118 / 163
メロディアの仕事3
8ー1
しおりを挟む
何はともあれこの町にやって来た目的は果たすことができた。伝説の八英女も思えば会っていない人数の方が少ない。正直死んだものだと思っていたので、生きていたこと事態は感激だがそれ以上にショックも大きい。
残りの二人は一体どれほどまで変わってしまっているのだろうか。
「まもなく夜も明けます。そうしたらクラッシコ王国に戻りましょうか。依然として残りの八英女である『双刃のシオーナ』と『神盾のドロモカ』のお二人は僕を狙っているのでしょうし。あまり城下を離れるのは得策じゃありません」
メロディアがそんな意見を述べたときの事だった。突如としてソルカナとラーダの二人が、
「「あ!」」
と、声を合わせて叫んだのだった。
自然と全員の視線が集中する。メロディアはみんなを代表して二人に聞いた。
「どうしたんですか?」
「その事なんですが…」
「実はアタイ達、シオーナに関しては居場所が分かってるんだよね」
「え? ホントですか?」
二人はコクリと頷いた。しかしその表情には何か含みがある。居心地の悪いというか、何かが引っ掛かっているような、そんな顔だ。
しかし居場所が分かっていると言うのは、メロディアにとってはありがたい情報だった。いつ襲撃されるかと気を張りつめ続けているというのも中々に面倒くさいというのが本音である。叶うのならば今回のようにこちらから出向いて、さっさと事態の収束を図る方がよっぽどマシだった。
「それで、シオーナさんはどちらに」
「その…この町にいるといいますか」
「え!? ティパンニにいるんですか!?」
「うん、まあ」
なんと言うことだろう、更に話が早くて助かる。ソルカナとラーダの踏ん切りつかない態度はこの際は気にしないことにした。
どうせならこの町に滞在している間にシオーナとも接触しておきたいところだ。今の今帰ってきたばかりだったが、二人を案内人して彼女のところに向かうことにした。
「なら、帰ってきて早々にすみませんがシオーナさんのところに案内してください。事情を話してクラッシコ王国まで来てもらいましょう」
「次は私たちも同行しましょうか?」
「酔いも覚めましたしね」
「いえ。ドロマーさん達にはやることがあるでしょう?」
メロディアがそういうと居残り組の四人はキョトンとした顔になった。
「え? やること?」
「むしろ盛大にやっちまった後なんだが?」
「あ。アフターピルならボク達使わないよ?」
「部屋の片付けをしろ!!」
乱れ放題の部屋の中、特にベットを指差してメロディアは言った。レイディアントの時といい、ホテルを取るとろくなことが起きない。時間も惜しい今回は弁償沙汰はごめんだったのだ。
「部屋を片付けて出られるようにしておいてください」
「…はーい」
少々不貞腐れた返事をする三人を尻目にレイディアントは言う。
「ならば我も残って監督をしつつ、手伝おう。シオーナの事をよろしく頼む」
「よろしくお願いします」
「何を一人でいい子ぶってるんですか? えい!」
ドロマーは一瞬でレイディアントを組伏せると彼女の顔を飽満な胸に挟み込んだ。厳格な雰囲気は一気に剥がれ落ち、
「マミィ~♥️」
という甘い声が部屋に響く。それについては一切言及することなく、メロディアはソルカナとラーダの二人を連れて外に繰り出したのだった。
廊下に出ると一つ気になることがあったのを思い出す。メロディアは振り替えって二人に告げた。
「ところで…」
「なんでしょうか?」
「お二人の格好はどうにかならないんですか?」
改めて二人の服装を見てみよう。
ソルカナは聖職者の纏う聖衣を下地にしているので、一見まともに思える。しかしタイトな作りの服は彼女の豊満な体つきとは相性が悪い。ピッタリと素肌に張り付いて神聖さよりも扇情的なオーラを放つ。その上、もう一人の自分の憑依場所をあろうことか腹部に据えているため妊婦のような装いなのだ。妊娠しているように見えるのはそれが単発であれば問題はないけれど、この衣装の下ではなんともインモラルな雰囲気にしかならないでいる。
服装に物申したいのはラーダも同じだった。
全身の毛穴から自身に寄生しているスライムを抽出させてラバースーツのように着こなしているが、ボディラインの強調のされ方はソルカナの比ではない。ラーダ自身はかなりの細身であるがスタイルはかなり良いので、こちらも堂々と表を歩くには躊躇われる格好だ。
「どうにか、と言いますと?」
「もう少し体のラインの隠れるゆったりとした服を着るとか。言うまでもないことですけどこの町は悪漢やごろつきが多いですから。わざわざトラブルの種をまく必要もないでしょう?」
「確かにそうかもしれませんね。新生ワルトトゥリ教の布教の為にわざわざ性的な堪え性のない方達を集めるよう着ていた服ですし」
「そ、そんな思惑が」
「けれど生憎とお洋服はこれしか持ち合わせが…」
「それならご心配なく」
そう言ってメロディアはいつかドロマーに見せた着せ替えの魔法をソルカナにも施す。あっという間に彼女は軽快な、それでいて落ち着きと品のあるマタニティドレス姿となった。
「まあ! 素敵ですわね」
「気に入って貰えたなら何よりです」
残りの二人は一体どれほどまで変わってしまっているのだろうか。
「まもなく夜も明けます。そうしたらクラッシコ王国に戻りましょうか。依然として残りの八英女である『双刃のシオーナ』と『神盾のドロモカ』のお二人は僕を狙っているのでしょうし。あまり城下を離れるのは得策じゃありません」
メロディアがそんな意見を述べたときの事だった。突如としてソルカナとラーダの二人が、
「「あ!」」
と、声を合わせて叫んだのだった。
自然と全員の視線が集中する。メロディアはみんなを代表して二人に聞いた。
「どうしたんですか?」
「その事なんですが…」
「実はアタイ達、シオーナに関しては居場所が分かってるんだよね」
「え? ホントですか?」
二人はコクリと頷いた。しかしその表情には何か含みがある。居心地の悪いというか、何かが引っ掛かっているような、そんな顔だ。
しかし居場所が分かっていると言うのは、メロディアにとってはありがたい情報だった。いつ襲撃されるかと気を張りつめ続けているというのも中々に面倒くさいというのが本音である。叶うのならば今回のようにこちらから出向いて、さっさと事態の収束を図る方がよっぽどマシだった。
「それで、シオーナさんはどちらに」
「その…この町にいるといいますか」
「え!? ティパンニにいるんですか!?」
「うん、まあ」
なんと言うことだろう、更に話が早くて助かる。ソルカナとラーダの踏ん切りつかない態度はこの際は気にしないことにした。
どうせならこの町に滞在している間にシオーナとも接触しておきたいところだ。今の今帰ってきたばかりだったが、二人を案内人して彼女のところに向かうことにした。
「なら、帰ってきて早々にすみませんがシオーナさんのところに案内してください。事情を話してクラッシコ王国まで来てもらいましょう」
「次は私たちも同行しましょうか?」
「酔いも覚めましたしね」
「いえ。ドロマーさん達にはやることがあるでしょう?」
メロディアがそういうと居残り組の四人はキョトンとした顔になった。
「え? やること?」
「むしろ盛大にやっちまった後なんだが?」
「あ。アフターピルならボク達使わないよ?」
「部屋の片付けをしろ!!」
乱れ放題の部屋の中、特にベットを指差してメロディアは言った。レイディアントの時といい、ホテルを取るとろくなことが起きない。時間も惜しい今回は弁償沙汰はごめんだったのだ。
「部屋を片付けて出られるようにしておいてください」
「…はーい」
少々不貞腐れた返事をする三人を尻目にレイディアントは言う。
「ならば我も残って監督をしつつ、手伝おう。シオーナの事をよろしく頼む」
「よろしくお願いします」
「何を一人でいい子ぶってるんですか? えい!」
ドロマーは一瞬でレイディアントを組伏せると彼女の顔を飽満な胸に挟み込んだ。厳格な雰囲気は一気に剥がれ落ち、
「マミィ~♥️」
という甘い声が部屋に響く。それについては一切言及することなく、メロディアはソルカナとラーダの二人を連れて外に繰り出したのだった。
廊下に出ると一つ気になることがあったのを思い出す。メロディアは振り替えって二人に告げた。
「ところで…」
「なんでしょうか?」
「お二人の格好はどうにかならないんですか?」
改めて二人の服装を見てみよう。
ソルカナは聖職者の纏う聖衣を下地にしているので、一見まともに思える。しかしタイトな作りの服は彼女の豊満な体つきとは相性が悪い。ピッタリと素肌に張り付いて神聖さよりも扇情的なオーラを放つ。その上、もう一人の自分の憑依場所をあろうことか腹部に据えているため妊婦のような装いなのだ。妊娠しているように見えるのはそれが単発であれば問題はないけれど、この衣装の下ではなんともインモラルな雰囲気にしかならないでいる。
服装に物申したいのはラーダも同じだった。
全身の毛穴から自身に寄生しているスライムを抽出させてラバースーツのように着こなしているが、ボディラインの強調のされ方はソルカナの比ではない。ラーダ自身はかなりの細身であるがスタイルはかなり良いので、こちらも堂々と表を歩くには躊躇われる格好だ。
「どうにか、と言いますと?」
「もう少し体のラインの隠れるゆったりとした服を着るとか。言うまでもないことですけどこの町は悪漢やごろつきが多いですから。わざわざトラブルの種をまく必要もないでしょう?」
「確かにそうかもしれませんね。新生ワルトトゥリ教の布教の為にわざわざ性的な堪え性のない方達を集めるよう着ていた服ですし」
「そ、そんな思惑が」
「けれど生憎とお洋服はこれしか持ち合わせが…」
「それならご心配なく」
そう言ってメロディアはいつかドロマーに見せた着せ替えの魔法をソルカナにも施す。あっという間に彼女は軽快な、それでいて落ち着きと品のあるマタニティドレス姿となった。
「まあ! 素敵ですわね」
「気に入って貰えたなら何よりです」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる