ギャルっ娘パラダイス♪ 〜女子高教師から勇者に転生したオレに美人で極上ボディのギャルたちを連れてハーレム旅をしろだと? よろこんで!〜

雪月風花

文字の大きさ
5 / 80

第5話 魔法使い フィオナ=フロスト

しおりを挟む
 滝から歩いて一時間。
 『アムラール』と書かれた看板の掛かった木製のゲートを潜ると、そこに小規模ながらもしっかりとした町があった。

 中に入ってみると、通りには石畳がしっかり敷かれ、様々な商店や家々が多く立ち並んでいる。
 全体的にオレンジがかった建物が多いのは、そういう色のレンガを使用しているからだ。

 商店だけでなく尖塔せんとうがついた教会らしき建物や、学校、食堂、病院に宿と、町を構成する要素はほぼ全てそろっているし、町行く人々の服装も多少デザインは古そうなものの、男性はオレと同じくシャツ、ズボンだし、女性もブラウスやスカート、ワンピースと、そこにさほど違和感は感じない。

 自動車が見当たらないことだけは若干違和感として感じたが、それ以外、町の雰囲気はどこか南欧の田舎町といった感じで、言われなければここが異世界だと全く気づかないだろう。
 愛梨あいりから得た情報とほぼほぼ合っている。
 案外、この辺りの町にでも出現したのかもしれないな。

「まずは食事にでもしましょ、テッペー。ここはわたしが奢るから」

 オレは滝つぼで会った少女・フィオナ=テンプルに案内されて町まで来ると、そのまま食堂に連れてこられた。
 麦酒で乾杯する。

「どうでもいいが、フィオナは歳は幾つだ? 酒飲んでいい歳なのか?」

 オレは一緒に出された枝豆を摘まみながら麦酒をあおった。
 冷えたビールに枝豆。こういうところはあんまり差はないようだ。

 フィオナも美味そうに麦酒を一気飲みするが、オレのところの学校の生徒とさほど変わらない年齢に見えるからか、現役教師としてはちょっと落ち着かない気分になる。
 フィオナは麦酒のお代わりを頼むと、串焼きにかぶりついた。

「十八歳。以前会った異世界人にはそっちのこよみとそんなに変わらないって聞いたんだけど。とりあえず、こっちではとがめられることのない年齢だから安心して」
「ならいいけど。……んで? 教えてもらおうか。なんでフィオナは千駄ヶ谷二高の制服を着ている? それ、本物だよな。どこで手に入れた?」

 オレは豆と肉の煮込み料理をスプーンで口に運びながら、対面に座るフィオナに尋ねた。
 この煮込み、トマトベースか? ちょっと酸味が強めだが美味いな。

 フィオナは銀髪ロリ女神のメロディちゃんのところで見た映像の通り、ギャルの恰好をしていた。

 白のブラウスに赤いネクタイ。グレーのスカートが隠れるくらいに大きなベージュのカーディガンを羽織り、紺のハイソックスに黒のローファー。とどめは学校指定の紺のスクールバッグで、バッグにはちょっとダラけた感じのパンダのぬいぐるみがゴテゴテとついている。
 イスに立て掛けられた曲がりくねった木の杖が、逆に違和感を醸しだしている。

「わたし、ここから山を幾つか越えた先にある小さな町の出身なんだけど、小さい頃、そこに異世界人が迷い込んだことがあったのよ。今のテッペーみたいにね。その人が置いていった服なんだ、これ」
「そっか。そういえば愛梨あいりちゃんも言ってたっけ。向こうに行く人が結構いるみたいって」
「愛梨! それ! あのお姉さん、そんな名前だった! えっとね……これ!」
 
 フィオナがスクールバッグから何やら手帳を取り出し、オレに向かって開いてみせた。
 それは、シールがいっぱい貼られたプリクラ帳だった。
 制服一式を置いて行った人物が持っていたもののようだ。

 開いてみると、経年劣化で多少見づらくなってはいたが、間違いない。どの写真にも、しっかり若かりし頃の愛梨ちゃんが写っていた。
 しかも友だちと撮ったからか、プリクラ写真にはしっかり平仮名で『あいり』と落書きされている。  

「信じらんねぇ! 愛梨って源氏名げんじなじゃなく本名だったのかよぉ!」
「何だか分かんないけど、そっか、テッペーはあのお姉さんの知り合いだったのね。縁があるのかもね、わたしたち」

 フィオナが枝豆を摘まみながら楽しそうに笑った。
 か、可愛い!
 フィオナはブルガリアやハンガリーといった東欧系の金髪美少女で、スタイルも抜群。ワールドワイドな美しさの迫力をヒシヒシと感じる。
 それが、よりにもよってオレの大好物のギャルの格好をしているときた。
 
 例えるなら、海外からの交換留学生が日本の女子高生からギャルを学んで試してみたものの、容姿が良すぎて微妙なズレ感が発生しちゃってるって感じ。
 ……最高じゃないか!!

「なぁ。なんでキミはオレを警戒しないんだ? 異世界人ったって、全員が全員、良い人ばかりなわけじゃないだろう?」
「あら。あなた、わたしのタイプよ? まぁそれはともかく、しばらく前に女神さまが夢に出てきて言ったのよ。勇者候補が現れるから旅のサポートをしてやってくれって。わたしその時、カブラナにいたんだけどさ。妙な予感がして急いでここまで戻ったらテッペーが空から降ってきたってわけ」
「なーるほどね。にしても候補だと? ってことは、銀髪ロリ女神はオレ以外にも魔王討伐用の人材をこの地に送り込んでるってことなのか? もしそうなら、魔王討伐は早い者勝ちってことになる。……やってくれるぜ」
 
 フィオナは串焼きのタレがついてペトペトになった手をテーブルに置いてあった布巾で綺麗に拭くと、立ち上がってオレに手を差し出した。
 
「んじゃ、お腹も膨れたことだし、さっきの怪魚が落とした魔核デモンズコアの換金をしに行こう。滝のヌシだったみたいで結構な量の魔核を持ってたから、いい値段になるよ。それ使って、わたしがテッペーの旅の装備を見繕みつくろってあげる」

 オレは改めて自分の格好を見た。
 元は普通に紺のスーツだったのだが、怪魚に食い千切られたせいで両肘から先のそでは消失しているし、あちこち焼け焦げて酷い有様だ。
 超回復スーパーヒール使ったって、衣類まで直るわけじゃないんだな、やっぱり。

 思わず考えにふけるオレを前に、フィオナは綺麗な金髪を右手で掻き上げながら小首を傾げた。
 その仕草、フェロモン駄々洩れで超セクシー!

「わたしが見繕ってあげるから。……いこ?」
「喜んで!!」

 オレはフェロモン全開のフィオナに対し、満面の笑顔を向けたのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...