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第2話 街での生活
第2-4話 借家と
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○家を探そう
食事の片付けも終えて、宿屋に戻り、部屋の中に一同がそろう。ちょっとせまいので、ベッドを3つつなげてその上で話を始める。
「それで、家の方はどうじゃった」
「はい、3カ所ほど見て参りましたが、帯に短し、たすきに長し、といいますか。どうにも中途半端な物件ばかりです。しかも期間も短期間ということで、値段の足元を見られておりますね。」
「ふむ、やはりのう。新参者では貸す方も何かあったときの保険が欲しいじゃろうしな」
「家建てますか?」なにげに言ってみる。
「何をとぼけたことを言っておる。建てている間に出発じゃ。」
「建てようと思えば数日ですが。」
「おぬし、前の町では、3ヶ月くらいかかっておったろう。」
「あれは、あの町の人から怪しまれないためにゆっくり作っていましたよ。それでも早いと言われましたが、今回は人数も多いですし、ぱーっとできたことにすれば大丈夫かなと。」
「ほほう、で、どこに建てる?」
「森の中ですかねえ。朽ち果てた廃墟を見つけて改造したように見せればいけるかなと。」
「かなり無理はないか?」
「ご主人様、そう言う物件なら話が出ていました。超格安で。ただし、森の中なので危険だと言われました。」
「なるほど、そんな物件よく持っていますね。」
「うーむ。それしかないのじゃろう。」
「ええ、それしかないですねえ。」
「ですが、格安な理由には、何か問題もあるものです。」したり顔でメアさんが言う。一緒に回っていたユーリが嫌そうな顔をしている。何があるのだろう?
「なんじゃ言うてみい。」
「はい、出るのです。」
「は、何が出るのじゃ」
「幽霊。」
「は、なんと申した」
「ですから、幽霊・ゴーストがでるそうです。」
「へえ、この魔物や獣が跋扈し、ネクロマンサーが存在するこの世界に幽霊ですか。」
アンジーが冷静に言った。いや冷ややかにか。
「はい。」涼しげにその言葉を跳ね返すメアさん。
「そんなもの白魔法で除霊すれば・・」
「残念ながら無理だったそうです。」
「ええっ、この世界では聖なる魔法で払えない幽霊なんてありえないはずですよね。」
「してその幽霊は、なんの幽霊なんじゃ会話が可能な人間か?」
「いいえ、実体化はしていないただの白い光だとか。何を言っているかわからないとか、腕だけとか要領を得ないみたいです。」
「おもしろそうじゃな。」
「興味深いです。」私は心底そう言った。
「恐いの嫌い。僕だめです。」
耳をふさいでいやいやをするユーリ。下を向いていて表情は見えませんが、きっと涙目なのでしょう。きっと可愛いでしょうから涙目の顔を見たいですが我慢しましょう。その代わり頭をなでて肩を抱いてあげましょう。
「とりあえずその物件は保留じゃ。さらに家を建てるのは最終手段として、もう一度他の物件の話を聞かせてくれ。」
その言葉にユーリがほっとしている。
他の3軒については、狭いとか高いとか、あまりにも目立つ立地であることから全員一致で却下となった。
「ならば、その幽霊物件見に行こうではないか。」
「そうなりますかねえ。」ユーリの顔を見ながら、私はあまり乗り気ではありません。
「退治して住めばよいことじゃろう」
「行きたくないです。」
ユーリがまるで首を引っ張られても動こうとしない子犬のようです。ぷいっと横を向いている顔も可愛いです。
「幽霊なんぞ存在せぬわ、わしが言うんじゃ安心せい」
「でも、」
「おじいちゃんから恐い話をいっぱい聞かされたクチですね。」
アンジーのうながしにユーリは、うなずいている。
「一番恐いのは人間ですよ?」
メアさん。事実ですけど、辛辣すぎますよ。特に最近それを知ってしまったユーリには。
「よし、今日は寝るぞ」
そう言われて下僕癖の抜けない私は、率先してベッドを元に戻そうとする。
「ああ、そのままでよいじゃろう。ほれ、主はまんなかじゃ。」
「いや、私は端に行きます。」魂胆はわかっている。また磔のようにされるのは嫌です。
「まあ、そういうな、わしらの安眠のために。」
「お願いです、寝かせてください。最近、寝不足なのです。」
「眠らせてもらえないんですか。」メアがギロリとみんなを睨む。
「いやいや、確かに悪かった。ならばほれ、寝る場所の順番を決めよう。な。公平じゃろう。」
「おぬしがなんか用意せい。」
いや、私が用意するのですか?ああ、じゃんけんぽんで決めますか。
「なんじゃそりゃあ。」
