巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。

秋.水

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第2話 街での生活

第2-3話 情報収集と

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○ 情報収集
 翌朝、馬車に積んであった薬をすべて台車に乗せて全員で薬屋に行きました。
 営業中の札はないが、扉が開いていて、昨日、いなかった鳥がドアそばの止まり木にいた。
「おはようございます。薬はそこに置いてください。」を繰り返している。
「わしらだとわかってしゃべっているのか?それとも誰が入ってきても同じ事をしゃべるのか?」
 不思議そうにモーラが見ている。ねえ、わざと鳥と話して遊んでいますよね。こっちを手伝ってください。まあ、言うのもめんどうなので、メアとユーリと私で荷物を中に運び入れました。アンジーは非力なので、少しだけ頑張ってくれました。
 薬を置いて店を出ると背中越しに扉の錠がおりた音がして、振り向いて再度入ろうとしても扉が開かなくなっていた。
「さすがじゃのう。これは、盗みに入ったら泥棒が何されるかわからんな。」
「そうですね。」
「さあ次は、あの露天商の元締めか。」
「メアとユーリは、別行動じゃ、家を探してくれ。昼は好きに食べてくれ。お金はあるな。」
「はい。」
 台車をガラガラと押しながらメアとユーリがここで別れる。一度宿屋に戻ってもらった。
 そういえば、ユーリが受け取ったあの大量のお金はどうしたのだろうか。銀行とか無いのにどこにしまってあるのだろう。
「さて、行こうかのう」
 露天商の元締めさんの店に到着した。
「こんにちは、」
「お、おう、何かあったか?」
「いえ、無事にお願いできましたので、それを報告に」
「まあ、あの人なら受けてくれると思ったよ。」何か物腰が丁寧になっています。何かあったのでしょうか。
「そういえば、連れて行ってくれた男の子はどうしていますか?彼にもお礼を言いたいのですが。」
「ああ、その辺に・・・・おう、昨日の人が来ているぞ」
「あ、こんにちは。どうしました。」
「うちの子達があなたに会いたがりましてね。」
 すでに2人は彼にまとわりついている。演技力はオスカー賞ものだ。え?オスカー賞って何?
「そうですか。では、店長少し時間良いですか。」
 彼はすまなそうに店主を見た。
「ああ、いいぞ。相手してあげなさい。」その姿に目を細めている。
「ありがとうございます。」
「なあ、あんた。あの薬屋の店主とは、うまくやれそうか?」
「はい、薬は扱ってくれるそうです。ただ、」
「ただ?」
「少量ずつになるからあまり期待しないでくれと」
「そうか、まあ、妥当な判断だな。」
「はい、ありがたいことです。」
「何か言ってなかったか?」
「いえ、何も」
「あいつの事もか」
「何か因縁があるのですか?」
「あいつは、両親と妹を亡くしているんだが、あの薬屋は、あいつの両親とは懇意にしていてな、世話になっていたのさ。」
「そうなんですか、そんなに親しくなさそうでしたがねえ。」
「そうなのか、まあいいか。」
「さしでがましいのですが、あの子の両親と妹さんの3人もお亡くなりになった原因はなんだったんですか。」
「ああ、商売がうまくいかなくてな、ちょっと欲をかきすぎて、たしなめたんだが、聞き入れてもらえなかった。その後、同業者に潰されそうになってな、商売が回らなくなったときに声をかけたが、すでに聞く耳持たない状態でな。行き詰まったのかあっという間に自殺したんだ。後で聞いた話では、商売敵もけっこう厳しい追い込みをかけたらしくてな、経済的にではなく精神的に追い込んだらしいよ。」さすがに資金提供をしたことは話しませんねえ。
「それは、それは。では、その人がその商売を引き継いだのですね?」
「いや、知り合いだったのだが、やり過ぎたせいからか周りの目もあってなあ。違う町へ行ったはずだ。」
