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第1章 狼男が鳴く夜に
第15話 まるで刑事ドラマのような
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「こちらが守衛室になります」
白川さんと一緒に警備員さんに案内されたのは、刑事ドラマでよく見るような、いくつかのモニターが設置された部屋だった。始めてリアルで見るその光景に、ウチは思わずキョロキョロと見入ってしまう。
「……あの、部下の方、大丈夫ですか?」
「すんませんねえ、何しろド新人なもんで。オラ円、さっさとやる事やるぞ」
「あいたぁ!」
そこに脳天に容赦のないゲンコツをかまされて、ウチは恨みがましく白川さんを睨み付ける。けれど白川さんはウチの睨みなど全く気にも止めないみたいに、さっさとモニターの前に行ってしまった。
「うぅ……」
頭をさすりながら、ウチも仕方無くそれに続く。モニターの一つ一つには、社内の色んな場所の様子が映し出されていた。
「さて、まずは件の事件の日の終業後の人の出入りの確認だな」
白川さんが慣れた手つきで目の前ののパソコンを操作すると、パソコンに、事件の日の入口の様子が映し出される。更に白川さんはその映像を早送りし、終業時間まで進めた。
ブラック企業なんてものがよく話題になってる昨今だけど、この月夜野商事ではあんまりそういう事はないらしく、入口は普通に帰る人でいっぱいだ。外部の人も当然、入ってくる様子はない。
そのまま早送り気味に、パソコンの時間が進んでいく。だんだん帰る人もまばらになり、誰も映らない時間が長くなっていく。
「……来たぞ」
と、白川さんがパソコンの映像を止めた。見れば、明らかにスーツとは違う制服姿の人達が、荷物を運びながら社内に入っていく様子が映し出されていた。
「円、描けるか?」
「……はい。ちょっと画質が悪いけど、全体像だけなら問題無いです」
ウチは鞄からスケッチと鉛筆を取り出し、鉛筆を握った。犯人は、本当に狼男なのか。
それを今から――ウチが明らかにする!
白川さんと一緒に警備員さんに案内されたのは、刑事ドラマでよく見るような、いくつかのモニターが設置された部屋だった。始めてリアルで見るその光景に、ウチは思わずキョロキョロと見入ってしまう。
「……あの、部下の方、大丈夫ですか?」
「すんませんねえ、何しろド新人なもんで。オラ円、さっさとやる事やるぞ」
「あいたぁ!」
そこに脳天に容赦のないゲンコツをかまされて、ウチは恨みがましく白川さんを睨み付ける。けれど白川さんはウチの睨みなど全く気にも止めないみたいに、さっさとモニターの前に行ってしまった。
「うぅ……」
頭をさすりながら、ウチも仕方無くそれに続く。モニターの一つ一つには、社内の色んな場所の様子が映し出されていた。
「さて、まずは件の事件の日の終業後の人の出入りの確認だな」
白川さんが慣れた手つきで目の前ののパソコンを操作すると、パソコンに、事件の日の入口の様子が映し出される。更に白川さんはその映像を早送りし、終業時間まで進めた。
ブラック企業なんてものがよく話題になってる昨今だけど、この月夜野商事ではあんまりそういう事はないらしく、入口は普通に帰る人でいっぱいだ。外部の人も当然、入ってくる様子はない。
そのまま早送り気味に、パソコンの時間が進んでいく。だんだん帰る人もまばらになり、誰も映らない時間が長くなっていく。
「……来たぞ」
と、白川さんがパソコンの映像を止めた。見れば、明らかにスーツとは違う制服姿の人達が、荷物を運びながら社内に入っていく様子が映し出されていた。
「円、描けるか?」
「……はい。ちょっと画質が悪いけど、全体像だけなら問題無いです」
ウチは鞄からスケッチと鉛筆を取り出し、鉛筆を握った。犯人は、本当に狼男なのか。
それを今から――ウチが明らかにする!
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