?」
冬香
「そうよ。」
アリムさんは、しばらくの間、冬香のおしりを撫《な》でまわして味わった。
アリム
「今度は仰向けになって、胸を見せてくれませんか?」
冬香
「いよいよね、どうぞ。」
冬香は、仰向けになって、どうどうと自慢の胸を見せた。
アリム
「とっても綺麗だよ。」
冬香
「うれしいわ。」
アリム
「大きい円と中くらいの円、小さい円の比率が最高だね。
中くらいの円が小さいことを好む男性が多いそうだけれど、ボクは、冬香さんたちくらいに中くらいの円が大きい方が好ましいよ。」
冬香
「わかってて、具体的な用語を言わないところが歯がゆいわね。
なんというか知っているわよね?」
アリム
「恥ずかしくて言えない。
ううん、なんていうのか知らない。
間違って覚えていたら恥ずかしいから。」
冬香
「しょうがないわねえ。
今回は許してあげるけれど、次回からは言わせるからね。
こころの準備をしておいてね。」
アリム
「はあい。
照れますね。
さて、素晴らしい胸を触らせてね。」
冬香
「どう?
アリムさん、しあわせを感じますか?」
アリム
「うん、生きててよかった。
人生で最高の瞬間。
世界の底辺から頂点に移住したような、王様になったような、世界の支配者になったような達成感と幸福感を感じるよ。
こうやって、指で触ったり、舌を当てたり、キスしていると、冬香さんの特別領域の中に居ることを許可してもらえたんだなあって、涙が出るほど、うれしいよ。」
冬香
「喜んでくれて、わたしもうれしいわ。
涙は吸い取ってあげるわ。」
冬香はアリムさんのめからこぼれて、ほほを伝《つた》う涙を口《くち》で吸い取って飲んだ。
アリム
「冬香さん。」
冬香
「アリムさん。」
ふたりは愛を確かめあった・・・
◇
9日目 PM 06:30
ふたりは服を着ないで、そのままの格好で食事をした。
ふたりはとても満足して、食後も余韻《よいん》を味わうために抱き合っていた。
アリム
「素晴らしい歌声をありがとう、冬香さん。」
冬香
「素敵だったわ、アリムさん。」
アリム
「もう1回、相手して欲しいな。」
冬香
「そうね、でも、もう行かなきゃ。」
アリム
「バリアのコントロール室に行くんだね。
ご武運を。
そして、無事で帰ってきてね。
ボクに、たたかう力《ちから》が無いことが悲しいよ。」
冬香
「あせらなくてもいいわ。
カセイダード王国に着いたら、私たちが厳しく鍛え上げるからね。」
アリム
「よろしくお願いします。」
冬香
「ええ、じゃあ、着替えるわ。」
アリムさんは冬香を抱く手をゆるめた。
アリム
「ボクは、この部屋で待っててもいいですか?」
冬香
「ええ、ベッドからわたしの香りが消える前に戻ってくるわ。」
アリム
「いってらっしゃい。」
冬香
「行ってきます。」
冬香は身支度を整えて、バリアのコントロール室に向かった。
アリム
「早く、戦えるようになりたい。
まずは、少しでも、これを読まなきゃ。」
アリムさんは、正性知識 2000 の続きを読み始めた。
※ 200まではクリアしています。
◇
規約違反にならない範囲で書いているつもりです。
運営様の許容範囲に収まっていますように、と祈ります。
【読者様へ】
あなたの10秒で、この作品にパワーをください。
「お気に入りに追加」 【 ↓ 】 お願いします。
◇
9日目 PM 02:30
《2日に一度の会議: なし、
第1回襲撃予測日: 当日》
アリムさんは、冬香の個室をキョロキョロと見まわしていた。
アリム
「バナナは無いよね。
それなのに、冬香さんはどうしてあるって言ったの?」
冬香
「アリムさんがバナナを持っているわよね。」
アリム
「どこに? 持ってないよ。」
アリムさんは手を広げて見せた。
冬香
「これ以上はっきりと言わせないでよね。
じゃあ、バナナのことは忘れて、お風呂に入りましょうか?
洗いっこしましょう。」
アリム
「えっ? 期待して良いの?」
冬香
「もちろんよ。」
お風呂の脱衣場についた二人。
冬香がアリムさんを、じーっと見ている。
アリム
「どうしたの、冬香さん。
じーっと見られたら、恥ずかしいよ。」
冬香
「あらあら、これからもっと恥ずかしいことをするのに何を言っているの?
