俺は猫であり父である

佐倉さつき

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第2章 俺は天才?

七の段

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今日も、明莉が計算カードを使って、九九の練習をしている。
今日から七の段が加わった。
七一しちいちが七、七二しちに十四」
よし、順調!順調!
七三しちさん・・・二十一?」
あれ、疑問形になった。
七四しちし二十八、七五しちご三十五」
再び、いいかんじ!
七六しちろく、えーと四十二?」
また再び疑問形。
そういえば、昨日の六の段では六七ろくしちでとまっていたな。
七七しちしち四十九、七八しちは五十六、七九しちく六十三。」
七六しちろくを越えたら、その後はまた順調だった。

六の段、七の段と、かけられる数が大きくなってきて、途中でとまることが増えてきた。
特に、六七ろくしち七六しちろくが苦手らしい。
七六しちろく?」
妻が明莉が苦手な九九だけ訊ねる。
七六しちろく・・・二十四?」
違う、明莉!四六しろく二十四と一緒になってないか?
「違う!四十二!じゃあ、七三しちさん?」
妻が次の問題を出す。
七三しちさん・・・二十一?」
「あたり!」
こちらは、なんとか言えた。
「ミャウ(よくやった!)」
やばい・・・思わず声が出てしまった。
「どうしたの?オト。」
俺は慌てて、おもちゃのボールの方に駆け出した。
「あら、遊んでほしいのかしら。」
「『もう終わって』って、言ってるんじゃない?」
「しょうがないわね。じゃあ最後に七六しちろく?」
七六しちろく四十二!」
明莉が正解し、その日の九九の練習は無事に終わった。

「おまたせ、オト!」
勉強道具を片付けた明莉が、俺のところに来て遊んでくれる。
明莉が転がしてくれたボールにとびつき、無邪気な子猫を演じる。
今日も、ごまかせたかな。
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