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金井の過去
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――金井視点――
みんな移動していて大渋滞だなあ。
僕は、その光景をまるで人事のように眺めていた。
虎谷からは、軍が会議を開いていると言われて起こされた。その後も作戦を考えるのを手伝って欲しいと言われたが、僕は、会議から帰ってくる船がこちらに来ないか見張っていると言って、現在見張り中である。
僕は虎谷にあまり好かれていない。多分彼は、僕みたいな目立たないことばかりするタイプが苦手なのだろう。その虎谷には、見張りって意味あるのかとでも言いたげな顔をされたが、僕には作戦をたてるという仕事は向いていないし、なによりできない。そもそも、土門さんと大日向さんだけで大丈夫なはずだ。
だが、確かにこの仕事の意味はなさそうだ。どの船もまっすぐに島に向かっている。大きな四つの島にいる軍人たちはおそらく、寝ることを許されているのかもしれない。まあ交代制だろうが。
さて、意味のない仕事を長々とやっていても仕方ない。しかし、あの三人が寝ていないのに僕だけが寝るのも悪いだろう。何をすべきか悩んだが、せっかく海岸に来たのだから船に積んだ武器でも手入れしようと思い、船に乗り込んだ。ここなら窓から周りも見えるし、もし予想が外れて、船が入ってきたとしても対処できるだろう。
そう思い、僕は船に入った。
武器の手入れと言っても、今あるのは麻酔銃しかない。軍は、銃は持ってきてはいるが今は大佐などの上位のくらいの人が全て預かっている。大日向さんは、最初は、無理にでも銃を持ってこようとしたのだが、流石に警戒の目が強かった。だから、もし保守派に命でも狙われていたら生き延びる自信はないので、少しでも警戒はしておく。
頻繁に窓の外を見るようにしていると、船に入ってしばらくたってから、島のほうに人影が見えた。
どうやらこっちに向っているようで、念のため窓の脇に行き、慎重に顔を見る。
すると見えたのは、意外な人物、亀山玄と名乗っていた少年だった。
人影の人物が断定できたので瞬時に次の行動を考える。まず、それを決めるに当たって重要なのは亀山君の立場だ。普通に考えれば味方だが、軍の内通者の可能性だってあることにはある。それに今までのいきさつを聞いていると、東島のことも発信機のことも元をたどればこの男が原因であり、その事実がこの推測をより疑わしいものにしている。
だが、だからといってそう決めつけるには早い。偶然の可能性だって考えられる。東島のときも発信機のときもそのときに適切な判断ができるのは、一般人には難しいだろう。
ようは、どちらの可能性もあるわけだ。そしてこういうときには、最悪の状態だと考えて行動するのが安全である。
僕は、麻酔銃を手にとって、直接亀山君に会うことにした。一般に麻酔銃を人に使用することは禁じられている。熊などに使う薬の量で人などを撃てば、永遠の眠りについてしまうからだ。だから、撃つ気はない。相手に向けて下手な真似をさせないためである。
亀山君が適度に船に近づいたとき、僕はすばやく船を出て麻酔銃を亀山君に向けた。
「動くな。そして手を挙げろ」
「な、なんすか」
亀山君は目を白黒させて、手を挙げていた。僕がいたことと銃を向けられたことに予想以上に驚いたようだ。
反応、そしてどこにも道具を隠し持ってない様子を見ると、突発的な行動であることが分かる。内通者はばれたら終わりだ。それ故に内通者が突発的な行動をするとは考えられないが、警戒は怠らない。僕は銃を向けながら笑顔で言った。
「ごめんね。なんせ行動が行動だから疑わずには居られないんだ。何しに来たのかな?」
「言わなきゃだめですか」
「言わなきゃ撃たざるをえないね」
「それは嫌ですね」
亀山君は、最初こそ驚いたが後は感情を表に出さなかった。そして僕は、それに違和感を感じていた。
普通の人なら銃を向けられれば、怯えに怯えて会話すらできない場合もある。だから、笑顔で言ったのだが、この男には銃を向けることすら意味のないように思える。
――やはり内通者か? いやでも、状況から見れば明らかに違うし・・・・・・。
僕は、未だ警戒を緩めずに次の言葉を待った。
