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第四章 混沌の時代・7つの特異点
55 0.5秒の間隙
しおりを挟む(ニルヴァーナ、聞こえてるか?)
(無論だ。我が主カーズよ)
(早速で悪いが、アレをやる。いいな)
(我を手にして早くも使うと言うのか。それほどの相手なのか?)
(ああ、恐らく最悪最強。だが一瞬の隙を作ることが勝機に繋がる。頼むぜ相棒)
(カーズよ、考えは伝わった。任せておけ)
(じゃあ、いくぜ)
「アストラリア流抜刀術・奥義」
ドッ!!! カッ!!!
「無駄だよ!」
「うおおおお!!! 神龍・円!!!」
奴の長剣の届くギリギリの射程、目の前に巨大な円形に口を開ける様に刻み付けた斬撃痕! 先ずは検証、あの攻撃が全てを斬れると仮定しても、神龍で斬り裂いた空間そのものを斬ることができるのか? 不可能だと仮定しておく、仮に斬れたとしても…。
キィーン! ドゴオオオオオオオオーーーー!!!
振り向き、納刀! そこから一気に放出される剣圧・魔力・神気の奔流、それら全てを一撃で斬ることなど不可能なはずだ。俺が敢えて円形に斬撃痕を刻んだのも、こちらを目視で見えないようにするため。神眼は俺も使えるが、目の前の脅威から目を逸らしてまで他を捕らえるなど、そう簡単にできることではない!
「う、ああああああ!! くぅっ!!」
ザン!! ザシュシュッ!!
わざわざ斬撃痕に近寄って斬った。今の三連撃で一発目。
「背を向けたままとは…。隙だらけだよ!! くっ、ハァッ!!!」
ザンッ!! バシャアッ!!
「水!!? バカな! カーズは何処に!?」
ドズンッ!!!
「ガ、ハッ…、!! う、後ろ…だ、と…!!」
「アストラリア流格闘スキル、イクサクシス・ハンドソード」
格闘用のグローブに変形したニルヴァーナ、そして俺の左手にありったけの神気をつぎ込んだ手刀での貫き手! その一撃がファーレの背から魔神衣を破壊し、胸を貫通した。そのまま後ろからこいつの体の自由を奪うように締め上げる。
「い、一体何が…!? う、カ、ハッ…!?」
「わからなかっただろ? 俺が何をやったのか。なぜ神眼を、未来視を発動しているのに俺に背後に回り込まれたのか、不思議で仕方ないだろ?」
胸を貫いた。当然の様な夥しい流血、口からも背からも胸からもだ。まだ生きてるってのが神と言うべきか…、しぶといぜ。キッチリ心臓に、神格へとぶち込むべきだった。
「ナギストリアが言ってたろ? 神とは蒙昧で傲慢だと。自分がやられるなんてイメージさえもできなかったんだろ? 種明かしの前に、この魔神器を振るう鬱陶しい右腕も貰っていくぜ。アストラリア流格闘スキル!」
ドッ!! ゴキゴキバキィ!!!
