獣人たちの恋

魚肉

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うさぎのミル

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ミルは、リクと出会って最初の3日間はウキウキが止まらなかった。だって、リクとお泊まり会!
ミルのお仕事は母であるミサの手芸品作りのお手伝いであるが、今までにないくらい張り切って針をちくちくした。

しかしーー3日も過ぎると、土曜日まであと2日だが、ミルの耳はへにょんと曲がり、まんまるい目にはうっすら涙が溜まる始末である。

ーーー寂しい!リクに、リクに会いたい!!!!!

それまでは朝もしっかりぱっちり目覚めていたのにまた前のようにお布団から出られない。

ーーーリクが、リクが足りない!!!!!

マリーと電話しても、ミサに抱きしめてもらっても、ちょっと耳を触ってもらっても、寂しさはなくなるどころが余計増していく。

ーーーリクに私の耳を触って欲しい、たくさんキスしたいよお、リク、、

ミルはなんとか木曜日を乗り越えてお布団に潜り込むと、リクに会えるまであと1日過ごさなくてはいけない現実に目眩がした。

ーーーどうしてリクの電話番号を聞かなかったんだろう!ばか!ばか!










そして待ちに待ちに待ちに待ちに待ちに待ち望んだ土曜日。ミルはぴょこんっとベットから跳ね起きると、お気に入りの人参の色をしたリュックの中にお泊まりに必要な道具をせっせと詰めた。

人参色の歯ブラシ、人参の模様のパジャマ、人参のエキスを配合した化粧水などである。

そして、ミルは鏡の前に立つと念入りに自らのふわふわした大きな耳をブラッシングした。

ーーーきっと、ふわふわで気持ちよかったら、リクもたくさんたくさん触ってくれるわ

リクはミルの耳がブラッシングされていようがいまいが永遠に触り続けてくれるだろうが、ミルはとても一生懸命だった。

今日はリクのおうちに行く予定なので、ミルは動きやすいゆるいワンピースをセレクトした。無論人参色である。ミルは耳が邪魔で服を上手に上から着ることが出来ない。故に下から着れるワンピースを好む。

母のミサには「マリーとお泊まり会」と伝えてある。そもそも今までのマリーとの数えきれないお泊まり会はミルの家で開催されている。今回マリーとミルが口裏合わせている事は一瞬で分かりそうなものだが、分かっているのか分かっていないのかミサは

「ミル、いつもと違う枕で大丈夫?」

と少しズレた心配をした。そして、そもそもリクがミルの家に迎えに来る以上限りなく無駄に近い嘘であった。


ミルはお気に入りの人参色のスニーカーを履いて、玄関の段差に腰掛けてリクを待った。


約束した時間丁度にインターホンが鳴り、ミルはぴょこんっと立つと、勢いよく扉を開き、そこに立っていた、今日もとってもかっこいいリクにぼすんっと抱きついた。


「リクおはよう、とっても会いたかったの!」













































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