19 / 36
3.夕暮れのプリンシプル
3-7
しおりを挟む
―惑星ブルクレン―
秋も深まり、もう直ぐ冬が訪れようとする季節。
一台の少し蔵びれた感じのワゴン車には、運転席の男性と、その男性に助手席で何やら楽しそうに話しかけている女性の姿が映し出されていた。
そのワゴン車には、後部差席に小道具や生活用品、人形が雑念と置かれ、ダッシュボードやサンバイザーには、旅先で公演を行った時に知り合った人達との映し出したフォトデータがあちらこちらに張られたいる。
学生時代に、奉仕活動と部活動の一環として何となく始めた人形劇。
人に扱われるのを由とせず、名目上の部長として気ままに活動を行おうとしていたが、部員である友人建ちにせっつかれながらも、人形劇を披露し学生時代を過ごしていた。
卒業と同時に、辞めるつもりではあったけど、大学に進学しても活動を続け、他の誰よりも人形劇に没頭し、ついには大学を中退し各惑星を巡り、子供たちに劇を見せ活動を行っていた。
フォトデータの中に、数枚だけし色あせた珍しい写真が飾られたいた。
その写真には、5人の少女達が楽しそうな表情で笑っている姿が、幾つか映し出されている。
男性と談話していた女性は写真に目が触れると、フッと懐かしさを思い浮かべるように、儚い笑みがこぼれた。
それは、嘗て部長として人形劇研究部として活動をし、楽しかった一時を共有していた部員でもあり友人でもあった、今は戦争の中心にいる人物達のひとつの青春の記録でもある。
その様子に、男性はどうかしたのだろうかと思い声をかけると、その呼び答えに女性はハッとなり、話題を切り替えて再び談笑するのであった。
暫く走っていると、スーパーの明かりを見つけ駐車場へと入り、2人は車から降りると、男性は買出しに、女性は休憩がてらあたりを散策する。
スーパー以外、何も無い街道沿いを見渡しながら、裏手に歩いて回る。そこには、戦争の爪後を残す残骸が散乱し荒廃した世界が広がる。
遠くには、何隻かの宇宙船が墜落し、そのまま地面に突き刺さり戦争の悲惨な光景を残す。
憫然たるその風景に、憤りを感じながら空しさを実感し、誰かにこの気持ちをぶつける様に空を仰ぎ、輝く星の一点を見つめていた。
男性が買い物が終わり、女性の方へ駆け寄ると、暖かいコーヒーを差し出して冷えた体を温めるように促す。
女性がそれを受け取ると、空から雪が舞い始め、それをさらって行くかの様に、一陣の風が吹き上げる。
2人は寒さに身を震わすと、お互い寄り添い、体を温めながら車に乗り込み、再び公演の場所へ向かう為、戦争で荒れてしまった大地を走り始める。
これより5日後、”惑星ブルクレン”はこの銀河の片隅から、永遠に消え去るのであった。
秋も深まり、もう直ぐ冬が訪れようとする季節。
一台の少し蔵びれた感じのワゴン車には、運転席の男性と、その男性に助手席で何やら楽しそうに話しかけている女性の姿が映し出されていた。
そのワゴン車には、後部差席に小道具や生活用品、人形が雑念と置かれ、ダッシュボードやサンバイザーには、旅先で公演を行った時に知り合った人達との映し出したフォトデータがあちらこちらに張られたいる。
学生時代に、奉仕活動と部活動の一環として何となく始めた人形劇。
人に扱われるのを由とせず、名目上の部長として気ままに活動を行おうとしていたが、部員である友人建ちにせっつかれながらも、人形劇を披露し学生時代を過ごしていた。
卒業と同時に、辞めるつもりではあったけど、大学に進学しても活動を続け、他の誰よりも人形劇に没頭し、ついには大学を中退し各惑星を巡り、子供たちに劇を見せ活動を行っていた。
フォトデータの中に、数枚だけし色あせた珍しい写真が飾られたいた。
その写真には、5人の少女達が楽しそうな表情で笑っている姿が、幾つか映し出されている。
男性と談話していた女性は写真に目が触れると、フッと懐かしさを思い浮かべるように、儚い笑みがこぼれた。
それは、嘗て部長として人形劇研究部として活動をし、楽しかった一時を共有していた部員でもあり友人でもあった、今は戦争の中心にいる人物達のひとつの青春の記録でもある。
その様子に、男性はどうかしたのだろうかと思い声をかけると、その呼び答えに女性はハッとなり、話題を切り替えて再び談笑するのであった。
暫く走っていると、スーパーの明かりを見つけ駐車場へと入り、2人は車から降りると、男性は買出しに、女性は休憩がてらあたりを散策する。
スーパー以外、何も無い街道沿いを見渡しながら、裏手に歩いて回る。そこには、戦争の爪後を残す残骸が散乱し荒廃した世界が広がる。
遠くには、何隻かの宇宙船が墜落し、そのまま地面に突き刺さり戦争の悲惨な光景を残す。
憫然たるその風景に、憤りを感じながら空しさを実感し、誰かにこの気持ちをぶつける様に空を仰ぎ、輝く星の一点を見つめていた。
男性が買い物が終わり、女性の方へ駆け寄ると、暖かいコーヒーを差し出して冷えた体を温めるように促す。
女性がそれを受け取ると、空から雪が舞い始め、それをさらって行くかの様に、一陣の風が吹き上げる。
2人は寒さに身を震わすと、お互い寄り添い、体を温めながら車に乗り込み、再び公演の場所へ向かう為、戦争で荒れてしまった大地を走り始める。
これより5日後、”惑星ブルクレン”はこの銀河の片隅から、永遠に消え去るのであった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる