ボク地方領主。将来の夢ニート!

アイアイ式パイルドライバー

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序章・帝国崩壊編

19、皇帝、帰る

 ハルアーダはティタラを連れて帝都へと帰る途中、幾らかの町を経由したが、特に長く滞在したのはロンドという町だ。

 彼はそこで一週間近く滞在していた。
 そして、ティタラを宿に隠して、毎夕に酒場を出掛けたのである。

 別に遊びに行った訳では無い。
 彼は人を探していたのだ。

 そうして、ようやく目的の人を見つけた。

 何人かの仲介を通して、ハルアーダはようやく待ち合わせに成功する。

 夕刻という事もあり、人々が増え始めるもののまだまばらな店内の隅、帽子を深く被ったその人は黒く染みの出来た丸テーブルに座っていた。

「エルグスティア、久しいな」

 その人の向かいに座るハルアーダはそう言うのだ。

「無事に会えて嬉しいぞ。ハルアーダ」

 帽子を少し上げて顔を見せるその人はエルグスティア。
 かつて、帝都からミルランスとティタラを脱出する時にハルアーダへ協力した近衛騎士の一人。
 そしてハルアーダと仲のとりたて良い男だ。

 彼はミルランスとティタラを逃がした後、機をうかがって帝都を抜け出したのである。
 いや、エルグスティアだけでは無く、皇帝陛下に忠誠を誓う皇帝直轄騎士と近衛騎士のほとんど全員が帝都を抜け出していた。

 そして、皇帝陛下が帝都に帰ってくるその時まで身分を隠して潜んでいたのだ。

「思ったより早い帰宅だな」とエルグスティアが安い葡萄酒の入ったグラスをハルアーダに勧めた。

「ああ、ちょうどよく帝都の内情を探れたからな」と、ぐいと飲み干す。

 そんなハルアーダにエルグスティアはこれからの計画を聞いた。
 ただ無闇に帝都へ帰っても危険である。

 するとカラになったグラスを机に置き、ハルアーダはミルランスがもう帰ってこない事を伝えた。

 何があったのかとエルグスティアが聞くも、ハルアーダはミルランスが潜伏していた村から出て行きたくないと言い、とにかくミルランスは来なくてティタラだけ連れて来たのだと言う。

 エルグスティアは怪訝な顔をしたが、帝都でミルランスに起こった事を考えるとそれも仕方ないのかも知れないと納得した様子であった。

 しかし、ミルランスは居なくともティタラは居るので、ティタラを皇帝として立てる形に異議は無い。
 そこで一つ、ハルアーダが問題視するのは、今回の騒ぎの中心となった者達……つまり、宰相カルシオスと大将軍オルモードをどうするのかという点だ。

「奴らのやった事は許される事ではない。天下を騒乱に巻き込んだ原因もそうだが、帝(みかど)の血に無礼を働く意味を世の人々に見せねばならない」

 ハルアーダとエルグスティアは帝都に入城したらカルシオスとオルモードを処刑する事に決め、その段取りを決定した。

「ティタラ様に処刑の許可を求める時間も惜しい。一々処刑の書類も作ってられん。城に入ったら即座に斬るぞ」

 ハルアーダがエルグスティアを見ると、エルグスティアもまた頷く。

 二人は段取りを確かめ合うと言葉少なく酒場を出た。

 日が暮れて、町を往く人々はまばら。
 そんな中を二人は歩いていくと、エルグスティアは自然と路地裏に曲がって姿を隠した。

 二人の秘密の集会は静かに、静かに終わるのである。

 そうして翌朝、ハルアーダはティタラを伴いロンドを出ると、帝都へと向かう。

 丘を越え、小川を越えて、身を隠し、小さな町や村を経由しながら帝都を目指した。
 日が暮れて、日が昇り、何日か経ち、ついに帝都目前に到着する。
 
 四月。陽気は強く、風爽やかな日であった。

 ハルアーダは帝都から離れた位置にある平原へ向かう。
 そこには各地へ散っていた騎士達がエルグスティアの号令の下、集まっていた。

 その数は百。
 軍隊と呼ぶにはあまりに少ない数であるが、彼らが皇帝騎士や近衛騎士を示す旗を掲げ、帝都に行進すると、その姿を見た帝都の見張り達は震え上がった。

 皇帝騎士や近衛騎士とはアーランドラ帝国でも選りすぐりの達人。
 しかも皇帝への忠誠心は人一倍なのだ。

 そのような騎士が百人、一丸となって行進してくるので恐れるのは当然の事である。
 そうして兵達が竦んだ所に、ティタラが騎士達の中から先頭へ姿を現し「皇帝ミルランスの代理妹帝ティタラが帰った。今すぐ門を開けよ!」と、愛らしい声に威厳ある口調で命じたものだから兵達は思わず城門を開けてしまった。

 妹帝ティタラ帰る。
 この報せはオルモード直参の兵が転がるように城へと向かって、ただちに宰相カルシオスと大将軍オルモードの二人へと告げられた。

 二人は大急ぎで妹帝ティタラを迎える準備を整えようとする。
 かつて働いた無礼はあくまでも不幸な事故で、我々に二心無いものだと示そうと思った。

 だから、ティタラが街を歩いて城へ向かう間、八方手を尽くして歓迎の支度を整えようとするのだ。

「よいか。街の民衆に皇帝の威光を見せ付けるため、かなりゆっくりと進むはずだ。時間は十分にある!」

 カルシオスはそう兵達に伝えた。

 確かにティタラとその騎士達は荒れ放題の都(みやこ)をゆっくりと馬を歩かせた。

 本当に、驚くほど、帝都は荒れていた。
 この帝都を収めていたカルシオスとオルモードは、真の皇帝を探すのに躍起となっていたし、反乱した各地の諸侯を討伐するのに夢中だったから、内政を省みなかった。

 おまけに、反乱の混乱で荒廃した帝都を建て直す金を軍事費に回していたから殆ど残っていなかったのに、彼ら大臣はかつてのように贅を尽くしていたのである。

 だから帝都の男手は殆ど徴兵されて女子供ばかりになって、盗賊や強盗が野放しになっている始末であった。

 かつて栄華と活気に溢れていた街が荒れ果てて、静かにただ風が吹くだけになってしまいティタラは心を痛めた。
 そして「妹帝が帰ったからには安心せよ」と、ティタラは道すがらに、疲れ果てている民衆へ呼ばわっていたのである。

 エルグスティアがそんなティタラの背を見ながら、ハルアーダに「城に入ったら始末するんだな?」とそっと耳打ちした。

 するとハルアーダは小さく頷き、「ティタラ様に知られずに終わらせるぞ」と答える。

 この二人の様子を、民家のヒビだらけの屋根の上から見ている者が居た。
 それはカルシオスの私兵にして、彼の為に情報を収集する右腕の男でカーンと言う。

 カーンは頭を覆う頭巾と口元を覆うベールの隙間から無感情な視線をハルアーダとエルグスティアに向けていた。

 そして、スっと音も無く城へと向かうのである。

 ハルアーダは宰相と大将軍を殺そうとしている。と、カーンが主のカルシオスに伝えると、カルシオスは歯噛みした。

 正直、処刑される可能性は考えていたがミルランスやティタラはしょせん世間知らずのガキ。
 幾らでも言いくるめられると考えていたのに、ハルアーダが独断で動くとなるととても言いくるめ出来ない。

 カルシオスは帝都から逃げる事に決めた。
 しかし一人だけで逃げる訳にはいかない。
 彼は政治に自信はあれど身を守る術(すべ)を持ってなかった。

 特に今は戦乱の世。
 カルシオス一人がどこかの町に逃げ込んだ所で、私服を肥やそうものなら近隣の領主がカルシオスの財を狙って攻め寄せるだろう。

 そこでカルシオスはハルアーダの企みをオルモードに教える事とした。

 彼は戦い方を知っている。
 オルモードの私兵はカルシオスのように影の仕事を扱う兵ではなく、正真正銘、武力を行使できる兵士なのだ。

 カルシオスの政治力とオルモードの武力が合わされば、独立した他の領主どもに負ける訳が無い。

 だからカルシオスはオルモードに西方の町へ逃げ込む計画を話した。

 オルモードもこのままではハルアーダを始めとした皇帝騎士達に殺されてしまうと思い、その考えに賛同したのである。

 しかし、オルモードには一つ懸念があった。
 それは彼らが皇帝を欺いた不忠の輩と言われる危険性だ。

 つまり、一度反旗を翻した領主が、再びアーランドラ帝国へ帰参する為の手土産としてカルシオスとオルモードが狙われる可能性があった。
 ティタラから逃げてこの帝都という地から離れるという意味はそれを示していたのである。

 だが、カルシオスには考えがあった。
 皇帝であるミルランスとティタラを利権の為に巻き込んで、この帝国を混乱に陥れたのが二人の罪というなら、ミルランスとティタラが『皇帝』で無ければ良いのだとカルシオスは言うので、オルモードは言葉の意味を察する。

 そうして彼ら二人特に親しい腹心十余名と私兵は城を抜け出したのだ。

 ハルアーダ達がティタラを伴って城へ入ると、すぐに二人を探したのだが既にもぬけの殻である。
 しかし、その程度の事は想定内であった。

 ハルアーダはティタラに、皇帝として即位した事を各地の領主に伝え、同時にカルシオスとオルモードを叛逆の使徒として告知すべきだと提言する。

 それにティタラは頷いた。
 彼女も下らない権力争いで投獄された事を腹に据えかねていたのだ。

 だから、彼女は各地に告知する様々な文言の中にカルシオスとオルモードを逆臣と伝える言葉を入れて、各地の諸侯へと使者を出した。

 ティタラのその告知はカルシオスとオルモードの所業を非難する事もあったが、諸侯にとって最も大事だったのは、『全ての原因はカルシオスとオルモードであり、此度の混乱に行った気の迷いは全て皇帝の御名(みな)において赦す』というものであろう。

