落ちこぼれの魔獣狩り

織田遥季

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崩壊、そして

昔話

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 ノシュキルからの帰り。レオンは大量の食材を抱え走っていた。



「助かったよ。ちょうど食材がなくなりかけていたからな」



 そう言うシンピは無表情だったが、きっと本心なんだろうなというのがレオンにはなんとなくわかった。



「役に立てたならよかったです」



 口を開いたついでに、レオンは聞くべきか悩んでいたことについて切り出した。



「“奴”ってウシク紛争となにか関係があるんですか?」



「……どうしてそう思った」



「ウシク地域とテディーレはそう遠くないから、俺は当時の話をよく聞かされて育ちました。ウシク紛争ではたくさんの魔獣が現れたことも知ってる……それだけ情報があれば、誰だって“奴”との関連性を疑います」



 少し迷ったが、ベルから聞いたことは黙っておいた。

 本人の口から聞いてないことを言うのは、なんとなく後ろめたかったからだ。

 シンピは珍しく眉をひそめて訝しげにレオンを見たが、なにも聞くことはなかった。



「そうだ。“奴”はウシク紛争を引き起こした張本人で、お前の親の仇だ」



「……やっぱりか」



 驚きや悲しみはなかった。おそらくそうなんじゃないかと思っていたし、レオンは両親のことをほとんど知らなかったからだ。



「父は、どんな人でしたか」



「……まっすぐな奴だったよ。頑固でね、一度こうと決めたら全然譲らないんだ」



 そう話すシンピは前を向いていた。

 レオンからは逆光で、表情までは読み取れなかった。



「ただ、優しい男だった。お節介ともいえたがな。仲間からはよく慕われていたよ」



「それならなんで、俺と妹を捨てたんですか」



「……ウシク地域に行く前だったんだ。きっと巻き込みたくなかったんだろう」



「……そうですか」



 それから家に着くまでの間、二人が口を開くことはなかった。



 日はゆっくりと沈み始めていた。
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