覚悟を決めてよね。
それとも、脱がせてあげようか?」
アリム
「じ、自分で脱ぎます。」
冬香
「そう、良い子ね。
ちょっと残念かな?」
アリム
「さあ、あとはパンツ1枚だけです。
冬香さんが脱がないのに、自分だけ脱ぐなんて恥ずかしいよ。」
冬香
「そう?
全部脱いだ方が恥ずかしくないと思うけどなあ?
じゃあ、パンツは履いていていいよ。
その代わり・・・
じっとしててね。
はい、できた。
とっても、いいわあ。」
アリム
「えっ? 嫌だよ、こんな格好。
パンツを脱ぐ方がマシだよ。」
冬香
「じゃあ、脱いで!」
アリム
「ううっ。」
冬香
「よし、アリムさんの準備はできたわね。
両手は横にして、きょう付けの姿勢(stand at attention)になってね。」
アリム
「は、はい。」
冬香
「良い子ね。
アリムさん、わたしから目を離さないでね。」
冬香が1枚1枚脱いでいく姿は、海外のプロのストリッパーが焦らさずに豪快に脱ぐようなポーズで、とても美しかった。
アリム
「き、きれいだ。
とっても。」
冬香
「そう、うれしいわ。
バナナを見れば、お世辞じゃないって分かってうれしいわ。」
アリム
「バナナって?
・・・
あっ、そういう意味なの?」
冬香
「うそ、本気で分からなかったの?
洗いたてのバナナにチョコレートを塗って食べたいという意味も?」
アリム
「冬香さんがそういうエッチなことを言うとは予想しなかったんだ。」
冬香
「それは残念。
はい、アリムさん、左腕のひじを外側に、くの字に形に突き出してね。」
アリム
「どうぞ。」
冬香
「うふふ、どうかな?
直接あたる感じは?」
アリム
「最高です。」
冬香
「どれどれ?
うん、硬《こう、Hard》ね。
軟《なん、Soft》からは、ほど遠いわ。」
アリム
「もう、恥ずかしいよお。」
アリムさんは、冬香の手をどけようと試みた。
冬香
「だめよ。
抵抗しないで。」
冬香は、アリムさんを風呂場の中に案内した。
冬香はアリムさんの全身を手に泡を塗って、きれいに洗いあげた。
そして、当然、アリムさんにも同じように自分の身体を洗わせた。
アリム
「まだ、手に感触が残っている気がする。」
冬香
「もっと、触ってみる?」
アリム
「う、うん。」
冬香
「じゃあ、ジャンケンして勝った方が1分間好きなところを触りましょう。」
アリム
「何回勝てるかなあ。」
冬香
「やってみないと分からないわね。」
◇
結果は、冬香の全勝だった。
アリム
「ひどいよ。
1回も勝たせてくれないなんて。」
冬香
「泣かないで、その代わり、ベットの上では攻めを譲ってあげるから。」
アリム
「本当に?」
冬香
「本当よ。」
身体を拭いて髪の毛を乾かした二人は、ベッドに移動した。
冬香
「髪の毛が短いと乾かすのが楽ね。」
アリム
「お医者さんだから、すぐに出動できるように短くしているのですか?」
冬香
「そうよ、髪の毛を乾かすのに時間が掛かったから、急患に間に合いませんでした。
なんて、嫌だからね。」
アリム
「ご立派です。」
冬香
「どうも、それよりも、アリムさんの立派な所を見せてよ。」
アリム
「スポーツなら、テニスが得意だよ。」
冬香
「うーん、おしいわ。
さあ、こっちよ。」
冬香は全裸になって、ベッドに横たわった。
そして、両手をアリムさんにむけて広げた。
冬香
「さあ来て、アリムさん。」
アリム
「とっても、きれいだ。
このまましばらく眺めていたい。」
冬香
「どうぞ。」
アリム
「でも、その前に、して欲しいことがあります。」
冬香
「愛の言葉ね。」
アリム
「オルアさんと真々美さんから聞きましたか?」
冬香
「ええ、楽しみにしていたわ。」
アリム
「それなら、お願いしやすいですね。
ボクの左手のひらと、冬香さんの右手の手のひらを合わせながら、ボクが言う言葉を繰り返して欲しいです。」
冬香
「繰り返せば良いのね。」
冬香は、アリムさんに言われたように、右手のひらをアリムさんの左手のひらに合わせた。
アリム
「与える方が左手を、受け止める方が右手を出します。
初めての時は、男性が左手を出す方が女性が安心できると言われています。」
冬香
「わかったわ。」
冬香 こころの声
『アリムさんは、純愛物語が好きみたいね。
真剣に見つめてくる まなざしが痛いくらいだわ。』
アリム
「冬香さん、始めます。
ボクが言う言葉を受けても良い、同じ気持ちになってもいいと思ったときは、繰り返して欲しいです。
ただし、そこまではイヤとか、付き合いきれないと思ったときは、黙って手を話してくれたら良いです。
・・・
だけど、だけど。
・・・
最後まで、繰り返してくれたら、うれしいです。
・・・
そして、これはオルアさんと真々美さんにも求めたことです。
・・・
しかし、圧力をかけてはいけないから、オルアさんと真々美さんがどこまで受けてくださったかは言えません。」
冬香 こころの声
『ていねいな前置きね。
わたしで3回目だから省略したいでしょうね。
それなのに、手を抜かない真面目なところは、アリムさんの長所ね。』
冬香
「どんな言葉か聞いてから判断するわ。
嫌と思ったらやめるから、あんまり期待しないでね。」
アリム
「よく聞いて考えてからで大丈夫です、冬香さん。
じゃあ、本当に始めます。」
昼間だから遮光カーテンを閉めて、部屋を暗くしていた。
5Wワットのオレンジ色の豆電球だけが点灯する暗さというか明るさの中で、ふたりは見つめ合っていた。
アリム
「あなたが、好きです。」
冬香
「あなたが、好きです。」
アリム
「あなたのことを、想っています。」
冬香
「あなたのことを、想っています。」
アリム
「あなたのことを、信じています。」
冬香
「あなたのことを、信じています。」
アリム
「そして、あなたを・・・」
冬香
「そして、あなたを・・・」
冬香は見た。
アリムさんが、ものすごく真剣で覚悟しているような顔を。
アリム
「愛しています。」
冬香
「・・・」
冬香は繰り返さなかった。
それでも、アリムさんは冬香の言葉を待っていた。
きっと繰り返してくれるはずと信じて・・・
3分が経過した。
アリムさんは悲しそうな顔をした。
そのとき、冬香は右手を少しだけずらして、アリムさんの指の間に指を入れて、アリムさんの手を握った。
冬香
「もう少し考える時間を頂戴。
手は放して欲しくないから、握らせてもらうわ。」
アリム
「はい、よろしくお願いいたします。」
冬香
「さらに5分間、いいえ、3分間ください。」
アリム
「はい。」
冬香 こころの声
『オルアは、喜んで受けたでしょうね。
即答だったと思う。
1秒も待たせなかったはず。
真々美は、小説を笑ったとき、5分間もアリムさんの手を握り続けたくらいだから、受けたでしょうね。
真々美は本当に義理堅いから、埋め合わせする絶好の機会を受け入れたでしょう。
☆ 030 アリムさんの小説を読ませて!
じゃあ、わたしは?
アリムさんの要求1分間の握手に対して、わたしは1分間の握手で応えた。
オルアは3分間の握手、真々美は5分間の握手。
ふたりに比べると私のアリムさんへの想いは弱いのかもしれない。
近い将来、オルアと真々美はアリムさんの子供を生むだろう。
さらに、シュウピンさんは、あの会議の時に、シュウピンさんの意図を感じたアリムさんを良しと判断したはず。
☆ 040 8日目 真々美とアリム
メラニィさんは、やたらアリムさんにつっかかっているから、アリムさんのことが気になっている証拠よね。
☆ 041 8日目 シュウピンさんの意図は
だから、シュウピンさんとメラニィさんは、【遺伝子獲得権】を行使する相手にアリムさんを選ぶ可能性が高い気がする。
つまり、4人はアリムさんの子供を生む可能性が極めて高いと言える。
わたしが、もし、
愛しています。
と応えなかったら、心に傷が多いアリムさんは私に2度目のチャンスをくれないだろう。
姉妹関係が成立していても、真々美やオルアとの仲が冷めてしまう可能性が極めて高い。
なによりも、アリムさんより素敵で魅力的な男性に出会える可能性はゼロに等しい。
というか、10回生まれ変われたとしても、出会える可能性はゼロに等しい。
唯一の問題は、
愛しています。
と言ってしまったあとで、私自身が冷静を保てるだろうか?