ああ、国際的ではないんでしたか、全国的に知られているわけではないのですね。ならばと、みんなにやり方を説明する。
「なるほどおもしろそうじゃな。3すくみか。まあ、10回くらいやってみれば憶えるじゃろう。どうじゃやってみるか。」
アンジーは、すでに知っているようで大きくうなずいた。じゃんけんにアドバンテージもないものですが。後の2人もうなずく、やってみたい興味の方が大きいのですね。練習してみると、結構面白がっていますが、アンジーは不満そうです。
「メアの反応速度が速いわね。」とアンジー
「そうですねえ、後出しじゃんけんに近いですね。」
「なんじゃそれは、」
「つまりみんなの出した手を見てから勝てるのを出す感じですね」
「ああ、そういうことか。」
「そう言う不正はしません。なぜなら前のご主人様からは、禁則事項として登録されていて、できないのです。」
「こだわるのう。」
「はい、私とじゃんけんをして負けるのが悔しかったそうです。」
「ああ、それはわかるのう。」
「ですので、私は「ぽん」という言葉に反射的にどれかを出すようになっています。」
「なるほど、高性能であればあるだけ面倒なものじゃのう」
「はい、今回は勝ちたいのですが、無理です。」
「むしろ、有利ともいえるんですがねえ。」
「なんでじゃ、」
「あいこが続くと、相手が次に出す手を考えるのですよ。例えばグーが2回続いたとします。次は何を出すと思いますか?」
「んーわしならパーかのう。3度目は、相手がグーをまただしてくるだろうと想定してパーを出すかな。いやそうなれば、そう予想して相手がチョキをだすかもしれん。ああ、なるほど、この思考が永遠に続くことになるのか」
「でも、時間が限られます。今はじゃんけんぽん、あいこでしょと時間をおいて出していますから、考えながらできますが、早いときは、じゃんけんぽん、ぽん、とあいこをつけずにすぐ出すパターンもあります。」
「単純だが奥が深いのう」
「このゲームは、付き合いの長い人達がやればやるほど、勝つのが難しくなります。なぜなら相手の癖を憶えてしまい、逆にそのことを相手が利用して逆手に取る場合もあるからです。まあ、心理戦ですね。」
「では、練習も済んだことだしやろうかのう。おぬしもはいるのであろう。」
「そうですね、一緒にやりましょうか。では、じゃんけんぽん!」
「よっしゃあ!わしが一抜けじゃ。」皆がグーを出し、モーラがチョキであった。
「って負けていますから、選択権がありませんよ。」アンジーが言った。
「人と違う種類を出せば良いのではないのか。」
「それは大人数での場合です。基本はじゃんけんの勝ち負けの通りです。なので、モーラは負けです。」
「そうか、アンジーがなぜわしのかけた暗示にグーを出してきたのかわかったわ」
「そうですよ、安易に誘導の思考を感じましたから。まあ、乗ってみてパーでも出してきたら反則負けにしてやろうと待っていましたが、チョキ出しましたからね。」
「そういうことですか、今度じゃんけんするときは、思考を読まれないようにシールドプラスジャマーもかけますか。」
「あ、あれだけはやめてくれ、わかった。ずるはなしじゃ。」
「まあ、次回からお願いしますね。今回は負けなので。」
「ううっ」
「策士策に溺れる、ですね。」くすりとメアが笑う。
「くそーっ」ベッドの上で地団駄を踏むモーラ、可愛いだけですねえ。
「さて、一人脱落しました。次行きましょう。」
「はい、では、じゃんけんぽん!」
「やったー勝ち抜け!!」アンジーが飛び跳ねる。アンジーのグーにみんなはチョキでした。
「お主は、勝ち負けにこだわりすぎじゃのう。負けかもしれんぞ」モーラが意地悪そうに言った。
「え?何?」きょとんとしているアンジー。
「一番最初に場所が選べるというても、こやつがどこを選ぶか決まっておらんのじゃ、わかるか?」
「あ、そうか。そうですね。」アンジーは、すぐに理解したのかしょぼんとなる。
「あるじ様が次に勝ち抜けした場合、離れた場所を選んだら終わりということですね。」ユーリが考え考え言った。
「そうじゃ。本来は、こやつには、最初に左端を選ばせておいて、残りの場所をじゃんけんで選べばトップが隣に寝られたのじゃ。だが、わしは、わざとこやつに参加してもらったのじゃ。」
負けたくせになにをふんぞり返っているのですか。あーあ、アンジーがしょぼくれていますよ。
「まだ、決まったわけではありませんよ。」
メアが優しく語りかける。涙目のアンジーが顔を上げる。すがるような目です。
「仮に中央にアンジー様が枕をおいたとします。そこで、私が勝てば、アンジー様の隣ではなく。両端のどちらかを選びます。ご主人様は貞操の危機を感じて私の隣は忌避するでしょう。そうなると、枠は2つです。アンジーさんの隣か、一番端か。そのどちらをご主人様が選ぶのかとなりますから、もしかしたら、ご主人様が端を選んでしまい、ダメかも知れません。ですが、ユーリが勝ってユーリが端を選べば、無事にアンジー様の隣にご主人様が行くことになります。」
アンジーの顔に輝きが戻る。たった一晩のことなのにみんな気合い入りまくりなのです。
「さて、それでもご主人様を手に入れるためには、ここで踏ん張らなければなりません。」
メアは、ユーリとともにうなずく。何をする気なのでしょうか。
「ご主人様、本当に端で良いのですか?両隣に可愛い女の子の顔を眺めたくはないですか。」
うっ、ちょっとつまってしまった。腕枕は確かに疲れる。眠れないこともある。しかし、慣れてもきた。起きがけの寝顔も可愛い。文句は言ってはいるがまんざらでもない。みんな可愛いしね。さらに寝息が気になって何度も目を覚ましたり、寝返りをうつたびに、毛布を掛けてあげたりしているのも事実。お父さんだよね。モーラに至っては寝相が悪いからいつも蹴られて目が覚めるし。だが、安眠も大事だ。私は、静かに眠りたいんだよー。
「ようくわかったわ、みんなようく聞け、こやつの本音がダダ漏れじゃ。」
あれ?どういうこと。また、思考だだ漏らしでしたか。でも、それをみんなに言うのは反則でしょう。
「まあ、そう言う点で主のことをないがしろにしていたのは、謝るぞ。だから今夜はひとりにしてやる。」
そういって一つだけベッドを離してくれた。
くっつけたままのベッドでは、じゃんけんをやり直して4人で寝たようだ。
私は、一人になってみて、意外に寂しいことがわかった。いや、わかりました。ああ、これまでの発言を許してください。私も仲間に入れてくださいお願いします。腕枕は・・・少しは我慢しますからー。
「次はあみだくじにしますね」アンジーがさらりと言った。まあ、それが一番良いかもしれませんね。
翌朝、宿屋の一階にある食堂で朝食を取る。みんな無性にそわそわしている。メアがにやりと微笑んで、すっと例の物を出す。店主に見られないようにそれぞれの食事にちょっとずつかける。そう、昨日の夜使った調味料、醤油である。
「一度憶えると、普通の料理が物足りなくなるのう」
「ええ、純粋な肉料理でも塩こしょうだけでは、物足りないときがあります。そういうときに、これが欲しくなりますね。」
「贅沢は敵じゃが、もうもどれんなあ」
「はいはい。」メアがうれしそうだ。
○ 興味本位な物件調査
朝も早くから、例の物件の話を聞いた人のところに向かいます。そうです5人でぞろぞろと。
「本当に見に行くんですか?」
と、物件を仲介してくれた人に聞かれたので。
「本当に出るのか実際に見てみます。」
「知りませんよ、そうやって興味本位で見に行った人は、ことごとくおびえて何も言えずに帰ってきていますから。」
心配してくれるのはわかりますが、それは、紹介する人が言う言葉ではありませんねえ。
「私たちも切実なのです。この大人数を抱えて、宿屋ではお金が減る一方なので。ぜひとも原因を見つけて、幽霊ならば説得して一緒に暮らしてでも何とかしてみます。」
「そこまで言うのであれば、しかたないですね。ここです。」と、簡単な道順を示してくれました。でも、背の高い木を何本も数えるというその説明だと見つけるのは大変かも知れませんねえ。
そうして、街を出て、しばらく道を歩いている。
「こっちかな?」
私達は、何度か行きつ、戻りつしてしまう。木の本数なんて途中で数え間違いますよ。
「あ、木が折れていますよ。数え間違いではなかったのですね。」
「確かに説明は間違っていないが、どうしてこんなに状況が変わっているのかのう。」
「魔物がでたりして、木を倒したとか。」
「であれば、危険すぎて住居にならんじゃろう。」
「確かに説明に嘘はないですが、たどりつけないように誰かかが何か細工していますかねえ。」
「まあ、わしは面白くなってきたがのう。宝探しの冒険をしているようじゃ」
「あ、あれじゃないですか?」
小一時間かけてやっとたどり着いた。確かに道がほとんどなく、雑草で見えなくなっているから余計に見つかりづらい場所にありました。
「たぶんこれですねえ。」
雑草の生い茂る道からは見えづらくなっていて、私たちが住むには絶好な物件ですが。
「荒れ果てていますね。」ユーリが残念そうに言う。
「なるほど、そう見えるか。」モーラが不敵に笑う。
「そうですね、これは、偽装しています。」アンジーが言う。
「え?偽装?これがですか?」私もびっくりしています。
「はい、間違いありませんね。」メアさんもそう言う。
「皆さんわかるのですか?」ユーリがびっくりしている
「まあ、なんとなくですけど。」アンジーが言った。
「術者は、へたじゃのう。」
「これは、結界?」
私は、地面に違和感があったので触ってみると何かを感じます。これが魔力の残滓なのでしょうか。その結界を解除してみると、いままで古びて見えていた家が綺麗に見えはじめる。やはり何かの魔法が掛けられていたようです。
「幽霊ではない誰かが使っておるな。」ユーリに聞こえよがしに言うモーラ。
「中に誰かいるはずです。とりあえず中に入りましょうか。」
私がそう言うと、ユーリが先に扉の前に行った。
「扉が開きません。」
怖がりのはずのユーリががちゃがちゃ扉を動かそうとしている。幽霊じゃないと聞いて急にやる気が出てきましたか。現金な子ですね。
「うわ、なに?」
ケロイドのある手が扉の中から出てきて、取っ手をいじっていたユーリの手をつかむ。
思わず手を離すユーリ。すると手は扉の中に消えていった。ユーリ涙目で尻餅をついている。メアが近づいて立ち上がらせる。ユーリがメアに抱きついて離れなくなってしまった。
「なるほど、それが幽霊の手というわけか、おもしろい。」モーラが不敵に笑う。
「さて、メア」
ユーリが落ち着いて自分一人で立てるようになった頃モーラがうながす。メアはうなずくと扉に手を掛ける。
「全然動きません。壊しても良いですか。」
振り向いて私の判断を仰ぐ。すると先ほどの手がまた伸びてきて今度はメアの首を絞める。冷静なメアは、逆にその手をつかむ。
「痛いですね、何をするんですか。」
その手は、首から手を離して何とか逃げようともがいているが、メアの力が強いからなのか逃げられない。
「メア、そのまま逃げられないようつかんでいて、握りつぶしちゃだめですよ。」手はびっくりして抵抗をやめる。
「さて、どうしますかね。」アンジーは、笑っている。
「扉を壊すのは忍びないのう」モーラは、楽しんでいる。
「ですね、中から開けてもらいましょう。きっと理解ある幽霊さんならこの状況でこちらに悪意がないことをわかっていただけるはずですから。メアさん手を離してあげてください。つかめるのであれば、幽霊ではない可能性もありますし、もし、実態があるなら物理的な攻撃も効くはずです。」ちょっと脅し気味に言ってみました。
「もちろん家ごとな。」
モーラが相手に聞こえるように言った。その直後メアはパッと手を離した。すると手が中に消え、扉がぼやけて見えてから、まもなく鍵の開く音がして、ひとりでに扉が開きました。私は先頭に立ち、
「入りますよ、危害を加えないでくださいね、こちらも危害を加えるつもりはありません。よろしければお話を聞かせて欲しいのです。了解していただけるなら一度、嫌なら二度、音をだしてください。いいですか?」
机からトンと音がしました。
「わかりました。あと、今の音の方を向いて話をしても良いですか?」
「声は出せます。ただし、どこにいるかはご容赦ください。」
入ってすぐの居間らしい広い部屋の中に声が響く。声の方向がわからない。
「はい、わかりました。こちらもその方がよろしいです。まずは、突然おじゃまして、あなたの平穏を乱したことをお詫びします。」
私は、深々とお辞儀をする。みんなも真似をしてお辞儀をする。
「ですが、ここは借家と話を聞いてきました。幽霊が出る借家だと。あなたは幽霊ですか。」
幽霊に幽霊と聞いても違いますとしか言いませんよね。
「違います。幽霊ではありません。」どこからか声がしました。女の人のようです。
「私たちのことが見えていますか。」これもあたりまえです。メアの首をつかんでいるんですから。
「はい。見えています。先ほどはそちらの方に失礼なことをしました。どうもすいません。」
「いえ、痛いと言ってみましたが、首を絞めるつもりのないつかみ方でしたので、私も手を押さえるだけにしていました。」メアが代わりに答える。
『この気配を感じるか?』モーラが脳内に話しかけてくる。視線の先にたぶんいるのだろう。
『魔法使いですかねえ。どういう事情なのでしょうか。』
『聞いてみたら?』アンジーが言う。
「ごほん、言いづらいかも知れませんがあえて聞きます。あなたは魔法使いですか?」
「・・・」沈黙が答えか。
「私たちは、旅の者でこの小屋を数ヶ月使いたいと思って見に来ただけです。町の人に話したりするつもりはありませんよ。」
「私は。魔法使いではありません。」おや違いましたか。
「事情を話してもらえませんか。あと、長くなりそうですからお互い座りませんか?こちらは、手近にある椅子に座りますけどかまいませんか?」
「かまいません。あの、もしかして魔法使いの方ですか?」
逆に問いかけられました。どうしましょう。まあ、知られても問題ないですかね。
「そうです。あまり他人には知られたくないですけど、私は魔法使いです。」
「ああ、やったー!!わが妖精神のお導き~。あっ」
『妖精神ってなんですか!』
『なるほど、慌て者だのう。正体を現しよったわ』
『なんなの?』
『エルフ族じゃ。』
続く
食事の片付けも終えて、宿屋に戻り、部屋の中に一同がそろう。ちょっとせまいので、ベッドを3つつなげてその上で話を始める。
「それで、家の方はどうじゃった」
「はい、3カ所ほど見て参りましたが、帯に短し、たすきに長し、といいますか。どうにも中途半端な物件ばかりです。しかも期間も短期間ということで、値段の足元を見られておりますね。」
「ふむ、やはりのう。新参者では貸す方も何かあったときの保険が欲しいじゃろうしな」
「家建てますか?」なにげに言ってみる。
「何をとぼけたことを言っておる。建てている間に出発じゃ。」
「建てようと思えば数日ですが。」
「おぬし、前の町では、3ヶ月くらいかかっておったろう。」
「あれは、あの町の人から怪しまれないためにゆっくり作っていましたよ。それでも早いと言われましたが、今回は人数も多いですし、ぱーっとできたことにすれば大丈夫かなと。」
「ほほう、で、どこに建てる?」
「森の中ですかねえ。朽ち果てた廃墟を見つけて改造したように見せればいけるかなと。」
「かなり無理はないか?」
「ご主人様、そう言う物件なら話が出ていました。超格安で。ただし、森の中なので危険だと言われました。」
「なるほど、そんな物件よく持っていますね。」
「うーむ。それしかないのじゃろう。」
「ええ、それしかないですねえ。」
「ですが、格安な理由には、何か問題もあるものです。」したり顔でメアさんが言う。一緒に回っていたユーリが嫌そうな顔をしている。何があるのだろう?
「なんじゃ言うてみい。」
「はい、出るのです。」
「は、何が出るのじゃ」
「幽霊。」
「は、なんと申した」
「ですから、幽霊・ゴーストがでるそうです。」
「へえ、この魔物や獣が跋扈し、ネクロマンサーが存在するこの世界に幽霊ですか。」
アンジーが冷静に言った。いや冷ややかにか。
「はい。」涼しげにその言葉を跳ね返すメアさん。
「そんなもの白魔法で除霊すれば・・」
「残念ながら無理だったそうです。」
「ええっ、この世界では聖なる魔法で払えない幽霊なんてありえないはずですよね。」
「してその幽霊は、なんの幽霊なんじゃ会話が可能な人間か?」
「いいえ、実体化はしていないただの白い光だとか。何を言っているかわからないとか、腕だけとか要領を得ないみたいです。」
「おもしろそうじゃな。」
「興味深いです。」私は心底そう言った。
「恐いの嫌い。僕だめです。」
耳をふさいでいやいやをするユーリ。下を向いていて表情は見えませんが、きっと涙目なのでしょう。きっと可愛いでしょうから涙目の顔を見たいですが我慢しましょう。その代わり頭をなでて肩を抱いてあげましょう。
「とりあえずその物件は保留じゃ。さらに家を建てるのは最終手段として、もう一度他の物件の話を聞かせてくれ。」
その言葉にユーリがほっとしている。
他の3軒については、狭いとか高いとか、あまりにも目立つ立地であることから全員一致で却下となった。
「ならば、その幽霊物件見に行こうではないか。」
「そうなりますかねえ。」ユーリの顔を見ながら、私はあまり乗り気ではありません。
「退治して住めばよいことじゃろう」
「行きたくないです。」
ユーリがまるで首を引っ張られても動こうとしない子犬のようです。ぷいっと横を向いている顔も可愛いです。
「幽霊なんぞ存在せぬわ、わしが言うんじゃ安心せい」
「でも、」
「おじいちゃんから恐い話をいっぱい聞かされたクチですね。」
アンジーのうながしにユーリは、うなずいている。
「一番恐いのは人間ですよ?」
メアさん。事実ですけど、辛辣すぎますよ。特に最近それを知ってしまったユーリには。
「よし、今日は寝るぞ」
そう言われて下僕癖の抜けない私は、率先してベッドを元に戻そうとする。
「ああ、そのままでよいじゃろう。ほれ、主はまんなかじゃ。」
「いや、私は端に行きます。」魂胆はわかっている。また磔のようにされるのは嫌です。
「まあ、そういうな、わしらの安眠のために。」
「お願いです、寝かせてください。最近、寝不足なのです。」
「眠らせてもらえないんですか。」メアがギロリとみんなを睨む。
「いやいや、確かに悪かった。ならばほれ、寝る場所の順番を決めよう。な。公平じゃろう。」
「おぬしがなんか用意せい。」
いや、私が用意するのですか?ああ、じゃんけんぽんで決めますか。
「なんじゃそりゃあ。」
ああ、国際的ではないんでしたか、全国的に知られているわけではないのですね。ならばと、みんなにやり方を説明する。
「なるほどおもしろそうじゃな。3すくみか。まあ、10回くらいやってみれば憶えるじゃろう。どうじゃやってみるか。」
アンジーは、すでに知っているようで大きくうなずいた。じゃんけんにアドバンテージもないものですが。後の2人もうなずく、やってみたい興味の方が大きいのですね。練習してみると、結構面白がっていますが、アンジーは不満そうです。
「メアの反応速度が速いわね。」とアンジー
「そうですねえ、後出しじゃんけんに近いですね。」
「なんじゃそれは、」
「つまりみんなの出した手を見てから勝てるのを出す感じですね」
「ああ、そういうことか。」
「そう言う不正はしません。なぜなら前のご主人様からは、禁則事項として登録されていて、できないのです。」
「こだわるのう。」
「はい、私とじゃんけんをして負けるのが悔しかったそうです。」
「ああ、それはわかるのう。」
「ですので、私は「ぽん」という言葉に反射的にどれかを出すようになっています。」
「なるほど、高性能であればあるだけ面倒なものじゃのう」
「はい、今回は勝ちたいのですが、無理です。」
「むしろ、有利ともいえるんですがねえ。」
「なんでじゃ、」
「あいこが続くと、相手が次に出す手を考えるのですよ。例えばグーが2回続いたとします。次は何を出すと思いますか?」
「んーわしならパーかのう。3度目は、相手がグーをまただしてくるだろうと想定してパーを出すかな。いやそうなれば、そう予想して相手がチョキをだすかもしれん。ああ、なるほど、この思考が永遠に続くことになるのか」
「でも、時間が限られます。今はじゃんけんぽん、あいこでしょと時間をおいて出していますから、考えながらできますが、早いときは、じゃんけんぽん、ぽん、とあいこをつけずにすぐ出すパターンもあります。」
「単純だが奥が深いのう」
「このゲームは、付き合いの長い人達がやればやるほど、勝つのが難しくなります。なぜなら相手の癖を憶えてしまい、逆にそのことを相手が利用して逆手に取る場合もあるからです。まあ、心理戦ですね。」
「では、練習も済んだことだしやろうかのう。おぬしもはいるのであろう。」
「そうですね、一緒にやりましょうか。では、じゃんけんぽん!」
「よっしゃあ!わしが一抜けじゃ。」皆がグーを出し、モーラがチョキであった。
「って負けていますから、選択権がありませんよ。」アンジーが言った。
「人と違う種類を出せば良いのではないのか。」
「それは大人数での場合です。基本はじゃんけんの勝ち負けの通りです。なので、モーラは負けです。」
「そうか、アンジーがなぜわしのかけた暗示にグーを出してきたのかわかったわ」
「そうですよ、安易に誘導の思考を感じましたから。まあ、乗ってみてパーでも出してきたら反則負けにしてやろうと待っていましたが、チョキ出しましたからね。」
「そういうことですか、今度じゃんけんするときは、思考を読まれないようにシールドプラスジャマーもかけますか。」
「あ、あれだけはやめてくれ、わかった。ずるはなしじゃ。」
「まあ、次回からお願いしますね。今回は負けなので。」
「ううっ」
「策士策に溺れる、ですね。」くすりとメアが笑う。
「くそーっ」ベッドの上で地団駄を踏むモーラ、可愛いだけですねえ。
「さて、一人脱落しました。次行きましょう。」
「はい、では、じゃんけんぽん!」
「やったー勝ち抜け!!」アンジーが飛び跳ねる。アンジーのグーにみんなはチョキでした。
「お主は、勝ち負けにこだわりすぎじゃのう。負けかもしれんぞ」モーラが意地悪そうに言った。
「え?何?」きょとんとしているアンジー。
「一番最初に場所が選べるというても、こやつがどこを選ぶか決まっておらんのじゃ、わかるか?」
「あ、そうか。そうですね。」アンジーは、すぐに理解したのかしょぼんとなる。
「あるじ様が次に勝ち抜けした場合、離れた場所を選んだら終わりということですね。」ユーリが考え考え言った。
「そうじゃ。本来は、こやつには、最初に左端を選ばせておいて、残りの場所をじゃんけんで選べばトップが隣に寝られたのじゃ。だが、わしは、わざとこやつに参加してもらったのじゃ。」
負けたくせになにをふんぞり返っているのですか。あーあ、アンジーがしょぼくれていますよ。
「まだ、決まったわけではありませんよ。」
メアが優しく語りかける。涙目のアンジーが顔を上げる。すがるような目です。
「仮に中央にアンジー様が枕をおいたとします。そこで、私が勝てば、アンジー様の隣ではなく。両端のどちらかを選びます。ご主人様は貞操の危機を感じて私の隣は忌避するでしょう。そうなると、枠は2つです。アンジーさんの隣か、一番端か。そのどちらをご主人様が選ぶのかとなりますから、もしかしたら、ご主人様が端を選んでしまい、ダメかも知れません。ですが、ユーリが勝ってユーリが端を選べば、無事にアンジー様の隣にご主人様が行くことになります。」
アンジーの顔に輝きが戻る。たった一晩のことなのにみんな気合い入りまくりなのです。
「さて、それでもご主人様を手に入れるためには、ここで踏ん張らなければなりません。」
メアは、ユーリとともにうなずく。何をする気なのでしょうか。
「ご主人様、本当に端で良いのですか?両隣に可愛い女の子の顔を眺めたくはないですか。」
うっ、ちょっとつまってしまった。腕枕は確かに疲れる。眠れないこともある。しかし、慣れてもきた。起きがけの寝顔も可愛い。文句は言ってはいるがまんざらでもない。みんな可愛いしね。さらに寝息が気になって何度も目を覚ましたり、寝返りをうつたびに、毛布を掛けてあげたりしているのも事実。お父さんだよね。モーラに至っては寝相が悪いからいつも蹴られて目が覚めるし。だが、安眠も大事だ。私は、静かに眠りたいんだよー。
「ようくわかったわ、みんなようく聞け、こやつの本音がダダ漏れじゃ。」
あれ?どういうこと。また、思考だだ漏らしでしたか。でも、それをみんなに言うのは反則でしょう。
「まあ、そう言う点で主のことをないがしろにしていたのは、謝るぞ。だから今夜はひとりにしてやる。」
そういって一つだけベッドを離してくれた。
くっつけたままのベッドでは、じゃんけんをやり直して4人で寝たようだ。
私は、一人になってみて、意外に寂しいことがわかった。いや、わかりました。ああ、これまでの発言を許してください。私も仲間に入れてくださいお願いします。腕枕は・・・少しは我慢しますからー。
「次はあみだくじにしますね」アンジーがさらりと言った。まあ、それが一番良いかもしれませんね。
翌朝、宿屋の一階にある食堂で朝食を取る。みんな無性にそわそわしている。メアがにやりと微笑んで、すっと例の物を出す。店主に見られないようにそれぞれの食事にちょっとずつかける。そう、昨日の夜使った調味料、醤油である。
「一度憶えると、普通の料理が物足りなくなるのう」
「ええ、純粋な肉料理でも塩こしょうだけでは、物足りないときがあります。そういうときに、これが欲しくなりますね。」
「贅沢は敵じゃが、もうもどれんなあ」
「はいはい。」メアがうれしそうだ。
○ 興味本位な物件調査
朝も早くから、例の物件の話を聞いた人のところに向かいます。そうです5人でぞろぞろと。
「本当に見に行くんですか?」
と、物件を仲介してくれた人に聞かれたので。
「本当に出るのか実際に見てみます。」
「知りませんよ、そうやって興味本位で見に行った人は、ことごとくおびえて何も言えずに帰ってきていますから。」
心配してくれるのはわかりますが、それは、紹介する人が言う言葉ではありませんねえ。
「私たちも切実なのです。この大人数を抱えて、宿屋ではお金が減る一方なので。ぜひとも原因を見つけて、幽霊ならば説得して一緒に暮らしてでも何とかしてみます。」
「そこまで言うのであれば、しかたないですね。ここです。」と、簡単な道順を示してくれました。でも、背の高い木を何本も数えるというその説明だと見つけるのは大変かも知れませんねえ。
そうして、街を出て、しばらく道を歩いている。
「こっちかな?」
私達は、何度か行きつ、戻りつしてしまう。木の本数なんて途中で数え間違いますよ。
「あ、木が折れていますよ。数え間違いではなかったのですね。」
「確かに説明は間違っていないが、どうしてこんなに状況が変わっているのかのう。」
「魔物がでたりして、木を倒したとか。」
「であれば、危険すぎて住居にならんじゃろう。」
「確かに説明に嘘はないですが、たどりつけないように誰かかが何か細工していますかねえ。」
「まあ、わしは面白くなってきたがのう。宝探しの冒険をしているようじゃ」
「あ、あれじゃないですか?」
小一時間かけてやっとたどり着いた。確かに道がほとんどなく、雑草で見えなくなっているから余計に見つかりづらい場所にありました。
「たぶんこれですねえ。」
雑草の生い茂る道からは見えづらくなっていて、私たちが住むには絶好な物件ですが。
「荒れ果てていますね。」ユーリが残念そうに言う。
「なるほど、そう見えるか。」モーラが不敵に笑う。
「そうですね、これは、偽装しています。」アンジーが言う。
「え?偽装?これがですか?」私もびっくりしています。
「はい、間違いありませんね。」メアさんもそう言う。
「皆さんわかるのですか?」ユーリがびっくりしている
「まあ、なんとなくですけど。」アンジーが言った。
「術者は、へたじゃのう。」
「これは、結界?」
私は、地面に違和感があったので触ってみると何かを感じます。これが魔力の残滓なのでしょうか。その結界を解除してみると、いままで古びて見えていた家が綺麗に見えはじめる。やはり何かの魔法が掛けられていたようです。
