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第一章
佐藤は船酔いしないが反対のシュクルはするだろう
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「今日は寄り道しちゃダメよ~」
「もちろんですよ。さすがにそんな鋼の心臓やお花畑頭ではないです」
今夜は大捕り物が行われる予定だ。私達が一生懸命?仕入れた情報や、魔術師達が得た情報を元に調査が水面下で行われていたのだ。今回の調査は想像以上に国と国との問題が絡んでいる。私は騎士団員ではないのでギルド長からすべての事柄については説明されていないが、何となく感じる物がある。このアテネの町に騎士団や魔術師団の人たちが紛れている気配を感じるし、ここ数日は言葉では言い表せない少しざわざわした感じがあるのだ。
それより私はニーチェが気がかりで仕方がない。ギルド長は大丈夫だとは言っていたが心配な物は心配なのだ。顔を見るまでは安心できない。
正直、回り道をしてまで公道を歩いて学校に通いたくないので、森を突っ切って学校へ通う。ニーチェと毎朝森で行って来ますの挨拶をしていたのに、できなくて寂しい。
「よお!可愛い子カイザー!元気かぁ?」
「おはようございます。先輩方!今日もいい天気ですね」
「昨日うちの料理人がよ、アイスだかアイシングだかで色付けたクッキーをカイザーに食べて欲しいって作ったんだとよ。ほら食えよ」
「うわ~!!可愛い!お花柄と動物柄だ!食べるのが可愛いそうになりますね!本当に毎日ありがとうございます!!」
ジェロームさん達は本当にいい人達だよな。少々顔が怖いし粗暴だけど付き合ってみればいい先輩だ。気づいたらすでに彼らとの思い出が何個も出来ている。
だが今夜の捕り物でどうなるかな。一応私からの調査報告として、モヴェーズ家の三男は何も知らないと伝えてあるが、間違いなく父親と長男は捕まるだろう。そうなると今後ジェロームさんはどうなるのだろう?この素晴らしい料理人の生活は大丈夫だろうか。
「カイザーは高価でもねぇただのクッキーでも喜ぶんだな。送り物の値段重視じゃねぇんだな。俺の周りは値段と価値しか見ねぇ野郎はかりだから何だろうな、言い表しくくいが⋯⋯すげぇ嬉しいな」
「料理人が私の為にわざわざ作ってくれたなんて嬉しいじゃないですか。それに実際とても美味しい!」
マジ美味しい。アイシングが甘いのでクッキーの砂糖を意図的に減らしてあるな。このアイシングのパステルカラー色はベリーを混ぜてピンクや赤、紫や黒などを作り出している。凄い手が込んでいる。見た目も味も最高だからもらった人は笑顔になる事間違いない!
「そ、そうか、今日も可愛いな。んじゃ料理人に伝えとくわ。またヨダレ垂らさねぇといいがな⋯⋯」
一時間目は剣術の稽古だ。
「よし!みんな今日は教えた攻撃を受け流しつつ反撃の動きを練習するぞ!では始め!カイザーじゃ行くぞ!」
「はい!」
アベル先生との稽古が普通になって来た。本当にありがたい事に先生は元騎士で王都の第三騎士団(魔獣討伐や荒事担当)に所属していたらしい。先生の父は騎士爵だったそうだ。
「いいぞ!だがカイザーお前は耳に気を付けろ!耳は口ほどに物を言う!お前の思考が耳から見えてるぜ!」
「マ、マジっすか~?!でも確かに私の周りには何故かエスパーが多いと思ったんですよね!原因は耳だったのか!!」
「はははは!!」
なんてこった。この間のおかしな魔術師も耳を見て私の考えが分かったのだろう。これは要注意だ。だが耳を鍛えるにはどうしたらいいのだ?!死活問題だぞ!今度母に聞こう。
「カイザー町がざわついてるな?そろそろなのか?」
「?!」
「そりゃ俺だって元第三の騎士だぞ?それくらい感じるわな。それが終わったらお前は旅立つのか?」
「え~どこまで気づいているんですか?」
「お前理事長や校長も調査してただろ?まぁ安心しろ、俺以外は気づいていないからな。それに今は腰を悪くしたからここで教師をしているが、俺もここを拠点に騎士団の活動もしている。言わば同業者だ」
「うへぇ~じゃあ理事長関係は先生に任せればよかった~」
「ははは!!!放課後俺が得た物を渡す。有効活用しろよ?絶対に魔術師団に負けるな!」
本当に騎士達は魔術師が嫌いだな。身分をひけらかして偉そうだのモヤシのくせに上から目線だの話には聞いていたが。でも洞窟の男は偉そうじゃなくて残念そうだったな。ギルド長の知り合いだから変わっている人物なのだろう。
「今日は大所帯になるからシュクルもこのバッチを胸に付けてね~」
「胸に付けるんですか?この衣装の?」
ギルド長から受け取った仕事着はピチピチ気味なクロヒョウのパジャマみたいな服だった。偏見だが大阪のおばちゃんか?だがうさ耳が出ている。
「いい?シュクルはモヴェーズ商会の商船に侵入するのよ?そして朝出航して沖に出た辺りで船員を拘束するの。船の中にはあの臭い魔術師がいるはずだから何かあったら罪を擦り付けなさい」
「はい」
今夜あの洞窟から魔獣の檻をモヴェーズ商会の船に積み込むそうだ。生きた魔獣の貿易は周辺国で禁止されている。昔、危険な魔獣を国外に追い出して周辺国に迷惑をかけた国があったそうだ。魔獣自身が国境を渡る事はあっても、人為的には認められていない。
この時点でモヴェーズ商会は罪を犯している。だが勿論それだけではない。
「ちなみに魔術師はサバンって名前なのよ~明日までは借金奴隷のユーゴね」
このヴィクトワール王国では一応奴隷は全面禁止されている。明日の早朝に出航予定のモヴェーズ商会の大型船は海を渡ったテクノポリス皇国へ向かう予定だ。その国では借金奴隷制度が存在している。ちなみに海を渡った国々には魔獣が存在しないらしい。乾燥していて水や森があまり無いからだとか。
今夜モヴェーズ商会の商船に乗り込む。そして出航してから行動開始⋯⋯これは岸壁から離れないと罪には問えない可能性があるからだそうだ。苦しい言い訳だが例えば船に魔獣を保管していただけで、出向前には下すつもりだった。なんて嘘を言われたら微妙なのだ。船内で解体して毛皮を輸出するつもりでした~なんてのもあるかもしれない。魔獣の素材は輸出できる。
出航前にモヴェーズ商会は行き先や積み荷のリストを管理している船舶協会へ提出する。それで行き先が確実にテクノポリス皇国だと最終確認しなくてはならない。このヴィクトワール国内の移動だと魔獣の貿易にはならないからな。寄り道する予定だと困る。
「了解です。ギルド長はどちらへ?」
「明日の朝、船が出航したら魔術師団はモヴェーズ商会と自宅、騎士団はアテナの海上警備兵と船舶協会ね~私は船舶協会の会長兼騎士養成校の理事長を捕まえるわ~」
あの大砲の持ち主である騎士学校の理事長は船舶協会の会長もしていて、このアテナの豪族だった。モヴェーズ商会の貿易品の中に魔獣や奴隷を積んでいる事も勿論知っていて、モヴェーズ商会からお金をもらっていた。その徹底的な証拠をアベル先生がくれたのだ。
「ではシュクル気を付けてね~それとニーチェにきゅうりをあげたいのは分かるのだけれども~下腹部にあるのポケットにしまうと何故かしらね?卑猥だわ~ふふ~じゃあね~」
「こんなピチピチ服だからでしょ!この衣装何なんです?!ちょっと!あぁ行っちゃった」
はぁ。では気を取り直して洞窟へ向かいますか。
「もちろんですよ。さすがにそんな鋼の心臓やお花畑頭ではないです」
今夜は大捕り物が行われる予定だ。私達が一生懸命?仕入れた情報や、魔術師達が得た情報を元に調査が水面下で行われていたのだ。今回の調査は想像以上に国と国との問題が絡んでいる。私は騎士団員ではないのでギルド長からすべての事柄については説明されていないが、何となく感じる物がある。このアテネの町に騎士団や魔術師団の人たちが紛れている気配を感じるし、ここ数日は言葉では言い表せない少しざわざわした感じがあるのだ。
それより私はニーチェが気がかりで仕方がない。ギルド長は大丈夫だとは言っていたが心配な物は心配なのだ。顔を見るまでは安心できない。
正直、回り道をしてまで公道を歩いて学校に通いたくないので、森を突っ切って学校へ通う。ニーチェと毎朝森で行って来ますの挨拶をしていたのに、できなくて寂しい。
「よお!可愛い子カイザー!元気かぁ?」
「おはようございます。先輩方!今日もいい天気ですね」
「昨日うちの料理人がよ、アイスだかアイシングだかで色付けたクッキーをカイザーに食べて欲しいって作ったんだとよ。ほら食えよ」
「うわ~!!可愛い!お花柄と動物柄だ!食べるのが可愛いそうになりますね!本当に毎日ありがとうございます!!」
ジェロームさん達は本当にいい人達だよな。少々顔が怖いし粗暴だけど付き合ってみればいい先輩だ。気づいたらすでに彼らとの思い出が何個も出来ている。
だが今夜の捕り物でどうなるかな。一応私からの調査報告として、モヴェーズ家の三男は何も知らないと伝えてあるが、間違いなく父親と長男は捕まるだろう。そうなると今後ジェロームさんはどうなるのだろう?この素晴らしい料理人の生活は大丈夫だろうか。
「カイザーは高価でもねぇただのクッキーでも喜ぶんだな。送り物の値段重視じゃねぇんだな。俺の周りは値段と価値しか見ねぇ野郎はかりだから何だろうな、言い表しくくいが⋯⋯すげぇ嬉しいな」
「料理人が私の為にわざわざ作ってくれたなんて嬉しいじゃないですか。それに実際とても美味しい!」
マジ美味しい。アイシングが甘いのでクッキーの砂糖を意図的に減らしてあるな。このアイシングのパステルカラー色はベリーを混ぜてピンクや赤、紫や黒などを作り出している。凄い手が込んでいる。見た目も味も最高だからもらった人は笑顔になる事間違いない!
「そ、そうか、今日も可愛いな。んじゃ料理人に伝えとくわ。またヨダレ垂らさねぇといいがな⋯⋯」
一時間目は剣術の稽古だ。
「よし!みんな今日は教えた攻撃を受け流しつつ反撃の動きを練習するぞ!では始め!カイザーじゃ行くぞ!」
「はい!」
アベル先生との稽古が普通になって来た。本当にありがたい事に先生は元騎士で王都の第三騎士団(魔獣討伐や荒事担当)に所属していたらしい。先生の父は騎士爵だったそうだ。
「いいぞ!だがカイザーお前は耳に気を付けろ!耳は口ほどに物を言う!お前の思考が耳から見えてるぜ!」
「マ、マジっすか~?!でも確かに私の周りには何故かエスパーが多いと思ったんですよね!原因は耳だったのか!!」
「はははは!!」
なんてこった。この間のおかしな魔術師も耳を見て私の考えが分かったのだろう。これは要注意だ。だが耳を鍛えるにはどうしたらいいのだ?!死活問題だぞ!今度母に聞こう。
「カイザー町がざわついてるな?そろそろなのか?」
「?!」
「そりゃ俺だって元第三の騎士だぞ?それくらい感じるわな。それが終わったらお前は旅立つのか?」
「え~どこまで気づいているんですか?」
「お前理事長や校長も調査してただろ?まぁ安心しろ、俺以外は気づいていないからな。それに今は腰を悪くしたからここで教師をしているが、俺もここを拠点に騎士団の活動もしている。言わば同業者だ」
「うへぇ~じゃあ理事長関係は先生に任せればよかった~」
「ははは!!!放課後俺が得た物を渡す。有効活用しろよ?絶対に魔術師団に負けるな!」
本当に騎士達は魔術師が嫌いだな。身分をひけらかして偉そうだのモヤシのくせに上から目線だの話には聞いていたが。でも洞窟の男は偉そうじゃなくて残念そうだったな。ギルド長の知り合いだから変わっている人物なのだろう。
「今日は大所帯になるからシュクルもこのバッチを胸に付けてね~」
「胸に付けるんですか?この衣装の?」
ギルド長から受け取った仕事着はピチピチ気味なクロヒョウのパジャマみたいな服だった。偏見だが大阪のおばちゃんか?だがうさ耳が出ている。
「いい?シュクルはモヴェーズ商会の商船に侵入するのよ?そして朝出航して沖に出た辺りで船員を拘束するの。船の中にはあの臭い魔術師がいるはずだから何かあったら罪を擦り付けなさい」
「はい」
今夜あの洞窟から魔獣の檻をモヴェーズ商会の船に積み込むそうだ。生きた魔獣の貿易は周辺国で禁止されている。昔、危険な魔獣を国外に追い出して周辺国に迷惑をかけた国があったそうだ。魔獣自身が国境を渡る事はあっても、人為的には認められていない。
この時点でモヴェーズ商会は罪を犯している。だが勿論それだけではない。
「ちなみに魔術師はサバンって名前なのよ~明日までは借金奴隷のユーゴね」
このヴィクトワール王国では一応奴隷は全面禁止されている。明日の早朝に出航予定のモヴェーズ商会の大型船は海を渡ったテクノポリス皇国へ向かう予定だ。その国では借金奴隷制度が存在している。ちなみに海を渡った国々には魔獣が存在しないらしい。乾燥していて水や森があまり無いからだとか。
今夜モヴェーズ商会の商船に乗り込む。そして出航してから行動開始⋯⋯これは岸壁から離れないと罪には問えない可能性があるからだそうだ。苦しい言い訳だが例えば船に魔獣を保管していただけで、出向前には下すつもりだった。なんて嘘を言われたら微妙なのだ。船内で解体して毛皮を輸出するつもりでした~なんてのもあるかもしれない。魔獣の素材は輸出できる。
出航前にモヴェーズ商会は行き先や積み荷のリストを管理している船舶協会へ提出する。それで行き先が確実にテクノポリス皇国だと最終確認しなくてはならない。このヴィクトワール国内の移動だと魔獣の貿易にはならないからな。寄り道する予定だと困る。
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「明日の朝、船が出航したら魔術師団はモヴェーズ商会と自宅、騎士団はアテナの海上警備兵と船舶協会ね~私は船舶協会の会長兼騎士養成校の理事長を捕まえるわ~」
あの大砲の持ち主である騎士学校の理事長は船舶協会の会長もしていて、このアテナの豪族だった。モヴェーズ商会の貿易品の中に魔獣や奴隷を積んでいる事も勿論知っていて、モヴェーズ商会からお金をもらっていた。その徹底的な証拠をアベル先生がくれたのだ。
「ではシュクル気を付けてね~それとニーチェにきゅうりをあげたいのは分かるのだけれども~下腹部にあるのポケットにしまうと何故かしらね?卑猥だわ~ふふ~じゃあね~」
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