The.RESEARCH ~呪縛~

稲葉 兎衣

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【消滅】

6.曳尾塗中

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【陰陽師の末裔】と彼女は言った。

「現代には存在していないけれど、私の家族は陰陽師の末裔なの。つまり私はその血を引いてる。相手は霊だから妖怪やら鬼やらと少し違いはあれど通用する。いいから、リュウキ早く逃げなさい」
「え、俺は見てていいのか!?」
リュウキは理解出来ず頭が軽く痛くなる。
それに反してサトムは目を輝かせ興味津々であった。

「来る…!」
瞬時に霊の接近に気づいたヨゾラは、咄嗟にボディバッグの中から人の形の紙人形を取り出す【式神】と呼ばれるものだ。

ヨゾラが紙人形を手放すと、風が吹いていないのにも関わらずふらふらと自在に紙が浮遊し靡き少々時間が経つと紙が微塵になった…かと思いきや黒い鳥類の羽が突然、吹き出し一瞬なにか人影のようなものが見える。

「おぉぉ!!何だ何だなんだ!!?」
サトムの興奮が止まらない。

「私に力をお貸しください。この場にいる凶悪な霊を除霊…いや貴方様の力で消滅させ下さい。」
「………御意。」
その黒い影のような者はサトムの方へと瞬時に移動し心臓を何か刃物のような物で突き刺した。

「……ェッ!?何で……。」
「おい!!どういう事だよ!?ヨゾラ!」
サトムは、心臓を刃物で刺されたのにも関わらず血が出ることが無い。リュウキは、戸惑いを隠せずサトムに触れようと手を伸ばした。すーっとサトムの身体が消滅していき触れる事は出来なかった。

「彼は既に死んでいたわ。貴方が見つけた虐殺事件の犯人よ。」
「いや、年齢がどう考えても違っ「霊は死んだ時の年齢から歳をとる事はない。ずっとその姿、彼は18の時に死んだのよ。私達をここに導いたのも彼、死んでも人を殺す事に快感を忘れられずここに人を導いては命を奪っていたのよ。」
リュウキは呆然とした表情、そして恐怖から解放された喜びか力が突然抜けその場で座り込んだ。

「だから逃げなさいって言ったのに」
「でも、すぐに終わらせてくれたじゃないか…というかよく喋るようになったな」
リュウキが微笑みを見せるとヨゾラは少し顔を赤らめ顔を逸らした。

「あと、まだ終わっていないわ。ここには虐殺事件の被害者の霊がたくさんいる。彼らも消滅を」
「いやそれは待てよ!関係ないだろ!」
「もうダメよ。完全に堕ちている。悪霊に染っている。」
「そんな、、。」
ヨゾラがもう一度、ボディバッグから紙人形を取り出し式神を呼び出そうとすると薄暗い外から扉を叩く音がした。

「誰?あの子たち」
「何か慌てているようだけど」
外には、三人の制服を着た男女の姿があった。

「何しに来たの?」
「この制服、富痔学園の生徒?」
ニュースで見覚えのある制服だったのでリュウキはすぐに富痔学園の者達だと判断が着いた。


「この霊たちが暴れているのは、この場所に呪縛されているからなんです…。」
三人の中で1番小柄な青年がそう言った。


「なぜ分かるの?」とヨゾラが話を掘る。


「弟は、霊感があって直接霊を見れる訳では無いが霊の残した念を読み取ったりできる。」

「それで、ここに居る霊をちゃんと成仏しようって事でここへ来たの。」
小柄な青年の兄と思われるものと富痔学園の女子生徒がそう言った。


「一応名前を聞いてもいいか?」
リュウキが彼らにそう聞くと、女子生徒は【ユメコ】残り男子生徒の兄の方は【ソウタ】その弟は【カオル】と答えた。


「それで、カオルくん?どうすれば成仏出来るの?」

ヨゾラがカオルにそう問いかけると、カオルは

「掠れた小さな声でこの建物を壊すか燃やすしかない」 と答えた。


「おいおいお前らどうやってこの建物を壊す気で来たんだよ…?」
リュウキはほぼ手ぶらな状態の三人に言う。
ユメコとカオルは余所を向いたがヨゾラにはソウタの方を見てクスッと笑った。

「貴方も、霊とか妖怪とか使えるんだ」
「…ッ!?」
ヨゾラがソウタをからかうように言うと彼は目を見開いた。

リュウキは少々驚くがさっきのヨゾラの陰陽師としての力を見た後だったので「こいつもか」で終わる。


「壊すのはいいけどまだ中に「もう生き残ってるのは私と貴方だけ、あとは死んでる」

「…まじか、、よ。」

「残念ね。」

「悲しくねーのかよ…。あんた。」

ヨゾラは、リュウキの言葉を気にせずソウタに声をかけた。リュウキは、ムッとした顔でヨゾラの背を見つめる…。だが、すぐに大きくため息をついて四人から離れた所で座り込んだ。


そこへ、兄弟の弟の方カオルがやって来てリュウキの隣に座る。

 
「どうしてここに来たの?」


「肝試し……的な?」


「ふーん。怒らせちゃったんだね。幽霊を…。
でも悪くないよ。君たちも被害者だから」


学舎はあっという間に火達磨となり焼き尽くされていた。微塵も残らず焼き尽くしきる。そうでないと酷く悔やんでいる霊が解放されないかもしれないからだ。


「お前の兄さんも陰陽師の末裔…なの?」


「何のこと…?僕のお兄ちゃんはね、絆が生まれた霊と心を通わせる事が出来るだけなんだ。あの事件以来ね……。」


「霊と…絆??」


焼き尽くされた学舎は山火事へと二次災害に繋がらないようヨゾラが河童の武神を召喚し強い水の衝撃を加えることで火を瞬時にかき消す。


「どうなの?ソウタ、カオル!虐殺事件の被害者の霊は!」

ユメコが二人に問いかけると二人は顔を一度合わせてから言った。


「もう現世には居ないよ…」 と。


______________________________


日差しが登る。

あの日から一週間が経った。


一昨日辺りまでは警察やら色んな人間が家に訪れ慌ただしくおばさん家に行く暇もなかったが、昨日から急に時間に暇ができるようになった。

あの短期間に知人があんなにも死んでいくなんて、霊が本当に実在したなんて、妖怪を召喚する人間が居たなんて、驚く事ばかりだった。

目に見えないものを信じるようになってから、些細な奇妙な出来事には何か霊やら妖怪やら化け物が関与しているんだろうと強く感じるようになった。

これが霊感??


いや、感じると言うより…見えるようになってしまったんだよな……。


犬やら猫やらの可愛らしい動物の霊が…。


【絆が生まれた霊と心を通わせる事が出来る】


いや、ただ動物好きなだけなんだけど、。


まぁ、いっか…ははっ。
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感想 1

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