164 / 189
惑星フォトス編
164 女神だって恋したい!
しおりを挟む
そんなわけで、神界に恋の季節がやって来た。
てか、来ちゃった。はい、俺のせいです。知らんけど。
これも神化リングの影響なので、また神界評議会で吊るし上げられるかと思ったら、そんなことにはならなかった。
どうも、不干渉主義者たちも恋をしたいようなのだ。
急に「あれは、いいものですね」なんて言われ始めたらしい。いや、神界に行ってないから聞いた話だけど。
もちろん、神化リングの効果があるのは女神だけではない。男神にも有効である。それを俺が証明しているとも言える。それで、神界全体が恋の季節という訳である。
ただ、現状では神化リングの生産には限界がある。
っていうか俺しか作れない。さらに、こんなに影響の大きなものを簡単に供給できない。
もちろん、いきなり朝から晩までキューピットじゃあるまいし神の恋の手伝いなんてやってられない。そもそも神化リングのおまけ的な効果だしな。
そうなると、どうなるかと言うと……。
「いきなり、あんたのグループに入りたいって神様が殺到してるんだけど?」
「やっぱり、そう来たか。神化リング狙いだよな?」
「そうよね」
神化リングが神力パワーを強化するという事だけなら、神力強化の必要のない神様には意味が無かった。しかし、子孫を残せるとなったら話は別だ。今では奇跡のキューピットリングなんて言われているそうだ。
* * *
「で、どうするの? 奇跡のキューピットさん」
「おい! やめろ!」
「でも、何とかしなくちゃね?」
「ううん。本当に、そんなことになるのかなぁ?」
ぽっ
女神カリス登場。
「ごめんなさい。こんな騒ぎになっちゃって」
女神カリスは済まなそうに言った。
「いや、これはしょうがないでしょう。っていうか、悪い事じゃないし。神化リングの影響なので俺のせいでしょう」
「そう言ってくれると助かります」
「それで、本当に神様の子孫が残せるんですか?」
「そこはまだ確証はないんです」
「ああ、そうか。俺にしても美鈴にしても元人間ですからね」
「はい、そうなんです。神格化五十パーセントまでなら今までも実績があったので騒ぐことでは無いんです。ですが、神格化百パーセントでも神化リングがあれば可能性が出てきます」
「可能性が?」
「はい、百パーセント神格化はしていても遺伝子情報は保持しているんです。神力カラーもその影響を受けています」
「ああ、なるほど。そういう個人情報として持ってるってことですね」
「はい。さらに、それだけではありません。顕現して地上界で生活していれば当然その情報に基づいて肉体が作られます。ですから原理的には可能なんです。ただ今までは時間が掛かるので実行されなかっただけです」
「ああ、実質的に不可能だっただけなんだ」
「そうです。ですが、神化リングがあれば別です」
「そういうことか」
「ただし、本当に子供が出来るかどうかは保証できません」
ああ、そういえば、アリスが神界に帰れなかったとき人間になっちゃうとか騒いでたっけ。なんだ、普通に人間になるんじゃん。まぁ、普通は神力枯渇しないんだろうけど。
「あれ? 神界に戻れないんじゃないの?」
「だから百パーセント肉体化したらね」とアリス。
「ああ、そういうことか。神力があるうちはいいんだ」
「そうね。百パーセントにはならないから」
なるほど。ってことは、思いっきり子供が出来そうだな。
時間が掛かるって言っても気にしないだろうし。数百年だとしても神様にとってはすぐだよな。
例え出来なかったとしても、恋は一握りの希望があれば十分だという話だしな。そりゃ、こうなるか。
しかし、どうしたもんかなぁ。神化リングを作るのはいいけど。ここは第一神様に判断してもらおう。
* * *
ということで、第一神様にお伺いをたてることにした。
ー そうじゃのぉ。難しいのぉ。とりあえず、神化リングは神界に必要じゃろう。いいものじゃ。
ー はい。ありがとうございます。
ー ただ、影響が大きいな。実際、どんな影響が出るのか見極める必要があるじゃろう。
ー そうなんです。需要があるからと供給していいものかどうか。
ー ふむ。とりあえず、今まで通りお主がグループ内で配るのは問題無いじゃろ。問題はグループ外の扱いじゃな。
ー はい。リング欲しさにグループに入るって言うのは、マズいと思います。
ー それでも構わんと思うがの。敵対グループに渡したくはなかろろう?
ー まぁ、そう言われればそうですが、いつまでも敵対していたい訳でも無いですし。そういう政治的な使い方はしたくないと思ってます。
ー そうか。ならば、グループ外では、わしが供給するとしよう。無理せずに神化リングを作ってくれれば、それで良い。
ー 分かりました。
ー ああ、わしが供給するリングとお主がグループ内で渡すリングを区別できるかのぉ?
ー はい、それならデザインを変えましょう。
ー うむ。そうしてくれると助かる。では、頼んだぞ。
ー はい。お任せください。
ということで、いままではテスト扱いだった神化リングだが、こうして正式に神界に供給されることになった。しかも第一神様自ら供給してくれることに。
* * *
「あんた、さらに重要な存在になったって認識してるわよね?」
ことの成り行きを横で聞いていたアリスが突っ込んできた。
第一神様に相談したので俺の執務室には女神隊全員が集合している。
「そうよね。第一神様を政治的にも強化したことになるわね」とイリス様が説明してくれた。
「なるほど」
「相変わらずなのである」
「やっぱり、リュウジ怖い」
「うっ」
「ほんとに、面白いよね君。何しでかすか楽しみで仕方ない」と女神スリス。
「お互い様です」
最近女神隊に入った俺の元上位神の女神スリスも来ていた。
「でも、これで一安心だ。第一神様にお願いしちゃったからな」
「ちゃっかりしてるわね!」とアリス。
とりあえず、風当たりは弱くなるだろう。
「でも、神界の政治に全く無関係ではいられないかもね」
俺の元上位神の女神スリスのほうが神界の事情に詳しいから気になるようだ。
「ああ、確かに第一神様からも神化リングを供給するけど、俺のグループに入るのが一番近道だからな」
「そういうことね。それに第一神様経由だけど、供給量は君が決めるわけだし」とスリス。
「あっ」
「自分で気が付いてないし」とスリス。
「ちょっと、女神隊を増やすのは中止するか?」
「そんなこと、しなくていいんじゃない? 本気で入りたいかどうかなんてバレバレなんだし」アリスが指摘する。
「ああ、そうか。入れてみてダメなら外せばいいしな」
「そうよ。遠慮は無用よ。そう言っとけば無理やり入ることもないでしょ?」
「うん。そうかもな」
俺のグループの事はともかく、神化リングの効果と可能性が広く知れ渡っただけで神界の雰囲気がガラッと変わったそうである。
実際に神化リングが手に入るかどうかとは、また別の話のようだ。今まで無かった可能性が生まれたのが大きい。結婚なんてずいぶん先の話なのに心を躍らせる思春期の少年少女のようなものか?
* * *
しかし、話はまだ終わっていなかった。
ある日、女神スリスが執務室にやって来て言った。
「元、君と同じグループだった神からグループ加入の話が来てるんだけど?」
俺の記憶がないので、元上位神だった女神スリスに話が来るようだ。
「そうは言ってもなぁ。全然記憶ないし。いや、記憶がちょっとだけある神様とかもいるんだけどね。百年分だけなんだよな」
「ううん、君がこの世界の担当神になったあとは地上界にばかり居たから、あまり知り合いは多くないと思うけど……」
「その二千年分の記憶が無いのは、やっぱり大きいな」
「それって、君が神界にいたほとんどだからね!」
「あ~、そうなんだ。その前ってどうだったの?」
「その前? それは、普通に人間よ」
「いきなり、人間から神になったの?」
「そうじゃなくて、一旦霊界に入るの。そこで見出されて使徒になったり、神になったりするのよ」
「そうか。じゃぁ、無くしたのは二千年分だけか!」
「たぶんね。たかだか二千年よ。ただ、君の事だから彼方此方に迷惑掛けてた気がするけど」
「あ~っ、その記憶は戻したいなぁ。てか、戻さないといけない気がする。う~ん、なんとかならないかな~」
そう言って俺が考えているのをみて、女神スリスは驚いていた。
「それって、まだ可能性が残ってるってこと?」
「うん? まぁね。すぐには実現しそうもないけど」
「やっぱり君、おもしろい!」
俺、面白いんだ。
てか、来ちゃった。はい、俺のせいです。知らんけど。
これも神化リングの影響なので、また神界評議会で吊るし上げられるかと思ったら、そんなことにはならなかった。
どうも、不干渉主義者たちも恋をしたいようなのだ。
急に「あれは、いいものですね」なんて言われ始めたらしい。いや、神界に行ってないから聞いた話だけど。
もちろん、神化リングの効果があるのは女神だけではない。男神にも有効である。それを俺が証明しているとも言える。それで、神界全体が恋の季節という訳である。
ただ、現状では神化リングの生産には限界がある。
っていうか俺しか作れない。さらに、こんなに影響の大きなものを簡単に供給できない。
もちろん、いきなり朝から晩までキューピットじゃあるまいし神の恋の手伝いなんてやってられない。そもそも神化リングのおまけ的な効果だしな。
そうなると、どうなるかと言うと……。
「いきなり、あんたのグループに入りたいって神様が殺到してるんだけど?」
「やっぱり、そう来たか。神化リング狙いだよな?」
「そうよね」
神化リングが神力パワーを強化するという事だけなら、神力強化の必要のない神様には意味が無かった。しかし、子孫を残せるとなったら話は別だ。今では奇跡のキューピットリングなんて言われているそうだ。
* * *
「で、どうするの? 奇跡のキューピットさん」
「おい! やめろ!」
「でも、何とかしなくちゃね?」
「ううん。本当に、そんなことになるのかなぁ?」
ぽっ
女神カリス登場。
「ごめんなさい。こんな騒ぎになっちゃって」
女神カリスは済まなそうに言った。
「いや、これはしょうがないでしょう。っていうか、悪い事じゃないし。神化リングの影響なので俺のせいでしょう」
「そう言ってくれると助かります」
「それで、本当に神様の子孫が残せるんですか?」
「そこはまだ確証はないんです」
「ああ、そうか。俺にしても美鈴にしても元人間ですからね」
「はい、そうなんです。神格化五十パーセントまでなら今までも実績があったので騒ぐことでは無いんです。ですが、神格化百パーセントでも神化リングがあれば可能性が出てきます」
「可能性が?」
「はい、百パーセント神格化はしていても遺伝子情報は保持しているんです。神力カラーもその影響を受けています」
「ああ、なるほど。そういう個人情報として持ってるってことですね」
「はい。さらに、それだけではありません。顕現して地上界で生活していれば当然その情報に基づいて肉体が作られます。ですから原理的には可能なんです。ただ今までは時間が掛かるので実行されなかっただけです」
「ああ、実質的に不可能だっただけなんだ」
「そうです。ですが、神化リングがあれば別です」
「そういうことか」
「ただし、本当に子供が出来るかどうかは保証できません」
ああ、そういえば、アリスが神界に帰れなかったとき人間になっちゃうとか騒いでたっけ。なんだ、普通に人間になるんじゃん。まぁ、普通は神力枯渇しないんだろうけど。
「あれ? 神界に戻れないんじゃないの?」
「だから百パーセント肉体化したらね」とアリス。
「ああ、そういうことか。神力があるうちはいいんだ」
「そうね。百パーセントにはならないから」
なるほど。ってことは、思いっきり子供が出来そうだな。
時間が掛かるって言っても気にしないだろうし。数百年だとしても神様にとってはすぐだよな。
例え出来なかったとしても、恋は一握りの希望があれば十分だという話だしな。そりゃ、こうなるか。
しかし、どうしたもんかなぁ。神化リングを作るのはいいけど。ここは第一神様に判断してもらおう。
* * *
ということで、第一神様にお伺いをたてることにした。
ー そうじゃのぉ。難しいのぉ。とりあえず、神化リングは神界に必要じゃろう。いいものじゃ。
ー はい。ありがとうございます。
ー ただ、影響が大きいな。実際、どんな影響が出るのか見極める必要があるじゃろう。
ー そうなんです。需要があるからと供給していいものかどうか。
ー ふむ。とりあえず、今まで通りお主がグループ内で配るのは問題無いじゃろ。問題はグループ外の扱いじゃな。
ー はい。リング欲しさにグループに入るって言うのは、マズいと思います。
ー それでも構わんと思うがの。敵対グループに渡したくはなかろろう?
ー まぁ、そう言われればそうですが、いつまでも敵対していたい訳でも無いですし。そういう政治的な使い方はしたくないと思ってます。
ー そうか。ならば、グループ外では、わしが供給するとしよう。無理せずに神化リングを作ってくれれば、それで良い。
ー 分かりました。
ー ああ、わしが供給するリングとお主がグループ内で渡すリングを区別できるかのぉ?
ー はい、それならデザインを変えましょう。
ー うむ。そうしてくれると助かる。では、頼んだぞ。
ー はい。お任せください。
ということで、いままではテスト扱いだった神化リングだが、こうして正式に神界に供給されることになった。しかも第一神様自ら供給してくれることに。
* * *
「あんた、さらに重要な存在になったって認識してるわよね?」
ことの成り行きを横で聞いていたアリスが突っ込んできた。
第一神様に相談したので俺の執務室には女神隊全員が集合している。
「そうよね。第一神様を政治的にも強化したことになるわね」とイリス様が説明してくれた。
「なるほど」
「相変わらずなのである」
「やっぱり、リュウジ怖い」
「うっ」
「ほんとに、面白いよね君。何しでかすか楽しみで仕方ない」と女神スリス。
「お互い様です」
最近女神隊に入った俺の元上位神の女神スリスも来ていた。
「でも、これで一安心だ。第一神様にお願いしちゃったからな」
「ちゃっかりしてるわね!」とアリス。
とりあえず、風当たりは弱くなるだろう。
「でも、神界の政治に全く無関係ではいられないかもね」
俺の元上位神の女神スリスのほうが神界の事情に詳しいから気になるようだ。
「ああ、確かに第一神様からも神化リングを供給するけど、俺のグループに入るのが一番近道だからな」
「そういうことね。それに第一神様経由だけど、供給量は君が決めるわけだし」とスリス。
「あっ」
「自分で気が付いてないし」とスリス。
「ちょっと、女神隊を増やすのは中止するか?」
「そんなこと、しなくていいんじゃない? 本気で入りたいかどうかなんてバレバレなんだし」アリスが指摘する。
「ああ、そうか。入れてみてダメなら外せばいいしな」
「そうよ。遠慮は無用よ。そう言っとけば無理やり入ることもないでしょ?」
「うん。そうかもな」
俺のグループの事はともかく、神化リングの効果と可能性が広く知れ渡っただけで神界の雰囲気がガラッと変わったそうである。
実際に神化リングが手に入るかどうかとは、また別の話のようだ。今まで無かった可能性が生まれたのが大きい。結婚なんてずいぶん先の話なのに心を躍らせる思春期の少年少女のようなものか?
* * *
しかし、話はまだ終わっていなかった。
ある日、女神スリスが執務室にやって来て言った。
「元、君と同じグループだった神からグループ加入の話が来てるんだけど?」
俺の記憶がないので、元上位神だった女神スリスに話が来るようだ。
「そうは言ってもなぁ。全然記憶ないし。いや、記憶がちょっとだけある神様とかもいるんだけどね。百年分だけなんだよな」
「ううん、君がこの世界の担当神になったあとは地上界にばかり居たから、あまり知り合いは多くないと思うけど……」
「その二千年分の記憶が無いのは、やっぱり大きいな」
「それって、君が神界にいたほとんどだからね!」
「あ~、そうなんだ。その前ってどうだったの?」
「その前? それは、普通に人間よ」
「いきなり、人間から神になったの?」
「そうじゃなくて、一旦霊界に入るの。そこで見出されて使徒になったり、神になったりするのよ」
「そうか。じゃぁ、無くしたのは二千年分だけか!」
「たぶんね。たかだか二千年よ。ただ、君の事だから彼方此方に迷惑掛けてた気がするけど」
「あ~っ、その記憶は戻したいなぁ。てか、戻さないといけない気がする。う~ん、なんとかならないかな~」
そう言って俺が考えているのをみて、女神スリスは驚いていた。
「それって、まだ可能性が残ってるってこと?」
「うん? まぁね。すぐには実現しそうもないけど」
「やっぱり君、おもしろい!」
俺、面白いんだ。
18
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
スキル『レベル1固定』は最強チートだけど、俺はステータスウィンドウで無双する
うーぱー
ファンタジー
アーサーはハズレスキル『レベル1固定』を授かったため、家を追放されてしまう。
そして、ショック死してしまう。
その体に転成した主人公は、とりあえず、目の前にいた弟を腹パンざまぁ。
屋敷を逃げ出すのであった――。
ハズレスキル扱いされるが『レベル1固定』は他人のレベルを1に落とせるから、ツヨツヨだった。
スキルを活かしてアーサーは大活躍する……はず。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる