落ちこぼれの魔獣狩り

織田遥季

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ブレンダムにて

最悪との再会

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 巨大ゴーレムがブレンダムの町を破壊する。
 その足元では、町人達が蟻のように逃げ惑っていた。

「あれが……ゴーレム……!」

 ゴーレム。
 その存在自体は有名であるが、実際目にしたことのある者はそう多くない。
 何故ならゴーレムの製造方法自体が限られたごく一部にしか伝わっておらず、半ば失われた技術と化しているのだ。
 職人達の町であるこのブレンダムの町を除いて。

「あんなに大きいのはなかなか見ねぇな……しかしあんだけでけぇんだ。製造者というか、術者はこの町にいると見て間違いねぇな」

「その術者を叩けば、あのゴーレムは止まるんですね?」

「おそらくはな。ゴーレムの胸部にあるコアを破壊するって手もあるが、あんだけ大きいとなぁ……」

「わかりました。それならみんなで手分けして術者を探してくれ。あのゴーレムは俺が……」

「おっと、本当にそれでいいのかい?」

 突然、背後から声が聞こえる。
 その声はレオンにとって、とても聞きなじみのある“あの声”だった。
 ゆっくり振り返ると、残酷にも予想通りの、育て親の姿がそこにはあった。

「久しぶりだね、レオン?」

「ミスト神父……」

――いや、違う

 驚きに見開かれていたレオンの瞳は鋭い眼光を放ち、眼前の男を睨みつける。
 そうだ。
 この男こそが。

「“奴”だッ!」

 レオンの言葉に、リンネとララは反射的に構える。
 “奴”の話は既に聞いていたのだ。

「おいレオン、なんだこいつは」

 ビーディーが殺気を放ちつつ問う。
 元特級冒険者だけあって、“奴”の危険性は肌で感じ取っていたようだった。

「おやおや忘れたのかい? ビーディー。あんなに可愛がってやったというのに。悲しいなぁ」

 “奴”がいやらしい口調で会話に割り込んでくる。
 その大仰な様がやけにビーディーの癇に障った。

「あ? わりぃけどあたしはお前みてぇな男、好みじゃねぇんだわ。なんの話してるか知らねぇけど、気持ちわりぃ勘違いは」

「……魔獣王です」

 レオンが答える。

「は?」

「だから、魔獣王です……ティガーの兄です」

 ビーディーは啞然とし口から葉巻を落とすと、即座に“奴”の方を向いた。

「……ほら、可愛がってやっただろう?」

 そう言って“奴”はニヤリと笑う。
 一方のビーディーは――

「おいくそ野郎……」

 キレていた。

「――ぶっ殺してやるよ!!」

 大地を蹴り――というよりもえぐり飛ばし、ビーディーが“奴”に殴りかかる。

「『鋼鉄の門扉メタル・ゲート』!」

 “奴”は守護魔法を発動し身を守る。
 それでもダメージはあるようで、その口からは一筋の血が流れていた。

鋼鉄の門扉メタル・ゲートでもこれとは……まったく。面倒な女だ」

「黙れ。死ね」

「おお、物騒だなぁ。私自ら殺してやってもいいが、ここでまたダメージを負うのも望ましくない……メル」

「え?」

 その呼びかけに応じ、“奴”の背後から一人の少女が姿を現す。
 それは間違いなく、レオンが取り戻したかった妹、その人であった。

「メル……!?」
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