切り抜き師の俺、同じクラスに推しのVtuberがいる

星宮 嶺

文字の大きさ
27 / 46

第27話 偶然

しおりを挟む
週末、冴木陽斗は一人でショッピングモールに出かけた。週末のモールは多くの人で賑わっており、買い物や食事を楽しむ人々の姿が見られた。陽斗は雑貨や服を見て回りながら、リラックスした気分でショッピングを楽しんでいた。

まずは雑貨屋に立ち寄り、文房具や小物を手に取って眺めた。色とりどりのペンやノート、デザインの凝った雑貨が並ぶ棚を見ていると、時間が経つのも忘れてしまう。陽斗は特に文房具が好きで、新しいペンやノートを見るとつい買いたくなってしまう。

「このペン、使いやすそうだな…。このノートもデザインがいいな。」

陽斗はつぶやきながら、いくつかのアイテムをカゴに入れていった。次に、アクセサリーやインテリア雑貨が並ぶコーナーへと足を運んだ。可愛らしい小物やユニークなデザインのインテリア雑貨が並ぶ中、特に目を引いたのは、小さな観葉植物のコーナーだった。

「ソラちゃん、部屋にサボテン飾ってるって言ってたっけ。」

陽斗は手に取った観葉植物をじっくりと見つめ、家に置いた時のことを想像していた。結局、可愛いサボテンの鉢植えを購入することに決め、次の目的地へと向かった。

次に訪れたのは、ファッションフロアだった。陽斗は最近流行のファッションアイテムをチェックしながら、店内を歩き回った。カジュアルなシャツやパンツ、シンプルでおしゃれなアクセサリーが並ぶ中、特に目を引いたのは、黒のジャケットだった。

「このジャケット、いいな…。試着してみようかな。」

陽斗は試着室に向かい、ジャケットを試してみた。鏡に映る自分の姿を見て、思わず笑みがこぼれた。

「これ、いい感じだ。」

陽斗はそのジャケットを購入することに決め、次の目的地へと足を運んだ。

最後に、英語の参考書を買うために書店へ向かった。勉強も大事だと自分に言い聞かせ、参考書のコーナーに向かう前に、陽斗は少し寄り道をすることにした。

まずは漫画コーナーに立ち寄り、最新刊のチェックをした。人気作品の新刊が並ぶ棚を見て回りながら、気になるタイトルを手に取っては立ち読みをした。特に目を引いたのは、話題の新作「推しのアイドル」の特設コーナーだった。

「『推しのアイドル』か…これ、二期も始まるし漫画も読んでみたいな。」

陽斗は興味深そうにその漫画を手に取り、表紙を眺めた。

陽斗は一度漫画を棚に戻し、次にラノベコーナーへと足を運んだ。ラノベの棚には、色とりどりの表紙が並び、どれも魅力的に見える。新刊コーナーや話題作の特集棚を見て回りながら、いくつか気になるタイトルを手に取ってみた。

「このラノベ、評判良さそうだし、後でチェックしようかな…。」

陽斗はメモを取りながら、気になるタイトルをメモしていった。時間を忘れて見て回っていると、ふと参考書を買うことを思い出し、参考書コーナーに向かうことにした。

参考書のコーナーに到着すると、様々な種類の英語の参考書が並んでいる。どれが自分に合っているか迷いながら、手に取っては内容を確認していた。その時、後ろから声をかけられた。

「冴木君、何を見てるの?」

ビックリして振り向くと、そこには大森美優紀と中谷夏美が立っていた。夏美は笑顔で陽斗を見ており、美優紀は少し離れた位置で参考書の棚を見ている。

「こんにちは、大森さん、中谷さん。えっと、英語の参考書を見に来たんだ。」

陽斗は少し照れながらも挨拶を返し、参考書を探していることを話した。

「もうすぐテストがあるしね。ちゃんと準備しないと。」と夏美が言った。

「冴木君って、頭いい方なの?」夏美が興味津々に尋ねた。

「いや、平均くらいかな。英語は特に苦手で…。」

陽斗は少し困ったように笑いながら答えた。

「まぁ、英語といえば美優紀だよね。」夏美が笑って美優紀を見ながら言った。

「そうそう、英語だけは得意なんです。」美優紀も笑顔で答えた。

「冴木君、どんな参考書がいいか迷ってるの?」美優紀が尋ねた。

「うん、どれが自分に合ってるかわからなくて…。」

陽斗は手に持っていたいくつかの参考書を見せながら答えた。

「それなら、美優紀に相談してみたらどうかな?彼女、英語が得意だからきっといいアドバイスをくれるよ。」夏美が提案した。

「そうだね、大森さん、何かおすすめの参考書とかある?」陽斗が少し期待を込めて尋ねた。

美優紀は参考書をいくつか手に取り、中を確認しながら言った。

「これとかどうかな?説明がわかりやすいし、例題もたくさんあるから、基礎から応用までしっかり学べると思うよ。」

陽斗は美優紀が選んだ参考書を手に取り、中を見てみた。

「ありがとう、大森さん。これ、買ってみるよ。」

「うん、頑張ってね。英語、少しずつでも勉強するときっと上達するから。」

美優紀の優しい言葉に、陽斗は心から感謝した。

「ありがとう。大森さんも、テスト勉強頑張ってね。」

「もちろん、お互いに頑張ろうね。」美優紀は笑顔で答えた。

夏美もニコニコと笑いながら、「じゃあ、また学校でね。」と言い、二人はその場を去った。

陽斗は美優紀と夏美との会話を振り返りながら、選んだ参考書をレジに持っていった。二人との偶然の出会いと親切なアドバイスに、彼は心が少し軽くなった気がした。

「これで少しは英語の勉強が楽になるかな…。」

陽斗は微笑みながら、書店を後にした。彼の心には、美優紀と夏美との楽しいひとときと、新たな意欲が宿っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~

root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。 そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。 すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。 それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。 やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」 美人生徒会長の頼み、断れるわけがない! でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。 ※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。 ※他のサイトにも投稿しています。 イラスト:siroma様

負けヒロインに花束を!

遊馬友仁
キャラ文芸
クラス内で空気的存在を自負する立花宗重(たちばなむねしげ)は、行きつけの喫茶店で、クラス委員の上坂部葉月(かみさかべはづき)が、同じくクラス委員ので彼女の幼なじみでもある久々知大成(くくちたいせい)にフラれている場面を目撃する。 葉月の打ち明け話を聞いた宗重は、後日、彼女と大成、その交際相手である名和立夏(めいわりっか)とのカラオケに参加することになってしまう。 その場で、立夏の思惑を知ってしまった宗重は、葉月に彼女の想いを諦めるな、と助言して、大成との仲を取りもとうと行動しはじめるが・・・。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

訳あって学年の三大美少女達とメイドカフェで働くことになったら懐かれたようです。クラスメイトに言えない「秘密」も知ってしまいました。

亜瑠真白
青春
「このことは2人だけの秘密だよ?」彼女達は俺にそう言った――― 高校2年の鳥屋野亮太は従姉に「とあるバイト」を持ちかけられた。 従姉はメイドカフェを開店することになったらしい。 彼女は言った。 「亮太には美少女をスカウトしてきてほしいんだ。一人につき一万でどうだ?」 亮太は学年の三大美少女の一人である「一ノ瀬深恋」に思い切って声をかけた。2人で話している最中、明るくて社交的でクラスの人気者の彼女は、あることをきっかけに様子を変える。 赤くなった顔。ハの字になった眉。そして上目遣いで見上げる潤んだ瞳。 「ほ、本当の私を、か、かかか、可愛いって……!?」 彼女をスカウトしたことをきっかけに、なぜか「あざと系美少女」や「正体不明のクール系美少女」もメイドカフェで働くことに。

女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん

菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)

処理中です...