「そうですか、それならその両方の方が所有していた建物とかはどうなっているんですか。」
「ああ、そういうことか。いや、どちらも店も引き継いだ者が使っている。隣町に出て行った店は、そのまま店として、彼の親の店は倉庫代わりになっているはずだ。残念だが薬屋として出店はできないと思うぞ。」
「ああ、すいません、勘違いさせてしまいましたか、私は薬を自分で売るつもりはなくてですね、数ヶ月こちらにいることになりそうなので、宿屋を出て家を借りようと思いまして、それで、住居兼倉庫を借りられたらなお良いなあと聞いてみたのです。」
「なるほど、そうかい。ならばこの辺の家を貸しているものに探させようか?」
「ありがとうございます。でも、今うちの者が探してみたいと言って探し回っていますので、わがままで申し訳ありませんが、子ども達に頑張らせてみたいのです。子ども達が見つけられなかったら、その時はお願いさせてください。」
「あまり人は頼りたくないと。」
「というか、人数が増えたので、その子達が気に入る部屋となると、注文も多くなりますし、私の懐具合も考えて値段の安い物でないと困ります。そう話したところ、自分たちで探して満足した物を見つけたいと言い出しまして、あとは、私は気が弱いので、紹介されたら高くても断れないことを子ども達もわかっていますので。わがままで、すいません。」
「そうか、どうしてもだめだったら来なさい。」
「ありがとうございます。」
 その後、この辺の物価、流通品目などを教えてもらっていた。そうこうしているうちに3人が戻ってきた。
「どこまで行ってきたんだ?」
「商店街を抜けて少し外れまで。」
「ああ、そうだったか。」
「2人と遊んでいただいてありがとうございました。何か買ってくれとかせがまれていませんでしたか?」
「・・・」
「やっぱり何かせがまれましたか」
「これ~きれいでしょ~」モーラがなんかキラキラした物を見せてくる。演技だと思うけどうまいですねえ。
「こんな高そうな物を。すいません、買わないと言ってください。わがままになってしまいます。」
「そこの露天で売っていたものですから。」
「おいくらでしたか?」
「いや、あげるつもりでしたので。いらないです。」歯切れが悪い。
「では、今度お会いしたときにでも何かお食事でもいかがですか。」
「じゃあ、その時にお願いします。」
「それでは、商売の邪魔をしてすいませんでした。それではまた。」
「ああ、また来なさい」
 うちの2人が手を振っているので、店主も男の子も手を振り返えしている。可愛い子どもは得ですね。
商店が見えなくなる頃表情を変えてモーラが言った。心の中で。
『倉庫を襲う件は大丈夫じゃ問題ない』
『そうですか。』
『気になるのは、小僧の話が本当なのかという事じゃ』
『なるほど、もしかしたら泥棒の片棒を担がされるということですか。』
『どうも周囲の小僧を見る目が冷たいのじゃ。普通、死んだ両親に人徳があれば、憎しみの目は向けないであろう?』
『そうですね。そんな気もします。どうも商店主の話もそんな感じでしたねえ』かいつまんで話す。
『それは、自分に後ろめたさがあれば自分に都合の良いように話しますからね。』アンジーも会話に加わる。
『もう少し客観的に両者を見られる者から話を聞きたいですね。』
『そうなるよのう、して次は、あの商人のところじゃな』
『いないかもしれませんよ。』
『その時はその時じゃ』
 そして商人さんのお宅に到着です。
 初めてのお宅訪問です。ちょっと緊張しますね。こちらもメイドさんがいらっしゃいました。案内されて応接室へ向かいます。やはりこういう部屋は落ち着きませんね。
「おや、どうしました。」
 なにせ初めての訪問です。家を教えた訳でもないのに。
「招待もされていないのに突然お邪魔をしたことをお詫びします。実は、感謝の言葉を伝えにお伺いしました。あとこれを」一応、近くで売っていた果物を渡す。
「ああ、ありがとうございます。なんの感謝ですか?」