独占欲を出して、オルア・真々美と対立してしまうかもしれない。
それでも、わたしが選ぶべき答えは・・・
』
冬香
「愛しています。」
アリム こころの声
『うれしい!
冬香さんも、受けてくれた。』
冬香 こころの声
『待っててくれて、ありがとう。 アリムさん。
アリムさんの目から涙がこぼれそうね。
不安にさせて、ごめんね。』
赤い強い光が、冬香とアリムさんの手を包んだ。
アリム
「冬香さん、うれしいです。
ご覧ください、サトスの光《The light of Satoss》です。」
冬香
「出て良かったわ。
待たせすぎたから無効になるかと思ったわ。」
アリム
「ボクは拒否されることを覚悟していたから、うれしいです。
説明を続けますね。
本当に愛し合う二人が、今の言葉を復唱すると、現れる女神さまの祝福です。」
冬香
「女神さまの祝福。
いい響きね。」
冬香 こころの声
『初めて聞く話ね。
アリムさんが未来に書く予定の小説の設定かしら?』
アリム
「冬香さん、
「運命の相手とは目に見えない赤い糸で結ばれている。」
って話を聞いたことが無いですか?」
冬香
「ええ、有名な話ね。
目に見えないのに、どうして赤い糸と決めつけているのか納得が行かないわ。」
アリム
「赤い糸の物語の元は、今、ボクたちが見ているサトスの光《The light of Satoss》です。」
冬香
「ロマンティックね。
くわしく聞かせてくれる?」
アリム
「むかし、むかし、隠れて愛し合っている男女がいました。」
冬香
「ええ。」
アリム
「女神さまは、愛し合うふたりの気持ちを目に見えるようにしてあげたいと思って、二人が手を合わせると赤く光るようにしました。」
冬香
「それが、この光なのね。」
冬香は、アリムさんと手を合わせたまま、アリムさんの話を聞いている。
アリム
「そうです。」
冬香
「でも、赤い光は球で、糸ではないわ。」
アリム
「おっしゃる通りです。
ある日、あの二人は隠れて愛し合っているのではないか?
もし、そうなら、隣村とは敵同士だから引き離さないとダメだ。
しかし、証拠を押さえないと、追及できない。
そうだ、二人の捕まえて、手と手を合わせて見つめ合わせれば分かるんじゃないか?
試してみよう。
ということになりました。」
冬香
「実験してみたのね。」
アリム
「そうです。」
冬香
「どうなったの?」
アリム
「合わせた手と手はボクたちのように赤い光を出したそうです。」
冬香
「それから?」
アリム
「引き離されました。」
冬香
「悲しい話ね。
でも、そこから、赤い糸にどうつながるの?」
アリム
「ふたりが引き離されても、赤い光は縄のように二人の手と手をつないでいた。」
冬香
「とすると、伸びきった状態が糸なのね?」
アリム
「そうです。
引き離される距離が増えるにしたがって、糸のように細くなって、最後には見えなくなりました。」
冬香
「だから、目に見えない赤い糸って、語り継がれたのね。」
アリム
「そうだと教えてもらいました。
村人たちが罪悪感を少しでも消したいという気持ちから語り継がれたそうです。」
冬香
「アリムさんに教えた人は誰なの?」
アリム
「前世の先生です。」
冬香
「前世?
アリムさんは前世の記憶があるの?」
アリム
「あります。」
冬香
「そう。
前世の先生の名前を聞いても良い?」
アリム
「ナーム=トゥ=マミ《Naam-to-Mami》 という御名前《おなまえ》です。」
冬香
「知らないひとね。
ところで、この赤い光を消したいときはどうすればいいの?」
アリム
「消したいときは、
サトス様、ありがとうございます。
また、見せてくださいね。
と二人で言えば消えます。」
冬香
「そう、じゃあ、せーので言いましょう?
せーの。」
アリム、冬香
「「サトス様、ありがとうございます。
また、見せてくださいね。」」
◇
冬香
「アリムさん、今度は私の願いを聞いて欲しい。
アリムさんを人生のパートナーとして、ナイトバインドしたい。
私を第3志望とするナイトバインドを受けてくれますか?」
アリム
「オルアさん、真々美さんの次に、冬香さんを大事にします。」
冬香は左手でアリムの肩を押さえて、右手でアリムさんのあごを上に上げた。
そして、キスをした。
冬香
「ナイトバインド!
アリムさん、お互いの生と性を守り合う関係を受けてくれますか?」
アリム
「はい、受けます。」
冬香とアリムのナイトバインドが成立した。
冬香
「ありがとう、アリムさん。」
アリム
「ありがとう、冬香さん。」
冬香
「じゃあ、まだ昼だけれど、これが私たちの初夜よ。」
アリム
「うれしいです。」
冬香
「わたしもよ。
じゃあ、まだアリムさんの遺伝子治療が終わっていないというか始めてもいないから、ヘルメットを付けさせてね。」
冬香は避妊具をアリムさんに取り付けた。
それから、ベッドに横たわって、両手をアリムさんにむけて広げた。
冬香
「さあ来て、アリムさん。」
アリム
「とっても、きれいだ。
AIで作成された美女みたいに綺麗だ。」
冬香
「あれれー、アリムさん、眼鏡を掛けても良いのよ。
AIが作成した美女よりも美しいはずだけど、よーっく見てくれる?
目を洗ってきたり、目薬が必要なら、処方するわよ。」
アリム
「眼鏡をよく拭いてから掛け直します。
そうですね。
失礼しました。
いままで見たどのAI美女よりも冬香さんたちは美しいです。」
冬香
「そうでしょうとも、そうでしょうとも。
真々美、オルア、わたしのように
才色兼備、容姿端麗、眉目秀麗、頭脳明晰、文武両道、性格温厚
が揃った女性は、
本当に稀有《けう》で、SSR《エスエスアール、スーパースペシャルレア》なのよ。」
アリム
「本当にそう思うよ。
ボクは夢の中にいるのではないか?
早く目を覚まさなきゃ!
と
目の前にある現実をまだ信じられないよ。」
冬香
「目の前にある現実を確かめるためには、確かな手ごたえが必要ね。
今度は眺めるだけじゃダメよ。
優しく いろんなところを触ってね。」
アリム
「じゃあ、遠慮なく。」
アリムさんは、冬香の額にキスをした。
鼻のあたまと両方のほほにもキスをした。
そして、唇にもキスをして、あごと首筋にもキスをした。
両手で肩から腕、ひじ、手、指先を包むように撫でた。
左腕を撫でてから、右腕も同様に撫でた。
そして、胸は触らずに、ウエストとお腹を触った。
冬香
「あら、胸は触らないの?」
アリム
「最後の方で、じっくりと触らせてもらうよ。」
冬香
「焦《じ》らすわね。
でも、いいわ。
今回は私が受けをするわ。
だから、やさしく攻めてね。」
アリム
「ありがとう。
冬香さん。」
冬香
「続けて、アリムさん。」
アリム
「うん。」
アリムさんは、ふとももから足のつま先まで優しく撫でていった。
冬香
「ねえ、そろそろかしら?」
アリム
「冬香さん、うつぶせになって、背中を見せてくれないか?」
冬香
「いいわよ。」
冬香は背中を見せた。
アリム
「とっても綺麗だよ。」
アリムさんは、両方のみみたぶにキスをした。
冬香
「ふあ。」
そして、首筋にキスをした。
アリム
「とても美しいうなじだよ、冬香さん。」
冬香
「ほめすぎよ。」
アリム
「女性を選ぶときは後ろ姿で選べ!
というプレイボーイのマンガがあったけれど、とってもきれいだよ。
冬香さん。」
冬香
「じんじん来るわ。
言葉で愛撫されているみたい。」
アリムさんは、冬香の背中をおしりの割れ目付近まで舌で舐めていった。
アリム
「美しい。」
冬香
「ひゃあ。」
アリム
「その可愛い声、もっと聞かせて。」
アリムさんは冬香の耳元に優しく小さな声でささやいた。
冬香
「そんなこと言われたら、声が止まらなくなっちゃうわ。」
アリム
「いいね。
いっぱい、冬香さんの可愛い声を聞かせてね。」
アリムさんは、冬香のおしりを触らずに、いきなり足首をつかんだ。
冬香
「えっ。なぜ足首をつかんでいるの。」
アリム
「冬香さんを逃がしたくないという意思表示だよ。
安心して痛くはしないから。」
冬香
「ぜったいよ。
痛くしないでね。
アキレス腱はこわいわ。」
アリム
「ごめん、痛かった?