「うぐっ、ああっ!!!」
「内気破砕神掌功!!!」
残った右手で放った掌底で、触れた部分から体内へとダメージを直接伝達する格闘スキル。今の状態なら威力も相当だ。魔神衣を纏っていようが、関係ない。ファーレの右腕は砕いた。もうアポカリプスを振るうことも、あの不可視の斬撃も使えない。こういうピーキーな武器は振るわせないか、空振りさせる、または振るうことすらさせなければいい。そうすればただの邪魔臭い長剣と同じだ。
「さっきのはニルヴァーナの戦型・水、俺の姿を鏡の様に水の形状で映し出す。俺はこいつを手に取って振るう前から、ずっと心の中で対話してきた。何ができるのか、どんな能力があるのかってな。ぶっつけ本番で使う程馬鹿じゃねーんだよ。お前みたいに何でもペラペラと自慢気に喋る奴は良いカモだ。こんなに簡単にハマってくれるとは。よーく憶えとけ、人間ってのは弱いからこそ用心深いんだよ」
砕いた右腕も魔神器ごと後ろで極めた。奴が斬ったのはニルヴァーナが俺の姿を模した水。勿論水だけではない、他にもあらゆる形状への変化、数も自在。目の前の異変に目が釘付けになるのは人も神も同じと言うことだな。
ニルヴァーナは俺の魔力・神気と波長が同じ、本物と間違えるのも当然だ。俺はこいつが不可視の斬撃を最初に無駄撃ちした瞬間、要は神龍の斬撃痕に斬りかかった瞬間に、こいつの背後に気配・魔力遮断状態で転移しておいた。どの道斬られて散ったニルヴァーナは俺の神格へと戻る。そこでこいつの行動を観察し、戻って来たニルヴァーナを格闘フォームにし、イクサクシス・ハンドソードを貫通させた。
「くっ、ならばなぜいきなり後ろに…? がふっ…」
「お前は目の前の致死の脅威から目を逸らすことができるのか? いいや、できないはずだ。神眼に未来視は俺も使えるが、目の前のそれらを無視して他を見渡す程の余裕なんかない。お前は自分が危機に陥ったことなどないから理解できなかっただろ? そして神界で見た神々の闘い方、極大の力を互いにぶつけ合う。分かり易いが、駆け引きというものがない。する必要がないんだろうけどな、それじゃあ同様の力を持った人間相手には通用しないんだよ。更に種明かしだ。最初に俺に放った不可視の斬撃、アストラリア・エクスキューションを斬り裂いて消滅させる程の斬撃なのに、俺には致命傷にすらならなかった。何故か? 先ずは間合い。斬撃と言っている以上、剣の形態じゃなければ放てない。そしてその長剣の長さは鑑定したところ2m、届かない場所は斬れない。最初に俺が受けた斬撃は間合いの先が届くギリギリだったが、向かってくるアストラリア・エクスキューションは間合いの中。そして神龍の斬撃痕を斬り裂くとき、敢えて被弾しながら近づいたな。そして一度振るったらそれを止めるまでか、最大3撃まで効果が続く。次にその能力を振るうことができるのは、0.5秒後。水のニルヴァーナを斬るまで、一瞬躊躇いか硬直のようなものがあったのを俺は見過ごさなかった。この欠点は致命的だ。そんなチート染みた能力、無尽蔵に振るうことなどできないはず。絶対に穴があると思ってたぜ。強力な力程制限がある。常識なんだよ。言ったろ? 腐るほど見たってな」
「くっ、がっ…、あの数回の攻防でそんなことまで…。何という、観察眼を、しているんだ…君は」
驚いてるな。一方的にしか勝ったことがないってのは、反省する必要がないため、それがそのまま弱点と言ってもいい。それにこいつは最初の俺の斬撃を剣先でいなした。まるで撃ち合いたくないと言わんばかりの技術だった。間合いに招き入れる好機だというのに、それを嫌がるかの様に。
そこで立てた仮説、防御に回ると自分のタイミングで発動させにくくなるということだ。神狼牙を防ぐ時も、不可視の斬撃で潰す方が手っ取り早いはず。だがこいつはしなかった。いや、出来なかったと言うべきだ。相手に合わせるのではなく自分のタイミングで発動したい、いやそうしかできないってことだ。こいつの能力は自分の間合いを保つことが前提条件。近づくと斬られると刷り込まれると普通は足が竦む。だがその一見危険な間合いの中にこそ突破口がある。
