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129 ライトの頑張りとライトの呆れと。
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――ライトside――
取り引きが終わり商業ギルドを出る頃には太陽は既に真上に来ていましたが、そろそろお昼時を過ぎた頃でしょうか。
「お昼を食べ損ねてしまいましたね。ロキシーはどうします?」
「そうだね、腹が減っては戦は出来ぬ……と言う事で、食事はしたいところだねぇ」
「こういう時、早くリディア姉さんの案である丼が食べたくなりますね」
「早い美味い安い、ってのは、デカイからね」
「飲食店でカツサンドでも食べて力をつけて、仕事に戻りましょうか」
「それもそうだね」
こうして二人で歩きながら商店街へと向かうと、行き交う冒険者や主婦の方々から「サルビアの」と声を掛けられることも当たり前になってきました。
兄が殆ど走り回っている為、今はダンノージュ侯爵領の道具店は私とロキシーが店長と思われていないか心配です。
今日はまだやるべき案件がありますし、急いで食べて動かねばと思いながら飲食店サルビアへと入ると、カツサンドを二人分頼み、私はミルクコーヒー、ロキシーはブラックコーヒーを頼むと、暫しのホッとする時間を得られました。
「この後の予定は、店に顔を出した後に解体現場への視察と、カイル兄さんが買った土地を見て回る事ですね」
「ライト、やっぱりアンタ、働き過ぎじゃないのかい?」
「そうでしょうか?」
「ワーカーホリックの気があるよ」
「では、丁度明日は休みですし、明日だけはゆっくりと温泉にでも浸かったりして身体を休めようと思います」
「ああ、そうしな。アンタは目を離すと直ぐ仕事をするからね。やれ帳簿だなんだ、各店舗の売り上げがどうだーとか」
「ふふふ。確かに。でも、その辺りは兄よりは私の方が得意分野なだけですよ」
「兄貴を甘やかすのもソコソコにね」
「事務処理系の方が箱庭に入ってくださったら、だいぶ楽になるんですが……やはりそこは自分の目と自分で計算しないとスッキリしなくって」
「几帳面だねぇ」
「数字が増える、黒字になるって……脳が高揚するんですよね……」
「……アンタがそれで幸せならいいけど」
若干ロキシーに呆れられたような気がしますが、黒字……と言う言葉程素晴らしい言葉は無いと思います。
特に商売をしている上で黒字は素晴らしい事ですからね。
「頑張りが数字に現れると言うのが、どうにも癖になってしまいました」
「その頑張りの分だけ、アンタの名声も上がってるんだけどね」
「私よりも兄の名声こそが上がるべきです。裏方ばかりではなく、華やかな部分にも兄を引きずり込んでこないといけませんね」
「確かに。ここ最近のカイルは裏方だわ。しかもカイルにしかできない裏方だわ」
「ふふふ」
こうして食事を終えるとその足で道具店サルビアへと向かい、問題が無いかのチェックを行うと次に商店街の奥にある解体現場への視察も行いました。
解体自体は早めに終わるとのことで、早くて解体作業に一カ月かかるとの事でした。
それでは伐採師さんたちの仕事が無くなってしまいますので、早く建設になって欲しいものですね。
その後、兄が買った店を一件ずつ見ていくと、手直しは必要だろうとロキシーとの話し合いで決まりました。
ならば、サルビアから依頼と言う事で伐採師さん達に仕事のない一カ月、店を綺麗にして貰おうと言うことになりました。
まずは一店舗ずつ。
是非、丼物から入って欲しい所ですが、薬屋もとても大事なのでラキュアス君の作った薬が並ぶ日が楽しみです。
それに、甘味処も出来るのであれば、計算で疲れた脳を癒すために、甘いお菓子を買っておくことも出来ますね。
そうこうしていれば既に閉店時間で、私とロキシーも箱庭へと戻ったのですが――。
「カイルとはこれから別室で過ごさせて頂きます」
「嫌だリディア! 俺を捨てないで!」
「許し難い行為でした。ケダモノですわ。汚らわしい!」
「リディアお願いだ! 頼むから機嫌を直してくれ……」
と言う、まさかの修羅場に出くわすとは思わず頭を抱えましたが、そこはロキシーが何とか雰囲気を返させてくれました。
流石ロキシーですね。リディア姉さんの機嫌もコロリと直りましたが、兄へのダメージはガンガン入ってます。
「弟のライトが、お偉いさんたちに囲まれて大変だって時に、よくもまぁ恥ずかしい事が出来るもんだね!! 兄としての矜持はないのかい!? その程度の男なのかい!?」
「ううう……」
「情けない、あ―――情けない! こんなに嘆かわしい事ってあるかい!? 恥を知りな!!」
「申し訳ありませんでした……」
「まぁまぁ、兄も元気になってくださったのが、私としては嬉しい事なんですが」
「ライトはカイルに甘いよ! ……そこはもう少し考えな?」
「はい!」
何故か私まで叱られてしまいました。
一体兄は何をやらかしたのやら……。
「兄さん」
「はい」
「私は兄さんに代わり頑張って仕事をしてまいりましたので、明日はシッカリと休みたく思います。ですので、各店舗の収支計算報告書などの計算及び記録を任せても宜しいでしょうか?」
「ラ……ライト……俺はそれが苦手で、」
「夜までに出来ていなければお解りですよね?」
「ガンバリマス!!」
ちょっとしたイライラも兄にぶつけたことで、少し溜飲が下がりました。
明日は休みですし、ゆっくりのんびり、たまには寝過ごして過ごしましょう。
ロキシーの腕に抱かれて……ゆっくりと。
取り引きが終わり商業ギルドを出る頃には太陽は既に真上に来ていましたが、そろそろお昼時を過ぎた頃でしょうか。
「お昼を食べ損ねてしまいましたね。ロキシーはどうします?」
「そうだね、腹が減っては戦は出来ぬ……と言う事で、食事はしたいところだねぇ」
「こういう時、早くリディア姉さんの案である丼が食べたくなりますね」
「早い美味い安い、ってのは、デカイからね」
「飲食店でカツサンドでも食べて力をつけて、仕事に戻りましょうか」
「それもそうだね」
こうして二人で歩きながら商店街へと向かうと、行き交う冒険者や主婦の方々から「サルビアの」と声を掛けられることも当たり前になってきました。
兄が殆ど走り回っている為、今はダンノージュ侯爵領の道具店は私とロキシーが店長と思われていないか心配です。
今日はまだやるべき案件がありますし、急いで食べて動かねばと思いながら飲食店サルビアへと入ると、カツサンドを二人分頼み、私はミルクコーヒー、ロキシーはブラックコーヒーを頼むと、暫しのホッとする時間を得られました。
「この後の予定は、店に顔を出した後に解体現場への視察と、カイル兄さんが買った土地を見て回る事ですね」
「ライト、やっぱりアンタ、働き過ぎじゃないのかい?」
「そうでしょうか?」
「ワーカーホリックの気があるよ」
「では、丁度明日は休みですし、明日だけはゆっくりと温泉にでも浸かったりして身体を休めようと思います」
「ああ、そうしな。アンタは目を離すと直ぐ仕事をするからね。やれ帳簿だなんだ、各店舗の売り上げがどうだーとか」
「ふふふ。確かに。でも、その辺りは兄よりは私の方が得意分野なだけですよ」
「兄貴を甘やかすのもソコソコにね」
「事務処理系の方が箱庭に入ってくださったら、だいぶ楽になるんですが……やはりそこは自分の目と自分で計算しないとスッキリしなくって」
「几帳面だねぇ」
「数字が増える、黒字になるって……脳が高揚するんですよね……」
「……アンタがそれで幸せならいいけど」
若干ロキシーに呆れられたような気がしますが、黒字……と言う言葉程素晴らしい言葉は無いと思います。
特に商売をしている上で黒字は素晴らしい事ですからね。
「頑張りが数字に現れると言うのが、どうにも癖になってしまいました」
「その頑張りの分だけ、アンタの名声も上がってるんだけどね」
「私よりも兄の名声こそが上がるべきです。裏方ばかりではなく、華やかな部分にも兄を引きずり込んでこないといけませんね」
「確かに。ここ最近のカイルは裏方だわ。しかもカイルにしかできない裏方だわ」
「ふふふ」
こうして食事を終えるとその足で道具店サルビアへと向かい、問題が無いかのチェックを行うと次に商店街の奥にある解体現場への視察も行いました。
解体自体は早めに終わるとのことで、早くて解体作業に一カ月かかるとの事でした。
それでは伐採師さんたちの仕事が無くなってしまいますので、早く建設になって欲しいものですね。
その後、兄が買った店を一件ずつ見ていくと、手直しは必要だろうとロキシーとの話し合いで決まりました。
ならば、サルビアから依頼と言う事で伐採師さん達に仕事のない一カ月、店を綺麗にして貰おうと言うことになりました。
まずは一店舗ずつ。
是非、丼物から入って欲しい所ですが、薬屋もとても大事なのでラキュアス君の作った薬が並ぶ日が楽しみです。
それに、甘味処も出来るのであれば、計算で疲れた脳を癒すために、甘いお菓子を買っておくことも出来ますね。
そうこうしていれば既に閉店時間で、私とロキシーも箱庭へと戻ったのですが――。
「カイルとはこれから別室で過ごさせて頂きます」
「嫌だリディア! 俺を捨てないで!」
「許し難い行為でした。ケダモノですわ。汚らわしい!」
「リディアお願いだ! 頼むから機嫌を直してくれ……」
と言う、まさかの修羅場に出くわすとは思わず頭を抱えましたが、そこはロキシーが何とか雰囲気を返させてくれました。
流石ロキシーですね。リディア姉さんの機嫌もコロリと直りましたが、兄へのダメージはガンガン入ってます。
「弟のライトが、お偉いさんたちに囲まれて大変だって時に、よくもまぁ恥ずかしい事が出来るもんだね!! 兄としての矜持はないのかい!? その程度の男なのかい!?」
「ううう……」
「情けない、あ―――情けない! こんなに嘆かわしい事ってあるかい!? 恥を知りな!!」
「申し訳ありませんでした……」
「まぁまぁ、兄も元気になってくださったのが、私としては嬉しい事なんですが」
「ライトはカイルに甘いよ! ……そこはもう少し考えな?」
「はい!」
何故か私まで叱られてしまいました。
一体兄は何をやらかしたのやら……。
「兄さん」
「はい」
「私は兄さんに代わり頑張って仕事をしてまいりましたので、明日はシッカリと休みたく思います。ですので、各店舗の収支計算報告書などの計算及び記録を任せても宜しいでしょうか?」
「ラ……ライト……俺はそれが苦手で、」
「夜までに出来ていなければお解りですよね?」
「ガンバリマス!!」
ちょっとしたイライラも兄にぶつけたことで、少し溜飲が下がりました。
明日は休みですし、ゆっくりのんびり、たまには寝過ごして過ごしましょう。
ロキシーの腕に抱かれて……ゆっくりと。
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