69 / 102
もう十分飲んでるクマ?
しおりを挟む
――現在――
大勢の獣人が、机を取り囲み、手には、木で出来た大きなジョッキを持っている。机には国中からかき集めた豪勢な食事が溢れていた。肉食獣の国にも関わらず、肉よりも果物や野菜の方が品揃えが豊富なのが意外だった。もう自身の体を構成する因子が、肉は食べ飽きたとでも叫んでいるのだろうか。
「ええ~~。こんばんは」
机の真ん中にひっそりと座し、一際大きいジョッキを持ってたたずむカニバル国王ベアリオ。カニバル軍の兵士も皆、一様にベアリオの方向を向き、体をうずうずさせている。早く宴を始めたくて仕方がないようだ。ベアリオのそんな兵士たちの様子を見て、うっすらと笑みを浮かべる。
「カニバル軍の宝たる皆。今日はお疲れ様。今まで何度もカニバル軍と戦ってきたが、今日ほど酒が美味い日はないだろう。今、ここからも目視できる距離にある南の峠。かつての僕らは、あれをみてレプタリア軍の進軍に怯える毎日だった。のんびりと夜に散歩することさえ皆気を遣っただろう。あそこに駐屯している敵兵に見つかったら、命に関わるからね」
ベアリオの語りに、どこか過去へと想いを馳せながら、南の峠の方角を見つめる。そんな彼らにベアリオは優しく声をかける。
「ごめんね、みんな。しんみりさせてしまったかい。でも、僕はこう言いたかったんだ。今日はどんなに遅くまで騒いでもいい。明日のことなど忘れて、大喜びしていいんだ。なぜかって? そんなの決まっている! もうあの南の峠にはレプタリア軍なんて誰一人いないからだ!!」
「おおぉぉぉぉぉ!!」
「いいね、士気が上がってきた! さあみんな、ジョッキを掲げよう。そして、この美しい夜空に向かって叫ぼうじゃないか!! カニバル軍の勝利へ、乾杯!!」
「カニバル軍の勝利へ乾杯!!!」
それぞれがジョッキを持ち、勢いよく周囲の兵士のジョッキに自分のそれをぶつける。木で出来ているようだから割れる心配はないだろうが、あまりの勢いに、入れたビールが全てでてきてしまうものもいた。
南の峠にて勝利した夜、カニバル軍の兵士は、一度カニバル城の本拠地まで戻り、国を挙げての宴を開催することになった。その食材は、カニバル国の肉屋から魚屋から買い取っているため、必然的にそれを配達に来た気のいい商人たちを交えた大騒ぎとなる。
――うわぁ、やかましいなぁ。
そんな中、軽度の人見知りを発揮し、机の端でちびちびオレンジジュースを飲むのは我らがサンである。カニバル軍勝利の立役者として全く似つかわしくない様子で、サンはソワソワしながら、目の前の料理をつつく。
――え? このローストビーフうま。
ちなみにサンは、飲み屋でたまにいる気に入った料理だけめちゃくちゃ集中して食べる微妙に迷惑なタイプである。
大人数用に用意されたローストビーフを、すでに半分ほど食べ終わろうとしているサン。そんな彼に、一人の獣人が声をかける。
「……サン、ローストビーフ好きなの?」
サンは、その声だけで誰が話しかけてきたのかすぐわかった。これほど、感情の読み取りづらい声を発する獣人を、サンは彼女しか知らない。
「あ、ネク。いや別に一番好きというわけじゃないんだけどさ。なんかやけにうまくて」
「……そっか」
すると、何食わぬ顔をしてサンの隣に腰をかけるネク。あ、座るのか、彼女の様子を眺めながら、そんなことを考えるサン。ちなみに作戦やシェド隊でのコミュニケーションの場で話したことはあるが、しっかりと一対一でネクと会話をしたことはない。まあサンは自分からはなしかけるタイプでないし、ネクも話しかけられないと話さないタイプなため、無理もないことだが。
再び目の前のローストビーフを見つめるサン。しかし、隣に人がいるのに、何も話さないのも変な話なので、それとなくサンはネクへ会話を行う。
「ネクはあれなの? なんか好きな食べ物ないの?」
「……うん、特には。でも強いていうなら、枝豆好き」
「え、意外だな。意外とおつまみ系が好きなんだ。じゃあ始まってからはそれ食べてきたの? というかネクって、さっきまで何してたの?」