「北島に行きたいんです」
「それまたどうして」
「白羽の話を聞いていたのですが、軍で銃の使用が許可されたそうです。それによってもう幸で移動していく作戦は、リスクが大きすぎて使えなくなりました。だから、移動するには船を使う必要があり、この船を使うわけにはいかないので、白羽の友人から事故に見せかけて船を盗るそうです。もちろん白羽の友人からは、許可をもらっています。しかし、事故に見せかける上で、誰かが小隊を引きつけるようなことをしなければなりません」
――ふむ。話としては大いに理にかなっている。飛び回る作戦が駄目になる理由も、事故に見せかけなければならない理由も大体分かる。うそはついていないだろう。
僕は、麻酔銃を下ろし、笑顔をやめて聞いた。
「それで、君が北島で正体を引き付けると言うのかい?」
「はい」
――そして理にかなっているからこそ、行かせるわけにはいかない。
「亀山君、確かに君がした失敗は大きいものだよ。取り返そうとする君の気持ちもよく分かる。でも駄目だね。行かせるわけにはいかない」
「どうしてですか?」
「君だけは、選ばれた人には見えない」
「はい?」
亀山君は、また目を白黒させていた。でも、急にこんなことを言われたら誰だって同じような反応をするだろう。だから僕は、今の言葉にこめられた思いは誰にも言わずに墓場まで持っていく気だった。
でもこの男には、伝えなければいけないと思った。教えてやらなければいけないと思った。この男では、確実に「あいつ」の二の舞になるからだ。
「僕は、一年前まではこんなに目立たない仕事ばかりする人間じゃなかったんだよ。日本のために働きたくて、まだ自衛隊だったときに入って、ずっと尊敬してた友人に少しでも追いつけるよう必死でがんばってたんだ。革新派に入ったのもその友人がこの場に居たら、きっとそうするだろうと思ったからだ。それに、もちろん僕も戦争を繰り返そうとする動きが許せないという感情はあった。でも、一年前に僕は、どんながんばりも、どんな感情も、強大な現実には無意味であることを知った」
「何があったんですか? その一年前に」
僕は、そう聞かれて一瞬ためらった。このまま話していったら、僕はあの出来事を鮮明に思い出さなければならない。僕自身それは嫌だ。
だが、僕は口を動かした。動かさなければならなかった。
――過去――
さっきも言ったように僕には、友人がいた。そいつとは高校で会ったんだ。あいつはそのとき生徒会長をしていた。
本当にいいやつだったよ。あまりいい生徒ばかりの高校じゃなかったんだけど、そんな学校であいつは、生徒会長になって必死でみんなに誠実であろうと呼びかけた。例え、あいつ以外の全員があいつのがんばりをよく思わなくても、あいつはたった一人で呼びかけ続けた。僕は、そんなあいつの姿勢に感動した数少ない生徒の一人だったんだ。だから、副生徒会長としてあいつを支え続けた。
そして、僕らが卒業するときまであいつの思いは生徒には届かなかった。でも、あいつは言ったんだ。僕は、政治家になる。政治家になって正しいことを正しいと言える社会を作るって。
僕は高校卒業時に、自衛隊になった。あまり頭は良くなかったけど、「あいつ」がこれから作るであろう日本を守りたいって思ったから。僕も「あい」つも、よく連絡しあっていて、お互いでお互いを励ましあった。
それからしばらくたって、「あいつ」はある政党の党首にまでなった。でも選挙の相手には、あの蛇塚がいた。当時の蛇塚は、戦争への異常な欲求を隠していたから、総理大臣に選ばれてしまった。
その後の蛇塚は知っての通り、日本国憲法の平和主義のところを書き換えをした。「あいつ」は、誰よりもそれを止めようとしていたんだ。でも、どんな手を使ったかは知らないけど、蛇塚は自分の意見を押し通せた。
あいつはすごく落ち込んでいたよ。でもすぐに、次蛇塚が妙な提案をしたら、今度こそ好き勝手はさせないって張り切っていた。そして、そのリベンジの機会は、今より一年前に来たみたいだった。蛇塚が何を提案したのかは教えてもらえなかったが、あいつがそれをなんとしても止めたかったのは理解できた。
そんな「あいつ」を見てから何ヶ月かたったときに、「あいつ」からの電話が来た。それはこんな内容だった。
――聖史、俺もう疲れた。