「あの領主様とお引き合わせいただいて、そのおかげで良い薬屋さんを紹介いただき、無事販売してもらえる運びとなりました。」
「そうですか、それは良かった。そういえば、露天の元締めにいくらぼられました?」
 あくまでも紹介料をぼったくられる前提なのですね。
「それが、領主様のおかげで、紹介料は取られなかったんですよ。」
「それはめずらしい。領主からの紹介であってもあいつはしっかり取るんですが。そうですか。して、どの薬屋を紹介されましたか?」
「はい、商店の並ぶ通りの外れの奥まったところの小さな薬屋でしたが、目利きのしっかりした店長さんのいるところで、気に入っていただきました。」
「はいはい、あの薬屋ですね。確かにあそこは、しっかりしています。あと、魔法使いの作った薬も販売していますからね。」
「そうなんですか、だからですか。薬の効能とか調べていらっしゃいましたよ。」
「でしょうね。あそこで認められたら、他の町でも売り先が確保できたようなものですね。」
 この人どこまで知っているのでしょうか。今のところは静かにしていましょう。
「そこで少し話したのですが、薬屋さんに連れてきてくれた元締めさんのところの少年は、両親が妹を連れて自殺したとか聞いたんですよ。」
「ああ、あのことですか。」さすがに顔が暗くなる。
「一人残されて大変だなあと思いましてね、少し気になったものですから。」
「薬屋の店長は、何か言っていましたか?」
「いえ、両親とは付き合いがあったとしか言っていませんでした。」
「そうですか。」
「聞いて悪かったですか?」
「いや、そうではなくて、あの子の両親が自殺した原因は、彼ではなかったのかと、個人的には考えているのです。」
「そんなこと、彼のような子どもにできるわけ無いじゃありませんか。」
「そうなんですよ、それが私の最大の疑問点なのです。なぜ両親を追い込んだのか。」
「いや、あり得ないでしょう。彼はまだ両親に養われていて、殺したら生活ができなくなるんですよ。精神的に追い込もうと、殺そうとできるくらい頭の良い子ならその先のことまで考えるでしょう。」
「そうなんですよねえ。でも状況証拠はそう語っているんです。」
「はあ。両親が自殺しなければならなくなった理由がないんですか?」
「いえ彼らは商売敵に追い込まれてしまっていました。」
「なるほど。」いつの間にか一緒に来た2人はこの部屋からいなくなっていた。つまらなくなって飛び出したふりをして、話しやすい環境を作ってくれたのでしょう。
「それなら、それが理由で自殺を・・・」
「実は、その時には状況は好転し始めていました。」
「え?」
「最初は、彼の両親がシェアの独占を狙って同業者達全員を敵にして、戦っていました。そして、最後まであらがっていたのがその商売敵でした。しかし、相手側にスポンサーとなる人が現れて、状況が逆転したので、このままだとお互い共倒れになると双方考えて、話し合いがもたれたのです。その翌日に自殺、心中しているのです。」
「その話し合いが決裂したとか?」
「いいえ、実は私がこの話し合いを取り持ったのです。同席しなかったのですが、話し合いの後、商売敵の男は、うまく話がまとまって、これからは、共同して商売していくと、私のところに話に来ましたから。しかし、翌日、両親は娘と共に自殺しました。なぜか彼を残してね。」
「遺産を狙ったわけではありませんよね。」
「ええ、商売を継ぐこともなく、同業者だった者に、二束三文で買われて、身ぐるみ剥がれた彼は、露天商のところに雇われています。」
「商売敵だった人はどうしましたか。」
「今は、商売をたたんで違う町に行きました。」
「シェアを独占しかけた2人がどちらも独占できなかった、と。しかも一人は死んで、一人は逃亡ですか。得した物は誰もいないじゃないですか。」
「ええ、つぶれかけた同業者達は、その時のことが遺恨となりお互い信頼関係を無くしましたので、お互い疑心暗鬼状態でシェアを今も食い合いしています。それでも、借金のカタとして、その中の2りの同業者がそれぞれ商店兼家・倉庫などを手に入れましたが。」