斬りたいと思ったものを斬る。そう思えない、対象が捉えにくい高速の剣技などは斬ろうと思えない、斬れないということだ。これは致命的過ぎる欠陥の上に、一度放つと0.5秒のインターバル。近距離からの連撃の応酬になれば、アストラリア流の神速の連撃には絶対に対応できない。まあここまで丁寧に説明してやる義理もないから教えないけど。
「常に目を凝らして視てるんだよ、一つ一つの攻防の中で。相手を、自分を、間合いに戦況を。人間は脆いんでね、一発が命取りになる。あの世界の遊戯が面白いと思うだけで、そこに介在する教訓や意味を理解していないお前には、闇弱って言葉を教えてやるよ。ものの道理がわからず、ただの興味のみで本質を見抜く目を持っていない。イクサクシス・ハンドソードがなぜお前の強靭な魔神衣を破壊できたのかも理解できないだろ? さあ、一緒にアストラリア・エクスキューションを喰らってもらうぜ!!! 今だ! アリア! 撃て!!!」
「ガハッ!! 正気か!? き、君は、この場の勝利の為だけに…、命を懸ける、つもりなのか…!?」
死ぬ気など毛頭ないが、どうせならこいつが悔しがる行動を、俺に対する苦手意識を植え付ける行動をとってやることにしよう。
因みにイクサクシス・ハンドソード、こいつはx-axis、グラフの横軸という意味だ、あらゆるものを縦軸に例えると横軸は必ず垂直に貫通する。先に放った奥義のアルティメット・ヘヴンよりよっぽど凶悪だ。これも所謂概念の攻撃。奴の不可視の斬撃と大差ない。間合いが至近距離過ぎるためこういう場面でしか使えない。ほら言った通り、強力過ぎる能力には制限がつくんだよな。
「くっ…、カーズ…」
アリア、躊躇してるのか? 構わず撃て!!
「闘いとは常に命懸けなんだよ。それがピッチの上でも、武器を交えたモノでもな! 言っただろ、テメーみたいな能力なんざ腐るほど見たことがあるって。それにこれから見せる能力があったとしても、俺の知識の中には必ずある。人間の発想を舐めんなよ。アリア!! 迷うな、撃て!!!」
「くっ…、君は、命が惜しくは、ないのか…!?」
「あ? 惜しいに決まってんだろ? でもな、ここでお前を潰せば後は雑魚も同然! 命を懸ける価値はあるんだよ。それにただで死のうとしているように思ってるのか? やっぱ馬鹿だなお前は!」
ギリギリギリッ!!
締め上げる腕に力を込める。流血が止まらない。このままでも失血死で斃せるかもしれないが、地力の差がある。長引かせるのは危険だ。
「うぐあっ! ごふっ…! なっ、それは、一体…?」
「まだまだあの世界の遊戯がわかってないみたいだな、皇帝サマよ! 策とは二重三重に張ってなんぼなんだよ! 駆け引きなんて、強大すぎる力を持ったお前には全くわからないだろ? アリア! 早く撃て!!」
このバカ、何を躊躇ってるんだよ、全く。
「そんなこと、できる訳がないでしょう! 私にあなたごと消し去れと言うのですか!?」
こいつ…、自分の加護を忘れてやがるな。血が上ると冷静さを失う。こいつの弱点だ。
「俺は一回は致死ダメージ無効!! 自分の加護を忘れてんじゃねーよ! それにそのまま喰らう訳がないだろが、このバカ女神が!!」
はっと思い出した様な顔をするアリア。
「このー、言いましたね…、なら思い切りいきますよ! はあああああ!!!」
上段に構えた聖剣を振り下ろす!
「くっ…、やめたまえ! アリア! カーズまで巻き込むつもりなのか!?」
「カーズの頭の回転の凄さを知らないのはあなたですよ、ファーレ! 受けよ、正義の女神の一撃を! アストラリア・エクスキューション!!!」
ゴオオオオオオオッ!!!
「来い、ニルヴァーナ!!」
ガシッ! 右手でソードフォームのニルヴァーナを掴む!
「なにっ! ガッ…! まだ足掻くのか君は!?」
「死ぬのはテメーだけだよ、皇帝サマ!! いくぜ!!」
右手にのみ込めた残った全神気に魔力、それを左手の手刀を引き抜くと同時に奴の体に叩きつける!!
「アストラリア・エクスキューション!!!」
ドゥッ!!! カッ!!!
「がああああああああ!!!」
ドオオオオオオンン!!!
前後から放たれた奥義にサンドイッチだ。仮に斃せなくとも、確実に致命傷、直ぐに行動できない程のダメージは絶対に入る!