 これは独立しようという諸侯の元にも送られたし、帝都の家臣達にも送られたのだ。

 また、帝都の荒廃は激しく、中央集権的に各地の領土に介入できなかった為、各地の領主に私兵の所持を大々的に認め、所定の納税さえ行えば内政の一切に関与しないと認めた。

 妹帝ティタラが皇帝を名乗るのに戸惑った諸侯であったが、この寛大な報せにたちまち「新皇帝ティタラ様バンザイ!」と認めたのである。

 それに、姉のミルランスより妹のティタラは十歳の若さにして知性に溢れていると評判だったので、人によってはミルランスよりも良い人が皇帝になったと陰で口にするのであった。

 こうして諸侯の乱を抑えつつ、ティタラは城の倉庫を開放して物資の最低限を除いて帝都の民に施したのである。

 これはハルアーダとエルグスティアの入れ知恵であった。
 今、城の中で序列が皇帝ティタラを中心に皇帝騎士達が発言力を得ていた為に行えた事である。

 皇帝直轄騎士や近衛騎士達は清貧を尊ぶので、自分たちの収入の一部であろうが民に開放したって文句は出ない。
 一方、城の蓄えを市民に開放する事を真っ先に反対するはずの大臣達はカルシオス達に組みしていた引け目からその発言力を失っていたのだ。

 こうして、ティタラは帝都の民から信任を得たのである。

 この間、一ヶ月にも満たない早急な政策であった。

 ただ一ヶ月で反乱の兆しを見せていた諸侯や、離れた民心を取り戻したのである。

 とはいえ、まだ問題は山積みであった。
 なにせ一部の諸侯はアーランドラ帝国に帰属せず、いまだに「俺こそが皇帝である」と自称して独立を保っていたのである。
 これは、ミルランスとティタラに皇帝の血が流れていないと知っている者達であった。

 他にも、西方の地に逃げ出したカルシオス達も問題の一つだ。

「今後の我らの動きであるが……」

 ティタラは玉座に腰掛け、居並ぶ臣下を睥睨(へいげい)する。

「私としては、皇族に弓引いたばかりかその職務を放棄して民草を食い物にして逃げ出したカルシオスとオルモードを許すわけにはいかん」

 彼女の声は可愛らしい。
 大きな玉座にすっぽり収まる小さな体も人形のようだ。

 だが、静かに視線を下ろして、冷静な声音で放たれる理知的な言葉は既に皇帝の覇気を漲らせていた。

 それもそのはず、彼女は父アロハンドに認めて欲しくて、皇帝としての態度一つ一つを見つめて学んでいたのだ。
 そして、姉ミルランスの挙動を見ては『私ならこうするのに!』と心の中でやきもきしていた。

 しかし、そのお陰で、今となっては誰一人、彼女を子供と侮ってはいない。

 だから臣下は「陛下。しかし、我々にはカルシオス達を攻める兵力も物資もありません」と、理論的に彼女へ意見するのである。

 ティタラは小さく笑って「だから、諸侯に権力を与えました」と答えた。

 つまり、帝都の保有する戦力が皇帝騎士百及び、各大臣の私兵百人程度に対して、各地の領主は騒乱を乗り越える為に蓄えた戦力と物資があるのだから、この諸侯にカルシオス達を討伐させようという腹積もりだったのである。

 ティタラのこの計画に臣下は感心した。
 そして、ただちに諸侯へと勅令を出すことにしたのである。

 この勅令の大事な点は、一度帝国に反旗を翻した領主達に、カルシオス達と戦う事で忠誠心をアピールさせる点だ。
 つまり、もう裏切らないという証明の為に、先陣を切ってカルシオス達の元へと攻めさせる事が出来るのである。

 ティタラの横に立って彼女を護っていたハルアーダは、ティタラのその深遠な考えに内心、舌を巻いた。
 各地の独立しようとした諸侯を赦すように提言したのはハルアーダであったが、このように利用しようとまでは考えていなかったのだ。
 
 しかしティタラは利用したのだ。
 あるいは、既にこの時が来るのを見ていたのかも知れない。

 だから、城の物資を民衆に配ったし、各地の諸侯に分権し、そして、独立しようとした諸侯を赦した。
 それはカルシオス達に赦した諸侯をぶつける為の策だったように思えたのだ。

 そしてティタラの思惑通り、かつての混乱の折に独立を宣言していた領主、五人がカルシオス達の逃げ込んだ地方へと攻め込んだのである。

 後に、戦火が放たれた土地の名から取って、ラクペウスの大戦と呼ばれる戦いの幕開けであった。
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