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あの日、些細なことで同居してる彼氏と喧嘩した。彼とは高校、大学と同じで仲も良かった。今思えば初めての大規模な喧嘩だった。

こっちは真剣に悩んでるというのに、あいつは「そんな事」とのたまったのだ。

まぁそこから始まる口喧嘩。

そこからはクッションやたたんだばかりだった洗濯物、ティッシュの箱が宙を飛んだ。

こんなこと、初めてだった。



「・・・・・・外、出てくる」



彼は不機嫌になり、そう言うと玄関の方に歩いて行った。暫くして、ガチャっと扉の閉まる音がした。



「・・・なにさ、篠原のバカ・・・!」



自分の情けない小さな嗚咽が、1人では寂しさを覚える少し大きめの部屋に、弱々しく響いたのを、今でも覚えている。


~後書き~
この作品もこれまでの作品共々よろしくお願い致しますm(*_ _)m
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