無力

レオス

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其ノ三『結末』

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 先にXとAの現在を紹介しよう。
 Xを退会させた自分にAは、『なぜ、退会させた』と聞きながらXを招待し直した。
 自分は、《原因は、お前だよ》などとは到底言えず、無視をした。
 数日後、一週間も経たない内にXは、戻ったようだ。
 雰囲気は完全に戻ってはないが、大分いい感じになっているようだ。
 Bは特に反応はなかった。実は、Xは先にBに退会を求めていたようだ。拒否したそうだが。

 自分はあの後、全てのグループの通知をきって、身を引く事にした。
言葉を使って気持ちを伝えようとしても、伝わっていない、そう感じてしまった。周りから見てみれば、『思い込みだ』とか『難しく考え過ぎ』と見えるだろう。
 幼稚園の頃から世話焼きというかお節介というか、兎に角面倒ごとに首を突っ込む性格だった。そして、その度に『上手くいかない』と泣いていた。そして、気が付いた時にはまた、面倒ごとに首を突っ込んでる、と繰り返していた。懲りもせず。

 今回に限っては別だった。

 悔しかった
 苦しく、辛かった
 恐ろしくもあった

 自分にはこれ以上、わからなかった。やりたいようにやった筈なのに。

 『敬語、辞めた』『お疲れ様』『ありがとう』

 今や、とてつもない数の人がSNSを利用している。その中で出会いがあったり、別れがあったり、見ず知らずの人と付き合って結婚した、なんて話も少なくない。だが、自分は怖くなった。相手の顔が見えない、様子が伺えない中で進行する話題。一歩間違えれば、相手の人生を壊してしまうかもしれない。

 今回、このグループはそうはならなかった。だけど自分の中ではそれでは済まなかった。もし、原因の二人が物分かりが悪かったら。もし、『A』が招待し直していなかったら。

 もし・・・

・・・
 今度頑張って学校に行こう。実際に会って、顔を見て話そう。そうすればなにか変わるかもしれない。

そう思いながら身体を横にし、睡魔に身を任せた。
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