勢い衰えず。またいくつかローストビーフを自分の皿に盛り付けながら、サンはネクに問う。ネクはその質問に何食わぬ顔で答える。
「……別にみんなと飲んでただけ。まあ一緒に飲んで2人くらい隊長潰してきたけど」
「え? 潰してきたって、飲み比べで買ってきたってこと?」
「うんそう」
「あれ? 俺と同い年だよね? ってことはお酒飲めるようになってから全然経ってないよね?」
「……でも、あんなんで倒れる気持ちがわからない。味は好きだけど、なんであんな水で頭が痛くなるのか」
――ええぇぇ。
ちなみに国にもよるが基本的には16から飲酒可能というか、酒を飲んでも特に怒られないという風習になっている。ちなみにサンは、そんなに酒は強くなかった。味は好きなんだが、どうにもすぐに記憶を無くしてしまう。まあだからこそ自分が酒を飲んだらどうなるのか自分が一番よくわからないのだが。
彼女の意外な特技もわかり、まあまあ打ち解けて会話をしているサンとネク。そんな彼らを見つけて、1人の男が寄ってくる。
「やぁ、ネク、サン。もう十分飲んでるクマ?」
やけに大きな体格がフラフラと揺れながら、サンの隣へ着席する。カニバル国王ベアリオだった。ベアリオは満面の笑みに対し、ネクが静かに言葉を返す。
「……うん。ベアリオ。十分飲んでるよ。ベアリオ国王もずいぶん飲んだね」
「え? 僕はまだまだいけるクマよ。サンも飲んでるクマかい?」
「え、ああ、まあまあいただいてるよ。おいしいねカニバルの料理は」
「そうだろそうだろ。うちのカニバルの畜産業は世界一だクマからな」
――え? ちょっと待って、これ俺にしか聞こえてない?
あからさまに不自然な語尾に戸惑いを隠せないサン。そんなサンの様子を見取り、ネクが小さな音量で声をかけてくる。
『……ごめん。びっくりしたでしょ。うちの国王ね。酔うと語尾がクマになるの。まあ真面目な話をする時は、何故か治るんだけどね。でも本人は気づいてないからサンも気づいてないフリして』
『なんで? 絶対指摘した方がいいでしょ』
『でも、この語尾のままの方が絶対面白い。それがカニバル国民の意見であり総意』
『まじか』
とんでもない国民と国王がいたものだ。でもたまに出てくる力の抜けたところもまたこの国王の魅力なのかもしれない。
そんなことを思っているサンに対し、ベアリオはふいに彼に言葉を投げる。
「なあ、サン。君にちゃんと話がしたかったんだ」
あ、ほんとだ、真面目な雰囲気になると語尾がなくなった。眼前の獣人の酔っている際の脳の作りに疑問を覚えながらもサンは話の続きを促す。ちなみに記し忘れていたことだが、サンは戦争までの訓練期間で、ある程度国王と親しくなり、タメ口で話す仲になっている。
「なに、話っていうのは」
「なに、シンプルなことだよ。……カニバルを勝たせてくれて、本当にありがとう」
そうして深々と頭を下げる、ベアリオ。急に一国の王が自分に頭を下げたことに対してサンは慌てる。
「え、待ってよ、ベアリオ。頭上げてって。流石に王様に頭を下げさせるわけには」
「国を救ってくれた英雄に謝辞を述べるのは、他ならぬ王の務めだよ。君の勇気ある突撃によって、1日目に敵に押されていたのにもかかわらず、カニバルは勝利できたんだ。シェドもゲッコウのもとまでたどりつくことができた。本当にありがとう。君のおかげでまた、国民に笑顔が戻った」
満面の笑みで、そう言葉を投げかけるベアリオ。サンもそんな彼の言葉を聞いて、あたりを見渡す。すると本当にたくさんの笑顔がそこにはあった。腕相撲をするもの、歌を歌うもの、ダンスをするもの。本当にこの場にいるカニバル兵全員が、全身で喜びを讃えていた。
――そっか、この笑顔は俺が取り戻せたのか。それは良かったな。
『お前はこの戦争の経緯を知らない! 歴史を知らない! 視野を広げれば容易くひっくり返る脆弱な正義が、信念であってなるものか!』
その時、サンの脳内にゲッコウの言葉がよぎった。その瞬間、まるで万力で挟まれたかのように、どんどん心が締め付けられていくのを感じる。
――よかった? 本当に? これで俺は、本当によかったのか?
――俺がやっていることは、本当に正しいのか?
「まあ、だから今日はいっぱいのんで欲しいクマ。そのローストビーフも好きなら新しいの持ってくるクマよ?」
また再び語尾がクマにもどるベアリオ。しかし、サンはそんなことに気づく余裕は無くなっていた。どんどん自身の胸の奥が窮屈になってくる。サンは、次第に苦しくなり、血色のない青白くなった顔で、彼はベアリオに言う。
「ありがとう、ベアリオ。でもちょっとだけ席を外すね。トイレに行ってくる」
そして、席を外し、飲みの席から離れるサン。ずいぶん、トイレを我慢していたんだなぁ、アルコールの回っていたベアリオは、そんな彼の姿を見てそんな風にしか思っていなかった。
「あら、あの様子だとずいぶん我慢していたんだクマね。急に話しかけて気を遣わせてしまったクマかなぁ」
「…………」
しかし、ネクは戦場での話をシェドから聞いて、なんとなくサンがどんな感情になっているのか、察しがついていた。そして彼女は、サンの背中にどこか不穏な影を見るのだった。
大勢の獣人が、机を取り囲み、手には、木で出来た大きなジョッキを持っている。机には国中からかき集めた豪勢な食事が溢れていた。肉食獣の国にも関わらず、肉よりも果物や野菜の方が品揃えが豊富なのが意外だった。もう自身の体を構成する因子が、肉は食べ飽きたとでも叫んでいるのだろうか。
「ええ~~。こんばんは」
机の真ん中にひっそりと座し、一際大きいジョッキを持ってたたずむカニバル国王ベアリオ。カニバル軍の兵士も皆、一様にベアリオの方向を向き、体をうずうずさせている。早く宴を始めたくて仕方がないようだ。ベアリオのそんな兵士たちの様子を見て、うっすらと笑みを浮かべる。
「カニバル軍の宝たる皆。今日はお疲れ様。今まで何度もカニバル軍と戦ってきたが、今日ほど酒が美味い日はないだろう。今、ここからも目視できる距離にある南の峠。かつての僕らは、あれをみてレプタリア軍の進軍に怯える毎日だった。のんびりと夜に散歩することさえ皆気を遣っただろう。あそこに駐屯している敵兵に見つかったら、命に関わるからね」
ベアリオの語りに、どこか過去へと想いを馳せながら、南の峠の方角を見つめる。そんな彼らにベアリオは優しく声をかける。
「ごめんね、みんな。しんみりさせてしまったかい。でも、僕はこう言いたかったんだ。今日はどんなに遅くまで騒いでもいい。明日のことなど忘れて、大喜びしていいんだ。なぜかって? そんなの決まっている! もうあの南の峠にはレプタリア軍なんて誰一人いないからだ!!」
「おおぉぉぉぉぉ!!」
「いいね、士気が上がってきた! さあみんな、ジョッキを掲げよう。そして、この美しい夜空に向かって叫ぼうじゃないか!! カニバル軍の勝利へ、乾杯!!」
「カニバル軍の勝利へ乾杯!!!」
それぞれがジョッキを持ち、勢いよく周囲の兵士のジョッキに自分のそれをぶつける。木で出来ているようだから割れる心配はないだろうが、あまりの勢いに、入れたビールが全てでてきてしまうものもいた。
南の峠にて勝利した夜、カニバル軍の兵士は、一度カニバル城の本拠地まで戻り、国を挙げての宴を開催することになった。その食材は、カニバル国の肉屋から魚屋から買い取っているため、必然的にそれを配達に来た気のいい商人たちを交えた大騒ぎとなる。
――うわぁ、やかましいなぁ。
