救世主 from 異世界!?

青空蒼飛

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第2話 希望と任務

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「あぁ、これか……れはあまり見られたくないんだよ」

ソフィアは涙を拭き取りながら言った。

「なんで? これは誇れるものよ!」

「いいや、これのせいで俺はいじめられてきた」

「そんな、無礼な人が!?」

「あぁ、みんなこの目を見て俺を罵倒し離れていく」

「ここでは十分に誇っていいわ! でも、スーパースター並だからどちらか片目を隠した方がいいかもしれないわ」

「そんなになのか?」

「君はまだ信じないようだね。それなら外に出てきてみな?……どうなっても知らないけどね」

「お、おぉ、本当のようだな。止めておく」

「ねぇ、オットー、目を隠すもの何かないかしら?」

「もっているよ、でも、僕を猫呼ばわりしたやつなんかに貸したくないね」

「お願いオットー」

「ソフィアに頼まれちゃしょうがないな……」

オットーはしぶしぶ了承し首に巻いていたスカーフを取りソフィアにわたした。


「ねぇ、青と赤どっちが好きかしら?」

「そうだな、青かな」

「じゃぁ赤色の左目を隠すわね」

ソフィアは少年の後ろに回りスカーフで左目を隠すように巻いた。
カイトはすこし頬を赤らめる。

「おやおや?さては君、女の子とあんまり話したことないだろ?」

「なっ、そんなことないさ。俺はモテモテだったさ」


「どうせ嘘だろうけど、もしそれが本当だとしても僕には勝てないだろうね!」

「なんだと!? こんな猫に負けるかよ!」

「だから猫っていうな!」

「もう! やめなさい! 男の子ってこうなんだから、あきれちゃうのよ」
ソフィアは二人の喧嘩を終結させた。

「ごめんね ソフィア」

「あぁ、悪かった」

オットーとカイトは急に静かになりソフィアに謝る。

「うふふ いいのよ! それよりこれからが楽しくなりそうで楽しみよ!それより、ちゃん
と見える?」

「一応見えるが、片目だから距離感がつかみにくい」

「それは大変ね。 じゃぁすこし目をつぶってて。 精霊たちよ私に力を貸しなさい。 ブティクペスレス!」

「え!? なんでだ? 目にスカーフを付けているのにちゃんと見える!」

「透視の魔法よ!」

「ねぇねぇ、ソフィア。これからどうするんだい?」

「とりあえずお城に戻りましょ」

「お、お城!? っていうことは君は姫なのか!?」

「うーん、姫というか王女ね」

「うぅ、よく違いが分からないな」

カイトは首を傾げてなやんだ。

「そんなことは関係ないから早くいかないと!」
オットーが二人をせかした。



 ソフィアたちはカイトが落ちた建物の屋根から降り目の前に広がる大通りへ出た。
大通りは魚や肉、野菜、果物が売られそれを買う客、客を寄せる店員の声で活気であふれている。
ソフィアたちはそんな景色の中城へと歩き出した。

「で、カイトはどういういきさつでこの世界へやってきたんだ?」

「俺は……死のうとしていた。この一週間とても大変だったんだ。俺を唯一理解してくれるお母さんまでも死んでしまって、そのうえいじめは過激化してもう何もかも嫌になったんだ。だから俺は飛び降りた。そしたらここにいたんだ」

カイトは顔を曇らせた。

「そ、そんなにつらいことがあったんだ。私でよければつでも相談に乗るからね!」
「ありがとう」

「で、地面に着いたと思ったら再び空から落ちていたってことだね。ところで、君は魔法を知っている?」

オットーは自殺のことには触れず、続けて質問をした。

「あ、あぁ、知っているさ。さっきの見えるようにしたのも魔法だろ?」

「それならよかった。君にはとても強い潜在魔力があるんだ。君にはそれを使って魔王討伐を手伝ってほしいんだ。」

「そ、そんなこと言うけど俺は一度も魔法なんて使ったこともない! 魔法を実際に見たのだって今日が初めてだし」

「魔法を始めてみただって!? 君のいた世界には魔法がなかったのかい?」

「あぁ、魔法なんてないものだと思われているさ」

「なんていう世界だ……でも、君の力を使わなければもったいない。だから君の力を魔王討伐に使いたいんだ」

「まぁ、俺は住処もないし、そのうえやることもないから全然いいが、何をすればいいんだ?」

「とりあえず、今年中に魔法を習得して、魔王を倒してほしいんだ」

「今年中に!? そんなことができるのか?」

「ふつうの人なら無理だろうね。でもとても大きい魔力を持った君だからできるかもしれないと思っていってみたんだ。ちなみに、ソフィアも同じなんだ」

「えぇ、そうよ。サルバドール家、アルトワ家、フランドル家、ロアン家の四つの旧家がこの国には存在していて、その家系はみんな魔力が強いのよ。そして、2年に1度、魔術大会があって、そこで次の王家が決められるの」

「じゃぁ、今年は勝ったのか?」

「えぇ、4年連続、サルバドール家は王家になっているわ!」

「それはすごいんだな」

「ほら、話がそれているじゃないか。で、君には魔術を習得してもらいたいんだけど明日から練習があるから頑張ってくれよ」

「練習かよ。まぁ、しょうがない俺がこの国の未来を守ってやるよ!」 
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