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1.俺、実はオメガです
リツ
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オメガなんてなければ良かったのに
オメガに生まれた自分が憎い
小さい頃から聞いてきた声
「ごめんなさいね、律。」
お母さん、なんで泣いてるの?
「生まれてしまったものはしょうがない。いいか、アルファのように育てるんだ」
お父さん、アルファって何?
僕は普通じゃないの?
ねぇ、なんでみんな僕を蔑むような目で見てるの?
僕は生まれちゃいけなかったの____?
____________________________________________
「ツ......リツ......リツ!!」
「!?」ガバッ
「遅刻するよ...って......リツ、大丈夫?顔色真っ青だよ?」
同居人のイヅが心配そうに顔を覗き込んできた。
「え...あ、あぁ...大丈夫」
小さい頃の夢...か
(思いだしたくもない過去だ)
「ていうか学校!遅刻するよー?」
「え?うそ!やばっ」
洗顔を水だけで済ませ、歯磨きの後野菜ジュースを飲み、まばたきの速さで着替えて家を出た。
「お待ちしておりました、律様」
「お待たせ、松田。すぐ出して」
「かしこまりました。」
松田は慣れた手つきで後部座席のドアを開け、俺は素早く乗り込んだ。
「ーーーっ」
家の窓からイヅが手を振っているのに気づいた俺は、ちょっと恥ずかしげに手を振り返した。
____________________________________________
「リツ様!おはようございます!」
「リツ様今日もお美しい...」
「リツ様!」「リツ様!」
ここは私立秀麗高等学校。アルファのエリートしか通うことの出来ない私立男子校だ。
なんでオメガの俺がアルファしか入れない高校にいるのかって?
それは、俺がアルファと変わらない体質を持つ特異なオメガだからさ。
オメガとしての体や働きは変わらないが、他のオメガと違うのは、アルファと変わらないエリートであることだ。
頭脳も優秀、運動神経も抜群、自分で言うのはアレだが、容姿も申し分ない。
しかも両親は有名な資産家で、家は金持ち。
つまり、アルファとして生きられるってわけ
だからアルファの誰も俺に指図することはない。
発情期に入ると、アルファの誰かと性欲を発散させる。
俺は俺が好きになった人としか番になる気は無いからうなじを噛まれても拒絶するんだ。
幸いなことに、アルファがうなじを噛んでもオメガが了承しないと番は成立しない
だから、オメガが拒絶をすればただ噛まれただけの傷跡になるんだ。
今の俺のうなじはたくさんの噛み跡がついている。もうすぐ首が切れるんじゃないか?
「おはよう皆さん。天気のいい朝だね。」
大声で呼びかけてくるみんなに表だけのきらきらスマイルをお見舞し、教室へ向かう。
いつもと変わらない朝。
いつもと変わらない教室。
「リツ様おはようございます!」
「おはよう村本くん。今日日直だったね、頑張って。」
「っ...!はい!!」
(はぁ...どいつもこいつもありふれた顔しかいない。飛び抜けたイケメンでも来ないかな。)
ぼーっと窓から外を見ていると、チャイムと同時に担任が入ってきた。
もちろんこの学校の教師は全員アルファだよ。
「今日はホームルーム始める前に皆に紹介する人がいる。...入ってこーい」
ガラガラガラ
「!?」
なんだ...?アイツ...
「初めまして、篠宮瑞月です。父は篠宮財政の会長をしています。れっきとしたアルファです。よろしくお願いします。」
ザワザワ...
「おいマジかよ、篠宮財政ってくっそ金持ちじゃねーか」
「アルファの中のアルファじゃん」
「やべぇ威圧感だな」
(アルファの中のアルファってなんだよ。)
アイツが入ってきた瞬間背中に電流が走ったような感覚に襲われた。
(なんだこれ...)
味わったことのない感覚に襲われ、俺はただただ困惑するしかなかった。
____________________________________________
「でさ、その篠宮?って奴が教室入ってきた時ビビッみたいな感覚に襲われてさ」
「なにそれ。運命の番ってやつ?」
「やめてよイヅ。俺そんなん信じないから」
「まぁどうでもいいけど。早く見つかるといいね、リツ好みの人。」
「うん。」
.........
「リツくぅぅぅん!!」
「!?!?」
ガラッ
外から急に呼ばれ、驚いて窓を開けると
そこには20人くらいのアルファがいた。
「いい加減僕の番になってよ~ついこないだヤッたじゃん」
「は?何言ってんの?お前がリツと番とか似合わなw」
「はぁ!?お前こそ釣り合わねーんだよ!」
「んだとコラ」
げっ、これ喧嘩始まるやつ?
止めなきゃ...
「ちょっとちょっと、俺は好きな人としか番にならないよ?」
「え?」
「だから、俺は好きになった人としか番にならないの。君たちはただの発情期の時の性欲発散」
「......」
「俺と番になりたいなら俺を本気にさせてみてよ。」
ピシャンッ
ふぅ、これでよし。
「相変わらずえげつないね、リツ」
ふと言われ、イヅを見るとクスクス笑っていた。
「そー?だって本当のことだもん。」
「ふふっ、リツらしいや」
なにやら嬉しそうに笑っているイヅ。
本当にイヅは俺のことが好きなんだなぁ...
イヅは俺の家の同居人で、同じオメガ。
ただややこしいのが、オメガを好きになったオメガだって事かな。
イヅはオメガの俺を好きになっちゃったんだ。
オメガとオメガが結ばれるのを世間は認めないんだよね。
まぁ俺はアルファと番になりたいからイヅは恋愛対象では見てないんだけど...
