最弱層にあるモンスターハウス出身の悪魔が魔王に成り上がる

ぱけ

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第一章 スターターダンジョン編

第13話 ドールマスター戦

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 「うわっ、びっくりした」
 「おいおい、モイナ。扉は静かに開けろと何度言えばわかるんだ」
 「うるさい!!そんなことより新しい女はどいつよ!!」

 ゴスロリ系姫様服の女の子はとても怒っている。
 マスターの前に立っているミラをちらっと見て

 「この女ね、この女がマスターの新しい女ってことね!!」
 「いや、この子は新人の……」
 「うるさい!!言い訳無用!!あなた、勝負しなさい!!」
 「え?えぇ!?」

 ミノバルドは溜息をつき、ミラはさらに驚いた。

 「ミラ、この子はモイナ。ゴブタークから聞いてると思うがドールマスターの子だ。来てそうそう悪いんだが、相手してやれ」
 「え?あの、まだ案内とか……」
 「あー、じゃあモイナ。案内してやれ」
 「なんで私が!!てか、話聞いてる!?」
 
 モイナはぷんぷんと怒りながらミノバルドにポカポカ体を叩いている。

 「モイナ、ミラ。訓練所使っていいから勝負してこい。ミラが勝ったらモイナが最下層の案内をするんだ」
 「えぇ、いいわ!!私が勝ったらこの女を追い出してよね!!」
 「はいはい、じゃあ頼んだぞーー」

 そういってプンスカしながらモイナは訓練所に向かった。
 それについて行くミラ。
 ミラは流れるがまま訓練所で勝負することになった。




 「ここが訓練所よ!!さて、勝負してもらうわよ!!」
 「は、はい。でも私、1度しか戦ったことなくて……」
 「はい??ふざけてるの??」
 「いえ、真面目です……」
 「こんなんに負ける気がしないわ。とりあえずルールは戦える力が無くなるまでよ。いい??」
 「はい、わかりました」
 「じゃあ早速行くわよ!!」

 そういって、モイナは魔法を唱え始めた。

 『クリエイト-アークドール-』

 空中に魔法陣が浮かび上がり、そこから布や糸やらたくさんの素材が召喚される。
 素材が生きているようにどんどん人形が作られていく。
 モイナの前に三体の人形が出てきた。

 「言ってなかったわね!!私はドールマスター。モイナよ!!さぁあなた達、やっておしまい!!」

 そういって人形達はミラに飛びついた。
 手には針やハサミなどの凶器がある。

 「あ、私はミラ。種族はわかりません」
 「種族がわからない??何言ってるの!!」
 「えっと、今度鑑定してもらいます」
 「はぁ??」
 「あ、ごめんなさい。そういえば、勝負でしたね」


 『ファイアーバレット』

 ファイアーボールが三つに分解され各人形に直撃する。
 人形達は黒焦げになり、動かなくなった。

 「なるほど、魔法が使えるのね。ただ、人形を倒しても私を倒さないと意味ないわよ!!」

 そういってモイナは接近戦に持ち込んだ。
 彼女自体も人形なので腰に隠していたダガーを取り出し、襲いかかる。
 ミラは武器を持っていないので避ける。
 何度か当たりそうになるが当たらない。
 ギリギリで避けている。

 「あの、まず話を……」
 「うるさい!!それに、私はドールマスターよ、油断しない事ね!!」

 そう言った直後、後ろから針を刺された。

 「ぐっ!?」

 腰あたりに針を刺されたことで、後ろを見た。
 先程、黒焦げにした人形が元通りになっており、襲いかかってきた。
 ミラは一旦距離をとることにした。

 「どお??私の可愛いお人形さん達は。可愛いでしょう?」
 「そうですね……」
 「これからあなたが倒れるまで襲いかかるわぁ!!」

 そういってモイナも勝ち誇った顔をした。

 「流石に、の魔法はダメですね」
 「えぇ、何度も生き返るわ!凍らせても切っても元通りだからね!!負けを認める??」
 「いえ、人形の倒し方は本で読みました」
 「本????」

 モイナは不思議そうな顔をしているがまだ勝っている気でいる。
 ミラはファイアーバレットで再び黒焦げにしたあと、人形を抱えてモイナに投げた。

 「え??なにすんのよ!!」

 『カルマイーター』

 「ちょちょ!!それはダメだって!!」

 魔法陣がモイナの下に浮かび、モイナ達は何かを吸収された。
 その後、モイナ達は人形になった。動く気配は無さそうだ。

 「モイナ様、私の勝ちでよろしいですか?」
 「……」
 「モイナ様?」

 返事がない、ただの人形のようだ。
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