「はあ、」
「ただ、一人だけ、その長男だけは、自由を得ました。」
「それを自由と言いますか。」
「そうとでも考えなければこの件の顛末はむなしいことばかりです。」
「はあ、家族という枷を引きちぎるために殺すとか、周囲を不幸にするとか。」
「あくまで私の推測です。彼を操っている者がいたのかもしれませんし。」
「それなら彼も被害者ですね。」
「ただ彼の様子を見ていると、どうにも悲しみが見られない。むしろすがすがしささえ感じる。あくまでも私がそう見たくて見ているだけかもしれませんが。」
「ああ、それであればあまりにも悲しい。」
「もう一つ、これはあくまで噂だったのですが、あの子にはある疑惑が掛けられていました。というのは、小さい頃に近くで何人もの子どもが行方不明になったのです。」
「それがどうしたのですか。まさか」
「彼の友達グループの子が次々と行方不明になっていきました、しかもみんなで遊んだあと数日おいて一人ずつ忽然と消えてしまったのです。」
「何人くらいですか。」
「7人です」
「そんなに?」
「ええ、最初は、たまたま同じグループの子なのかと思われたのですけど、次から次に行方不明になっていきました。それで、親たちがしばらく外で遊ばせなかったのですが、それでも親の目を盗んで勝手に家を出て行方不明になっています。そして、彼と特に親しかった子どもは全員いなくなりました。最後に残ったのが彼だったのです。」
「そんなことが起きていたのですね。」
「あの子がやったかどうかはわかりませんが、彼がやったと思っている人は結構いると思いますよ。もちろんそんなことができるとは誰も思っていないでしょうけど。」
「意外ですねえ。あの子がそんなことになっていたのですか。」
そんな時に2人が部屋に入ってきた。お菓子をいっぱい持って。
「2人ともどこに言っていたのですか。そんなにお菓子を持って。なんかすいません。しつけが行き届かなくて。」
「いやいや、大人がつまらない話をしていたら、飛び出したくなるのはしようがないですよ。」あくまで子どもにやさしいのですね。誘拐の時に本性を見ていたはずなのに変わらないスタンスで接していますねえ。
「横道にそれてすいませんでした。あの、とても感謝しています。何かありましたら自分にできることでしたら何かさせてください。」
「いえいえ、先ほどの話などは、この町の中では、誰にも話せない話題でしたので、あなたのように事情の知らない人でないとなかなか話せないのです。ですから今話したことは、他言無用に願いますよ。」
「もちろん心得ております。では、本当にありがとうございました。それとお菓子もこんなにもらってすいません。お高いのに。」
「いえいえ、用意はするものの子どもの来る機会はあまりないのです、ですので食べていただいて、むしろありがたいくらいです。」
「そう言っていただけると安心します。それでは、また。」
「こちらからお声を掛けるときには、あの宿屋に行けばよろしいですか?」
「しばらくこちらにいることになりますので、家を借りようと思っております。決まりましたら改めてご挨拶に伺います。」
「そうですか、それではまた。ごきげんよう。」
「はい、失礼します。」
冷や汗のかきどうしです。
『それにしても、昨日の誘拐拉致騒ぎを見ているのにあなたたちの扱いが変わりませんでしたねえ。』
「それはそうじゃ、全部おぬしが戦ったかのように見えておるからのう。」
「あの攻撃は?」
「お主が逃げざまに攻撃を放ったように見えたのじゃろう。そう見えるようにうまく土を起こしたからのう。」
「なるほど。それならあの対応も納得できます。」
「さて、領主のところにもいくのじゃろう」
 もらったお菓子を食べながらモーラが言う。子ども姿になじみすぎです。幼児退行していませんか?アンジーが欲しそうにしていますけど、あげないんですか?
「さて、どんな話が聞けるかのう。ポリポリ」
 アンジーに見せつけるように食べています。わざとですか、わざとですね?
