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01_プロローグ
実践
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レイは師匠から受け取った魔法巻物からたくさんの魔法を取得することができた。
早速覚えた魔法をかかしに向かって唱えた。
「火球!」
レイの両手の掌に直径30cmほどの火の渦を巻いた球体が現れて、かかしに放った。
それは火球というより大火球といっていいほどの大きさと熱量だった。
かかしが着ていた鎧は無残に破壊されて破片が散らばり、融解しているところさえあった。
(レイの魔力の流れは普通の人間とは違う。ただ魔力が多いだけではない。普通の人間であれば体内にある魔力は回転しない。こいつが持っている魔力は別物だな…)
アルフレッドはレイの魔法の才能に驚嘆を隠せずに含み笑いをしていた。
「よ、よし、今日はこの辺でいいだろう、そろそろ家に帰ってゆっくり休みなさい」
「わかりました!今日もありがとうございました!」
レイは魔法が使えることにとても喜びを感じていた。
◇
修行が終わり村に帰ると家の近所のメアリーさんとその娘のケイト、その弟のロイが揃って井戸で水を汲むところだった。
「やあお帰り。今日もアルフレッドさんの所へ行ってたんだね」
「「お兄ちゃんお帰り!」」
とレイの姿を見ると子どもたちが駆け寄って来た。
「ねえねえ、お兄ちゃん魔法使えるようになった?見せて見せてー!」
子どもたちはレイ魔法を覚えて来たのを知っているから聞いて来たわけではなかった。
会うたび毎日のように聞いてくるからいつもの返事はまだ使えないよ、もうちょっとまっててね、だったが今日は違う。
「ケイト、ロイ、お兄ちゃんは遂に魔法が使えるようになったぞ!見てなよ!」
そういうと井戸の水を汲んでいた木のバケツに向かって水の魔法を唱えた。
「水」
水の塊が現れてレイの手から放たれるとバケツの上に静止する。そして滝のように地面の方へ引っ張られあっという間に水で満たされた。
実は魔法で作られた水は川や井戸で汲む水よりも透き通っていて、飲料水としては申し分ないものである。
「おやまあ、レイ、凄いじゃないか。これはありがたいねぇ、助かるよ」
「わー、お兄ちゃん凄い!」
「ねえねえ、私にも出来るようになるかな?」
メアリーさんは驚きよりも井戸から水を汲まなくて済んで嬉しそうだった。
初めて見る魔法に子どもたち二人はというと目の色を輝かせて手を叩いてレイを賞賛していた。
当然この水の大きさが異常だというのに気付くのはもっと大人になってからだ。
「いつかお前たちにも使えるようになるかもな!」
そういってメアリー達に手を振りながら家へ向かって歩いていった。
帰る途中にレイの家の隣の隣、つまりサラの家の隣に住む双子のボブ兄弟は乳牛の世話をしていて遠くから手を振ってくれた。
兄の名前がボビー、弟の名前がブランドン。合わせて"ボブ兄弟"だ。
村の人たちは彼等のことを本名では呼ばずに兄に会っても弟に会ってもボブさんと呼んでいた。
双子なので一見見分けがつかないようだが、実は兄の左頬には黒子がある。彼等の両親以外は特に気にしていないようだ。
サラはボブさんの家で牛乳を貰ってくる代わりに、山で採れた木の実や薬草などを渡している。
村の中では金銭の取引はあまりなく、物々交換が主流であった。ときどきくる行商人とも物々交換を主に塩などを得ていた。
そうこうしているうちに家に着いたレイはベッドに倒れ込むように寝ていた。
早速覚えた魔法をかかしに向かって唱えた。
「火球!」
レイの両手の掌に直径30cmほどの火の渦を巻いた球体が現れて、かかしに放った。
それは火球というより大火球といっていいほどの大きさと熱量だった。
かかしが着ていた鎧は無残に破壊されて破片が散らばり、融解しているところさえあった。
(レイの魔力の流れは普通の人間とは違う。ただ魔力が多いだけではない。普通の人間であれば体内にある魔力は回転しない。こいつが持っている魔力は別物だな…)
アルフレッドはレイの魔法の才能に驚嘆を隠せずに含み笑いをしていた。
「よ、よし、今日はこの辺でいいだろう、そろそろ家に帰ってゆっくり休みなさい」
「わかりました!今日もありがとうございました!」
レイは魔法が使えることにとても喜びを感じていた。
◇
修行が終わり村に帰ると家の近所のメアリーさんとその娘のケイト、その弟のロイが揃って井戸で水を汲むところだった。
「やあお帰り。今日もアルフレッドさんの所へ行ってたんだね」
「「お兄ちゃんお帰り!」」
とレイの姿を見ると子どもたちが駆け寄って来た。
「ねえねえ、お兄ちゃん魔法使えるようになった?見せて見せてー!」
子どもたちはレイ魔法を覚えて来たのを知っているから聞いて来たわけではなかった。
会うたび毎日のように聞いてくるからいつもの返事はまだ使えないよ、もうちょっとまっててね、だったが今日は違う。
「ケイト、ロイ、お兄ちゃんは遂に魔法が使えるようになったぞ!見てなよ!」
そういうと井戸の水を汲んでいた木のバケツに向かって水の魔法を唱えた。
「水」
水の塊が現れてレイの手から放たれるとバケツの上に静止する。そして滝のように地面の方へ引っ張られあっという間に水で満たされた。
実は魔法で作られた水は川や井戸で汲む水よりも透き通っていて、飲料水としては申し分ないものである。
「おやまあ、レイ、凄いじゃないか。これはありがたいねぇ、助かるよ」
「わー、お兄ちゃん凄い!」
「ねえねえ、私にも出来るようになるかな?」
メアリーさんは驚きよりも井戸から水を汲まなくて済んで嬉しそうだった。
初めて見る魔法に子どもたち二人はというと目の色を輝かせて手を叩いてレイを賞賛していた。
当然この水の大きさが異常だというのに気付くのはもっと大人になってからだ。
「いつかお前たちにも使えるようになるかもな!」
そういってメアリー達に手を振りながら家へ向かって歩いていった。
帰る途中にレイの家の隣の隣、つまりサラの家の隣に住む双子のボブ兄弟は乳牛の世話をしていて遠くから手を振ってくれた。
兄の名前がボビー、弟の名前がブランドン。合わせて"ボブ兄弟"だ。
村の人たちは彼等のことを本名では呼ばずに兄に会っても弟に会ってもボブさんと呼んでいた。
双子なので一見見分けがつかないようだが、実は兄の左頬には黒子がある。彼等の両親以外は特に気にしていないようだ。
サラはボブさんの家で牛乳を貰ってくる代わりに、山で採れた木の実や薬草などを渡している。
村の中では金銭の取引はあまりなく、物々交換が主流であった。ときどきくる行商人とも物々交換を主に塩などを得ていた。
そうこうしているうちに家に着いたレイはベッドに倒れ込むように寝ていた。
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