2つのアストラリア・エクスキューションがぶつかり合い、天界で見たときの様な途轍もない大爆発が巻き起こる! 抜き取った左手も添えて両手で撃つ! だがやはり消耗している俺よりもアリアの方が威力が強いな。このままでは俺も飲まれる!
「おりゃあああああ!!!!」
ドオン!!!
ギリギリまで奥義を叩きつけたまま、ファーレの背に蹴りを喰らわしてアリアの後ろへと転移する。そのままアリアの放った極光のレーザー砲の様な一閃は天高くファーレを飲み込んだまま消えていった。
「ふぅ、…さすがにガス欠だ。アリア、魔力分けてくれー」
「カーズ…、もうこんな無茶はやめて下さいよ…」
いつものことだろうに、どうしたんだ?
「あいつは、やったのか?」
「ええ、インタフェアランスも消えていますね。斃したと思いたいですが…」
「なるほど、神格は奪えてないと…」
まあ、こんなにあっさり蹴りが付く相手じゃないだろう。油断してたから今回は勝てた様なもんだしな。
<レベルアップしました。スキルの更新を行います>
(フフッ、やるじゃないか。ここまでの深手を負わされたのは初めてだよ。約束通りインタフェアランスは解いてあげるとしよう。アポカリプスも私もかなりのダメージを負った。暫くは大人しくしておくとするよ、アハハハハッ!!)
「レベルアップに、今のは奴からの念話か…。調子こいてるが、苦しそうだったな。くそっ、やっぱもっとギリギリまでアストラリア・エクスキューションを多少被弾してでも肉体に斬撃を喰らわせるべきだったか…」
フラガラッハの様な治せない傷をつけるということも出来たかもだ。でも俺にも余裕がなかった。次は奴も修正してくるだろう。あそこまでのチャンスはないかも知れない。詰めが甘かった。いや、まだ俺自身の力が足りなかったんだろうな。しかしあれだけ致命傷を喰らわせておいてOVERKILLにもならんとは、怪物が過ぎるぜ。暫くは絶対に会いたくないな。
「カーズ、前から思っていましたが…。自分の命をちゃんと勘定に入れて下さい。あんな自殺行為の様な真似を二度としないで下さい!」
「どうした急に? あんなんいつものことだろ? 俺の発言がブラフかどうかなんて魂の天秤でわかるだろうからやった作戦だしな。わかってたからお前も奥義を撃ったんだろ? お前こそ自分の加護を忘れてんじゃねーよ。さ、街に戻ろうぜ。みんなも待ってるしな」
何を怒ってるんだか。さっさと歩き始める。
「あっ、待ってください、カーズ!」
フッ!!
「よっしゃ、やっと補足できたぜ」
「合流よ、アリアにカーズ」
ルクスにサーシャが一緒に転移して来た。やはりインタフェアランスが消えたのか。
「2人共、無事だったのか。大魔強襲に巻き込まれたって聞いたからさ」
まあ無事なのは当たり前か。神様だしなこの2人も。
「おうカーズ、俺らは大丈夫だ。しかし、まさかあのファーレを退けるとは…、すげえなお前は」
「闘いの途中からインタフェアランスの効果が消えた御陰で視えていたのよ。あの彼女が余程追い込まれていたみたいね」
「いや…、結局逃げられたからな。斃しきれなかったし、詰めが甘かった。俺にもっと力があれば、あそこで完全に仕留められたはずだよ。そうだ、どうせなら2人もウチに寄って行ってくれよ。今後のことも決めておきたいしさ」
2人を連れてエリック達の元へと歩き始める。
「あ、そう言えばアリア。あなた自分の神域には帰ってる?」
「え? いや、ここ最近は全く帰っていませんね。なぜですか、サーシャ?」
「ニルヴァーナに降りたときに妙な気配を感じてね。一応確認しにあなたの神域に行ってみたのよ」
「どういうことです?」
何の話だ? まあ碌な話じゃない気がするけどな…。
「いなくなってたわよ、勇者」
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