56 / 69
近未来編
49.祝、ギルド結成
しおりを挟む
ギルド立ち上げ依頼をクリアした怜央は、改めて学生課から申請書類を貰った。
それにギルド名、加入メンバーなどを記入し再度提出すれば正式に設立となる。
一行が寮に戻ると、リヴィアの作った料理で打ち上げを始めた。
「それではギルド結成を祝して、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
各々はグラスを交わして、キンキンに冷えたドリンクを仰いだ。
「いやーほんま楽しかったわ!ビーチに可愛い子多かったしなー」
「何言ってんのよ、ナンパ失敗してたくせに」
「あれは滑稽だったわね」
「しつこ過ぎてビンタくらってたのは流石に笑ったな」
一行はミカエルを待つ傍ら、目の前のビーチで遊んでた時を振り返っていた。
「うるさいわい! それよりよ、ギルドの名前はどうすんだ? もう決まってんのか?」
コバートは肉料理を口に放りながら、話題逸らしも兼ねて怜央に尋ねた。
「皆が良いって言うかはわからないけど、『ホワイトダイアモンド』ってどうかな」
「ホワイト~? なんで一番下のホワイトなのよ。どうせなら上のブラックでしょう!」
「初心忘れるべからずってな。敢えてだよ、敢えて」
「それ以外にも意味があったりするんじゃないかしら?」
「おー、よく勘づいたなテミス。実はある」
「してそれは?」
「ああ、ダイアモンドってのは宝石の中でも硬い石ってのは皆も知ってるだろ? だから、強い絆とか固い意志の象徴にもなってる。どうだ? 悪くない由来だろ?」
「……どうせなら『テミス教』とかにしましょうよ。私の信者集めと布教もできて一石二鳥じゃない?」
「……他にいい案ある人ー?――無さそうだね。じゃあ『ホワイトダイアモンド』でいいと思う人拍手!」
怜央が率先してパチパチ叩いていると、真っ先にシエロとミカエルもそれに乗ってくれた。
次にアリータとコバート。
「まあ『テミス教』よりはマシそうよね」
「右に同じ。どんなやばい宗教になるか想像に難くねーからな」
テミスはぶうぶう文句を言うも、怜央は流した。
「はい! それじゃ『ホワイトダイアモンド』に決定ね! ギルドホームについてはお金が無いので寮を拠点登録しておきます。またお金が貯まったら考えよう! ということで、何か質問ある人ー? 」
怜央が見回すとアリータが手を挙げたので指名した。
「このギルドは何系のギルドにするつもり?」
「今のところ冒険ギルドにするつもりだけど……?」
「まあそうなるわよね。商いする訳でもなく研究する訳でもなし。それで良いと思うわ」
怜央は頷いて、問題ないことを表すと他に無いか聞いて回った。
結局それ以外特に無かったので次の話題へと変わった。
「皆に聞きたいんだけど、他にギルドメンバー集めるとしてどんな人が必要だと思う? というか誰かお勧めの人とか居ない?」
「いる事にはいるわよ? やっぱり頭のキレる参謀タイプが1人くらい欲しいから、図書館で有名の彼なんてどうかしら?」
「図書館で有名の彼?」
怜央が聞き返すとコバートが答えた。
「ほら、前行った時本の山に埋まってた奴だよ。後で知ったんだが、めっっっちゃ頭いいことで有名らしいぜ?」
「なるほど、確かに良いかもしれないな」
「ただねー……」
「ただ?」
テミスは腕を組み、渋そうな顔をして言った。
「彼は変人ということでも有名なのよ。他のギルドも誘ってるけど全然乗ってこないらしいわ。お陰で今もフリーなんでしょうけど」
「そりゃまた……大変そうで。――まあわかった、候補には入れておこう。他には?」
次に提案したのはコバートだった。
「やっぱ経験豊富な人がいいよな。場数踏んでるってだけで価値あるぜ」
「――一理あるわね。そういう人程どんな状況でも冷静な判断を下すものだし」
「ふむ……。確かにそんな人がいれば欲しいけど、引き抜きとかでないと難しいんじゃないか?」
「そこは心配ない! 今フリーでなおかつそれに当てはまる人に心当たりがある!」
「おお……いいね!」
