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堕ちた竜騎士
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「メロディア、ご馳走様」
「今日もおいしかったぜ。また明日な」
五人ほどの屈強な体つきをした騎士や戦士が、口々に料理の味を褒めちぎって屋台を出て行く。
その称賛にメロディアは笑顔で応えていた。
「いつもありがとうございます」
最後のお客さんが帰った後、慣れた手つきで屋台とその前に出していたテーブルの片づけを済ませたメロディアは自分も帰路についた。
ここはクラッシコ王国の一角。敵からの攻撃を防ぐ外壁の間近にある通り道だ。この辺りは防衛の観点から昼夜に限らず兵士たちが駐屯している施設がたくさんある。メロディアの屋台の主な客層はそんな兵士たちだった。
メロディアの年齢は十四歳。この国の法律的に働いて生計を立てるには問題のない歳ではあるが、月夜の時刻に一人で屋台を切り盛りするには些か不用心に映る。いくら兵士たちの多い通りと言っても限度があるし、そもそも労働可能な年齢とは言えど、十四歳の少年では営業そのものが許可されるはずがなかった。
しかし、メロディアは許されている。もちろんそれには訳があった。要するにメロディアは特別扱いを受けているからに他ならない。
常連たる兵士たちも、メロディアに営業許可を渡した国の役人も彼が悪漢に襲われても問題ないと思っているし、様々な特権や例外を認められ営業しているメロディアに不平不満を持つ者はこの国にはいない。
この国にとって、それだけ彼は特別なのだ。
いや、より正確に言えば彼の父親が、であるが。
メロディアの父であるスコア・ハルモニアは勇者だった。
しかも今からおよそ二十年ほど前に前人未踏の魔界を制覇し、世界を恐怖で覆わんとしていた魔王を見事に討伐することができた唯一無二の人間だったのである。
「今日もおいしかったぜ。また明日な」
五人ほどの屈強な体つきをした騎士や戦士が、口々に料理の味を褒めちぎって屋台を出て行く。
その称賛にメロディアは笑顔で応えていた。
「いつもありがとうございます」
最後のお客さんが帰った後、慣れた手つきで屋台とその前に出していたテーブルの片づけを済ませたメロディアは自分も帰路についた。
ここはクラッシコ王国の一角。敵からの攻撃を防ぐ外壁の間近にある通り道だ。この辺りは防衛の観点から昼夜に限らず兵士たちが駐屯している施設がたくさんある。メロディアの屋台の主な客層はそんな兵士たちだった。
メロディアの年齢は十四歳。この国の法律的に働いて生計を立てるには問題のない歳ではあるが、月夜の時刻に一人で屋台を切り盛りするには些か不用心に映る。いくら兵士たちの多い通りと言っても限度があるし、そもそも労働可能な年齢とは言えど、十四歳の少年では営業そのものが許可されるはずがなかった。
しかし、メロディアは許されている。もちろんそれには訳があった。要するにメロディアは特別扱いを受けているからに他ならない。
常連たる兵士たちも、メロディアに営業許可を渡した国の役人も彼が悪漢に襲われても問題ないと思っているし、様々な特権や例外を認められ営業しているメロディアに不平不満を持つ者はこの国にはいない。
この国にとって、それだけ彼は特別なのだ。
いや、より正確に言えば彼の父親が、であるが。
メロディアの父であるスコア・ハルモニアは勇者だった。
しかも今からおよそ二十年ほど前に前人未踏の魔界を制覇し、世界を恐怖で覆わんとしていた魔王を見事に討伐することができた唯一無二の人間だったのである。
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