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第二章 次なる政策と、娯楽の甘味
32 持ち帰った号外と、新たなる甘味【かき氷】と【アイスキャンディー】
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――大量に持ち帰った号外を兵士に頼んで貴族エリアや住民エリアなどで配って貰う事にした効果は凄まじかった。
翌日には俺に謁見したい貴族で溢れかえったが、忙しさを理由に断った。
俺とて暇ではない。一々貴族の道楽に付き合う義理などはない。
それに俺には会議中だ。
「つまり、商隊部門大臣ラディリアよ。既にバランドス王国とネバリ王国との道は作ったという事だな?」
「はい、まさか神々の島での活路を見出して下さったシュライ様には頭差が下がりますが、後日向かい場所を確保致します。是非お力添えを」
「分かった。実は砂糖を輸入する事が決まってな。無論自国商品に使う為にの量だ。今まで通り国で作っている砂糖に関しては今後も変わりはない」
「自国商品に他国の砂糖を使うのですか?」
「砂糖と言えど幾つもの砂糖がある。ジュノリス大国が持っている砂糖はこの国でしか食べれられない素晴らしい食べ物になるぞ? それにアイスキャンディを作るにしてもかなり役立つものだ」
「「「「「ほおおお」」」」」
「わが国で乳を出す動物が飼えないか検討中だ。箱庭師の箱庭を使ってもいい。酪農の国ネバリ王国に商談として出してみる予定だ。それもアイスに使うが、わが国で冷たい食べ物を食べられたら素晴らしいとは思わないか?」
「思います!!」
「「「同じく!!」」」
「うむ、現在俺の箱庭で大量の氷を作っている最中だ。まずは氷だけで売りに出そうと思ってな。実際に食べて貰った方が早いだろうと思ってアイテムボックスに入れてきている。果物のシロップはジュノリス大国から買ってきた果物で作ったが、食べてみてくれ」
そういうとメイドに出したかき氷を一人ずつに運んで貰い、キラキラしたかき氷に驚きつつ上にかかった果汁シロップに驚きながら食べ始めた。
無論俺は果汁だけではなく試作品で成功したコーヒーフロートだ。
「「「こ、これは!!」」」
「シュライ様が食べているのはなんです!?」
「こちらは偶然作る事が出来た、わが国でも飲まれている珈琲を使ったコーヒーフロートだ。皆の分もあるから食べ終わったら渡してやろう」
「くあ!! 急いで食べると頭にキーンときますな!!」
「だが、身体は随分と冷えるぞ!」
「これが当たり前に食べられるようになったらいいですなぁ」
「気楽に食べられる氷と言うのはないのですかねぇ。仕事中に食べたいですよ」
「全くだな」
「金額は高いが、小型ではあるが冷凍庫は用意できるぞ。自分たちの執務室に氷を置いて食べると言うのも手だろうし、アイスキャンディを食べると言うのも手だろう。コーヒーフロートの前にアイスキャンディがどんなものか、試作品だが皆に食べて貰いたい」
「そういうとアイスキャンディを取り出しメイドに配って貰うと、シロップとスライスした果物を凍らせたものだが食べて貰い、皆が驚いていた。
「これもまたいいですな!!」
「俺はこっちが好きです!!」
「美味しい! 甘いのに果物がまた美味しくてシャリシャリしていて面白いです!」
「このアイスキャンディを作るのにしてもジュノリス他国から砂糖の仕入れが必要なのだ。値段は抑えてくれるそうなので多量に買って安く抑えようと思っている」
「なるほど……これは納得の美味しさですな」
「最後にコーヒーフロートだが」
と話ながらアイスについて語り合いつつ、今後国の特産品として出そうかと思っている事も伝えると、全員が納得した。
「観光業にも力を入れたい所だが、見どころとなる場所が少ないのも問題だな。まずは人が増えない事には色々とはじまらないが、国内から進めていいって良いだろう」
「「「畏まりました」」」
「それから、ノベルシカ王国の動向には注意をしてくれ。偵察部隊を増やしてもいい」
「何かありましたか?」
「気になる事がな。決定的になったら連絡する」
「「「「畏まりました」」」」
「今日の議題は以上だ。それからラディリア、交渉してもし了承が出るのならネバリ王国から乳牛のオスとメス、メスは多めに購入できるか聞いておいてくれ」
「畏まりました」
「それ次第で箱庭師を一人雇う事にしよう」
こうして一息つくと俺は執務室に戻りサファール宰相から声を掛けられた。
貴族連中が鬱陶しいと言う話でもあったが、事実貴族連中は神々の島に行きたいが故にパイプが欲しいと言うのが透けて見える。
そんな輩をアツシ様に紹介するはずが無い。
「全く……面の皮だけは分厚い奴等だな」
「全く持ってその通りかと」
「今まで散々俺とシュリウスを馬鹿にしてきた奴等だ。放置して置け」
「畏まりました」
こうして貴族関係の問題は放置と言うことになり、次なる商品開発に向けて俺も突き進んでいく。
手回しのかき氷器の作成には成功している。
氷もかき氷器に設置できる大きさにカットしてアイテムボックスに大量に入っているが、それらは試作品で作って大量に出た氷だ。
まずは氷だけで安く売りに出し、そのうちシロップありの物を作り上げる。
自国の物を使うとしたら甘めの果物でのシロップだな。
コーヒーフロートも作ろうと思えば作れる。
寧ろそっちの方が簡単だ。
大人向けとしては売りに出せるだろう。
「孤児院とシルバー人材センターはどうだ?」
「はい、働きたいと言う申し出が殺到しているそうです」
「よし、では箱庭師を用意してくれ。直ぐに取り掛かりたい」
「畏まりました」
こうしてシュノベザール王国に新たに【かき氷屋】が出来るのはもう直ぐであった。
そしてそれは爆発的に人気となり、シュノベザール王国になくてはならない食べ物になるのに、時間は掛からなかったのである――。
翌日には俺に謁見したい貴族で溢れかえったが、忙しさを理由に断った。
俺とて暇ではない。一々貴族の道楽に付き合う義理などはない。
それに俺には会議中だ。
「つまり、商隊部門大臣ラディリアよ。既にバランドス王国とネバリ王国との道は作ったという事だな?」
「はい、まさか神々の島での活路を見出して下さったシュライ様には頭差が下がりますが、後日向かい場所を確保致します。是非お力添えを」
「分かった。実は砂糖を輸入する事が決まってな。無論自国商品に使う為にの量だ。今まで通り国で作っている砂糖に関しては今後も変わりはない」
「自国商品に他国の砂糖を使うのですか?」
「砂糖と言えど幾つもの砂糖がある。ジュノリス大国が持っている砂糖はこの国でしか食べれられない素晴らしい食べ物になるぞ? それにアイスキャンディを作るにしてもかなり役立つものだ」
「「「「「ほおおお」」」」」
「わが国で乳を出す動物が飼えないか検討中だ。箱庭師の箱庭を使ってもいい。酪農の国ネバリ王国に商談として出してみる予定だ。それもアイスに使うが、わが国で冷たい食べ物を食べられたら素晴らしいとは思わないか?」
「思います!!」
「「「同じく!!」」」
「うむ、現在俺の箱庭で大量の氷を作っている最中だ。まずは氷だけで売りに出そうと思ってな。実際に食べて貰った方が早いだろうと思ってアイテムボックスに入れてきている。果物のシロップはジュノリス大国から買ってきた果物で作ったが、食べてみてくれ」
そういうとメイドに出したかき氷を一人ずつに運んで貰い、キラキラしたかき氷に驚きつつ上にかかった果汁シロップに驚きながら食べ始めた。
無論俺は果汁だけではなく試作品で成功したコーヒーフロートだ。
「「「こ、これは!!」」」
「シュライ様が食べているのはなんです!?」
「こちらは偶然作る事が出来た、わが国でも飲まれている珈琲を使ったコーヒーフロートだ。皆の分もあるから食べ終わったら渡してやろう」
「くあ!! 急いで食べると頭にキーンときますな!!」
「だが、身体は随分と冷えるぞ!」
「これが当たり前に食べられるようになったらいいですなぁ」
「気楽に食べられる氷と言うのはないのですかねぇ。仕事中に食べたいですよ」
「全くだな」
「金額は高いが、小型ではあるが冷凍庫は用意できるぞ。自分たちの執務室に氷を置いて食べると言うのも手だろうし、アイスキャンディを食べると言うのも手だろう。コーヒーフロートの前にアイスキャンディがどんなものか、試作品だが皆に食べて貰いたい」
「そういうとアイスキャンディを取り出しメイドに配って貰うと、シロップとスライスした果物を凍らせたものだが食べて貰い、皆が驚いていた。
「これもまたいいですな!!」
「俺はこっちが好きです!!」
「美味しい! 甘いのに果物がまた美味しくてシャリシャリしていて面白いです!」
「このアイスキャンディを作るのにしてもジュノリス他国から砂糖の仕入れが必要なのだ。値段は抑えてくれるそうなので多量に買って安く抑えようと思っている」
「なるほど……これは納得の美味しさですな」
「最後にコーヒーフロートだが」
と話ながらアイスについて語り合いつつ、今後国の特産品として出そうかと思っている事も伝えると、全員が納得した。
「観光業にも力を入れたい所だが、見どころとなる場所が少ないのも問題だな。まずは人が増えない事には色々とはじまらないが、国内から進めていいって良いだろう」
「「「畏まりました」」」
「それから、ノベルシカ王国の動向には注意をしてくれ。偵察部隊を増やしてもいい」
「何かありましたか?」
「気になる事がな。決定的になったら連絡する」
「「「「畏まりました」」」」
「今日の議題は以上だ。それからラディリア、交渉してもし了承が出るのならネバリ王国から乳牛のオスとメス、メスは多めに購入できるか聞いておいてくれ」
「畏まりました」
「それ次第で箱庭師を一人雇う事にしよう」
こうして一息つくと俺は執務室に戻りサファール宰相から声を掛けられた。
貴族連中が鬱陶しいと言う話でもあったが、事実貴族連中は神々の島に行きたいが故にパイプが欲しいと言うのが透けて見える。
そんな輩をアツシ様に紹介するはずが無い。
「全く……面の皮だけは分厚い奴等だな」
「全く持ってその通りかと」
「今まで散々俺とシュリウスを馬鹿にしてきた奴等だ。放置して置け」
「畏まりました」
こうして貴族関係の問題は放置と言うことになり、次なる商品開発に向けて俺も突き進んでいく。
手回しのかき氷器の作成には成功している。
氷もかき氷器に設置できる大きさにカットしてアイテムボックスに大量に入っているが、それらは試作品で作って大量に出た氷だ。
まずは氷だけで安く売りに出し、そのうちシロップありの物を作り上げる。
自国の物を使うとしたら甘めの果物でのシロップだな。
コーヒーフロートも作ろうと思えば作れる。
寧ろそっちの方が簡単だ。
大人向けとしては売りに出せるだろう。
「孤児院とシルバー人材センターはどうだ?」
「はい、働きたいと言う申し出が殺到しているそうです」
「よし、では箱庭師を用意してくれ。直ぐに取り掛かりたい」
「畏まりました」
こうしてシュノベザール王国に新たに【かき氷屋】が出来るのはもう直ぐであった。
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