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第一章
佐藤はロバの能力にビビる
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「これでいいわね。さあ帰りましょう」
「いやいや無理っすよ!!」
ボロ荷馬車に重そうな悪人を七人積んで進む訳なし。だってけん引するのはアホそうなロバ一頭だもの。
「あら?ロバって意外と持久力があるのよ?」
「無理です!あのロバ動く気ないっすよ!言う事全然聞きません!!」
ボケ~っとしているし引っ張っても動く気皆無。大きい黒目が一体どこを見ているのかすらわからない。
「シュクルは嫌われたのよ。心のどこかでロバをバカにしたでしょ?」
「うっそ?!」
マジか?!ロバって人の心に敏感なのか?!だがこのやる気のない現状を見たらそうなのかもしれない⋯⋯
「シュクルが悪いわ~その荷台はシュクルが責任を持って引きなさいね」
「ヒェー」
仕方がないのでロバから荷台を外し、私が引く。う~重いぞ。何で私の体力を鬼畜罪人の輸送のために使わなきゃならんのだ!こいつらの骨さえ折れていなければ紐で縛って各自町まで歩かせたのにな。
「さすがにロバ一頭は無茶だったわね⋯⋯でも馬の三分の一の値段だったし、私の馬は足がつくから使いたくなかったし⋯⋯」
「ギルド長何か言いました?」
「何でもないわ~さあ行きましょうね」
私達はヴィアンネイの冒険者ギルドへ向かう。さてどうなるかな。
「こんにちは。国境を越えようとしたら賊に襲われまして、その賊を退治しました~」
「えぇ?少々お待ちください!」
私とギルド長は身分を隠してギルドに訪れた。実はこれからがこの討伐の本番だったりする。
そのまま私達は一時間ほど待たされた。そして⋯⋯
「ここか?賊が捕まったと聞いたのだが」
「はい。外の荷馬車におります」
偉そうな貴族のおっさんが賊の確認にやって来た。
ギルド長と私は、外の荷馬車にボロ布を掛けて隠していた七人の賊を見せる。
「うむ。ご苦労だった」
貴族のおっさんは顔色一つ変えず、七人を回収するように下の者に言った。
「この者達はどうなるのでしょう?」
「お前らの知る所ではない」
懐から小さな巾着を投げつけてきた。中身はお金だろうが態度がいちいち失礼だ。
お金は投げちゃいけないんだぞ!大黒様にでも弁天様にでも嫌われろ!心の中でキレておく。
そして貴族も賊も去って行った。
「シュクルどう思う?」
「そうですね⋯⋯」
ギルド長がカウンターで賊を討ったと職員に伝えた瞬間に、一人の職員がギルドから静かに抜け出た。多分ヴィアンネイ辺境伯家に伝えに行ったのだろうと思われる。その行動でギルドすら信用ならない事がわかる。
かなり問題視されていた賊が討たれたとなれば普通ギルド長に伝えに行くとか、ギルド内も大騒ぎになるはずだがそうはならなかった。ギルド職員達はコソコソ話していたが耳のいい私には聞こえていた『旅行者だから』だの『マズイぞ』だとか。本来であれば喜ぶべき所なのにギルド内は後ろめたい雰囲気が漂っていた。
これだけ危険な賊がいたのにギルドにクエストが出ていなかったし、ヴィアンネイ辺境伯家は騎士に討伐もさせていなかった。ヴィアンネイ辺境伯もヴィアンネイのギルドも黒だ。それに賊を貴族に引き渡す時、賊の一人がほっとした顔をしたのが印象的だった。
「あの賊どうなるんでしょうね?」
「この感じじゃ解放されるんじゃないかしらね?まぁ分かっていた事だもの。これで指令通り裏が取れたわ~さて行くわよ~」
私達はまたあの廃墟へと戻った。
「ポムこれを運んでね」
ギルド長は大きなフクロウの足に手紙を結び付けた。
「大きいフクロウですよね。大人しくて可愛い」
「シュクルも学院に行ったら使い魔を手に入れられるわよ。どんな子が使い魔になるのかしらね?」
「使い魔!!」
使い魔だって?!超欲しい!凄い異世界を感じる!私は学院に通うのが楽しみになった。
「さて、この男から情報を抜き出すべきか、担当者を待つべきか⋯⋯」
ギルド長は八人の賊の内の七人をギルドへ連れて行って、一人は監禁していたのだ。
勿論ギルドも辺境伯も信用できないからだった。
使い魔ポムはすぐに戻って来た。
「何々?こちらに運ぶからこの件は終了?残念だわぁ~シュクルの教育に使おうと思ったのねぇ」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
何の教育だろうか。考えるだけで恐ろしい。
「じゃあご飯でも食べましょ?ヴィアンネイ辺境伯からお金貰ったしね」
賊がしっかりと縛られているかを確認して、手紙で指定された場所へ運んでから町へと戻り食事をとる。その後、泊っている宿へ戻った。
私は質素なベッドの上で寝転がりながら考える。
ギルド長は謎が多い。誰かの指示で動いているが、誰かはわからないし、何故私が巻き込まれているのかも不明だ。
べレンガー辺境伯家へガラスを割りに行ったのは多分戦闘力だとか賊に対する反応速度だとかを確認していたのだと思う。ギルド長のやり方はハチャメチャだが。
そしてガラスを割った後もポムに手紙を運ばせていた。