もっとやさしく触る方が良いかな?」
冬香
「痛くはなかったけれど、びっくりしたのよ。」
アリム
「痛くないなら良かった。
続けて、触らせてね。
とても素晴らしい手触りだよ。」
アリムさんは冬香のふくらはぎをやさしくマッサージした。
そして、ふとももをマッサージした。
冬香
「やっと感じやすいところを触ってくれたわね。
待ち遠しかったわ。」
アリム
「そして、いよいよ、メインデッシュのおしりを触らせてもらうね。
ああ、なんて、素晴らしい。
とても気持ちいいよ。」
アリムさんは円を描くように、やさしくやさしく冬香のおしりを撫でまわした。
冬香
「あ、ああ、いい。
もっと触って。」
アリム
「こうかな?」
冬香
「そうよ。」
アリムさんは、しばらくの間、冬香のおしりを撫《な》でまわして味わった。
アリム
「今度は仰向けになって、胸を見せてくれませんか?」
冬香
「いよいよね、どうぞ。」
冬香は、仰向けになって、どうどうと自慢の胸を見せた。
アリム
「とっても綺麗だよ。」
冬香
「うれしいわ。」
アリム
「大きい円と中くらいの円、小さい円の比率が最高だね。
中くらいの円が小さいことを好む男性が多いそうだけれど、ボクは、冬香さんたちくらいに中くらいの円が大きい方が好ましいよ。」
冬香
「わかってて、具体的な用語を言わないところが歯がゆいわね。
なんというか知っているわよね?」
アリム
「恥ずかしくて言えない。
ううん、なんていうのか知らない。
間違って覚えていたら恥ずかしいから。」
冬香
「しょうがないわねえ。
今回は許してあげるけれど、次回からは言わせるからね。
こころの準備をしておいてね。」
アリム
「はあい。
照れますね。
さて、素晴らしい胸を触らせてね。」
冬香
「どう?
アリムさん、しあわせを感じますか?」
アリム
「うん、生きててよかった。
人生で最高の瞬間。
世界の底辺から頂点に移住したような、王様になったような、世界の支配者になったような達成感と幸福感を感じるよ。
こうやって、指で触ったり、舌を当てたり、キスしていると、冬香さんの特別領域の中に居ることを許可してもらえたんだなあって、涙が出るほど、うれしいよ。」
冬香
「喜んでくれて、わたしもうれしいわ。
涙は吸い取ってあげるわ。」
冬香はアリムさんのめからこぼれて、ほほを伝《つた》う涙を口《くち》で吸い取って飲んだ。
アリム
「冬香さん。」
冬香
「アリムさん。」
ふたりは愛を確かめあった・・・
◇
9日目 PM 06:30
ふたりは服を着ないで、そのままの格好で食事をした。
ふたりはとても満足して、食後も余韻《よいん》を味わうために抱き合っていた。
アリム
「素晴らしい歌声をありがとう、冬香さん。」
冬香
「素敵だったわ、アリムさん。」
アリム
「もう1回、相手して欲しいな。」
冬香
「そうね、でも、もう行かなきゃ。」
アリム
「バリアのコントロール室に行くんだね。
ご武運を。
そして、無事で帰ってきてね。
ボクに、たたかう力《ちから》が無いことが悲しいよ。」
冬香
「あせらなくてもいいわ。
カセイダード王国に着いたら、私たちが厳しく鍛え上げるからね。」
アリム
「よろしくお願いします。」
冬香
「ええ、じゃあ、着替えるわ。」
アリムさんは冬香を抱く手をゆるめた。
アリム
「ボクは、この部屋で待っててもいいですか?」
冬香
「ええ、ベッドからわたしの香りが消える前に戻ってくるわ。」
アリム
「いってらっしゃい。」
冬香
「行ってきます。」
冬香は身支度を整えて、バリアのコントロール室に向かった。
アリム
「早く、戦えるようになりたい。
まずは、少しでも、これを読まなきゃ。」
アリムさんは、正性知識 2000 の続きを読み始めた。
※ 200まではクリアしています。
◇
規約違反にならない範囲で書いているつもりです。
運営様の許容範囲に収まっていますように、と祈ります。
【読者様へ】
あなたの10秒で、この作品にパワーをください。
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