それだけを残して、電話は切られた。俺は嫌な予感がして、あいつが住んでいたアパートに行った。でも――。
そこで見たのは、首を吊った「あいつ」の姿だった。
みんな移動していて大渋滞だなあ。
僕は、その光景をまるで人事のように眺めていた。
虎谷からは、軍が会議を開いていると言われて起こされた。その後も作戦を考えるのを手伝って欲しいと言われたが、僕は、会議から帰ってくる船がこちらに来ないか見張っていると言って、現在見張り中である。
僕は虎谷にあまり好かれていない。多分彼は、僕みたいな目立たないことばかりするタイプが苦手なのだろう。その虎谷には、見張りって意味あるのかとでも言いたげな顔をされたが、僕には作戦をたてるという仕事は向いていないし、なによりできない。そもそも、土門さんと大日向さんだけで大丈夫なはずだ。
だが、確かにこの仕事の意味はなさそうだ。どの船もまっすぐに島に向かっている。大きな四つの島にいる軍人たちはおそらく、寝ることを許されているのかもしれない。まあ交代制だろうが。
さて、意味のない仕事を長々とやっていても仕方ない。しかし、あの三人が寝ていないのに僕だけが寝るのも悪いだろう。何をすべきか悩んだが、せっかく海岸に来たのだから船に積んだ武器でも手入れしようと思い、船に乗り込んだ。ここなら窓から周りも見えるし、もし予想が外れて、船が入ってきたとしても対処できるだろう。
そう思い、僕は船に入った。
武器の手入れと言っても、今あるのは麻酔銃しかない。軍は、銃は持ってきてはいるが今は大佐などの上位のくらいの人が全て預かっている。大日向さんは、最初は、無理にでも銃を持ってこようとしたのだが、流石に警戒の目が強かった。だから、もし保守派に命でも狙われていたら生き延びる自信はないので、少しでも警戒はしておく。
頻繁に窓の外を見るようにしていると、船に入ってしばらくたってから、島のほうに人影が見えた。
どうやらこっちに向っているようで、念のため窓の脇に行き、慎重に顔を見る。
すると見えたのは、意外な人物、亀山玄と名乗っていた少年だった。
人影の人物が断定できたので瞬時に次の行動を考える。まず、それを決めるに当たって重要なのは亀山君の立場だ。普通に考えれば味方だが、軍の内通者の可能性だってあることにはある。それに今までのいきさつを聞いていると、東島のことも発信機のことも元をたどればこの男が原因であり、その事実がこの推測をより疑わしいものにしている。
だが、だからといってそう決めつけるには早い。偶然の可能性だって考えられる。東島のときも発信機のときもそのときに適切な判断ができるのは、一般人には難しいだろう。
ようは、どちらの可能性もあるわけだ。そしてこういうときには、最悪の状態だと考えて行動するのが安全である。
僕は、麻酔銃を手にとって、直接亀山君に会うことにした。一般に麻酔銃を人に使用することは禁じられている。熊などに使う薬の量で人などを撃てば、永遠の眠りについてしまうからだ。だから、撃つ気はない。相手に向けて下手な真似をさせないためである。
亀山君が適度に船に近づいたとき、僕はすばやく船を出て麻酔銃を亀山君に向けた。
「動くな。そして手を挙げろ」
「な、なんすか」
亀山君は目を白黒させて、手を挙げていた。僕がいたことと銃を向けられたことに予想以上に驚いたようだ。
反応、そしてどこにも道具を隠し持ってない様子を見ると、突発的な行動であることが分かる。内通者はばれたら終わりだ。それ故に内通者が突発的な行動をするとは考えられないが、警戒は怠らない。僕は銃を向けながら笑顔で言った。
「ごめんね。なんせ行動が行動だから疑わずには居られないんだ。何しに来たのかな?」
「言わなきゃだめですか」
「言わなきゃ撃たざるをえないね」
「それは嫌ですね」
亀山君は、最初こそ驚いたが後は感情を表に出さなかった。そして僕は、それに違和感を感じていた。
普通の人なら銃を向けられれば、怯えに怯えて会話すらできない場合もある。だから、笑顔で言ったのだが、この男には銃を向けることすら意味のないように思える。
――やはり内通者か? いやでも、状況から見れば明らかに違うし・・・・・・。
僕は、未だ警戒を緩めずに次の言葉を待った。
「北島に行きたいんです」
「それまたどうして」