「今度時間ある時紹介するわ!」
「頼む」
そして怜央が他に無いか聞いたところ、もう意見も出てこなかったのでメンバー集めに関してはこれで打ち切った。
怜央はこの時、傍らに佇むリヴィアに何度も熱視線を送っていたのだが、本人が気付いていたかは定かではない。
「そういえば話は変わるけど、結局怜央はどこの学部にするのよ? 選択の締切までそんな無いわよ?」
「学部かー。特に取りたいと思ってる講義には特定の学部じゃないと受けられないっていう講義もないんだよなあ……。とりあえず、俺の能力を考えると異能学部が順当かな」
アリータはデザートのアイスに手を付け始めた。
「決まってるなら早めにしといた方がいいわ。携帯から登録できるし、一瞬で終わるわよ」
「ああ、今夜にでも登録するよ」
気を使ってくれたことに感謝しつつ、怜央はある程度腹も膨れたので席を立った。
怜央はテーブルの隅で書類に記入すると、それを持って出かける素振りを見せた。
「夏目様、これからお出かけですか?」
「ああ、どうせだからもう出してこようと思ってさ」
怜央はシエロに書類を掲げ見せた。
「そういうことでしたら、私も一緒に行きます!」
「そんなわざわざ来なくても大丈夫だよ」
「いえ! 街にも慣れたいですし、ここは是非!」
引かないシエロに怜央は折れた。
「わかった。じゃあ行こうか」
「はい!」
「どうせならミカエルも一緒に見て回る?」
「よろしいのですか?」
「勿論」
こうして、シエロとテミスを連れて、学生課へと赴くことになった。
それにギルド名、加入メンバーなどを記入し再度提出すれば正式に設立となる。
一行が寮に戻ると、リヴィアの作った料理で打ち上げを始めた。
「それではギルド結成を祝して、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
各々はグラスを交わして、キンキンに冷えたドリンクを仰いだ。
「いやーほんま楽しかったわ!ビーチに可愛い子多かったしなー」
「何言ってんのよ、ナンパ失敗してたくせに」
「あれは滑稽だったわね」
「しつこ過ぎてビンタくらってたのは流石に笑ったな」
一行はミカエルを待つ傍ら、目の前のビーチで遊んでた時を振り返っていた。
「うるさいわい! それよりよ、ギルドの名前はどうすんだ? もう決まってんのか?」
コバートは肉料理を口に放りながら、話題逸らしも兼ねて怜央に尋ねた。
「皆が良いって言うかはわからないけど、『ホワイトダイアモンド』ってどうかな」
「ホワイト~? なんで一番下のホワイトなのよ。どうせなら上のブラックでしょう!」
「初心忘れるべからずってな。敢えてだよ、敢えて」
「それ以外にも意味があったりするんじゃないかしら?」
「おー、よく勘づいたなテミス。実はある」
「してそれは?」
「ああ、ダイアモンドってのは宝石の中でも硬い石ってのは皆も知ってるだろ? だから、強い絆とか固い意志の象徴にもなってる。どうだ? 悪くない由来だろ?」
「……どうせなら『テミス教』とかにしましょうよ。私の信者集めと布教もできて一石二鳥じゃない?」
「……他にいい案ある人ー?――無さそうだね。じゃあ『ホワイトダイアモンド』でいいと思う人拍手!」
怜央が率先してパチパチ叩いていると、真っ先にシエロとミカエルもそれに乗ってくれた。
次にアリータとコバート。
「まあ『テミス教』よりはマシそうよね」
「右に同じ。どんなやばい宗教になるか想像に難くねーからな」
テミスはぶうぶう文句を言うも、怜央は流した。
「はい! それじゃ『ホワイトダイアモンド』に決定ね! ギルドホームについてはお金が無いので寮を拠点登録しておきます。またお金が貯まったら考えよう! ということで、何か質問ある人ー? 」
怜央が見回すとアリータが手を挙げたので指名した。
「このギルドは何系のギルドにするつもり?」
「今のところ冒険ギルドにするつもりだけど……?」
「まあそうなるわよね。商いする訳でもなく研究する訳でもなし。それで良いと思うわ」
怜央は頷いて、問題ないことを表すと他に無いか聞いて回った。
結局それ以外特に無かったので次の話題へと変わった。
「皆に聞きたいんだけど、他にギルドメンバー集めるとしてどんな人が必要だと思う? というか誰かお勧めの人とか居ない?」
「いる事にはいるわよ? やっぱり頭のキレる参謀タイプが1人くらい欲しいから、図書館で有名の彼なんてどうかしら?」
「図書館で有名の彼?」
怜央が聞き返すとコバートが答えた。
「ほら、前行った時本の山に埋まってた奴だよ。後で知ったんだが、めっっっちゃ頭いいことで有名らしいぜ?」
「なるほど、確かに良いかもしれないな」
「ただねー……」
「ただ?」
テミスは腕を組み、渋そうな顔をして言った。
「彼は変人ということでも有名なのよ。他のギルドも誘ってるけど全然乗ってこないらしいわ。お陰で今もフリーなんでしょうけど」
「そりゃまた……大変そうで。――まあわかった、候補には入れておこう。他には?」
次に提案したのはコバートだった。
「やっぱ経験豊富な人がいいよな。場数踏んでるってだけで価値あるぜ」
「――一理あるわね。そういう人程どんな状況でも冷静な判断を下すものだし」
「ふむ……。確かにそんな人がいれば欲しいけど、引き抜きとかでないと難しいんじゃないか?」
「そこは心配ない! 今フリーでなおかつそれに当てはまる人に心当たりがある!」
「おお……いいね!」
「今度時間ある時紹介するわ!」
「頼む」
そして怜央が他に無いか聞いたところ、もう意見も出てこなかったのでメンバー集めに関してはこれで打ち切った。
怜央はこの時、傍らに佇むリヴィアに何度も熱視線を送っていたのだが、本人が気付いていたかは定かではない。
「そういえば話は変わるけど、結局怜央はどこの学部にするのよ? 選択の締切までそんな無いわよ?」
「学部かー。特に取りたいと思ってる講義には特定の学部じゃないと受けられないっていう講義もないんだよなあ……。とりあえず、俺の能力を考えると異能学部が順当かな」
アリータはデザートのアイスに手を付け始めた。
「決まってるなら早めにしといた方がいいわ。携帯から登録できるし、一瞬で終わるわよ」
「ああ、今夜にでも登録するよ」
気を使ってくれたことに感謝しつつ、怜央はある程度腹も膨れたので席を立った。
怜央はテーブルの隅で書類に記入すると、それを持って出かける素振りを見せた。
「夏目様、これからお出かけですか?」
「ああ、どうせだからもう出してこようと思ってさ」
怜央はシエロに書類を掲げ見せた。
「そういうことでしたら、私も一緒に行きます!」
「そんなわざわざ来なくても大丈夫だよ」
「いえ! 街にも慣れたいですし、ここは是非!」
引かないシエロに怜央は折れた。
「わかった。じゃあ行こうか」
「はい!」
「どうせならミカエルも一緒に見て回る?」
「よろしいのですか?」
「勿論」
こうして、シエロとテミスを連れて、学生課へと赴くことになった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
元・異世界一般人(Lv.1)、現代にて全ステータスカンストで転生したので、好き放題やらせていただきます
夏見ナイ
ファンタジー
剣と魔法の異世界で、何の才能もなくモンスターに殺された青年エルヴィン。死の間際に抱いたのは、無力感と後悔。「もし違う人生だったら――」その願いが通じたのか、彼は現代日本の大富豪の息子・神崎蓮(16)として転生を果たす。しかも、前世の記憶と共に授かったのは、容姿端麗、頭脳明晰、運動万能……ありとあらゆる才能がカンストした【全ステータスMAX】のチート能力だった!
超名門・帝聖学園に入学した蓮は、学業、スポーツ、果ては株や起業まで、その完璧すぎる才能で周囲を圧倒し、美少女たちの注目も一身に集めていく。
前世でLv.1だった男が、現代社会を舞台に繰り広げる、痛快無双サクセスストーリー! 今度こそ、最高に「好き放題」な人生を掴み取る!
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる