巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。

秋.水

文字の大きさ
48 / 102
第13話 弧狼族

第13-4話 獣人さんいらっしゃい

しおりを挟む

○ 帰りの馬車の中

「それで、里の位置はわかったのですか。」パムが私に聞いてきた。
「ええ、里からあの子を追って境界外に出ましたからばっちりです。」
「よくそんな余裕があったな。」
「手強いといってもそうでもなかったんですが、そういうふりをしてわざとエリア外に出るよう族長を誘導しましたから。」
「なるほど。やろうと思えばエリア内で縛れたのか。」
「まあ、そこは、微妙でした。でも、下手を打って、孤狼族の方々にけが人が出てもこまるので無理をしなかったのもありますよ。」
「まったく。うちの3人がケガするとは考えんのか。」
「それは全く心配していませんでしたよ。この程度なら大丈夫と信頼していますから。」
「どうして、里の位置が知りたかったのですか?」ユーリが尋ねる。
「今後、私たちの身に何かあった時の保険ですね。情報は交渉材料になります。」
「もしかしたら、薄々気付いているかもしれませんから、あの長が部落の場所を移転することを考えるかもしれませんね。」メアさんが不安そうに言った。
「そんなに簡単に移動するものなのですか。」
「本来は縄張りの範囲を移動して歩く流浪の民だからなあ。でも家を作っているのなら早々動かんだろう。」
「それなら里に入れないという掟は、必要ないんじゃないですか。」
「他種族と交流を深めないのがそもそもじゃろう。交配もすすんでしまうからな。」
「確かにそうですね。混血化がすすみそうです。」
「ところでこいつはなんじゃ」モーラが干し草の中から子犬というか子狼をつまみ上げる。
「え?何かいましたか?」
「馬車の中の干し草の中に隠れておったぞ。」
「大恩ある魔法使い様にお仕えしたく黙ってついて参りました。」獣化の姿から獣人化してその子はそう言った。女の子だった。もちろん裸だ。
「お~い、大恩ってなんじゃ。お主何をした?」
「え?もしかしてあの時の子犬ですか?族長の家に飼われてた子犬にちょっといたずらもとい魔法で体内の傷をいじっただけですよ。」
「実は、直していただいた部分は私が獣人化するのを阻害するものだったようなのです。それをいとも簡単に治療して、優しくしていただきました。獣人化できず、半端者としてすでに里から捨てられている身ですので、こっそりこの馬車にひそんでおりました。」
「アとウンは、この事を知っていたのですか?」
「はい、私が事情を話すと何も言わず馬車の中に入るように仕向けてくれました。こう後ろ足を馬車に向けて」
「あなた達。どうするつもり?」エリス様が心配そうに言う。
「ここで追い返しても、里へは戻れないでしょう。というか、それをわかって出てきたのね。」こめかみに手を当てたアンジーが言いました
「はい、だめでしたら。一人で暮らして行きます。」
「里から出たことがないのですよね。」パムが心配そうに尋ねる。
「はい、でも何とか生きていきます。」
 そう言って私を見つめる。ああ、そのひたむきな目に弱いのですよ。
「こ、今回は何も無いと思ったのに。」アンジーが心で泣いています。
「そういえば、族長の娘夫婦には双子の娘がいると言っていましたが、まさか・・・」
「そうです。死んだも同然と言われていましたので、間違いなく族長の孫になります。」
「とりあえず、服を着てください。」そう言うと獣化しました。どうしてそんなに小さくなるのでしょうか。不思議です。でもあのモフモフが忘れられずついつい抱き上げてもふもふしています。みんなの視線が痛いですが。
「モーラ、匂いで気付きませんでしたか。」
「いや、お主らに族長達の残り香がついているものだと思い込んでいたわ」
「エルフィ、やったわね」
「え~、何をですか~」手綱を繰りながら答える。
「この子のことわかっていたわよね。知ってて黙っていたわよね。」アンジーは、エルフィに問いただす。
「ゆっくり抜き足差し足でこっそり近づくと私は感知できませんよ~。今回は周囲の監視に気を配っていましたから、近距離までいっぺんには無理ですよ~」その口ぶり。いや、確信犯ですよね
「ダメですか?」そのウルウルの瞳には弱いです。
「私はいいですけど、ねえ」アンジーを見る
「行くとこないんでしょ。なら一緒に暮らしなさい」アンジーもあきらめましたか。
「いいんですか?」
「部屋もあるからしばらくね。」
「しばらくですか?」
「大丈夫ですよ。この方は天使様ですから、困っている迷い子を無下に扱うことはありません。」メアさんがフォローする。
「ありがとうございます。」
「あーもう、名前はまだ言わないでね。ここだと大変なことになりそうだから。」
「大丈夫じゃここには、あの事実を知る者しかおらんぞ」
「家に戻るまでは、とりあえず仮の名前でもいいですか。いろいろとややこしいので」
思わず、頭をなでなでしてしまいます。子犬もとい子狼もいいですねえ。
「私の真名はレイン・カインズヴォルフです。あなた様に忠誠を誓う者です。あ、光ったーやったー」
「私は何もしていませんよ。頭をなでただけですってあーーーなでている途中で真名を言いましたね。」
「いつもどおりじゃのう。エルフィの時と一緒か」
「パム様ありがとうございました。うまくいきました。」
「よかったね。レイン、あ、レイでいいですか」
「はい、パム様のアドバイスのおかげです。」
「あんた達、先に馬車に戻っていた時に知っていましたね。」
「すいません、話を聞くとどうしても人ごとに思えなくて。でも、このまま放っておくこともできないですし、むしろぬし様と一緒であれば安全ですし。」
「お主、一言いわんか。」
「ああ、これからよろしくね、レイ。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「それにしても、」
「それにしても、何よ」
「本当にマジシャンズセブンがマジシャンズエイトになってしまいました。」
「こだわるのはそこか。お主を除いて7人だから問題なかろうが。」
「ああそうですねえ。その方がしっくりきますね。よかった」
「え~でも~魔族さんが足りませんからマジシャンズエイトになるかもしれませんよ~」
「エルフィ、またお主は余計な事を言いおって、本当になりそうだからやめんか」
「え~たくさんの方が楽しいのに~」
「モーラ、とりあえずそろそろ飛んで欲しいのだけれど。」
「まて、通信せんと会話にならんレイちょっと頭を出せ」
「はい」
「お?これは、」
「いやな予感ですね、感じます。」
「ああ、どうも魔力量がこいつも半端ないぞ」
「やっぱり。」
「どういうことじゃ、ろくに獣人化もできなかった子犬だったらしいのに」
「えーと治療したのですがねえ。脳内の魔法の放出口見たいのが見えてですねえ、そこに蓋があって、それを少しだけ開いたのですよ」
「そんなものが見えたのか」
「いえ、感じたのですよ。魔法が少しだけ漏れている感じというか。空間にヒビ見たいのがあってそこから魔力がちょっとだけ漏れているみたいな感じですね。でも、がばっと開いたら裂けて元に戻せなさそうだったので少しだけ切れ目をいれました。」
「そうか、そこまで行き着いているのか」
「何か悪いことをしましたか。」
「それって治癒魔法の初歩ですよ~」
「ああ、回復魔法まで憶える気か」
「そんなつもりはありませんよ。でもレイちゃんはそんなにすごい魔力量なんですか。」
「ああ、こやつも掘り出し物じゃな、あの里にしたらもったいない話じゃ。まあ、お主が治療しなければそのままだったわけだからなあ。」
「本当にマジシャンズセブンですね。」
「ユーリ、何をへこんでいる。」
「いえ、またライバルが。」
「それは、戦いにおけるライバルか」
「はい、僕の存在意義が」
「よいか、獣人はそもそも獣じゃ、獣人化はあくまでこの世界で暮らすのに都合が良いからそうしているだけなのじゃ。獣人化しても人間ほどの柔軟性はない。魔法の操作もそんなに上達せぬ。獣化してしまえば、魔法は使えん。人は、何より武器を持って魔法を使える。これはお主の最大の魅力なのじゃ。」
「ありがとうございます。」
「モーラお願いします。」
「おう、そうじゃな。」額をあてる
『どうじゃ聞こえるであろう。』
「どういう仕組みですか。」
『しゃべらず思ってみろ。』
『はい。本当だ。自分の声も聞こえます。』
『これがわしらが内緒で話せる仕組みじゃ。詳しくはこやつに聞け。』
『はい、すごいです』
「アとウン止まれ。お主シールドを」
「はい」そうしてモーラは飛び出し、私は荷馬車を馬ごとシールドで覆う。
「はー。本当にドラゴンさんだったんですねえ。」知らないという事は、怖さも無いんでしょうか。たぶんとても強い人というイメージなのですかねえ。
『家に戻るぞ』
こうして私たちは家に戻りました。そして、家族がひとり増えました。