「モーラひどい」涙目でそこを走り去るアンジー、やはり幼女化の傾向が。
「わしにだけもらうよう仕向けておいて、後からそのおこぼれをもらおうなんて天使の風上にもおけん不埒な奴じゃ。本来ならアンジーがお供物をもらう立場じゃろうに。自分から私にもくださいって言えばもらえたものを」
 そういうことでしたか、自業自得などと言うとちょっと大げさですがねえ。
 結局、追いついた時にお菓子を渡したモーラです。涙目でうれしそうにむさぼり食うアンジー、お行儀悪いです。けっこう身ぎれいにしているのにその食べ方はちょっといやしいです。周囲の視線が私にろくな物食わせていないのかおまえは、と言っています。とほほ。
 時間が時間だったので、一度露天商が並ぶ通りに行き、お昼ご飯にしました。
「これはなんじゃ、いのししか?丸焼きにして外側から包丁で剥いでいるが」
「ケバブですかね」反射的に言葉が出てくる。イメージも。ああ、知識にあるのか。
「ケバブ?と言うのか?おぬしの世界では」
「そうらしいです。」アンジーもうなずいている。
「それより、あっちのクレープ的なものがいいです。」
 アンジーが指さした先には、粉を溶いて薄く焼いた生地で肉を巻いているものがありました。肉単体より、中に肉が入っている炭水化物がお好みのようで。
「米粉を使っているのかな?」
「普通に小麦粉でしょ?」
「じゃあそれをもらおうかのう。」
 モーラはびしっと指を3本出す。それって3本食べるという事ですか?あれだけお菓子食べてまだ食べますか?
「ふむ、うまいのう」
「ですねー」
「こうやってひなたぼっこしながら、町の広場でおいしい昼ご飯を食べるとか。幸せですね。」
「そうだのう」
「あ、そのタレの味食べてみたい。」
「あ、いいですよ。ほら、あーん」
「え?あ、あーん」
「なんじゃアンジーてれておるのか。」
「私はね、守護者だったので本人がいろいろするのをただ見守るだけだったんです!こ、こういうのは実際したことがないんです!」
「ほほう初めてか。うぶいのう。」
「ほら、モーラもあーん」
「え、あ、ああ、あーん」
「なんだ、モーラも同じじゃない」
「ば、ばかいえ、そのとおりじゃ。人とこうかかわることなどないからのう。」
「よかったですねえ。2人とも初めてがいっぱいで。」
「・・・」
「しかし、おぬし、魔法使い魔法使い言っているが、彼女とかがいたのじゃろうな。」
「そうね、さっきのあーんとか意外になれた感じだったわ」
「そうなんですかねえ。実際、彼女がいた感じはないんですけどねえ。」
「妄想の中の彼女だったりして。」
「それはきもいのう。」
「私の頭の中の語彙を拾って使わないように。」
「ははは、まさにぴったりのイメージだったのでな、つい使ってしまったわ」
「そんな」アンジーそこでむせないで。
「さて、そろそろ行くかのう」
「ですね」

 そうこうしているうちに領主の館に着き、来訪を告げたところ書斎に連れて行かれた。
「どうしましたか。お越しいただくとは、何かありましたか?」
 傲慢と聞いていたはずなんですが、どうも下手に出てくる感じがなんかいやですが、とりあえず、無事に商品を卸せるようになったことを報告して、ついてきてくれた男の子が良い子だったことを話した。
「はあ、あなたにもそう見えますか。」
「何か引っかかることでもありますか?」素直に答える。
「ええ、外から来たあなたたちのような人にもそう見えるのですね。」
 2回言う事に何か意味があるのでしょうねえ。あら、今回も2人はどこかへ行ってしまいました。さすが空気の読める2人ですね。姿は幼女ですが。
「とおっしゃいますのは。」
「私は、その一家が彼を残して自殺した時に葬儀の手はずなどいろいろとお世話をしたのですが、彼には、死んだ両親や妹に対する感情がないように見えたのです。」
「つまり、何も感じていないと。」
「はい、少なくとも、彼の置かれていた境遇を知っている者からすると、憎しみなり恨みなりがあってもいいと思うんです。あと、その裏返しで本当は好きだったのにとか感情の動きが何かしらあると思うんですよ。しかし、極めて冷静に対応していました。」
「それは、心がここになかったからではないのでしょうか。」
「そうも考えました。しかし、事細かに葬儀の手続きを進めていく姿に、実は計画していたことが現実になって、自分の中にある対応手順どおりに進めている感じといえば良いのでしょうか。そういうふうに見えてしまいました。」
「そういうときは無理してでも平静にしているものではありませんか?」
「そうかも知れません。あと、以前からそうでしたが、彼の笑顔ですね。」
「はあ、」
「目の奥が笑っていない。というか、目の奥でせせら笑っている感じですかね」
「そうですか、子ども達は楽しげに遊んでもらっていましたのに。」
「私が考えすぎなのかも知れませんが、あの子は危険です。お気をつけください。」
「はい。ありがとうございます。」
そうして、領主の家を出た。2人は、ここでもお菓子をもらっていた。あなた達、幼児化しすぎじゃないですか。
「何を言う、わしらが食べるのではない、宿屋の近くの子ども達にあげるのじゃ。」
「なるほどねえ」
「砂糖やバターは貴重じゃぞ、大きい町になればなるほど値段が上がる。」
「そうなりますか、」
「お主のいたファーンは、共同生活に重きをおく町じゃったから割と鷹揚じゃったが、ここくらい大きくなるとそうもいかんじゃろう、砂糖やバターは、貴重品じゃ、手に入らないのじゃ。だからうまいお菓子は皆食べたがる。」
「ですね、それと、お菓子に限らずどんな食べ物もあの町と比べておいしいのです、クオリティが違いますね。」
「だからこそ、領主のところのお菓子など手が出るほど欲しいわけじゃ。」
「なるほど、でもその手に持ってむさぼっている分は、なんですか。」
「それはまあ、手間賃かのう」
「ですよ、労働の対価です。」
「威張って言える話ではありませんねえ。まあ、おいしいお菓子は私も好きですから、ちゃんと買って食べましょうよ。」
「何を言うのじゃ、あそこのお菓子は、メイドが作っている特別製じゃぞ。味が段違いじゃ。」
 メイドのハンドメイドですか。なかなかに奥が深い。
「頼みますから、私のしつけがなってないという評判が立たない程度にしておいてくださいね」
「大丈夫じゃ、もうしつけのできんダメ親認定されておるわ」
「やっぱり。とほほ」
「さて、どんな話が聞けたのかのう。」
「領主様は葬儀を手伝ったそうです。なので葬儀の時にも表情が変わらず、むしろテキパキとこなしていた彼を見てちょっと困惑していたそうです。まるで、」
「まるで?」
「まるで、事前に手順書でも作ってあったかのように、スムーズに行っていたと言っていましたよ。」
「やはり計画的に自殺に追い込んだのか。」
「そんなことするんですかねえ、」
「なんにせよ、周囲の評判とは違って実は、とかいうこともある、情報を積み上げるしかないじゃろう。」
「しばらくは、様子見ですね。」
「そうじゃ、決行するのは、わしらがここを出る頃になるじゃろうからのう。」
「本当に手伝うんですか?」
「まあ、やめるときには、あの魔女と話さなきゃならんじゃろうが、あの子に渡さなくても回収はして欲しいというじゃろうからなあ」
「あ、ユーリが手を振っている」私たちを探していたのでしょうか。
「ユーリ、メアどうでしたか?良いお家は見つかりましたか?」
「何件かあったのですが、あまり手頃な値段ではありませんでした。」メアがすまなさそうに言う。
「商売でもやっていないとなかなか家賃が工面できないからのう。」
「一応、見に行かれますか?」
「そうですね、せっかくですし、明日でも見に行きましょうか。」一同うなずく。
「それでは、夕食にしますか。」
「しかし、あそこの食事はのう、」
「ですね、少し味付けが濃いですよね。」
「しかたがなかろう、安い宿のそばだけあって、あそこはどちらかというと肉体労働をする者の行くところじゃからな、夕食はどうしたって酒が飲みたくなる塩辛い味付けになる。」
「そうですねえ。」
「私が作りましょうか。」
「え?いいの?」アンジーの目が輝いている。あなた光ですよねえ。
「私は元々、ご主人様の元で身の回りのことをすべてこなしていました。料理もそこそここなせます。」
「ただですね、一つ問題がありまして、味付けが元もご主人様仕様のままなのです。」
「あ、であれば、それを少しずつ直していただければ、」
「上書きするしかないのですが。かまいませんか?」
 足を止めて私をじっと見つめてメアが言いました。
「それしか方法がないのでしたら、かまいませんけど」
「それでは、」舌なめずりをしてからメアがいきなりディープキスしてきました。
 私は目を白黒させるだけです。口腔内をなめとるように舌を舌にからめるように丁寧に、唾液まで吸い上げますか。
「もが、」
「ちょっとなにしているんですか」
 アンジーの声を聞くもメアは続ける。私もキスしているので声を出せるわけもなく。じたばたもできず全員唖然とみていました。1分くらいでしょうか、意外に長く感じました。唇を離すと。
「これで、味蕾の情報は上書きされました。」
 満足そうなメア。
「えーそういうことですか。」
 がっくりと膝をついてしまいました。なぜかアンジーもがっくりと膝を落としています。
「あー、ファーストキス、狙っていたのに。」アンジーのつぶやきが意外でした本音ですか?
「いいなあ・・・」
 見上げるとユーリまでも指をくわえて見ていた。何がいいんですか?口の中を陵辱された気分です。
「お主ら・・・何を言っているのじゃ、そもそもこれを愛情のあるキスというのか?たんなる情報伝達じゃろうが。」
 いや、私が自分の心を整理するためにそう思い込もうとしていることを口に出さないでください。
「ですが、私には愛情はあります。なぜなら、・・・」
 はて、何を言い出すのですかメア。
「ほう、なぜなら?」
「なぜなら、違う方法でもできたからです。」いや、胸を張って威張られても困ります。
「わざとやったのね。ふふふファーストキスを奪ったのね」アンジー本性が漏れ出ていますよ。
「はい、そうです。私が奪いました。私のファーストキスは、前のご主人様に奪われましたから。」
「いや、それはしかたがないでしょう。」
「今回は、私の意志で、ご主人様のファーストキスを私が奪いました。えっへん」
 いや、だからどうしてそこで誇らしげに言いますか。ない胸を張って。
「それはよけいじゃ。」
「つまり、自分は奪われて悔しかったから今度は自分がですか。」アンジーはため息をつく。
「はい。でも、好きな人ではないとできませんので、今回実行させていただきました。」
「そういうことは、勘弁してください。前にも言った通り相手の気持ちを考えて行動してください。」
「私のこと嫌いですか?」
「いや、そういうすがるような目に弱いんですよ。子犬のようで」
「おぬしだまされるでない、たぶんそいつは、DNA情報からおぬしの過去の記憶を見て、使えそうな情報で籠絡しておるぞ。」
 メアさんそこで「ちっばれたか」みたいな顔をしない。
「ま、まあ、しょせんホムンクルスよね、ひ、人じゃないし。」
「あ、でも物と考えると、元の製作者と間接キスしたことになりますねえ。」
「そういう考えは間違っています。すくなくとも高性能な私は、ちゃんと肌の更新がされていますから。あと、ホムンクルスにも人権を。」
「おぬしの倫理観は人のものではないわ、少しは反省せい。」
「てへ」
「あーもう、私もキスする!!」
「僕も!!」
「ちょっと2人ともおかしいですよ。モーラこれは」
「ああ、そやつがなにかしておるな。メア何をした」
「ちょっと、催淫効果のある香水を・・・」
 そう言って周囲に何か小さい小瓶を取りだし、周囲にまき散らす。言われた瞬間、私には大気中の微細なものの分子式が見えた。思わず分解する。でも、2人はすぐには直らないだろう。
「いいですか、そういう方面の事は当面禁止です。」
「ますたー、そう言う方面とは何ですか、具体的に指示してください。あと当面とは具体的にいつまでをさしますか。」
「ええい、そんなこと言うと君だけお風呂も生活も全部別にしますよ。わかりましたか。」
「わかりました。今後しばらくの間そう言う方面の事は禁止されました。」
 しょぼんとしています。でも反省がみえませんね。
 そうこうしているうちに2人のピンクな状態も収まったようです。
「は、私、何をしていたの」
「僕、ぼく・・・うわあああああ。恥ずかしいーーー」
「まあ、そうなりますよねえ。」
「ユーリは、そういうことに憧れがあっただけじゃろうが、アンジーがなあ。」
「彼女も実体化したからなのか、女の子になってきましたねえ。」
「容姿もおぬしのつぼをついているのじゃろう。ならば、おぬしに好意を持つように設定されていると言ってもいいかのう」
「あ、そういう考えもありますね。だからアンジーの本心ではないと。」
