神樹のアンバーニオン (2) 逆襲!神霧のガルンシュタエン!

芋多可 石行

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織りなす姫たち

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 人類にとって敵性のある謎の国家組織、アルオスゴロノアノ帝国の再起と、
 太陽由来特殊天文飛来物体一号サニアン ワン、通称アンバーニオンの出現。
 軸泉事件と呼ばれるようになった出来事から二か月あまり。

 アンバーニオンの最重要人物とされる少年は、各国家を始めとする様々な組織の思惑から監視、保護、調整の下にある。
 この二か月の間にもアンバーニオンとアノ帝国との戦闘が複数回散発し、確認されているだけでもアンバーニオンがほぼ帝国側を退ける結果を出している。
 先日から発生していた旅客機煽り飛行事件(俗称)の犯人、ソース不明の名称でアクプタン、クロヴァウタンと呼称される無人飛行物体とその母機との戦闘が最新である。

 アンバーニオンは日本国において百年振りに惑星規模終結現象、ポシビリティーに認定され今後の動向を注目するものである。
            
          最終局面省ファイナルフェイズ 担当 共上 きょうがみ 獅子生ししお








 








 クロヴァウタン戦の空域から、A県三螺旋みつらせ市の基地に帰投途中の裂断とカブシムとその指揮支援機、S-R8。
 その四機が所属する国防隊対特殊事象対応分隊、重合じゅうごう隊所属、航空重翼隊。

 アンバーニオン オドデウスは裂断を始め、その重翼隊の面々と同じくA県方向を目指し並んで飛んでいた。

 地上には既に夜のとばりが下りていたが、空の上にはまだ若干夕方の明るさの名残が残っている。
 そして体表を常時ボンヤリと光らせ、空中にその姿を浮かび上がらせるアンバーニオン オドデウスの威容は、重翼隊の隊員達に非日常感を体験させてなお、かなり気を使わせるような目立つ存在であった。

「うぅ···気マズイ···」

 鈴蘭の脳裏に甦る記憶。中学時代の下校中、同じ方向に向かって前を歩く特に仲良くもない男子に、意味も無く追い付け追い越せを繰り返した気マズイ思い出···
基地ホームI県オトナリとかあっちそっちじゃ無いのかよぉぅ?」
 鈴蘭は裂断のコックピットで僅かにモジモジした。




「そう言えばレツダンの人と全然会った事ないなぁ」
 裂断をの方を見ながら、アンバーニオンの操玉コックピットで宇留が呟く。
「じゃあ会ってくればイイヨイイヨ!後で詳細を想文そうぶみっとくんとくん!」
 、と宇留の後方に立つオドデウス。
「?」
 ちなみに想文とはテレパシーのようなもので、一種の生体脳通信バイオメール機能とでも言う能力である。
「オドデウスを送迎しおくったら、軸の泉に戻って、ナツユキの所に行って、明日にでも!せっかく学舎に戻るんだから······」
 宇留の胸元の琥珀のペンダント。ロルトノクの琥珀アンバー。その中から宇留に話しかける小人の少女、
 ヒメナ。
 ロルトノクの琥珀アンバーとヒメナはアンバーニオンの運用に必要なアイテム、そして宇留の大切な友人の一人である。
「そっか!明後日、植樹会だもんね?」
 宇留はスマホ内のスケジュールを見る。カレンダーにはなにやらビッシリ書き込みがある。
「姉ちゃんはヨーロッパに研修、じーちゃんとばーちゃんは九州旅行。藍罠さん達は忙しい、磨瑠香さんの師匠ミッションが上手く行きますように······イツオにお土産······軍手用意···ブツブツ」
「ウリくん!実は!私!、実家がI県あっちでしてん!」
「ええ!」
 オドデウスの告白に、じゃあ逆方向でもよかったじゃん!と思った宇留は驚いて後ろを振り返る。
「!」
 アンバーニオン オドデウスも飛行しながら急に振り返ったので、重翼隊の面々も後方を警戒したが何も無かった。

「なんじゃもー!ビックリしたややこしい!」
 鈴蘭は少しイラついた。

「でも今は旅修行中で!こっち方面にいるんるん!」
「な、なるほど~」
「あ!あっちでー!」
 アンバーニオン オドデウスは女神オドデウスのリクエスト通り進路を若干左に変える。
 そして重翼隊との別れ際、人差し指と中指だけを立てた二本指が頭部に接すると同時に、通常の敬礼へと変化する特殊な敬礼を重翼隊に向けた。

「んぁれ?」
「ウチの隠しシクレ敬礼だ、誰だ教えたの?」
 鈴蘭とS-R8に乗る重翼隊の隊長、八野やの 朝一あさかずが疑問を持った。

「なんであの人達の事詳しいのかは、アトカラノお楽しみぃ!」
「は、はい······」

 アンバーニオン オドデウスは重翼隊から離れ、降下して行った。








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