「こうやってあやつは、どんどん他種族と親交を持つのだな」
「これはもう、運命ですね。しかたないですけど。」
「あなた達も大変な人と仲間になったものね」
「やっぱり仲間じゃなくて家族なんですよねえ、家族となればあきらめもつきます。」
「傍から見ると不思議な関係だわ」
「まったく」
 そして日常が戻ってきました。
 外でユーリとレイが遊んでいます。手には私が作ったフリスビーやらブーメランを獣化しているレイにユーリが投げて、それをくわえ取る感じである。なんで獣化しているのでしょうか。
「レイがこの方が好きだというんですよ。」
「はい、この姿でずーっと暮らしてきたので、暮らしやすいのです。」
「できるだけ獣人化に慣れてくださいね。食事とか洋服とかも。」
「やっぱりダメですか?」そのウルウル目には弱いです・・・
「ご主人様、こらえてください。ダメと言ってください。」メアが私に強く言います。
「これから一緒に生活するにあたっては、憶えていかないとダメなことです。いいですか。獣人化して文字とか憶えていかないと町での生活ができなくなります。」
「そうですか。」しょげるレイ。
「しょげてもだめですよ。これは皆さんと暮らす時の最低条件ですから。でも、もふもふですねえ。」
「いいなあ。」
「いや、ご主人様ハアハアしないでください。気持ち悪いです。」
 メアさんの冷たい視線が突き刺さる。
「よう児童虐待男、またやっておるのか」
「ひどいですねえ。もふもふしていただけですよ」
「いや、首輪つけてリードで引っ張って歩いていたじゃろう。見られているぞ。」
「おや、誰かに見られていましたか、やばいですね。」
「そういうことじゃから、変な噂をたてられんように獣人化のまま生活するように。」
「はい」レイもモーラの怖さを少し感じるのでしょうか、妙に素直です。
「でもこのモフモフとかおなかなでなでとかたまりませんよ。」
「あん、ぬし様そこは、だめです。そこはおっぱいです」
「ああっすいません。」
「お主発情させるなよ」
「はい。」
「いいなあ」ユーリ、それをいいなあと言っていけません。