はぁマジで色々わからない。それとなく聞いても躱されるんだよな。
考えても仕方ないし、少しでもギルド長の巧の技を少しでも多く盗んでやろうと心に決めながら眠りに落ちた。
「いやいや無理っすよ!!」
ボロ荷馬車に重そうな悪人を七人積んで進む訳なし。だってけん引するのはアホそうなロバ一頭だもの。
「あら?ロバって意外と持久力があるのよ?」
「無理です!あのロバ動く気ないっすよ!言う事全然聞きません!!」
ボケ~っとしているし引っ張っても動く気皆無。大きい黒目が一体どこを見ているのかすらわからない。
「シュクルは嫌われたのよ。心のどこかでロバをバカにしたでしょ?」
「うっそ?!」
マジか?!ロバって人の心に敏感なのか?!だがこのやる気のない現状を見たらそうなのかもしれない⋯⋯
「シュクルが悪いわ~その荷台はシュクルが責任を持って引きなさいね」
「ヒェー」
仕方がないのでロバから荷台を外し、私が引く。う~重いぞ。何で私の体力を鬼畜罪人の輸送のために使わなきゃならんのだ!こいつらの骨さえ折れていなければ紐で縛って各自町まで歩かせたのにな。
「さすがにロバ一頭は無茶だったわね⋯⋯でも馬の三分の一の値段だったし、私の馬は足がつくから使いたくなかったし⋯⋯」
「ギルド長何か言いました?」
「何でもないわ~さあ行きましょうね」
私達はヴィアンネイの冒険者ギルドへ向かう。さてどうなるかな。
「こんにちは。国境を越えようとしたら賊に襲われまして、その賊を退治しました~」
「えぇ?少々お待ちください!」
私とギルド長は身分を隠してギルドに訪れた。実はこれからがこの討伐の本番だったりする。
そのまま私達は一時間ほど待たされた。そして⋯⋯
「ここか?賊が捕まったと聞いたのだが」
「はい。外の荷馬車におります」
偉そうな貴族のおっさんが賊の確認にやって来た。
ギルド長と私は、外の荷馬車にボロ布を掛けて隠していた七人の賊を見せる。
「うむ。ご苦労だった」
貴族のおっさんは顔色一つ変えず、七人を回収するように下の者に言った。
「この者達はどうなるのでしょう?」
「お前らの知る所ではない」
懐から小さな巾着を投げつけてきた。中身はお金だろうが態度がいちいち失礼だ。
お金は投げちゃいけないんだぞ!大黒様にでも弁天様にでも嫌われろ!心の中でキレておく。
そして貴族も賊も去って行った。
「シュクルどう思う?」
「そうですね⋯⋯」
ギルド長がカウンターで賊を討ったと職員に伝えた瞬間に、一人の職員がギルドから静かに抜け出た。多分ヴィアンネイ辺境伯家に伝えに行ったのだろうと思われる。その行動でギルドすら信用ならない事がわかる。
かなり問題視されていた賊が討たれたとなれば普通ギルド長に伝えに行くとか、ギルド内も大騒ぎになるはずだがそうはならなかった。ギルド職員達はコソコソ話していたが耳のいい私には聞こえていた『旅行者だから』だの『マズイぞ』だとか。本来であれば喜ぶべき所なのにギルド内は後ろめたい雰囲気が漂っていた。
これだけ危険な賊がいたのにギルドにクエストが出ていなかったし、ヴィアンネイ辺境伯家は騎士に討伐もさせていなかった。ヴィアンネイ辺境伯もヴィアンネイのギルドも黒だ。それに賊を貴族に引き渡す時、賊の一人がほっとした顔をしたのが印象的だった。
「あの賊どうなるんでしょうね?」
「この感じじゃ解放されるんじゃないかしらね?まぁ分かっていた事だもの。これで指令通り裏が取れたわ~さて行くわよ~」
私達はまたあの廃墟へと戻った。
「ポムこれを運んでね」
ギルド長は大きなフクロウの足に手紙を結び付けた。
「大きいフクロウですよね。大人しくて可愛い」
「シュクルも学院に行ったら使い魔を手に入れられるわよ。どんな子が使い魔になるのかしらね?」
「使い魔!!」
使い魔だって?!超欲しい!凄い異世界を感じる!私は学院に通うのが楽しみになった。
「さて、この男から情報を抜き出すべきか、担当者を待つべきか⋯⋯」
ギルド長は八人の賊の内の七人をギルドへ連れて行って、一人は監禁していたのだ。
勿論ギルドも辺境伯も信用できないからだった。
使い魔ポムはすぐに戻って来た。
「何々?こちらに運ぶからこの件は終了?残念だわぁ~シュクルの教育に使おうと思ったのねぇ」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
何の教育だろうか。考えるだけで恐ろしい。
「じゃあご飯でも食べましょ?ヴィアンネイ辺境伯からお金貰ったしね」
賊がしっかりと縛られているかを確認して、手紙で指定された場所へ運んでから町へと戻り食事をとる。その後、泊っている宿へ戻った。
私は質素なベッドの上で寝転がりながら考える。
ギルド長は謎が多い。誰かの指示で動いているが、誰かはわからないし、何故私が巻き込まれているのかも不明だ。
べレンガー辺境伯家へガラスを割りに行ったのは多分戦闘力だとか賊に対する反応速度だとかを確認していたのだと思う。ギルド長のやり方はハチャメチャだが。
そしてガラスを割った後もポムに手紙を運ばせていた。
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