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第一章
佐藤+シュクル<伯爵
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ショート動画を何本もランダムに見ている感じだった。
「ん?ここはどこだ?」
家ではないしホテルかな?いつホテルに着いたんだろうな。
お腹減ったな。今何時だろう?ギルド長はどこかな?ニーチェはいないのかな?
「気が付きましたか?」
「は、はい」
えぇ?誰だ?知らない人が部屋に入って来たぞ?!てかこの部屋やけに広くて豪華だな。ホテルではないのか?
「お水はいかがですか?」
「⋯⋯いただきます」
この女性に質問してもいいのかな?
「あの⋯⋯」
「シュクル起きた~?」
ギルド長が部屋に入って来た。知っている人の顔が見られて少し安心したな。
「はい。所でここはどこですか?」
「クロワサントゥ伯爵家よ~ここは医療騎士の家だから安心してね~」
「あの、どうして私はここにいるのでしょう?」
「シュクルは魔力暴走を起こしかけたのよ。どうしてそんなになるまで魔力を貯めてたの?とっても危険よ」
魔力暴走とは何だろうか。知らぬ間に私が何かしてしまったのか?魔力を貯めるとはどんな感じなのだろうか。分からない。
「ちょうど魔力を吸い取って資源に変える魔道具の実験が出来てよかったですよ」
「ん?」
部屋に銀髪の年齢不詳な騎士団の制服を着た騎士がいた。この人が伯爵だろうか。
「シュクルさんだったかな?私はナルシス・ラ・クロワサントゥです。医療騎士だから心配しないでね。シュクルさんは体に物凄い量の魔力を貯めていたんです」
「あ、始めましてシュクル・ラ・パンです。その魔力ですが私は全く気付きませんでしたが⋯⋯」
「意識を失う前に大きな感情の変化とか、苦しくなったり熱を出したりはありませんでしたか?普通はそれなりに前兆があるものですが⋯⋯」
どうしよう⋯⋯全くなかったぞ。魚肉が美味しかっただけだ。
「シュクルさんはいくつですか?多分うちの娘と同じ位だと思いますが、うさぎ獣人ですよね?獣人抜きにして人間と比べてもこの魔力量は驚きです。初めてかもフフフ」
「十歳です⋯⋯母は獣人ですが父は人間なので⋯⋯」
あ、この人少し変人毒草家トーマスと通ずるマッドサイエンティストの目をしている気がする。危険だ。私を実験動物にするかもしれない。早めに逃げたいが、お世話になっただろうし伯爵とは高位貴族だな⋯⋯
「娘と同じ年ですね!学院で一緒になるかもしれないね。あー残念⋯⋯ちょうど娘は妻と領地にいるのですよ。少し大人びた娘でね、お友達がいないからシュクルさんと会えたらよかったのでけれど」
「⋯⋯それは残念でした」
同級生になる子とは会ってみたいが、今は置かれている状況が把握できていないので不在でよかった。
「まだお疲れかもしれないけれど、少しお話伺ってもいいですか?」
「私に答えられる事でしたら⋯⋯」
伯爵は私が意識を失う前に何をしていたのかを尋ねてきたので正直に答えた。
まだ十歳の少女一人でギルド長の命令の元、湖で巨大うなぎ魔魚を四匹討伐し、それをすべて食べた事を。
「でも変な感じでした。一口食べたら妙な高揚感に溢れて次々食べてしまうんです。確かその間、恋愛の舞台を観ていたような不思議な体験でした」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
伯爵の首が肩にぶつかるくらい真横に曲がった。そして緩やかに窓辺に寄りかかって寛いでいたギルド長の方へ目線が動く。
「⋯⋯セリーヌ?」
「シュクルは次世代の獣人王になるのよ!修行が必要なの」
「まだ十歳の子供でしょう?何をさせているのです?それにあなたがそばで監視していたのですよね?倒れる前に異変に気付けなかったのですか?」
「う~ん?ん~~~?」
ギルド長は遠くで酒飲んでましたよ。私のハチャメチャな討伐風景を酒の肴にしてね。
「セリーヌあなたって人は⋯⋯それでシュクルさんについてですが正直わからない事だらけです。今は想像でしかありませんが、何かのギフトをお持ちの可能性が高いですね」
「ギフトとは何ですか?」
伯爵が教えてくれたのは、たまに生まれつき特殊能力を持っている人がいるそうだ。佐藤もファンタジー小説や漫画で見た事がある。
「これは想像ですがシュクルさんは食べた物から魔力を得られるのかもしれません。ですので魔魚を食べ過ぎて魔力過多となり倒れたのではないかと」
「なるほど!」
伯爵の想像はかなり的を得ていると思う。グリフォンと過ごした三年間の間に魔獣の肉を食べ続けていたから、家に戻った時に魔力量が多くなっていたのだろう。
「でもこの子魔獣とお話出来るのよ~それもギフトかしら?」
「⋯⋯はい?」
伯爵はフリーズした。あ、これは確実に普通じゃないんだな。良くない傾向だ。
シュクル母が言っていた『貴族の前で目立っては駄目よ。愛人にされてしまうかもしれないわ』を思い出す。この伯爵はその辺りについては常識人ぽいが、仲間の騎士に変態ロリコン騎士がいるかもしれないので油断はできない。
それにこれ以上マッドサイエンティストの興味を引くのは避けたい。このまま実験動物用の檻に入れられたら終了だ。
どうしようかな不思議ちゃん風な子供を装うか?クラスに一人はいただろう?天然装って変な言動を繰り返していた自称不思議ちゃん。
『自分天然だから~』とか自分で言っちゃってな。本物の天然ボケは自分を天然などど思ってはいない。割と賢い方だと思っているものさ。同属:自称サバサバ女(佐藤姉談)
うむ。少々恥ずかしいがこれでいこう――
「シュクルはグリフォンの家族と育ったのよ~」
「⋯⋯はい?」
あぁギルド長このタイミングで何て事を⋯⋯天然不思議ちゃん化計画は厳しいな。たった今、天然越えしてしまった。なら⋯⋯
「すみません!それは嘘です!私は普通に人間の家族と共に育ちました」
「えぇ?シュクルいきなりどうしたのよ?」
「子供のいたずらで嘘を言ってしまったんです。ごめんなさい!」
これでいいだろう。子供が嘘をついてしまう事は間々ありえる。しかも自主的によい子のごめんなさい!も言えている。大人は許すしかないはずだ。ククク
「⋯⋯では、もしシュクルさんはとても強い騎士で、悪さをしているグリフォンの討伐をして欲しいとお願いされたら討伐できますか?」
「え?」
何でこんな質問するのだろうか。この伯爵は医師だが騎士団所属だ。将来私が騎士になるのなら彼は私より階級がかなり上になる。正直グリフォンの討伐はしたくないが命令違反は許されないだろう。何て答えよう⋯⋯
「⋯⋯」
「そうかグリフォンの件は真実だね。それに魔獣と会話出来るのか、凄いな。もしはぐれ魔獣が攻めて来たら会話で追い返せる?」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「ははは、どうして真実だとわかったのか知りたいですか?そんなの簡単ですよ。私は『もしシュクルさんが強い騎士なら~』と『悪さをするグリフォン』と言いました。ごく普通の子供ならグリフォンを討伐するって即答しますよ。だってもしの話ですし、グリフォンは悪い魔獣だって周知されていますから」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯チィッ参ったな、この伯爵腹黒いぞ。佐藤とシュクルの人生総年数の方が伯爵より長いはずなのに。こういう所に人生経験の差が出るのか?
無言を続けるのも限界だな。
「でも驚きですね。まだ十歳なのに言質を取られないように無言を貫くとは。頭の中で色々計算しているのかな?」
「いえ、そんな、グリフォンの討伐なんて想像するだけで怖くてすぐに答えられませんでした」
「どういった意味での怖いですか?⋯⋯まぁ子供をイジメる趣味は無いので今日の所はそういう事にしましょう。私もそろそろ仕事に戻らないといけない時間ですので」
⋯⋯助かった。
「ホッとしましたか?」
「ヒィ!いえ、ちょっと疲れが⋯⋯」
何だ?!この人怖いぞ!早く帰りたい。
「早く出発したい様ですが是非食事をしてからお帰り下さいね。我が家の食事は美味しいと評判なのですよ。娘がかなり食事にこだわる子で日々美食を研究をしていますから」
「美食⋯⋯」
伯爵家の美食だと?想像してみるが楽しみでしかない。腹ペコだ。
「ではシュクルさんまたね」
「色々とありがとうございました」
伯爵とギルド長は部屋から出て行った。さて身支度でもするかな~美食楽しみだな~
だがベットから起き上がった瞬間、最悪な状況に今更気が付く。
「ん?ん?!ま、まさか!!」
私は綺麗な寝巻を着ている!それ即ち誰かが私の着替えをしたのだ。私の暗黒尻尾が見られたのだ!!
「あーああああああああああ!!!!」
「シュクル何事?!キャァ――――」
「ん?ここはどこだ?」
家ではないしホテルかな?いつホテルに着いたんだろうな。
お腹減ったな。今何時だろう?ギルド長はどこかな?ニーチェはいないのかな?
「気が付きましたか?」
「は、はい」
えぇ?誰だ?知らない人が部屋に入って来たぞ?!てかこの部屋やけに広くて豪華だな。ホテルではないのか?
「お水はいかがですか?」
「⋯⋯いただきます」
この女性に質問してもいいのかな?
「あの⋯⋯」
「シュクル起きた~?」
ギルド長が部屋に入って来た。知っている人の顔が見られて少し安心したな。
「はい。所でここはどこですか?」
「クロワサントゥ伯爵家よ~ここは医療騎士の家だから安心してね~」
「あの、どうして私はここにいるのでしょう?」
「シュクルは魔力暴走を起こしかけたのよ。どうしてそんなになるまで魔力を貯めてたの?とっても危険よ」
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「ちょうど魔力を吸い取って資源に変える魔道具の実験が出来てよかったですよ」
「ん?」
部屋に銀髪の年齢不詳な騎士団の制服を着た騎士がいた。この人が伯爵だろうか。
「シュクルさんだったかな?私はナルシス・ラ・クロワサントゥです。医療騎士だから心配しないでね。シュクルさんは体に物凄い量の魔力を貯めていたんです」
「あ、始めましてシュクル・ラ・パンです。その魔力ですが私は全く気付きませんでしたが⋯⋯」
「意識を失う前に大きな感情の変化とか、苦しくなったり熱を出したりはありませんでしたか?普通はそれなりに前兆があるものですが⋯⋯」
どうしよう⋯⋯全くなかったぞ。魚肉が美味しかっただけだ。
「シュクルさんはいくつですか?多分うちの娘と同じ位だと思いますが、うさぎ獣人ですよね?獣人抜きにして人間と比べてもこの魔力量は驚きです。初めてかもフフフ」
「十歳です⋯⋯母は獣人ですが父は人間なので⋯⋯」
あ、この人少し変人毒草家トーマスと通ずるマッドサイエンティストの目をしている気がする。危険だ。私を実験動物にするかもしれない。早めに逃げたいが、お世話になっただろうし伯爵とは高位貴族だな⋯⋯
「娘と同じ年ですね!学院で一緒になるかもしれないね。あー残念⋯⋯ちょうど娘は妻と領地にいるのですよ。少し大人びた娘でね、お友達がいないからシュクルさんと会えたらよかったのでけれど」
「⋯⋯それは残念でした」
同級生になる子とは会ってみたいが、今は置かれている状況が把握できていないので不在でよかった。
「まだお疲れかもしれないけれど、少しお話伺ってもいいですか?」
「私に答えられる事でしたら⋯⋯」
伯爵は私が意識を失う前に何をしていたのかを尋ねてきたので正直に答えた。
まだ十歳の少女一人でギルド長の命令の元、湖で巨大うなぎ魔魚を四匹討伐し、それをすべて食べた事を。
「でも変な感じでした。一口食べたら妙な高揚感に溢れて次々食べてしまうんです。確かその間、恋愛の舞台を観ていたような不思議な体験でした」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
伯爵の首が肩にぶつかるくらい真横に曲がった。そして緩やかに窓辺に寄りかかって寛いでいたギルド長の方へ目線が動く。
「⋯⋯セリーヌ?」
「シュクルは次世代の獣人王になるのよ!修行が必要なの」
「まだ十歳の子供でしょう?何をさせているのです?それにあなたがそばで監視していたのですよね?倒れる前に異変に気付けなかったのですか?」
「う~ん?ん~~~?」
ギルド長は遠くで酒飲んでましたよ。私のハチャメチャな討伐風景を酒の肴にしてね。
「セリーヌあなたって人は⋯⋯それでシュクルさんについてですが正直わからない事だらけです。今は想像でしかありませんが、何かのギフトをお持ちの可能性が高いですね」
「ギフトとは何ですか?」
伯爵が教えてくれたのは、たまに生まれつき特殊能力を持っている人がいるそうだ。佐藤もファンタジー小説や漫画で見た事がある。
「これは想像ですがシュクルさんは食べた物から魔力を得られるのかもしれません。ですので魔魚を食べ過ぎて魔力過多となり倒れたのではないかと」
「なるほど!」
伯爵の想像はかなり的を得ていると思う。グリフォンと過ごした三年間の間に魔獣の肉を食べ続けていたから、家に戻った時に魔力量が多くなっていたのだろう。
「でもこの子魔獣とお話出来るのよ~それもギフトかしら?」
「⋯⋯はい?」
伯爵はフリーズした。あ、これは確実に普通じゃないんだな。良くない傾向だ。
シュクル母が言っていた『貴族の前で目立っては駄目よ。愛人にされてしまうかもしれないわ』を思い出す。この伯爵はその辺りについては常識人ぽいが、仲間の騎士に変態ロリコン騎士がいるかもしれないので油断はできない。
それにこれ以上マッドサイエンティストの興味を引くのは避けたい。このまま実験動物用の檻に入れられたら終了だ。
どうしようかな不思議ちゃん風な子供を装うか?クラスに一人はいただろう?天然装って変な言動を繰り返していた自称不思議ちゃん。
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「⋯⋯はい?」
あぁギルド長このタイミングで何て事を⋯⋯天然不思議ちゃん化計画は厳しいな。たった今、天然越えしてしまった。なら⋯⋯
「すみません!それは嘘です!私は普通に人間の家族と共に育ちました」
「えぇ?シュクルいきなりどうしたのよ?」
「子供のいたずらで嘘を言ってしまったんです。ごめんなさい!」
これでいいだろう。子供が嘘をついてしまう事は間々ありえる。しかも自主的によい子のごめんなさい!も言えている。大人は許すしかないはずだ。ククク
「⋯⋯では、もしシュクルさんはとても強い騎士で、悪さをしているグリフォンの討伐をして欲しいとお願いされたら討伐できますか?」
「え?」
何でこんな質問するのだろうか。この伯爵は医師だが騎士団所属だ。将来私が騎士になるのなら彼は私より階級がかなり上になる。正直グリフォンの討伐はしたくないが命令違反は許されないだろう。何て答えよう⋯⋯
「⋯⋯」
「そうかグリフォンの件は真実だね。それに魔獣と会話出来るのか、凄いな。もしはぐれ魔獣が攻めて来たら会話で追い返せる?」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「ははは、どうして真実だとわかったのか知りたいですか?そんなの簡単ですよ。私は『もしシュクルさんが強い騎士なら~』と『悪さをするグリフォン』と言いました。ごく普通の子供ならグリフォンを討伐するって即答しますよ。だってもしの話ですし、グリフォンは悪い魔獣だって周知されていますから」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯チィッ参ったな、この伯爵腹黒いぞ。佐藤とシュクルの人生総年数の方が伯爵より長いはずなのに。こういう所に人生経験の差が出るのか?
無言を続けるのも限界だな。
「でも驚きですね。まだ十歳なのに言質を取られないように無言を貫くとは。頭の中で色々計算しているのかな?」
「いえ、そんな、グリフォンの討伐なんて想像するだけで怖くてすぐに答えられませんでした」
「どういった意味での怖いですか?⋯⋯まぁ子供をイジメる趣味は無いので今日の所はそういう事にしましょう。私もそろそろ仕事に戻らないといけない時間ですので」
⋯⋯助かった。
「ホッとしましたか?」
「ヒィ!いえ、ちょっと疲れが⋯⋯」
何だ?!この人怖いぞ!早く帰りたい。
「早く出発したい様ですが是非食事をしてからお帰り下さいね。我が家の食事は美味しいと評判なのですよ。娘がかなり食事にこだわる子で日々美食を研究をしていますから」
「美食⋯⋯」
伯爵家の美食だと?想像してみるが楽しみでしかない。腹ペコだ。
「ではシュクルさんまたね」
「色々とありがとうございました」
伯爵とギルド長は部屋から出て行った。さて身支度でもするかな~美食楽しみだな~
だがベットから起き上がった瞬間、最悪な状況に今更気が付く。
「ん?ん?!ま、まさか!!」
私は綺麗な寝巻を着ている!それ即ち誰かが私の着替えをしたのだ。私の暗黒尻尾が見られたのだ!!
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