 そうして新たな家族が増えました。町では、ハーレム男と影では言われているそうです。奴隷商人よりはましか。
「レイさん。はい、これがみんなとお揃いのネックレスです。」
「これが噂のネックレスですね。」
「はい、町ではこのネックレスで皆さんを操っていると噂のネックレスです。」
「そんな噂が町では、流行っているのですか。」
「うちのダメエルフが吹聴していますから。」
「あのー、できれば首輪にしてもらえませんか?」
「それは、倫理的に無理ですよ。それに獣化したら・・・そのままですか。」
「はい、むしろなじむのですが。」
「やめておけ、よけい変な噂が立つわ」
「このネックレスの方が可愛いですよ。」
「はい」




レイについての追記
「お手」
「おかわり」
「ふせ」
「たて」
「まて」
「だから獣人族に犬のようなことをするのはやめてください。」
 パムが私に言いましたちょっと怒ってますね。
「本人の希望なのでやってみましたが、たしかに目の知性が気になって素直にできませんね。」
「でも、して欲しいと訴えていますけど。」ユーリのフォローがフォローになっていません。
「願望がダダ漏れなんですよ。犬本来の純粋な目ではなくて、こびる感じがいやかもしれません。」

「食事の作法も全部最初からになりますね」メアさんがやさしく伝える。
「それから寝る時もできれば獣人のままで寝て欲しいですが。」と私
「すいません、どういうものなのでしょうか、」とレイ
「そのベッドで寝るようにお願いできませんか」と私
「こんなふかふかなベッド私にはもったいないです。」とレイ
「こうなると生活全般の見直しが必要になりますね。」と私
「長年こうしてきたというのもあるが、それにしてもほとんど犬扱いだからなあ。」とモーラ
「本当なら、生まれてきた時に、里子に出されていたのかもしれませんね。」と、メア
「いや、捨てられていたかもしれないな」とモーラ
「狼を率いる人狼ですか、考えると嫌になりますね。」とパム
「この子は、むしろ族長の孫という事で里に置かざるを得ず、むしろつらい日々を送っていたのかもしれませんね。」と私
「そのつらい日々もお主と会って報われたのじゃ結果オーライじゃと思うことにせい」とモーラ
「そうですね」とレイが言いますか。
 それでも1ヶ月程度で様になってきました。ただし、服だけは苦手なようです。

 エリスさんがこちらに来た折りに疑問をぶつけてきた。
「で、今度はなんて呼ばれているの。もう呼び方なんてないでしょう。」
「こいつとあんた」アンジー
「おぬし」モーラ
「ご主人様です」メア
「あるじ様です」ユーリ
「旦那様です~」エルフィ
「ぬし様ですね」パム
「・・・飼い主様」・・・レイ
「だからそれはだめですって」
「わが殿ではだめですか」
「殿はあまり良い響きではないですね」
「親方様ではいかがでしょう」
「そうしますか。」そして一時期みんなでその言い方になる。
「でも、これ以上増えたらどうするの」
「増えないことを祈ります。」
「あ、あとししょーと呼んでいる人もいますね。」
 エリスさんが帰った後
「親方様~」エルフィが呼びました。ええ、遊んでいます。
「その間延びした呼び方やめなさい。気持ち悪い」
「よっ親方」
「アンジー馬鹿にしていますよね」
「親方様あ~だっこ~」
「モーラも可愛いすぎますが、腹黒さがにじみ出ていますよ。」
「親方様」
「ユーリ、様になりすぎです」
「親方様!」
「パムが一番様になっていますが、やめてくださいね、みんなでそうやって私で遊ぶのやめてください。」
「では親方様、夕食の準備ができました。こちらへ」
「うむくるしゅうない。とか、させないでください」
「親方様、嫌ですか?」
「レイが言うのは良いですけどね。」
「いいなあ」
 ユーリが寂しそうに言う。しばらくは、パムとユーリが親方様を使っていました。
 ここは時代劇ではないんですけど。


○ 復活の日常
 人の育成というのは1年でできるものではありません。ましてや軍隊の兵士の調練などは、10年スパンになります。そのため魔族による襲撃などかなりの間ないと思っています。むしろ、平穏が長く続いて欲しいので、そう思いたいところです。
 かわって、人の成長、獣の成長は、著しい。まあ、成長期というのもあるのでしょうが、あっという間にレイは成長しました。しかし、ユーリとそんなに変わらない体格でとまったようなのです。
「うちの種族は雌雄で体骨格が違いますから」それでもユーリと比較すると筋肉量は格段にある。
「魔力量が徒になっているのかもしれないなあ。」とモーラ
「一定の体格まで成長すると魔力が成長を抑えるんですかねえ」と私
「こればっかりはわからないが、魔力が体型を維持しているみたいだしなあ。」とモーラ
「病気というのが存在していないですねえ。もっとも細菌もいないようですし。この辺は研究しなければいけませんねえ。」
 ああ、私が入るとつい余計な話になってしまいます。

 若者達の朝は早い。メアさんは朝食の用意、ユーリ、パム、レイは、訓練に出かける。たまにアとウンがついて行き勝手に走り回っているらしい。もちろん馬車を引く体力の維持のためとエルフィから聞いている。なにやら魔力による脚力強化に目覚めたという。末恐ろしい馬達だ。
 メアさんが朝食の用意が始まる頃、私とアンジーが起きて食器の用意をする。最初の頃メアさんがすごく嫌な顔をしていたがあきらめてもらった。私はその後馬の草と水を用意しに厩舎に行く食事の良い匂いが漂う頃、ユーリ達が戻り、私は馬のブラッシングをしてから、家に入る。
 あと、私が内緒でレイのブラッシングもしている。
 その頃にはモーラも起き出してくる。
 最後に起きてくるのがエルフィだ。寝坊してたまにレイからかじられたりしている。

 お祈りはアンジーが行い、みんなは静かに目をつぶっている。「いただきます」の発声もアンジー
食事をしながら今日のそれぞれの予定を話す。まあ、薬草の管理収穫などがあるが、基本は自由だ。時間は余る。
今は、メアさんがレイの礼儀作法、アンジーが孤児院設立のために町へ、パムとユーリが冒険者ギルドの設立手伝いのため町へ行くことにしている。というところですね。
 私とモーラは、町長と打ち合わせをしたりしています。モーラは、付き添いですね。たまに子ども達と遊んだりしています。
 それなりに忙しくしています。


「町外れの魔法使い(奴隷商人)、アンジー様の下僕、エルフィの旦那様、レイの飼い主、種なしハーレム男」指折り数えながらアンジーが言った。
「なんですかそれは。」
「あなたの通称よ。いっぱいあるわねえ。」
「不名誉な名前ばかりですねえ。」
「でも、なんでかは知らないけど悪くは言われてないわねえ。」
「ひどくないですか、まだ奴隷商人と呼ばれているのはさすがに」
「まあ、うらやましがられているだけなのよねえ。男達が嫉妬しているだけなのよ。」
「うらやましいとか、ありえません。私が常に賢者になっていなければならないことを知らないのですか。まあ、ストライクゾーンをみなさんことごとくかわしてくれているのもありますが。」

