とある少女のお話

どこでも大佐

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「手紙を貰ったんです」ジュリアス・ランドルと名乗った黒人がそう言う。
「『雫』という方から悪魔がいると。助けてくれとね」

「それを信じたんですか?」と私

三人が目配せした。そしてマッキンタイヤーと呼ばれた若い男が話し始めた。
「ええ。何故ならその雫が記載してくれた悪魔の特徴が」
そして彼は胸で十字架をきる。
「名前を出すだけでやばいので、とりあえず仮の名で。その悪魔を牛鬼と呼びましょう。我々が3世紀近く追ってる悪魔なんです」

「つまり退治しにきたんですか」と私。

「無理だな」とジュリアス・ランドルが言った。「あと7世紀ぐらいかかって倒せるかどうかだ」
「ただ今回は」とマッキンタイヤー「次の器を先に押さえられたので」
「器?」と私
「あなたです。器」とジュリアス・ランドルが言う。「悪魔は人間の器が。特殊な条件の揃った器が居るんです。それがあなたなんです」

私は頷く。

ジュリアス・ランドルが言った。「器は悪魔の住処にもなれば」
「悪魔を殺せる武器にもなるんです」

「つまり私に武器になれと」と私
「いえ……多分無理ですね」とマッキンタイヤー「牛鬼は手強いですから。過去何度も煮え湯を飲まされた相手です」

「では私は何をしたら」と私
「ただただ撒き餌になって欲しい。それだけです。簡単でしょ」とマッキンタイヤー
私は黙って頷くしかなかった。
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