39 / 39
39
しおりを挟む
俺が夢で結と会った日から数日後、大学でぶらぶらしていたら中山さんと会った。あの質問をしてから少し気まずさを感じたが、それも話し出してすぐに消えた。
「次の試合、鷹田大学とだってよ。あそこのセンター強いよな・・・。高校でもいい成績残してたし・・・」
「えー鷹田なんですか?俺あそこのPG苦手なんですけど・・・。なんかめっちゃチャラチャラしてるし・・・」
そんなことを言っていると、中山さんが言い出した。
「なんかホッとしたよ。結ちゃん死んでからのお前見てらんなかったし・・・。あそこでぶっ倒れられて俺めっちゃビビったんだからな!?」
「その件については謝ったじゃないですか・・・・・・。」
「ていうか、めっちゃ立ち直り早いのな、お前。なんかあった?」
「・・・馬鹿にしません?」
と言うと、真面目な顔をして頷く中山さん。そして、俺は話し始めた。
「・・・結に、会ったんですよ。俺がぶっ倒れた日に。多分夢なんですけど・・・。でも、俺それから考えたんです。こんなぶっ倒れてたら結に叱られちまうって。でも何より心配させてしまうって。」
「・・・・・・そっか。・・・・・・ちゃんと会えてたんだな・・・」
最後の方が聞き取れなかった。
「え、なんですか?最後聞こえなかったんですけど」
「なんでもねーよ。・・・・・・そうだな、ちゃんと気付けたお前にご褒美をやるよ。」
「え、なんですかそれ?・・・高校の時みたいにハグとか嫌ですよ?」
「しねーよ!?俺だってこんなでっかい男抱き締めるとか嫌だよ!?」
「じゃあ一体なんなんですか・・・」
「『 私が居なくなってもあなたをずっと愛してる』だってさ。」
「・・・は?」
俺は思わずキョトンとした顔をする。
「あの日、やっぱり結はいたんだ・・・。」
そう俺がボソッと呟くと、
「じゃあ、俺は行くわー。裂、試合絶対勝つぞ?」
そう言って中山さんは歩き出した。
「なんだよ、やっぱり結はいたんだな・・・・・・っ・・・幻なんかじゃなかったんだ」
涙が溢れて止まらない。泣き止まないと結に怒られそうだ。でも今だけは、今だけは前を向くために泣かせてくれ。
・・・結、お前が居なくなってもお前をずっと愛してるよ・・・
~後書き~
無事完結出来ました~!!最後はタイトルに繋がるように頑張りました。
さて、無事に完結したのはいいのですが、次はどのようなお話を書こうか非常に迷っております。前作より続けて出演して頂いている中山光太郎くんの話も書きたいと思っているけどネタが思いつかない・・・!!という事で暫く小説の更新はなさそうです・・・。ですが必ず出せるよう頑張るのでこれからもどうぞよろしくお願いします。
この作品を読んで下さりありがとうございました。
「次の試合、鷹田大学とだってよ。あそこのセンター強いよな・・・。高校でもいい成績残してたし・・・」
「えー鷹田なんですか?俺あそこのPG苦手なんですけど・・・。なんかめっちゃチャラチャラしてるし・・・」
そんなことを言っていると、中山さんが言い出した。
「なんかホッとしたよ。結ちゃん死んでからのお前見てらんなかったし・・・。あそこでぶっ倒れられて俺めっちゃビビったんだからな!?」
「その件については謝ったじゃないですか・・・・・・。」
「ていうか、めっちゃ立ち直り早いのな、お前。なんかあった?」
「・・・馬鹿にしません?」
と言うと、真面目な顔をして頷く中山さん。そして、俺は話し始めた。
「・・・結に、会ったんですよ。俺がぶっ倒れた日に。多分夢なんですけど・・・。でも、俺それから考えたんです。こんなぶっ倒れてたら結に叱られちまうって。でも何より心配させてしまうって。」
「・・・・・・そっか。・・・・・・ちゃんと会えてたんだな・・・」
最後の方が聞き取れなかった。
「え、なんですか?最後聞こえなかったんですけど」
「なんでもねーよ。・・・・・・そうだな、ちゃんと気付けたお前にご褒美をやるよ。」
「え、なんですかそれ?・・・高校の時みたいにハグとか嫌ですよ?」
「しねーよ!?俺だってこんなでっかい男抱き締めるとか嫌だよ!?」
「じゃあ一体なんなんですか・・・」
「『 私が居なくなってもあなたをずっと愛してる』だってさ。」
「・・・は?」
俺は思わずキョトンとした顔をする。
「あの日、やっぱり結はいたんだ・・・。」
そう俺がボソッと呟くと、
「じゃあ、俺は行くわー。裂、試合絶対勝つぞ?」
そう言って中山さんは歩き出した。
「なんだよ、やっぱり結はいたんだな・・・・・・っ・・・幻なんかじゃなかったんだ」
涙が溢れて止まらない。泣き止まないと結に怒られそうだ。でも今だけは、今だけは前を向くために泣かせてくれ。
・・・結、お前が居なくなってもお前をずっと愛してるよ・・・
~後書き~
無事完結出来ました~!!最後はタイトルに繋がるように頑張りました。
さて、無事に完結したのはいいのですが、次はどのようなお話を書こうか非常に迷っております。前作より続けて出演して頂いている中山光太郎くんの話も書きたいと思っているけどネタが思いつかない・・・!!という事で暫く小説の更新はなさそうです・・・。ですが必ず出せるよう頑張るのでこれからもどうぞよろしくお願いします。
この作品を読んで下さりありがとうございました。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説
ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?
ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。
一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
全体を通してとても面白い作品でした。特に結末が良かったです。文章力や表現力も高く、作家の端くれである自分も勉強になりました。
ただ、二つだけ言わせてもらいます。
短編小説だから仕方ありませんが展開が早いです。読者を置いてけぼりにしてます。特にヒロインが死んでしまったところ。ここをもうちょっと厚くしたらもっと良くなると思います。
それから設定が薄いです。とにかく薄いです。結と中山の設定をもう少し加えて物語の中でそれに関する文章を所々で挟んだらもう少しわかりやすくなると思います。
少し出しゃばった感がありますが、一意見として捉えてください。
これからも頑張ってください。
感想ありがとうございます。まさかプロの作家さんからの感想がいただけるとは思っておらず、とても驚いております。
コウスケさんのご指摘の通り、設定の薄さや展開の速さは友人から指摘を受けており、これから気をつけていきたいと思っております。
再度にはなりますが、感想ありがとうございます。
今後ともこの作品や他の作品もどうぞよろしくお願い致します。
遅れましたが完結、おめでとうございます!!!!そしてお疲れ様です!!!!
篠原くんが前に進めてよかったです(><)
結ちゃんが成仏できて嬉しかったけれど、寂しいです(T_T)そして、天国で『君にもう一度逢いたい』の凪さんと仲良くなってお互いの大事な人について話したりしていたらいいなと思います。
因みに、個人的にくじらは中山さんが好きです( *´艸`)
来栖祐翔さんの作品大好きです。
これからも無理せずに頑張ってくださいね(^^)
いつも素敵な作品をありがとうございます<(_ _)>
ありがとうございます!!
きっと、凪ちゃんと結ちゃんは天国でお話してますね。
次は中山さんのを書きたいけれど、ネタがなくてかけてないんですよ(笑)
思いつき次第、中山さんのお話も書きたいと思います!!
読んでいただき、ありがとうございました。
辛口失礼。
五話辺りまで読んだ。
四話のあとがきについついいらっとしてしまったので、参考までに。
オチは死に別れ系なんだろうが、日付の仕込みと会話のサンプル足りな過ぎて全体的に読者置いてきぼりでイミフです。
こういう作品構成にするなら、一話の冒頭に何月何日と一々銘打って日付を意識させ、少なくとも五日か一週間分の二人の会話の流れ、もしくは月単位での二人の会話の流れを乗せます。
あるいは、これもしかして彼氏彼女に興味なくしてるんじゃね?的な、ちょっとした噛み合わない会話サンプルを何個か積み上げるとかするものです。
あるいは、無言続ける彼女に徹頭徹尾彼氏が平謝りして機嫌取ろうとする描写で会話文を進めるとか、色々手段はありますが、こういう物を叙述トリックといいます。
有名どころならアガサ・クリスティ、江戸川乱歩、芥川龍之介等の著作品を読んで勉強してください。
手に取りやすいラノベなら、久住四季、西尾維新の著作品がお勧めです。
感想ありがとうございます。このような感想を頂き、この作品の構成の甘さを痛感させられました。ご意見の方も参考にさせていただきます。
あと、4話ですが、後書きを書いたでしょうか?確認したのですが書いていなかったのでどの話のだったかな、と思っております。
再度になりますが、感想、ご意見をありがとうございました。