「イヅー...今日はシチュー食べたい...」
「はいはい。」
俺はこんな環境が過ごしやすかった。
だけど変わってしまった。
あの男、ミヅキが転校してきたことによって。
オメガに生まれた自分が憎い
小さい頃から聞いてきた声
「ごめんなさいね、律。」
お母さん、なんで泣いてるの?
「生まれてしまったものはしょうがない。いいか、アルファのように育てるんだ」
お父さん、アルファって何?
僕は普通じゃないの?
ねぇ、なんでみんな僕を蔑むような目で見てるの?
僕は生まれちゃいけなかったの____?
____________________________________________
「ツ......リツ......リツ!!」
「!?」ガバッ
「遅刻するよ...って......リツ、大丈夫?顔色真っ青だよ?」
同居人のイヅが心配そうに顔を覗き込んできた。
「え...あ、あぁ...大丈夫」
小さい頃の夢...か
(思いだしたくもない過去だ)
「ていうか学校!遅刻するよー?」
「え?うそ!やばっ」
洗顔を水だけで済ませ、歯磨きの後野菜ジュースを飲み、まばたきの速さで着替えて家を出た。
「お待ちしておりました、律様」
「お待たせ、松田。すぐ出して」
「かしこまりました。」
松田は慣れた手つきで後部座席のドアを開け、俺は素早く乗り込んだ。
「ーーーっ」
家の窓からイヅが手を振っているのに気づいた俺は、ちょっと恥ずかしげに手を振り返した。
____________________________________________
「リツ様!おはようございます!」
「リツ様今日もお美しい...」
「リツ様!」「リツ様!」
ここは私立秀麗高等学校。アルファのエリートしか通うことの出来ない私立男子校だ。
なんでオメガの俺がアルファしか入れない高校にいるのかって?
それは、俺がアルファと変わらない体質を持つ特異なオメガだからさ。
オメガとしての体や働きは変わらないが、他のオメガと違うのは、アルファと変わらないエリートであることだ。
頭脳も優秀、運動神経も抜群、自分で言うのはアレだが、容姿も申し分ない。
しかも両親は有名な資産家で、家は金持ち。
つまり、アルファとして生きられるってわけ
だからアルファの誰も俺に指図することはない。
発情期に入ると、アルファの誰かと性欲を発散させる。
俺は俺が好きになった人としか番になる気は無いからうなじを噛まれても拒絶するんだ。
幸いなことに、アルファがうなじを噛んでもオメガが了承しないと番は成立しない
だから、オメガが拒絶をすればただ噛まれただけの傷跡になるんだ。
今の俺のうなじはたくさんの噛み跡がついている。もうすぐ首が切れるんじゃないか?
「おはよう皆さん。天気のいい朝だね。」
大声で呼びかけてくるみんなに表だけのきらきらスマイルをお見舞し、教室へ向かう。
いつもと変わらない朝。
いつもと変わらない教室。
「リツ様おはようございます!」
「おはよう村本くん。今日日直だったね、頑張って。」
「っ...!はい!!」
(はぁ...どいつもこいつもありふれた顔しかいない。飛び抜けたイケメンでも来ないかな。)
ぼーっと窓から外を見ていると、チャイムと同時に担任が入ってきた。
もちろんこの学校の教師は全員アルファだよ。
「今日はホームルーム始める前に皆に紹介する人がいる。...入ってこーい」
ガラガラガラ
「!?」
なんだ...?アイツ...
「初めまして、篠宮瑞月です。父は篠宮財政の会長をしています。れっきとしたアルファです。よろしくお願いします。」
ザワザワ...
「おいマジかよ、篠宮財政ってくっそ金持ちじゃねーか」
「アルファの中のアルファじゃん」
「やべぇ威圧感だな」
(アルファの中のアルファってなんだよ。)
アイツが入ってきた瞬間背中に電流が走ったような感覚に襲われた。
(なんだこれ...)
味わったことのない感覚に襲われ、俺はただただ困惑するしかなかった。
____________________________________________
「でさ、その篠宮?って奴が教室入ってきた時ビビッみたいな感覚に襲われてさ」
「なにそれ。運命の番ってやつ?」
「やめてよイヅ。俺そんなん信じないから」
「まぁどうでもいいけど。早く見つかるといいね、リツ好みの人。」
「うん。」
.........
「リツくぅぅぅん!!」
「!?!?」
ガラッ
外から急に呼ばれ、驚いて窓を開けると
そこには20人くらいのアルファがいた。
「いい加減僕の番になってよ~ついこないだヤッたじゃん」
「は?何言ってんの?お前がリツと番とか似合わなw」
「はぁ!?お前こそ釣り合わねーんだよ!」
「んだとコラ」
げっ、これ喧嘩始まるやつ?
止めなきゃ...
「ちょっとちょっと、俺は好きな人としか番にならないよ?」
「え?」
「だから、俺は好きになった人としか番にならないの。君たちはただの発情期の時の性欲発散」
「......」
「俺と番になりたいなら俺を本気にさせてみてよ。」
ピシャンッ
ふぅ、これでよし。
「相変わらずえげつないね、リツ」
ふと言われ、イヅを見るとクスクス笑っていた。
「そー?だって本当のことだもん。」
「ふふっ、リツらしいや」
なにやら嬉しそうに笑っているイヅ。
本当にイヅは俺のことが好きなんだなぁ...
イヅは俺の家の同居人で、同じオメガ。
ただややこしいのが、オメガを好きになったオメガだって事かな。
イヅはオメガの俺を好きになっちゃったんだ。
オメガとオメガが結ばれるのを世間は認めないんだよね。
まぁ俺はアルファと番になりたいからイヅは恋愛対象では見てないんだけど...
「イヅー...今日はシチュー食べたい...」
「はいはい。」
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だけど変わってしまった。
あの男、ミヅキが転校してきたことによって。
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