私が居なくなってもあなたをずっと愛してる

手遅れマッキー(旧 来栖祐翔)

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暫くすると、裂の意識が戻った。だが、やっぱり倒れてからの記憶は曖昧らしく、さっきの事・・・・・に触れる事はなかった。

そんで自己申告を聞くところ、おそらく貧血だろうという事で。まぁ確かに言われてみれば当てはまる節はいくつかあって。裂には「お騒がせしました」と珍しく・・・素直に謝られた。

あんまり大事に至るような感じでもないので、とりあえず俺は帰ることにした。

仮にも裂は病人なわけだから、泊まらしてもらって看病する、というどこの少女漫画的展開だよってのも1つの手段なんだろうけど、俺にはどうしてもそれが拒まれた。

別に裂の世話が嫌とかではない。俺の名誉の為に言っておくが、そういう類の薄い本というか・・・・・・BのLといったそっち方面でもないからね。

ただ、結ちゃんが幽霊としてもこの世から消えてしまったのをこれ以上実感したくなかった。もう見えない、というか居ないのを、認識したくなかったのだ。

バレないように、いつも通りを装いつつ玄関で靴を履く。

つい数時間前に、ここで結ちゃんに裂と共に迎えられたのにね。すげー実感わかないや。

そしてドアノブに手をかけた時



「・・・・・・中山さん」

「ん、どした?裂。」

「少し、変な事聞いていいですか」



困惑したような、でも真剣そうな。そんな表情の裂に話しかけられる。

なんとなく予想はつく・・・・・・やだねぇこういう時に悟れちゃうサトリは。この力というか偵察力、割と気に入ってるけど今に限ってはあって欲しくなかったと思った。

微妙に開けた扉から外の生暖かい空気が入ってきて体に纏わりつくのを感じる。

そんな俺に、言いにくそうに一度口を噤んだ裂は意を決したように



「・・・・・・さっき、あいついましたか?」



あいつ、というのが誰を指し示すかなんて言わずもがなだ。
その問いに答えてやってもいいけど、それが裂にどう響くかはわからないし、それに俺って割と意地悪だから。ちゃんとなんて答えてやんないよ。

あと、勘付かれたくなかったから。彼女がこの世から、人としても、幽霊としても消えてしまったことを。


「・・・・・・さぁ、どうだろうね」



それこそ、俺が墓まで持ってく秘密なのである。

振り返りざまにニヤッと笑ってみせて、裂の少し落胆したような表情が見えた瞬間、扉が閉まる。

オートロックで鍵がかかる音がした。

ま、言ってやってもいいけど、あいつのそれなりの覚悟というか、ちゃんと気付けない限りは言えないね~。



~後書き~
明日で完結させます。最後までこの作品をよろしくお願いします。
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