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任務の勘違いをヤってしまった
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――王宮宰相執務室――
「宰相、レオンス・ブリオッシュ小侯爵がお見えになっておりますが⋯⋯」
「何?!ヤツは始末したはずでは?」
おかしい。レオンス・ブリオッシュ小侯爵は我がセレアル王国の暗殺部隊に始末してもらったはず。今日の昼頃に暗殺成功との報告があり、これからブドワ王国をどの様に攻めるか騎士団との会議に出席する予定だったのだが⋯⋯一体何が?
「と、とりあえず応接室にお通しするように。そしてすぐに諜報部の部長に確認してきてくれ」
「かしこまりました」
――コンコン――
「リディー!」
――コンコン――
「リディー起きて!!部長が呼んでるわよ!!」
「ん⋯⋯部長?え?何?」
先程眠りについたばかりですが部長がお呼びとの事。急いで準備をして諜報部の部長室に駆け付けます。
――コンコン――
「リディー・スペキュロスです」
「入れ!」
部長は何か焦っているようです。まさか私が何かしてしまったのでしょうか。
「リディー・スペキュロスよ。先ほど任務は遂行されたと聞いたが、間違いないな?」
「は!」
「チッ、やはりレオンス・ブリオッシュ小侯爵は只者じゃないな。替え玉か?こちらの動きを読んで策を練っていたのか⋯⋯」
レオチンさんに何かあったのでしょうか。ぎっくり腰になってしまったとか?あれだけ振り回したら当たり前だと思います。
「リディー、あなたは小侯爵の顔を知らなかったわよね?残念ながらあなたは星を間違えたのよ。任務は失敗」
「え?!そんなはずは!」
きちんと指定された部屋に侵入したはずです。
⋯⋯でしたら私は今朝まで一体誰と寝ていたのでしょう?!ショックで目の前が真っ暗になりました。
「今レオンス・ブリオッシュ小侯爵は宰相と話し合いをしている。リディー、小侯爵の顔を確認に行くぞ」
「は、はい」
生きた心地のしないまま、部長の背中を追い王宮にある宰相の応接室前に着きました。
「このドアの隙間から見えるか?どうだ?」
「⋯⋯見えないですね⋯⋯もう少し近くから見たいですね⋯⋯」
後ろ姿の男性が見えますが、肝心の顔が見えません。
「では侍女のふりをして替えのお茶を持って行け。いいな?相手は相当なやり手だ。ミスはするなよ」
「は!」
すぐに侍女のお仕着せに着替え、お茶を乗せたワゴンを押して室内に入り、小侯爵の顔を直視しない様にしながら顔を確認します。
「あ!女神!こんな所で会えるとは!」
「えぇ?!」
やっぱりこの方はレオチンさんです。私は任務の失敗はしていませんでした。
「宰相!この方です!この方が女神様で、これからも一緒に過ごせるならば私はブドワ王国を捨てます!」
「えぇぇ?!」
一体何事でしょうか?ブドワ王国を支えている人間がブドワを捨てるなんて本気でしょうか?!
「そ、そうか、うん。君!レオンス・ブリオッシュ小侯爵に仕えるように。それでブドワ王国をどうなさるおつもりで?」
「あぁ――」
ブドワ王国は駄目な王族に酷い貴族が蔓延り、今まで何とかレオチンさんとブドワの宰相の二人で頑張ってきたけれど、すでに末期だとか。
レオチンさんはこのセレアル王国の国民達が生き生きと楽しそうに生きているのを見て、今のブドワ王朝を終わりにしなくてはならないと思ったそうだ。
「私の願いはブドワをセレアル王国の一部にしていただき、ブドワの国民もセレアル王国の国民と同等の扱いを求めます。
今いるブドワの王族及び貴族は腐敗が進んでおりますので、然るべき対応をすぐにいたします。
そして⋯⋯私はこの件に対し全面協力いたしますので、真面目なブドワの宰相は処罰せず、ここにおられる女神様を私に下さい!!」
「レオンス・ブリオッシュ小侯爵、あなたの決断に心から感銘した。では共に話を詰めようではないか!」
よくわからない展開に私はついていけませんでした。
「リディー、お前は一体何を小侯爵にしたんだ?まぁその結果、命じられた任務以上の働きをした事になったが⋯⋯だが騎士団の命令が絶対だ。任務は忠実に熟さなくてならない」
「は!部長発言よろしいでしょうか?私はきちんと任務を遂行いたしました。レオンス・ブリオッシュ小侯爵とヤりました」
「⋯⋯ん?小侯爵と?と?とは何?」
「ですから彼をベッドに縛って襲って『もうダメだ、あぁぁ』って言わせました。子種もすっからかんになるほど絞りました。最後は泡でした」
「「え?!」」
どうやらリディーはヤるの意味を勘違いしていたみたいだった。
――後日――
「リディー・スペキュロスよ任務だ。レオンス・ブリオッシュ小侯爵を手玉にせよ。この国にとって彼は有益な人物だ」
「は!」
「以上だ。仕事に戻れ!」
「部長、リディーは大丈夫でしょうか?また何かやらかすのでは?」
「しかし小侯爵はリディーをお求めだ。リディー以外に小侯爵を操れる者はいない。さすがにもう勘違いは無いだろう」
次の任務はレオチンさんの玉を転がす任務です。先日少しだけレオ玉を手のひらで転がしたのですが、まだまだテクが足りないでしょう。一応クルミ二つを手の中でクルクル回転させて手の鍛錬はしていますが。
今夜は行きつけのお店に相談して学び、知識を得てからレオチンさんのレオ玉に向かいましょう。
私は今、騎士団員として確かな手ごたえを感じています。
「よし!全力で玉転がすぞ――!!!」
リディーは今日も勘違いしている事に気づかないのだった。
「宰相、レオンス・ブリオッシュ小侯爵がお見えになっておりますが⋯⋯」
「何?!ヤツは始末したはずでは?」
おかしい。レオンス・ブリオッシュ小侯爵は我がセレアル王国の暗殺部隊に始末してもらったはず。今日の昼頃に暗殺成功との報告があり、これからブドワ王国をどの様に攻めるか騎士団との会議に出席する予定だったのだが⋯⋯一体何が?
「と、とりあえず応接室にお通しするように。そしてすぐに諜報部の部長に確認してきてくれ」
「かしこまりました」
――コンコン――
「リディー!」
――コンコン――
「リディー起きて!!部長が呼んでるわよ!!」
「ん⋯⋯部長?え?何?」
先程眠りについたばかりですが部長がお呼びとの事。急いで準備をして諜報部の部長室に駆け付けます。
――コンコン――
「リディー・スペキュロスです」
「入れ!」
部長は何か焦っているようです。まさか私が何かしてしまったのでしょうか。
「リディー・スペキュロスよ。先ほど任務は遂行されたと聞いたが、間違いないな?」
「は!」
「チッ、やはりレオンス・ブリオッシュ小侯爵は只者じゃないな。替え玉か?こちらの動きを読んで策を練っていたのか⋯⋯」
レオチンさんに何かあったのでしょうか。ぎっくり腰になってしまったとか?あれだけ振り回したら当たり前だと思います。
「リディー、あなたは小侯爵の顔を知らなかったわよね?残念ながらあなたは星を間違えたのよ。任務は失敗」
「え?!そんなはずは!」
きちんと指定された部屋に侵入したはずです。
⋯⋯でしたら私は今朝まで一体誰と寝ていたのでしょう?!ショックで目の前が真っ暗になりました。
「今レオンス・ブリオッシュ小侯爵は宰相と話し合いをしている。リディー、小侯爵の顔を確認に行くぞ」
「は、はい」
生きた心地のしないまま、部長の背中を追い王宮にある宰相の応接室前に着きました。
「このドアの隙間から見えるか?どうだ?」
「⋯⋯見えないですね⋯⋯もう少し近くから見たいですね⋯⋯」
後ろ姿の男性が見えますが、肝心の顔が見えません。
「では侍女のふりをして替えのお茶を持って行け。いいな?相手は相当なやり手だ。ミスはするなよ」
「は!」
すぐに侍女のお仕着せに着替え、お茶を乗せたワゴンを押して室内に入り、小侯爵の顔を直視しない様にしながら顔を確認します。
「あ!女神!こんな所で会えるとは!」
「えぇ?!」
やっぱりこの方はレオチンさんです。私は任務の失敗はしていませんでした。
「宰相!この方です!この方が女神様で、これからも一緒に過ごせるならば私はブドワ王国を捨てます!」
「えぇぇ?!」
一体何事でしょうか?ブドワ王国を支えている人間がブドワを捨てるなんて本気でしょうか?!
「そ、そうか、うん。君!レオンス・ブリオッシュ小侯爵に仕えるように。それでブドワ王国をどうなさるおつもりで?」
「あぁ――」
ブドワ王国は駄目な王族に酷い貴族が蔓延り、今まで何とかレオチンさんとブドワの宰相の二人で頑張ってきたけれど、すでに末期だとか。
レオチンさんはこのセレアル王国の国民達が生き生きと楽しそうに生きているのを見て、今のブドワ王朝を終わりにしなくてはならないと思ったそうだ。
「私の願いはブドワをセレアル王国の一部にしていただき、ブドワの国民もセレアル王国の国民と同等の扱いを求めます。
今いるブドワの王族及び貴族は腐敗が進んでおりますので、然るべき対応をすぐにいたします。
そして⋯⋯私はこの件に対し全面協力いたしますので、真面目なブドワの宰相は処罰せず、ここにおられる女神様を私に下さい!!」
「レオンス・ブリオッシュ小侯爵、あなたの決断に心から感銘した。では共に話を詰めようではないか!」
よくわからない展開に私はついていけませんでした。
「リディー、お前は一体何を小侯爵にしたんだ?まぁその結果、命じられた任務以上の働きをした事になったが⋯⋯だが騎士団の命令が絶対だ。任務は忠実に熟さなくてならない」
「は!部長発言よろしいでしょうか?私はきちんと任務を遂行いたしました。レオンス・ブリオッシュ小侯爵とヤりました」
「⋯⋯ん?小侯爵と?と?とは何?」
「ですから彼をベッドに縛って襲って『もうダメだ、あぁぁ』って言わせました。子種もすっからかんになるほど絞りました。最後は泡でした」
「「え?!」」
どうやらリディーはヤるの意味を勘違いしていたみたいだった。
――後日――
「リディー・スペキュロスよ任務だ。レオンス・ブリオッシュ小侯爵を手玉にせよ。この国にとって彼は有益な人物だ」
「は!」
「以上だ。仕事に戻れ!」
「部長、リディーは大丈夫でしょうか?また何かやらかすのでは?」
「しかし小侯爵はリディーをお求めだ。リディー以外に小侯爵を操れる者はいない。さすがにもう勘違いは無いだろう」
次の任務はレオチンさんの玉を転がす任務です。先日少しだけレオ玉を手のひらで転がしたのですが、まだまだテクが足りないでしょう。一応クルミ二つを手の中でクルクル回転させて手の鍛錬はしていますが。
今夜は行きつけのお店に相談して学び、知識を得てからレオチンさんのレオ玉に向かいましょう。
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