「白羽の話を聞いていたのですが、軍で銃の使用が許可されたそうです。それによってもう幸で移動していく作戦は、リスクが大きすぎて使えなくなりました。だから、移動するには船を使う必要があり、この船を使うわけにはいかないので、白羽の友人から事故に見せかけて船を盗るそうです。もちろん白羽の友人からは、許可をもらっています。しかし、事故に見せかける上で、誰かが小隊を引きつけるようなことをしなければなりません」
――ふむ。話としては大いに理にかなっている。飛び回る作戦が駄目になる理由も、事故に見せかけなければならない理由も大体分かる。うそはついていないだろう。
僕は、麻酔銃を下ろし、笑顔をやめて聞いた。
「それで、君が北島で正体を引き付けると言うのかい?」
「はい」
――そして理にかなっているからこそ、行かせるわけにはいかない。
「亀山君、確かに君がした失敗は大きいものだよ。取り返そうとする君の気持ちもよく分かる。でも駄目だね。行かせるわけにはいかない」
「どうしてですか?」
「君だけは、選ばれた人には見えない」
「はい?」
亀山君は、また目を白黒させていた。でも、急にこんなことを言われたら誰だって同じような反応をするだろう。だから僕は、今の言葉にこめられた思いは誰にも言わずに墓場まで持っていく気だった。
でもこの男には、伝えなければいけないと思った。教えてやらなければいけないと思った。この男では、確実に「あいつ」の二の舞になるからだ。
「僕は、一年前まではこんなに目立たない仕事ばかりする人間じゃなかったんだよ。日本のために働きたくて、まだ自衛隊だったときに入って、ずっと尊敬してた友人に少しでも追いつけるよう必死でがんばってたんだ。革新派に入ったのもその友人がこの場に居たら、きっとそうするだろうと思ったからだ。それに、もちろん僕も戦争を繰り返そうとする動きが許せないという感情はあった。でも、一年前に僕は、どんながんばりも、どんな感情も、強大な現実には無意味であることを知った」
「何があったんですか? その一年前に」
僕は、そう聞かれて一瞬ためらった。このまま話していったら、僕はあの出来事を鮮明に思い出さなければならない。僕自身それは嫌だ。
だが、僕は口を動かした。動かさなければならなかった。
――過去――
さっきも言ったように僕には、友人がいた。そいつとは高校で会ったんだ。あいつはそのとき生徒会長をしていた。
本当にいいやつだったよ。あまりいい生徒ばかりの高校じゃなかったんだけど、そんな学校であいつは、生徒会長になって必死でみんなに誠実であろうと呼びかけた。例え、あいつ以外の全員があいつのがんばりをよく思わなくても、あいつはたった一人で呼びかけ続けた。僕は、そんなあいつの姿勢に感動した数少ない生徒の一人だったんだ。だから、副生徒会長としてあいつを支え続けた。
そして、僕らが卒業するときまであいつの思いは生徒には届かなかった。でも、あいつは言ったんだ。僕は、政治家になる。政治家になって正しいことを正しいと言える社会を作るって。
僕は高校卒業時に、自衛隊になった。あまり頭は良くなかったけど、「あいつ」がこれから作るであろう日本を守りたいって思ったから。僕も「あい」つも、よく連絡しあっていて、お互いでお互いを励ましあった。
それからしばらくたって、「あいつ」はある政党の党首にまでなった。でも選挙の相手には、あの蛇塚がいた。当時の蛇塚は、戦争への異常な欲求を隠していたから、総理大臣に選ばれてしまった。
その後の蛇塚は知っての通り、日本国憲法の平和主義のところを書き換えをした。「あいつ」は、誰よりもそれを止めようとしていたんだ。でも、どんな手を使ったかは知らないけど、蛇塚は自分の意見を押し通せた。
あいつはすごく落ち込んでいたよ。でもすぐに、次蛇塚が妙な提案をしたら、今度こそ好き勝手はさせないって張り切っていた。そして、そのリベンジの機会は、今より一年前に来たみたいだった。蛇塚が何を提案したのかは教えてもらえなかったが、あいつがそれをなんとしても止めたかったのは理解できた。
そんな「あいつ」を見てから何ヶ月かたったときに、「あいつ」からの電話が来た。それはこんな内容だった。
――聖史、俺もう疲れた。
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