「私の心をもてあそばないでください。さっきのは、ユーリと同じで憧れがあるのです。実体化なんて久しぶりなんですから。」ああ、うかれていたんですね。
「さて、周囲の目も気になるので退散するかのう。」
「あ、」小走りにその場から逃げ去る我々であった。
 宿屋の裏手にある馬車を止めている横の隅っこの方で、メアの手料理による夕食が振る舞われる。調味料に醤油があったのがすごかった。味噌も手に入るという。ああ、きっとその錬金術師さんは日本人だったのですねえ。
「これは、不思議な味じゃのう。なんというか味わい深い」
「ここで醤油を味わえるとは、すてきです。」
 アンジーさん光なのに味がわかるのですか?
「塩こしょう以外にこういうものがあるんですね。」
 ユーリが微妙な顔をしながらも味に慣れるとガツガツ食べている。もう少し女の子らしくしなさい。
「うーむ、満腹じゃ」だからおなか膨れるまで食べないでください。
「そうねーこれで星空でなくて屋根があればもっといいですねー」
「わがままいわない。本当に天使なんですか、欲深かいんですから。」
「私、天使の端くれでしかないので。」そうですか、天使にもいろいろあるんですねえ。
「この後すぐにお風呂に入って、ほかほかのままベッドに入れたら最高ですねえ。」思わず私も言ってしまった。
「そうじゃのう、ぬしの腕枕で寝るのもまんざらではないわのう」
「うでまくら?」メアの雰囲気が、オーラが変わった。
「ご主人様、その方と閨をともにされているのですか。」
 なんか背中にごごごごごって効果音が聞こえそうな感じですねえ。閨とか今時使いませんよ。いつの時代ですか。
「メア、気にするな、たまたまじゃたまたま。」
 モーラが慌てている。いや、戦闘力ならあなたの方があるでしょう。
『いや、あのスピードでは、ドラゴンに戻る前に瞬殺されるわ』
「いや、メアさん、落ち着いて、あの時は事情が事情でしたから」と、知らないことを良いことに勝手に事情を作る。まあ、疲れていたという事情ですが。
「そうよ、その時私だって一緒に寝てたし。」
 一度おさまりかけたごごごごごって効果音が再び聞こえる。幻聴ですか?
「ご主人様本当ですか。」
 アンジーに向いていたメアが、顔だけぎぎぎぎと振り向いた。なんですかその般若のような顔は。恐すぎます。
「あ、その時は僕も一緒に寝ていましたよ、久しぶりにおじいちゃんの胸で寝たようでうれしかったなー」
 ああ、ここにも空気を読まない純真な子がいたなー。これは、やばいか?と、思ったら、般若の顔が突然菩薩に戻った。
「そうですか、みんな一緒に寝ていたのですね。」
 顔は菩薩ですが、腕はかすかに震え、持っていた包丁の柄がミシミシときしんでいる。ああ、壊れる、壊れる。せっかく包丁を作ってみたのに、苦労が一瞬で灰になりそう。
「お、おう、じゃから何もない。何もしてないぞ」
「そう、ですか」ああ、オーラが消え、包丁が壊れませんでした。よかった。
「でも、僕も家が欲しいですね。なんか家族みたいっていいですね。」
 ああ、何も知らない純真無垢な僕っ子に救われました。

 続く
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出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

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