そんな中、軽度の人見知りを発揮し、机の端でちびちびオレンジジュースを飲むのは我らがサンである。カニバル軍勝利の立役者として全く似つかわしくない様子で、サンはソワソワしながら、目の前の料理をつつく。
――え? このローストビーフうま。
ちなみにサンは、飲み屋でたまにいる気に入った料理だけめちゃくちゃ集中して食べる微妙に迷惑なタイプである。
大人数用に用意されたローストビーフを、すでに半分ほど食べ終わろうとしているサン。そんな彼に、一人の獣人が声をかける。
「……サン、ローストビーフ好きなの?」
サンは、その声だけで誰が話しかけてきたのかすぐわかった。これほど、感情の読み取りづらい声を発する獣人を、サンは彼女しか知らない。
「あ、ネク。いや別に一番好きというわけじゃないんだけどさ。なんかやけにうまくて」
「……そっか」
すると、何食わぬ顔をしてサンの隣に腰をかけるネク。あ、座るのか、彼女の様子を眺めながら、そんなことを考えるサン。ちなみに作戦やシェド隊でのコミュニケーションの場で話したことはあるが、しっかりと一対一でネクと会話をしたことはない。まあサンは自分からはなしかけるタイプでないし、ネクも話しかけられないと話さないタイプなため、無理もないことだが。
再び目の前のローストビーフを見つめるサン。しかし、隣に人がいるのに、何も話さないのも変な話なので、それとなくサンはネクへ会話を行う。
「ネクはあれなの? なんか好きな食べ物ないの?」
「……うん、特には。でも強いていうなら、枝豆好き」
「え、意外だな。意外とおつまみ系が好きなんだ。じゃあ始まってからはそれ食べてきたの? というかネクって、さっきまで何してたの?」
勢い衰えず。またいくつかローストビーフを自分の皿に盛り付けながら、サンはネクに問う。ネクはその質問に何食わぬ顔で答える。
「……別にみんなと飲んでただけ。まあ一緒に飲んで2人くらい隊長潰してきたけど」
「え? 潰してきたって、飲み比べで買ってきたってこと?」
「うんそう」
「あれ? 俺と同い年だよね? ってことはお酒飲めるようになってから全然経ってないよね?」
「……でも、あんなんで倒れる気持ちがわからない。味は好きだけど、なんであんな水で頭が痛くなるのか」
――ええぇぇ。
ちなみに国にもよるが基本的には16から飲酒可能というか、酒を飲んでも特に怒られないという風習になっている。ちなみにサンは、そんなに酒は強くなかった。味は好きなんだが、どうにもすぐに記憶を無くしてしまう。まあだからこそ自分が酒を飲んだらどうなるのか自分が一番よくわからないのだが。
彼女の意外な特技もわかり、まあまあ打ち解けて会話をしているサンとネク。そんな彼らを見つけて、1人の男が寄ってくる。
「やぁ、ネク、サン。もう十分飲んでるクマ?」
やけに大きな体格がフラフラと揺れながら、サンの隣へ着席する。カニバル国王ベアリオだった。ベアリオは満面の笑みに対し、ネクが静かに言葉を返す。
「……うん。ベアリオ。十分飲んでるよ。ベアリオ国王もずいぶん飲んだね」
「え? 僕はまだまだいけるクマよ。サンも飲んでるクマかい?」
「え、ああ、まあまあいただいてるよ。おいしいねカニバルの料理は」
「そうだろそうだろ。うちのカニバルの畜産業は世界一だクマからな」
――え? ちょっと待って、これ俺にしか聞こえてない?
あからさまに不自然な語尾に戸惑いを隠せないサン。そんなサンの様子を見取り、ネクが小さな音量で声をかけてくる。
『……ごめん。びっくりしたでしょ。うちの国王ね。酔うと語尾がクマになるの。まあ真面目な話をする時は、何故か治るんだけどね。でも本人は気づいてないからサンも気づいてないフリして』
『なんで? 絶対指摘した方がいいでしょ』
『でも、この語尾のままの方が絶対面白い。それがカニバル国民の意見であり総意』
『まじか』
とんでもない国民と国王がいたものだ。でもたまに出てくる力の抜けたところもまたこの国王の魅力なのかもしれない。
そんなことを思っているサンに対し、ベアリオはふいに彼に言葉を投げる。
「なあ、サン。君にちゃんと話がしたかったんだ」
あ、ほんとだ、真面目な雰囲気になると語尾がなくなった。眼前の獣人の酔っている際の脳の作りに疑問を覚えながらもサンは話の続きを促す。ちなみに記し忘れていたことだが、サンは戦争までの訓練期間で、ある程度国王と親しくなり、タメ口で話す仲になっている。
「なに、話っていうのは」
「なに、シンプルなことだよ。……カニバルを勝たせてくれて、本当にありがとう」
そうして深々と頭を下げる、ベアリオ。急に一国の王が自分に頭を下げたことに対してサンは慌てる。
「え、待ってよ、ベアリオ。頭上げてって。流石に王様に頭を下げさせるわけには」
「国を救ってくれた英雄に謝辞を述べるのは、他ならぬ王の務めだよ。君の勇気ある突撃によって、1日目に敵に押されていたのにもかかわらず、カニバルは勝利できたんだ。シェドもゲッコウのもとまでたどりつくことができた。本当にありがとう。君のおかげでまた、国民に笑顔が戻った」
満面の笑みで、そう言葉を投げかけるベアリオ。サンもそんな彼の言葉を聞いて、あたりを見渡す。すると本当にたくさんの笑顔がそこにはあった。腕相撲をするもの、歌を歌うもの、ダンスをするもの。本当にこの場にいるカニバル兵全員が、全身で喜びを讃えていた。
――そっか、この笑顔は俺が取り戻せたのか。それは良かったな。
『お前はこの戦争の経緯を知らない! 歴史を知らない! 視野を広げれば容易くひっくり返る脆弱な正義が、信念であってなるものか!』
その時、サンの脳内にゲッコウの言葉がよぎった。その瞬間、まるで万力で挟まれたかのように、どんどん心が締め付けられていくのを感じる。
――よかった? 本当に? これで俺は、本当によかったのか?
――俺がやっていることは、本当に正しいのか?
「まあ、だから今日はいっぱいのんで欲しいクマ。そのローストビーフも好きなら新しいの持ってくるクマよ?」
また再び語尾がクマにもどるベアリオ。しかし、サンはそんなことに気づく余裕は無くなっていた。どんどん自身の胸の奥が窮屈になってくる。サンは、次第に苦しくなり、血色のない青白くなった顔で、彼はベアリオに言う。
「ありがとう、ベアリオ。でもちょっとだけ席を外すね。トイレに行ってくる」
そして、席を外し、飲みの席から離れるサン。ずいぶん、トイレを我慢していたんだなぁ、アルコールの回っていたベアリオは、そんな彼の姿を見てそんな風にしか思っていなかった。
「あら、あの様子だとずいぶん我慢していたんだクマね。急に話しかけて気を遣わせてしまったクマかなぁ」
「…………」
しかし、ネクは戦場での話をシェドから聞いて、なんとなくサンがどんな感情になっているのか、察しがついていた。そして彼女は、サンの背中にどこか不穏な影を見るのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる