フェンリルに転生した私は、もふもふ仲間たちと笑い合い、未来を守りたい!

寿明結未(ことぶき・あゆみ)

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第一章 私は人間国のダンジョンで生を受けてモフモフ探しの旅に出る!

第6話 まずはドラゴンを倒せるようになりましょう!

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 オーディンに殺された亡き家族を悼んだ後は、今後の話し合いだ。
 母は獣人化しているが真っ裸である。これは大問題に違いない。
 だからと言って獣人化すると巨大になる、さて、どうしたものか?


「ああ、フェンリルの姿も大きさは自由に変えられますよ」
「そうだったんだ。この部屋の大きさだったからお母さんは大きい姿にしかなれないのかと思ってたわ」
「ふふ、親子でレベル上げするのも悪くないわね」
「親子でか……それっていいかも」
「カオル の お母さま リルフィル様 だったんだね」
「リルフィル様?」
「これでもフェンリルの神の中では上位にいるんですよ。とは言っても、馬鹿旦那がしつこくて仕方なく番にはなりましたが……本当にあのバカは能無しでしたね」
「おお……母、パパ様に対して言葉が辛辣」


 とは言え、パパ様の所為でこんな状況なのだから仕方ないのかも知れない。
 パパ様がもう少し理性ある人だったらまだマシだったかも。
 それでもオーディンの息子は追いかけてはきただろうけれど。


「なには ともあれ これからの事を 考えないと ですね」
「そうね、ある程度の魔物はMP吸った状態だけどお肉は沢山あるの」
「でも、それだとカオルのお腹が空いてしまうわ」
「うう……蜘蛛は目を閉じてMP変換すれば霞を食べられなくはない……かな」
「幸いキメラがいなくなればここなら私の独擅場です。カオルのレベル上げも兼ねて狩りをしましょう」
「そうですね」
「ドラゴン は 冒険者ギルド で 高く買って貰える」
「このあたりのドラゴンは特に高値ですよ」
「お母さんは冒険者でもあったの?」
「ふふ、獣人を取るくらいですから、獣人の世界では冒険者でしたよ」


 なるほど、色々知識を知ってそうだ。
 この辺りのモンスターが高値で売れるならドンドン借りたい所だわ。


「その、可愛らしいモフモフした魔物っています?」
「この上の第一層かしら? そこは草原が広がっていて色々なモフモフな獣が沢山いた筈よ。それがどうしたの?」
「それが、【テイム】を覚えているから、モフモフな獣を仲間にしたいなって思って」
「なるほど……それなりに強いモフモフの獣となると……ホワイトタイガーが上の層にいた筈ね。ドラゴンでも可愛らしいのならフェアリードラゴンかしら」
「でも、レアなモンスターが欲しいなぁ」
「レアな モンスター は 大体 隠し扉の中 に 潜んでる」
「隠し扉か」


 そう言って地図を広げると、確かにこの雪原エリアと灼熱エリアにも隠し扉がある事に気づく。
 そして地図をもっとズームしてみると、雪原エリアのレアモンスターは蜘蛛で、灼熱エリアはドラゴンのようだ。
 しかもブラックドラゴン……そう伝えると「ブラックドラゴンは気難しいからテイムは無理かもね」と言われ、フェアリードラゴンとホワイトタイガーを仲間にする事を目標にする。
 お母さんもモフモフなんだけど、やっぱりモフモフな仲間は増やしたいしね!
 後、母は過剰戦力な気がする……なんとなくだけど。


「お母さん、冒険者だった時のランクとかってある?」
「ソロのSランカーだったわ」
「おおう……」
「フェンリルのリルフィルと言えば結構有名だったのよ? ふふふ」


 お母さま、お淑やかな淑女な感じなのにアグレッシブだったんですね。
 でも、これだけ美人ならさぞやモテたのでは?
 そう思い問いかけてみると、確かにモテたらしいが母は番を作る気は無かったそうだ。今が楽しいのでそれでいいと思っていたのもあるらしい。
 しかし、父に見初められて只管ストーカーの様に追い掛け回され、渋々だった……と遠い目をしていた。


「だからカオルには大恋愛の末の結婚をして欲しいわ」
「う、私きっと獣人化しても胸もペッタンコのお子様ですよ?」
「それでもいつまでも子供ではないわ。大丈夫、母の血を引いてますからね」


 確かに母はボンキュッボンだけども。
 私もそうなれるだろうか? いや、目指すはお母さんですよこうなったら!


「頑張るわ!」
「その意気ね!」
「一先ず は キメラがいないか 確認 してきます」
「プリシアちゃん気を付けてね」
「はい」


 そう言うとプリシアちゃんは居住空間から小さい顔を出して辺りを見渡している様子。すると手を伸ばしてバツを作ったので、まだキメラがうろついているのだろう。


「まだ キメラ います。 でも 数は減った」
「ムウ、キメラしつこいな」
「後2日もすれば消えると思うわ。私というご馳走のいなくなったのが余程悔しいのね」
「ご馳走って……」
「それまでに、これからの事を決めましょう。スキルツリーの事も相談に乗れるわ」
「ありがとうございます!」
「ただ、母はスパルタですよ? ついてこれますか?」
「はい! でもお手柔らかにお願いします!」
「ふふふ」


 そう言って嫋やかに笑うお母さん。うーん、絵になる。


「取り敢えず、ソロで第三層の敵を倒せるようにはなりましょうか」
「それは厳しいです……。せめてプリシアと二人で倒せるようにくらいにして下さい」
「あらまぁ。素質はありそうなのに」
「何度もこれまで死んでますから……」


 そうなのだ。
 モンスターには殺されていないが、オーディンだのなんだのと殺されているので、死亡保障も後どれくらい持つか分からない。
 生存保証を頼まれるくらいなので、無理は出来ない事も伝えると、母は納得したように頷いた。


「女神さまのお願いでしたら仕方ないですね」
「すみません……」
「いえいえ、貴女がある程度二人で狩れるようになったら、私も一端神々の世界に戻ってみようと思います。貴女が世話になっている女神さまとやらにも会いたいですし」
「そう言えば、私女神さまの名前知らないけど何なのかしら?」
「キュティー様 だよ」


 そうプリシアが教えてくれて、初めて女神の名を知った私だったが、母は暫く考え込んだ末「下っ端女神ですね」と口にしていた。
 とは言え、私の為に生存保証をつけてくれていた事には感謝しているらしく、今アレコレ言うつもりはないらしい。


「取り敢えず2匹でなら雪原地区のモンスターは何となるから、問題はドラゴン側なの」
「そうだったの。ドラゴンは尻尾を狙えば空を飛べなくなるし、首を撥ね飛ばせば動かなくなるわ」
「ん――難易度が高い!」
「でも経験値は美味しいわよ」
「頑張るしかない!」
「後、闇魔法が地味に効くわ。目を潰してから攻撃の闇魔法なり使えば簡単よ」
「闇魔法ドンドン使います!」


 それに、吸えるMPも多いしね!
 こうして私たちは二日程居住空間に籠ってから、キメラがいなくなったのを確認してプリシアと二人、ドラゴン狩りを始めたのであった。
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