落ちこぼれの魔獣狩り

織田遥季

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王と忠誠

模擬戦〈その1〉

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「面白れぇ……!」

 草むらに突っ込み倒されていたビーディーが起き上がる。
 その視線の先にあったのはララの姿だった。

「……あれでやられてくれないんだ」

「はっ! あんな蹴りでノビるわけねぇだろ……本気で来いや」

 ビーディーの挑発をよそに、ララはレオンの方をチラと見やる。
 すると予想通り、そこにはシンピの姿があった。

「レオン……」

――私が行くまで、お願いね

 ララがビーディーに向き直り、大きく膝を曲げる。
 走り出す用意だ。

「悪いけど、思う存分試させてもらうよ。ビーディー」

「試せたらいい……なっ!」

 ビーディーが勢いよく飛び出し、拳を振り上げる。
 それに合わせ、ララも闘いへと身を投じた。



「『爆裂弾エクスプロージョン・ショット』」

「うおっ!?」

 シンピの右手から、詠唱と共にレオン目掛けて炎にも似た弾が放たれる。
 レオンがそれを必死で避けると、先程まで立っていた場所が、着弾と共に爆発を起こしえぐられた。

「こ、殺す気満々じゃないですか師匠!」

「死にたくないなら本気で来い。それだけのことだ」

「もう、仕方ないですね……!」

 そう言ってレオンが短剣を抜く。
 それは、ブレンダムの町でビーディーに打ち直してもらった、マジックアイテムの短剣であった。

「……いきますよ」

 レオンが吠える。
 その〈殺気〉にシンピが少し怯んだ。

――今だ

 レオンはその隙を見逃さず、一気にシンピとの間合いを詰める。
 その〈殺気〉に呼応するかのように短剣の刀身が怪しく輝いた。

「……! 『転移ザ・ワープ』!」

 迫りくるレオンからおぞましい程の力を感じ、シンピは間一髪瞬で転移によって斬撃を回避する。

――生半可な気持ちでは本当に殺される

 シンピはその事実を受け止め、己の中のリミッターを外した。

「いいだろう……こっちも本気で相手してやる……!」



「凄まじいわね」

 そんな二組の戦闘を傍から見ていたリンネが呟くと、ベルもそれに同調する。

「ですねぇ……私、この人たちの力になれるんですかね」

「……なれるか、じゃなくて、なるしかないのよ。やるしかない」

 リンネが奥歯を嚙み締める。
 悔しさと、羨望を押しつぶすように。

「そのためにも、目に焼き付けないと……みんなと並ぶために」

 そう言い切るリンネの姿は、昨晩とはどこか変わっていて。
 ベルは少しの安心と頼もしさを覚えた。

「そうですね。レオンさんとララさんが元魔獣王のパーティーメンバーとどれだけ渡り合えるのか……見届けさせてもらいましょう……!」
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