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 ボンッ。ポン。バババババ。

 二人の頭上で色鮮やかな光の花が咲き乱れる。

 暖の鼓動が密着した肌から伝わってきた。

 暖がここにいる、こんなにも近くにいる、そう思うと嬉しかった。

 ふいに身体を解かれたかと思うと、琥珀の手を取り暖は歩き出した。大股でどんどん行くので琥珀は小走りになる。

「どこ行くの?」

 暖は答えない。

「ねぇ、暖ったら、どこに行くんだよ?」

 いくら聞いても暖は答えないので、途中で琥珀は諦め、おとなしく暖に手を引かれて歩いた。

 暖と一緒だったらどこへでも行く。

 暖がいるところが琥珀が行きたい場所だから。

 夜空に輝く大輪の花が二人を照らす。

 繋がれた手が温かくて、琥珀の顔にも小さな花が咲いた。

 濡れた髪が風に吹かれて、少しずつ乾いていく。



 暖が向かった先は、暖の家だった。

 玄関を入ると暖のお父さんは仕事でいないのか、家の中は真っ暗だった。急かされるように靴を脱ぎ、暖の部屋がある二階へと上がる。

 暖の部屋に入るのは久しぶりだった。暖はやっと琥珀の手を離したかと思うと、琥珀をベッドの上に突き飛ばした。

「ちょっ、暖、なにすんだよ」

 暖はすかさず琥珀の上に馬乗りになる。

「俺の言うことならなんでも聞くっていうのは本当か?」

 まただ……。

 琥珀は思った。

 また、暖は苦しそうな表情をしている。何がそんなに辛いのだ? それは琥珀には言えないことなのか?

「聞くよ、暖の言うことだったらなんでも聞く。だって俺にとって暖は今でも無二の親友だから」

 いきなり暖に口を塞がれた。西日の差し込む教室の初めてのキスから二度目のキスに、琥珀はもうそれほど動揺しなかった。

 この後どんなふうになるのか分かっていたので、自ら唇を薄く開くと、すぐに暖は舌をねじ込んできた。

 最初の時と同じに、暖は鋭い視線を向け琥珀を観察していた。このキスを琥珀は受け入れているのだと伝えるように、琥珀はその瞼をそっと閉じた。

 琥珀を征服するような激しいキスだった。琥珀の口の中を散々掻き回すと、暖はやっと琥珀を解放した。

 目を開けると、暖の黒い瞳が見下ろしていた。

「こんなことをされても、まだ俺と友達でいたいか」

 琥珀はわずかにうなづいた。暖の瞳の奥がまた一段と暗くなる。

「じゃ、今日から俺たちは友達は友達でもセックスフレンドな」

「せっく……、それどういう、っ……」

 首筋を痛いほど強く吸われた。暖の手が乱暴にシャツをめくって中に入ってくる。

 さすがに琥珀は狼狽し、身体を縮めるようによじったが、強引に押し開かれる。暖の骨っぽい指が小さな蕾を探りあてこね回し、無理やりそれを立ち上がらせる。

 琥珀は固く目を閉じた。
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