「幽霊ではない誰かが使っておるな。」ユーリに聞こえよがしに言うモーラ。
「中に誰かいるはずです。とりあえず中に入りましょうか。」
私がそう言うと、ユーリが先に扉の前に行った。
「扉が開きません。」
怖がりのはずのユーリががちゃがちゃ扉を動かそうとしている。幽霊じゃないと聞いて急にやる気が出てきましたか。現金な子ですね。
「うわ、なに?」
ケロイドのある手が扉の中から出てきて、取っ手をいじっていたユーリの手をつかむ。
思わず手を離すユーリ。すると手は扉の中に消えていった。ユーリ涙目で尻餅をついている。メアが近づいて立ち上がらせる。ユーリがメアに抱きついて離れなくなってしまった。
「なるほど、それが幽霊の手というわけか、おもしろい。」モーラが不敵に笑う。
「さて、メア」
ユーリが落ち着いて自分一人で立てるようになった頃モーラがうながす。メアはうなずくと扉に手を掛ける。
「全然動きません。壊しても良いですか。」
振り向いて私の判断を仰ぐ。すると先ほどの手がまた伸びてきて今度はメアの首を絞める。冷静なメアは、逆にその手をつかむ。
「痛いですね、何をするんですか。」
その手は、首から手を離して何とか逃げようともがいているが、メアの力が強いからなのか逃げられない。
「メア、そのまま逃げられないようつかんでいて、握りつぶしちゃだめですよ。」手はびっくりして抵抗をやめる。
「さて、どうしますかね。」アンジーは、笑っている。
「扉を壊すのは忍びないのう」モーラは、楽しんでいる。
「ですね、中から開けてもらいましょう。きっと理解ある幽霊さんならこの状況でこちらに悪意がないことをわかっていただけるはずですから。メアさん手を離してあげてください。つかめるのであれば、幽霊ではない可能性もありますし、もし、実態があるなら物理的な攻撃も効くはずです。」ちょっと脅し気味に言ってみました。
「もちろん家ごとな。」
モーラが相手に聞こえるように言った。その直後メアはパッと手を離した。すると手が中に消え、扉がぼやけて見えてから、まもなく鍵の開く音がして、ひとりでに扉が開きました。私は先頭に立ち、
「入りますよ、危害を加えないでくださいね、こちらも危害を加えるつもりはありません。よろしければお話を聞かせて欲しいのです。了解していただけるなら一度、嫌なら二度、音をだしてください。いいですか?」
机からトンと音がしました。
「わかりました。あと、今の音の方を向いて話をしても良いですか?」
「声は出せます。ただし、どこにいるかはご容赦ください。」
入ってすぐの居間らしい広い部屋の中に声が響く。声の方向がわからない。
「はい、わかりました。こちらもその方がよろしいです。まずは、突然おじゃまして、あなたの平穏を乱したことをお詫びします。」
私は、深々とお辞儀をする。みんなも真似をしてお辞儀をする。
「ですが、ここは借家と話を聞いてきました。幽霊が出る借家だと。あなたは幽霊ですか。」
幽霊に幽霊と聞いても違いますとしか言いませんよね。
「違います。幽霊ではありません。」どこからか声がしました。女の人のようです。
「私たちのことが見えていますか。」これもあたりまえです。メアの首をつかんでいるんですから。
「はい。見えています。先ほどはそちらの方に失礼なことをしました。どうもすいません。」
「いえ、痛いと言ってみましたが、首を絞めるつもりのないつかみ方でしたので、私も手を押さえるだけにしていました。」メアが代わりに答える。
『この気配を感じるか?』モーラが脳内に話しかけてくる。視線の先にたぶんいるのだろう。
『魔法使いですかねえ。どういう事情なのでしょうか。』
『聞いてみたら?』アンジーが言う。
「ごほん、言いづらいかも知れませんがあえて聞きます。あなたは魔法使いですか?」
「・・・」沈黙が答えか。
「私たちは、旅の者でこの小屋を数ヶ月使いたいと思って見に来ただけです。町の人に話したりするつもりはありませんよ。」
「私は。魔法使いではありません。」おや違いましたか。
「事情を話してもらえませんか。あと、長くなりそうですからお互い座りませんか?こちらは、手近にある椅子に座りますけどかまいませんか?」
「かまいません。あの、もしかして魔法使いの方ですか?」
逆に問いかけられました。どうしましょう。まあ、知られても問題ないですかね。
「そうです。あまり他人には知られたくないですけど、私は魔法使いです。」
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続く
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