 ユーリが獣化したレイをなでている時のことでした。
「だめです。おなかは触らせません。さわっていいのは親方様だけです。」
「そうやって興奮すると獣化するのは、やめなさい。その・・・可愛すぎるので」
「もふりたい」とユーリ
「でもなぜ子犬化するのでしょうか。レイはもう成犬もとい成狼ですよねえ」とパム
「不思議じゃのう徐々に大きくなるのかもしれん。魔法による獣人化を繰り返せば」とモーラ
「この大きさだと獣化したときの迫力はありませんねえ。」と私
「いいえ、外では大きくなっていますよ。」とパム
「そうなんですか?」
「ええ、外で僕たちと戦闘訓練しているときは大きいですよ。」とユーリ
「やはり室内飼いされていたときの影響でしょうか。」とメア
「かもしれませんねえ。」と私

○冒険者ギルド
 町長に呼ばれて行ったところ見覚えのある人がいらっしゃいました。
「冒険者ギルドを作るにあたって、この方をお呼びしました。傭兵団の団長さんです。」
「こちらにも駐屯地を作ることになりましてな、その関係の調整も含めてです。お互いの兵を都合しあうことで、外敵からの防衛をしていこうと思っております。」
「なるほど。それは、良いことです。」
「また家族が増えたそうですが。」
「パムさんとレイです。」
「はじめまして。」
「はじめまして。」
「これ、レイ緊張しているからと言って獣化しないでください。」
「は、恥ずかしいです。」
「そう言いながら新しい人にかまって欲しそうに尻尾を振るのはやめなさい。野生はどこにいったのですか。」
「はは、ドワーフさんと獣人さんですか。そうですか。」
「そういえば団長さんは獣人に会うのは2度目ですね。」
「いいえ、私の街にもあれから結構来られるようになりまして、慣れてはきましたが、みなさんその成犬ならぬ成人の方が多いので、このような幼い方は初めてです。」両手がもふもふしたそうです。
「外では大きいのですが、室内では大きくならないのです。」
「しつけですか?」
「そういう訳ではないのですが。」
 座った団長の膝の上に飛び込みもふらせています。おまいは、室内愛玩犬か。
 団長さんもまんざらではない風でもふっています。
「そういえば、城塞都市の方が、きな臭くなってきたのです。」
「そうですか、あの街も戦火に襲われそうですか?」
「こちら側ではなく、例の賢王のところと小競り合いしそうになっていますね。」
「発端が何かあったのでしょうか。」
「昔から双方仲が悪いのです。でも、賢王のところは、外敵も多く民を守ることで精一杯でして、そこを狙って侵攻するつもりなのかもしれません。」
「なぜ今なのでしょうか。」
「近頃、賢王のレッテルのメッキがはげてきておりまして、娘である王女に糾弾されているのです。城塞都市側は、王制の弱体化が始まっているとみているようですよ。実際にはそうではないのですが。」
「魔族が裏で糸を引いているとかは、ありませんか?」
「それはないと思いますが。その線もありますか。領主には話しておきましょう。」
「まあ、こちらに飛び火しないと良いのですが。」
「今のところ傭兵募集くらいですから、1年くらいは大丈夫かと。」
「応募されるのですか?」
「私らは軍に隷属したくはありません。そういうのに応募するのはだいたいが食い詰めた元軍人とかでしょうし、真っ先に最前線に送られますから。」
「そうですか。商人さんや領主様は元気ですか。」
「軍備増強を進めていますから、軍需品の納品とかで潤ってきているとは聞いています。領主様は、自衛組織の強化を進めています。まあ、もっともそれは、先日の魔獣使いの件が効いているせいで、たまたま今回の件にもマッチしたようですが。お二人とも元気にしていますよ。あなたに戻ってきて欲しいと思っているようでしきりに動向を私に聞いてきます。もっとも元気にしているとしか私も知りませんので。」
「それはすいません。気を遣っていただいて。」
「それとですね、賢王の国は、自国の利益のため周辺国を侵略して、併合もしくは、放置していました。そのツケが今、回ってきています。反乱がまもなく起こるでしょう。」
「それが何か」
「ユーリに気をつけていてください。」
「まさかそんな。」
「どんな可能性も考えられます。」
「わかりました。注意します。」


 続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

神託が下りまして、今日から神の愛し子です! 最強チート承りました。では、我慢はいたしません!

しののめ あき
ファンタジー
旧題:最強チート承りました。では、我慢はいたしません! 神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜 と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます! 3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。 ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです! ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 非常に申し訳ない… と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか? 色々手違いがあって… と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ? 代わりにといってはなんだけど… と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン? 私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。 なんの謝罪だっけ? そして、最後に言われた言葉 どうか、幸せになって(くれ) んん? 弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。 ※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします 完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

処理中です...