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5 薄い探偵社1
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翌日、彼女との付き合いをどうしようか考えあぐねている俺をよそに、彼女は俺を神海探偵社という怪しい会社に連れて行った。
そこは繁華街から少し外れた雑居ビルにある冴えない事務所だった。
すぐ前の公園で散歩するんだと思ってたんだが。
「なんだここ?」
訝しむ俺に構わず、今宮麗華はすました顔で入っていく。
「就職も決まったことだし、息抜きよ息抜き」
いや、決まってないけど? 止めただけだし。
てか、息抜きで探偵社に来る奴はいない。
「こんにちは~っ」
麗華は、かまわずドアを開けて気安く声を掛けた。
「あら、麗華さん、いらっしゃい」
中から明るい声が聞こえた。どうも、顔見知りらしい。仕方なく俺も入った。
見ると受付らしい席に優しそうなお姉さんが座っていた。
「ボスいる? 新人連れて来たよ」
ボスって? 新人って?
「おう、いるぞ」
受付後方のパーティションの裏から、ちょっと渋い声が聞こえた。
「新人ってなんだよ」
「いいから、いいから」
いや、全然良くないけど?
* * *
ボスというかパーティションの先にいたのは三十歳くらいの無精ひげを生やした男だった。
男は、俺に接客用のソファを勧め、自分も俺の目の前に座った。
「神海意次だ、よろしくな」
と言って手を出された。いや、何も知らないのに、よろしく出来ないんだけど?
「こうみ?」
「意次だ」
「おきつぐさん?」
「あれ? 何も話してないのか?」
意次は俺が微妙な顔をしているのを見て麗華に言った。
「うん。全然」と麗華。
「なんだよ。酷いな」
意次は苦笑いを浮かべて俺を見た。
「それは、済まなかったな。君の就職先の話は今宮から聞いてる」
「はぁ」
「俺たちは彼女と同じ一族の者だ。これからこの一族の話と、この探偵社のことを話そうと思う」
「ちょ、ちょっと、待ってください。まだ、彼女と正式に付き合うと決めたわけじゃないんです」
「そうなのか?」と意次。
「そうなの?」と麗華。
「まぁ、そうなの?」うしろからも受付の女の声がした。
「えっ?」
「あら、ごめんなさい。私は、神海希美。よろしくね」
受付の女が覗き込んで挨拶した。
「もしかして、奥さんですか?」
「いいえ。意次の義理の従妹よ」
なるほど。一族の人間か。俺たちって言ってたもんな。
「もちろん、今宮さんと同じ神海一族よ」
希美は、そう補足した。
『神海一族』。
これが麗華のいう特殊な一族か。そして、ここは同族企業ってことらしい。
麗華が気安く入ってきたわけだ。
<神海希美>
イラスト:AIアニメジェネレーターにて生成。
https://perchance.org/ai-anime-generator
そこは繁華街から少し外れた雑居ビルにある冴えない事務所だった。
すぐ前の公園で散歩するんだと思ってたんだが。
「なんだここ?」
訝しむ俺に構わず、今宮麗華はすました顔で入っていく。
「就職も決まったことだし、息抜きよ息抜き」
いや、決まってないけど? 止めただけだし。
てか、息抜きで探偵社に来る奴はいない。
「こんにちは~っ」
麗華は、かまわずドアを開けて気安く声を掛けた。
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中から明るい声が聞こえた。どうも、顔見知りらしい。仕方なく俺も入った。
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「ボスいる? 新人連れて来たよ」
ボスって? 新人って?
「おう、いるぞ」
受付後方のパーティションの裏から、ちょっと渋い声が聞こえた。
「新人ってなんだよ」
「いいから、いいから」
いや、全然良くないけど?
* * *
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男は、俺に接客用のソファを勧め、自分も俺の目の前に座った。
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と言って手を出された。いや、何も知らないのに、よろしく出来ないんだけど?
「こうみ?」
「意次だ」
「おきつぐさん?」
「あれ? 何も話してないのか?」
意次は俺が微妙な顔をしているのを見て麗華に言った。
「うん。全然」と麗華。
「なんだよ。酷いな」
意次は苦笑いを浮かべて俺を見た。
「それは、済まなかったな。君の就職先の話は今宮から聞いてる」
「はぁ」
「俺たちは彼女と同じ一族の者だ。これからこの一族の話と、この探偵社のことを話そうと思う」
「ちょ、ちょっと、待ってください。まだ、彼女と正式に付き合うと決めたわけじゃないんです」
「そうなのか?」と意次。
「そうなの?」と麗華。
「まぁ、そうなの?」うしろからも受付の女の声がした。
「えっ?」
「あら、ごめんなさい。私は、神海希美。よろしくね」
受付の女が覗き込んで挨拶した。
「もしかして、奥さんですか?」
「いいえ。意次の義理の従妹よ」
なるほど。一族の人間か。俺たちって言ってたもんな。
「もちろん、今宮さんと同じ神海一族よ」
希美は、そう補足した。
『神海一族』。
これが麗華のいう特殊な一族か。そして、ここは同族企業ってことらしい。
麗華が気安く入ってきたわけだ。
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https://perchance.org/ai-anime-generator
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