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貴族学院編
シュクルは羞恥心を超えた先に辿り着いた
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土の日になった。今日は朝から長髪理事長と神殿のバザーに向かう。
無性に嫌だが理事長の馬車に乗り、正面にいる理事長の尊顔を拝みながら嫌な時間をなんとか耐える。
「シュクル~飴あげるよ」
「うわ!ありがとうございます!!」
「これが今日の衣装ね!」
「はい!⋯⋯⋯⋯え?何すか?これ?
衣装はうさぎの着ぐるみだと勝手に思っていたのだが、渡されたのはピンクのバニーガールだった。
「嫌です。正直に言って物理的に無理です。入りきりません」
「そう?じゃあこれね」
次に渡されたのはピンクのふわふわショートパンツとセットのノースリーブだ。胸部にハート型の穴が空いている。
「⋯⋯⋯⋯」
これは交渉だな。初めに酷い物を見せた後に本命を提示する。残念だが元疲れたリーマン佐藤には通用しない。
「これも嫌です。よい子向けの森のうさぎさんではありません。これは大きなお友達向けです。子供達の教育によろしくありません」
「僕のはこれだよ?」
「は?」
嘘だろ?成人男性が薄紫色のギリギリなホットパンツだと⋯⋯何かがはみ出そうな⋯⋯?貴族院の理事長が?王族が?
これはシュクルも行くしかないのか⋯⋯?
「あの、理事長?これのどこがバザーの余興なんです?」
シュクルは大きな野外ステージの袖にいた。ピンクのふわふわショートパンツとノースリーブ、胸部の中心にハートの穴空きを着て。隣にはマジでギリギリなホットパンツの長髪がいた。靴が編み上げサンダルなのもイラっとするし、裸に小さなベストを着ているのもムカっとする。
日本なら警察に職質、連行されるレベルだ。
「いつもこんな物だよ?」
「へぇ~」
――きゃあ~!!――オーギュスト様ぁ!!――きゃあ~!!オーギュ様!!――きゃあ~!!――
アイドルのコンサートやん。こんな変なおっさんなのに⋯⋯⋯⋯
「じゃあ準備はいい?行くよ!」
――1,2,1,2,――
「よいこのみんな~!こんにちは~!魔法使いのお兄さんだよ~!」
「ぴょんぴょん!初めまして~!!森のうさちゃんですよ~!みんな元気かなぁ?ぴょん!」
「「今日はぼくたちと一緒に魔法で冒険しょう!!」ぴょんぴょん!ぷぅ」
ステージの上からって想像以上に観客がよく見える。
中央で爆笑しているギルド長とか。その隣でお菓子を食べているサバンとか。
「うわ~!お兄さん~!どこ~??きゃあ!お兄さんが攫われてしまったわ!!ふぇ~ん!悲しいぴょん!ぷぅ」
「森のうさちゃん~よいこのみんな~!お兄さんを応援してね!」
予想以上にハードだ。うさ耳転生おじさん(佐藤竜、享年四十歳)の精神的に。
「みんなの応援が届いたよ~!」
「ぴぇ~ン!おにいさ~ん!酷いですぅ~!ぷんぷん!ぷぅ!」
シュクルはどんどん羞恥心を無くした。これがシュクル、極貧うさぎ獣人の生き様だ。王都民よ、良く見なさい。そしてチップを、いや、財布ごとを投げ入れなさい。
「うさちゃん!!よいこのみんなにラブリー魔法を!!」
「はい!よいこのみんなぁ~!うさちゃんのプリプリぷるるん森のお友達イリュージョン♡ぴょんぴょん!ぷぅ」
自尊心も無くしたシュクルは無敵だ。何故かサバンが睨んでいるので、バレない様にアイツに攻撃魔法を飛ばしておこう。ハハハ~お菓子を落とした。
「よいこのみんなぁ~今日はありがとう!!ぴょんぴょん!!」
「「また会おうね~!さようなら~!!」ぴょん!ぷぅ!」
こんなに気持ち悪い演者二人なのに、イリュージョンは大盛況で終わった。
「お疲れシュクル~いい感じだったね」
「ええ。もう私には何も失う物はないでしょう。ハハハハハ」
どっと疲れが押し寄せ、真っ白になって賢者タイム?をしていると何やら運ばれて来た。
「贈り物です。今回も凄いですよ」
大きな箱に可愛らしい包装紙に包まれたプレゼントの箱が山ほど入っているのが見える。
どうやらホットパンツ理事長宛のファンからの差し入れみたいだ。
「今回も凄いね。そうだ、シュクルにあげるよ」
「えぇ?!いいんですか?ファンに失礼じゃないですか?」
「怖いからいらないよ~」
怖い?シュクルはもらえる物は道端の石でも、もらう主義なので遠慮なく頂くのだ。
「こちらは森のうさちゃんのですよ」
「え?」
今日初イリュージョンだったのに?これは嬉しい。シュクルはハート型の穴の空いた胸がじーんとした。
「どれどれ?鉢植えの苺?」
超~不思議な事に鉢植えの苺があった。メッセージカードが添えてあったので見てみると、ジョエルの名があった。
「ダークマタージョエル!」
彼もここにいたのだろうか。このイリュージョンとは対比な存在なのに。 だが元気そうで何よりだ。
それとギルド長から『超~ウケた!』とのメッセージとお菓子を、ロワレ家からと思われるダークブルーのリボン付きの大きな白い箱。エメさんとアデリーンさんから可愛い⋯⋯モヴェーズ商会のカイザーぬいを。あれ?アンジェラさん達からも差し入れが届いている。でもどうして私の出演を知っていたのだろう?長髪に聞いてみた。
「ん?今回のバザーは王都でも一番大きなバザーでね、王族や多くの貴族が参加しているんだよ」
へぇーそうなのか。確かに大きなイベントみたいだ。今は舞台で音楽が奏でられている。
「理事長は分かりますが、何故私が舞台に上がる事を友人達は知っていたんでしょう?」
「それは勿論事前にビラも配ったし、チケットの販売時にシュクルの出演も伝えられていたからだよ」
「はぁ?」
理事長は毎年ここでイリュージョンを行っているそうで、それを毎年楽しみにしているファンがいる。
毎年席の取り合いが起こるので数年前からチケット制の事前販売にしたらしい。ちなみにチケットが一瞬で無くなるほど人気な余興だとか。
「次のイリュージョンは王立記念日だよ!次はもっと派手にしよう!」
「ヒェッ!」
シュクルはまたぴょんぴょん!をさせられるらしい。
無性に嫌だが理事長の馬車に乗り、正面にいる理事長の尊顔を拝みながら嫌な時間をなんとか耐える。
「シュクル~飴あげるよ」
「うわ!ありがとうございます!!」
「これが今日の衣装ね!」
「はい!⋯⋯⋯⋯え?何すか?これ?
衣装はうさぎの着ぐるみだと勝手に思っていたのだが、渡されたのはピンクのバニーガールだった。
「嫌です。正直に言って物理的に無理です。入りきりません」
「そう?じゃあこれね」
次に渡されたのはピンクのふわふわショートパンツとセットのノースリーブだ。胸部にハート型の穴が空いている。
「⋯⋯⋯⋯」
これは交渉だな。初めに酷い物を見せた後に本命を提示する。残念だが元疲れたリーマン佐藤には通用しない。
「これも嫌です。よい子向けの森のうさぎさんではありません。これは大きなお友達向けです。子供達の教育によろしくありません」
「僕のはこれだよ?」
「は?」
嘘だろ?成人男性が薄紫色のギリギリなホットパンツだと⋯⋯何かがはみ出そうな⋯⋯?貴族院の理事長が?王族が?
これはシュクルも行くしかないのか⋯⋯?
「あの、理事長?これのどこがバザーの余興なんです?」
シュクルは大きな野外ステージの袖にいた。ピンクのふわふわショートパンツとノースリーブ、胸部の中心にハートの穴空きを着て。隣にはマジでギリギリなホットパンツの長髪がいた。靴が編み上げサンダルなのもイラっとするし、裸に小さなベストを着ているのもムカっとする。
日本なら警察に職質、連行されるレベルだ。
「いつもこんな物だよ?」
「へぇ~」
――きゃあ~!!――オーギュスト様ぁ!!――きゃあ~!!オーギュ様!!――きゃあ~!!――
アイドルのコンサートやん。こんな変なおっさんなのに⋯⋯⋯⋯
「じゃあ準備はいい?行くよ!」
――1,2,1,2,――
「よいこのみんな~!こんにちは~!魔法使いのお兄さんだよ~!」
「ぴょんぴょん!初めまして~!!森のうさちゃんですよ~!みんな元気かなぁ?ぴょん!」
「「今日はぼくたちと一緒に魔法で冒険しょう!!」ぴょんぴょん!ぷぅ」
ステージの上からって想像以上に観客がよく見える。
中央で爆笑しているギルド長とか。その隣でお菓子を食べているサバンとか。
「うわ~!お兄さん~!どこ~??きゃあ!お兄さんが攫われてしまったわ!!ふぇ~ん!悲しいぴょん!ぷぅ」
「森のうさちゃん~よいこのみんな~!お兄さんを応援してね!」
予想以上にハードだ。うさ耳転生おじさん(佐藤竜、享年四十歳)の精神的に。
「みんなの応援が届いたよ~!」
「ぴぇ~ン!おにいさ~ん!酷いですぅ~!ぷんぷん!ぷぅ!」
シュクルはどんどん羞恥心を無くした。これがシュクル、極貧うさぎ獣人の生き様だ。王都民よ、良く見なさい。そしてチップを、いや、財布ごとを投げ入れなさい。
「うさちゃん!!よいこのみんなにラブリー魔法を!!」
「はい!よいこのみんなぁ~!うさちゃんのプリプリぷるるん森のお友達イリュージョン♡ぴょんぴょん!ぷぅ」
自尊心も無くしたシュクルは無敵だ。何故かサバンが睨んでいるので、バレない様にアイツに攻撃魔法を飛ばしておこう。ハハハ~お菓子を落とした。
「よいこのみんなぁ~今日はありがとう!!ぴょんぴょん!!」
「「また会おうね~!さようなら~!!」ぴょん!ぷぅ!」
こんなに気持ち悪い演者二人なのに、イリュージョンは大盛況で終わった。
「お疲れシュクル~いい感じだったね」
「ええ。もう私には何も失う物はないでしょう。ハハハハハ」
どっと疲れが押し寄せ、真っ白になって賢者タイム?をしていると何やら運ばれて来た。
「贈り物です。今回も凄いですよ」
大きな箱に可愛らしい包装紙に包まれたプレゼントの箱が山ほど入っているのが見える。
どうやらホットパンツ理事長宛のファンからの差し入れみたいだ。
「今回も凄いね。そうだ、シュクルにあげるよ」
「えぇ?!いいんですか?ファンに失礼じゃないですか?」
「怖いからいらないよ~」
怖い?シュクルはもらえる物は道端の石でも、もらう主義なので遠慮なく頂くのだ。
「こちらは森のうさちゃんのですよ」
「え?」
今日初イリュージョンだったのに?これは嬉しい。シュクルはハート型の穴の空いた胸がじーんとした。
「どれどれ?鉢植えの苺?」
超~不思議な事に鉢植えの苺があった。メッセージカードが添えてあったので見てみると、ジョエルの名があった。
「ダークマタージョエル!」
彼もここにいたのだろうか。このイリュージョンとは対比な存在なのに。 だが元気そうで何よりだ。
それとギルド長から『超~ウケた!』とのメッセージとお菓子を、ロワレ家からと思われるダークブルーのリボン付きの大きな白い箱。エメさんとアデリーンさんから可愛い⋯⋯モヴェーズ商会のカイザーぬいを。あれ?アンジェラさん達からも差し入れが届いている。でもどうして私の出演を知っていたのだろう?長髪に聞いてみた。
「ん?今回のバザーは王都でも一番大きなバザーでね、王族や多くの貴族が参加しているんだよ」
へぇーそうなのか。確かに大きなイベントみたいだ。今は舞台で音楽が奏でられている。
「理事長は分かりますが、何故私が舞台に上がる事を友人達は知っていたんでしょう?」
「それは勿論事前にビラも配ったし、チケットの販売時にシュクルの出演も伝えられていたからだよ」
「はぁ?」
理事長は毎年ここでイリュージョンを行っているそうで、それを毎年楽しみにしているファンがいる。
毎年席の取り合いが起こるので数年前からチケット制の事前販売にしたらしい。ちなみにチケットが一瞬で無くなるほど人気な余興だとか。
「次のイリュージョンは王立記念日だよ!次はもっと派手にしよう!」
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シュクルはまたぴょんぴょん!をさせられるらしい。
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