ショボい人生のやり直し?!絶対に消えたくないので真逆の人生でポイント貯める

亀野内アンディ

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第一章

佐藤は四角い画面でウエスタン映画を見た

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――王宮会議室―― 

「で、第三騎士団団長ボリス・ソバージュよ、西のヴィアンネイ辺境伯と西のモーザン辺境伯に直接交渉したテクノポリス皇国の人間はまだ捕まらないのかい?思ったよりも二つの辺境伯は情報を持っていなかったしな。⋯⋯何度もコンスタント王国とアーディ王国が情報開示を求めてきているぞ」 

二つの辺境伯が略奪や人身売買をしたせいでコンスタント王国とアーディ王国はお怒りだ。ヴィアンネイ辺境伯はテクノポリス皇国の指示だったと言っているが、顔を隠したテクノポリス皇国の者は常に現物と現金をその場で交換しており、書類などの決定的な証拠が見つからないのだ。

我が国の数名の貴族達はテクノポリス皇国とのやり取りの手紙が発見されたが、両辺境伯から見つかったのはヴィクトワール王国の商会であるモヴェーズ商会とのやり取りだけだった。 どうにもテクノポリス皇国の関与を決定打するものが薄い。


「グワーッグァー」 

「何だね?使い魔か?窓を開けてあげてくれ」 

カモメの使い魔は第三騎士団長の元へ飛び下り手紙を渡した。 そして――

「グァーグァー!(雌にモテなそう!)」 

使い魔は数回鳴いた後、再び飛び立った。
残念ながらカモメ言語を理解出来る者はここにはいなかった。 

「何だろうか。ん?⋯⋯捕まりました」 

「何かだね?」 

「テクノポリス皇国の者達です。今、ガナイの冒険者ギルドの牢にいるそうです」 

 


「では失礼します」 

王都第三騎士団がガナイの冒険者ギルドにすぐに向かうとの返事が来たので、ガナイのギルド長に男達の所持品である警備兵の剣やよくわからない紙類、馬車の荷台にあった檻や拘束具、隠しポケットの中に隠していたテクノポリス皇国の身分証明書などを手渡して私は後を任せる事にした。 

 

「ケケケ⋯⋯これはもう私達のですよね~ニーチェ?」 

「ウー(眠い)」 

あの男達は王都に連れて行かれるだろうし、この荷馬車は私達の物だ。馬も悪党三人より可愛らしい私達の方がいいに決まっている。 

「荷台は水魔法で丸っと洗って綺麗だからニーチェは荷台で寝ようね。しかしラッキーだな~お馬はお高いからな!おっといけない。怪物と戦う時は自らも怪物にならぬよう気をつけよ。とニーチェ先生も言っておったな。逆強盗で儲けるのはこれで最後にしよう~欲をかき過ぎてはイカン」 

怪物ウサ耳転生おじさ⋯⋯じゃない、ウサ耳怪物になったらアカン。 

 

「荷馬車でのんびり異世界旅っていいよな~行商人って感じだ。お馬さん、君の名前は?」 

「フシュッ(ポワール)」 

「そうか~ポワールよ、よろしくな~」 

楽しい二頭と一人の旅は北に向けて進む。 
だが街道を荷馬車でのんびりとゆくうさぎ獣人の子供は案外目立った。 

「へへへ本当に一人じゃねぇか~うさぎ獣人がこんな南にいるなんてよ!運がいいぜ!」 

「可愛いじゃねぇか!さすが愛玩獣人だなー高く売れそうだぜ!グへへ」 

「⋯⋯」 

シュクルは飽き飽きしていた。連日これ系の人攫いが沸いて出るからだ。 

「『ヘヘへ、グヘヘ』とかまた真四角テレビ時代のセリフを使い回しやがって。あのサイズは現代と合わないんだよ!左右の端が黒くなっちまうだろうが! 」

⋯⋯全く毎度毎度オヤジに止められてちゃ中々北にたどり着かないな。まぁ稼ぎにはなるからいいけど。

「何言ってんだ~?俺達がいいご主人様を見つけて売ってやるからな~?でもその前に俺達が教育してやろうか?ケケケケ」 

「⋯⋯オラ、オラ」 

「ぐはっ⋯⋯ぐはっ⋯⋯」 

御者台から動くのも怠いのでさっき食べたチェリーの種を男共の股間目掛けて指で弾く。最近かなり命中率が上がった。シュクルが凄腕スナイパーになる日も近いのかもしれない。 

「オラ立て!はよパンイチなれ!次は右にもう一発行くぞ?すべての持ち物は荷台に乗せろ。後で返してやるな」 

衣服を脅して脱がせ、パンイチになったおっさんの首にシュクル愛用のロープ首輪をカウボーイ投げで装着する。
このロープはテクノポリス皇国のテクノロジーなのかヘビロテで使ってもヘタれない。
そして今日までに数多の犯罪オヤジの首を絶妙に締める手を緩めない最強ロープなのである。実にいい拾い物をした。 

最近これが一番早くて効率がいい方法だとわかった。始めは御者台から降り、無効化する為に身体検査をしたり武器を取り上げたりしていたが如何せん時間がかかる。ならば始めからパンイチさせて持ち物を荷馬車に積ませればいい。 

「オラオラ気合入れて走れよ~部活に励む青春ぽいじゃないか~夕日が目に染みるぜ」 


こうして次の町の冒険者ギルドまでデスマラソンさせるのだ。 

ニーチェは荷台でシュクルに買ってもらったきゅうりを食べてご満悦であった。その資金源は勿論荷台にあるおっさん達の薄汚いズボンのポケットからだった。 

シュクル本人は荷馬車で『のんびり異世界旅してるな~行商人だわ~まぁ商品が少し臭そうなおっさんだけど』と思っているのだった。
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