巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。

秋.水

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第14話 氷の世界

第14-1話 氷の神殿

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○ 呼び出し
朝食も終わり、みんなでくつろいでいる。
小鳥が家の窓をコンコンとくちばしでつついている。
「おや、めずらしいですねえ。」
エルフィが窓をあけかける
「エルフィ、その鳥どうやって結界を抜けたのじゃ」
「あ?」その時には窓を少し開けてしまっていたのでするりと中に入り、モーラの頭の上に止まった。
「恐れを知らぬ鳥じゃな。まあ、こんなものを気にするようなわしではないがなあ」
どかせようと頭の上で手を振るが飛び跳ねては頭から離れない。
「お、この、離れんか。」
「気に入られましたかねえ。」
「あ、こいつ、鳥ではないな?エリスの使いか。」
「そうなのですか。」
「ああ、あいつの魔法属性は・・・痛い痛い」何かを言いかけたモーラの頭をくちばしで攻撃するその小鳥
「わかった、わかった、何のようじゃエリス・・・の使いの鳥」
「マホウツカイ、ワタシノミセ、キナサイ」九官鳥のように人の言葉を話した。
「なるほど、そういうしかけですか。」
「また観察したのか。」
「ええまあ。残念ながら既存の魔法の流用でしかありませんでした。」
「飛ばすのはどうやるんじゃ」
「風を起こしています。あと、くちばしは硬質化の魔法ですねえ」
「お主には出来るだけ手の内を見せないようにというところかのう。」
「そうみたいです。残念です。」
そんな会話をしているうちに小鳥はテーブルの上に移動して封筒に変わった。
おそるおそる持ち上げて、封を切り中の手紙を開く。何も書いていない。
「ご主人様、お店に行くのでしょうか」
「招待状をいただきましたからねえ。」
「何と書いておる。」
「白紙です。何か特殊な仕掛けでもしているのでしょうか。」
「どれ、ああ、魔力を込めてみろ」
「ああ、はい、おお、そういう事ですか」
「読まれたくない手紙はこうして、魔力に反応する手紙にすることもできる。何と書いてある。」
「早く来なさいと」
「まったく、せっかちな奴じゃ。どれ行ってこようか」
「私も同行させていただいてよろしいですか。」
「もちろんです。皆さんもたまに町に行きませんか。」
「気晴らしに行くかのう」
 そうして、私達は、揃って町に行きました。私とモーラとメアは薬屋さんに他の皆さんは、ユーリと一緒に新しい服を買いに行きました。最近、何かとありましたので、結構汚れてきましたのです。
 私とモーラとメアは、薬屋さんに入って行く。
「こんにちは、」扉を開けたところで、念のため声を掛ける。大丈夫のようだ。
「私を連絡係だと思っている人がいてねえ。ちょっと失礼しちゃうわ」
町にある薬屋さんが私たちへの連絡先にいつなったのだろう。
「魔女様を雑用に使うとかどんな人ですか。」
「まあ、古くからの知り合いなのですけれどね」
「それは嫌な予感しかしないですねえ」
「ああ、そうじゃな、で、話を持ってきたのは誰じゃ」
「氷の方ですよ。はあ」
「これは、けっこう難問そうじゃな。」
「わしなら断わ・・」
「無理よ、あの人の性格知っているでしょう?」モーラに言わせない。
「わがままじゃからなあ。でも、あいつは人の手を借りるのを一番嫌いそうじゃがなあ。そんなあいつが頼みにくるんじゃ、相当な案件じゃろう。」
「そうなのよ。聞いてくれるかしら。」
「いや、聞くしかないのじゃろう」メアは以前からそうしていたかのように裏に回りお茶の用意をしてこちらに茶器を持って入ってくる。
「そうね、実はね、氷の方の洞窟にも祭殿というか立派な神殿があるのよ。そして、いつの間にか伝説ができていたの、そこに到達できたものには祝いの恩恵が授けられるというね。まあ、実際に目に見える形で恩恵が示されて、実際その人が幸運に導かれるというね。」
「ほう、そういう類いの恩恵には必ず裏があるものじゃが。」
「祝いの恩恵と言っても、劇的に変化させたり、現状をねじ曲げるような力は無いわ。たんに自分の目標に対してポジティブに考えるようになるとか、自分の考えが整理されて先が見えるとか、という程度のものね。」
「そこまでたどり着く労力への対価としては無難なものなのか?」
「祭壇に到着することは、人間にとってはかなりつらいものですけど、途中で死ぬことはないくらいの道ですし、実際に到着できれば恩恵は確かに付与されています。でも、効果がすぐ出るわけでも無いので、効果よりも噂が大げさになったとしかいえないわね。」
「それなら何の問題もないじゃろう」
「それが、恩恵を付与しているはずなのに最近は、なにやら呪いが付与されているみたいなのよ。」
「へえ、恩恵を受けるはずが災いが起きていると。」
「そうらしいのよ、それも神殿に入った時に何かあって、町に戻るとすぐに何か起きるらしいのよ。」
「すり替わっているのは、いつからなんですか」
「最近としか、わからないわ」
「目に見える災害って具体的にどんなことが起きるのですか」
「普通は、神殿の中の祭壇の扉を開いたときから恩恵は付与されるのよ。何か一瞬輝いたみたいに見えた後は普通にもどるのよ。そして、少しだけ高揚感が起こるの。それだけなのよ」
「ところが、今は、見た目も暗い霧が自分の周りに発生して、すぐ消えるそうよ。気持ち悪くなって、すぐにそこを出て、町に戻ってくると、何か悪いことが起こるみたい。その後は些細なことが気になるようになるみたいよ。」
「あからさますぎますねえ。」
「だからねえ、何とかならないかしら。」
「ご本人さんはお見えにならないのですか?」
「ああ、依頼を受けてくれるなら、氷の神殿に来て欲しいそうよ」
「なら行きませんねえ」
「そうよねえ」
「そうじゃな」
「どうして来ないのよ。」おや、この声は、なんだ来ているんじゃ無いですか。
「それはですねえ、依頼する人が依頼しようとする人にお願いしますと挨拶に来るのが礼儀だからです。」
「あーあ、言っちゃった」エリスさんニコニコ笑って言わないでください。
「まあ、普通そう言うじゃろうなあ。」
「どうしてよ。私はドラゴンよ」そして、氷のドラゴンクリスタさんがそこに現れる。
「おや、いらっしゃったのですか。」
「格上の人だからといって人に頼むのに尊大な態度を取ってやれよと言われても、格下としてもなかなかやる気にはなりませんし、面倒ごとならなおさらやりたくありませんよ。」
「そんなこと言うと体内に霜柱作っちゃうわよ。」氷の竜クリスタが言った
「お主が言うと冗談に聞こえん。おぬし、気をつけろ、こやつ本気でやるからな。」
「私は、転生してきてこの世界のことがわかってはいませんけれど、ドラゴンさんといえど脅すならこちらにも考えがあります。今回の件、絶対にお引き受けしません。殺すなら殺してください。では、モーラ私は帰りますので後はよろしくお願いします。」
 私は、ついつい売り言葉に買い言葉を残してその場を去った。
「あーあ、やらかしおったなあ。」
「苦手だわあいつ」
「お主が手を余すとはなあ」
「まったくこちらが下手に出ていればつけあがって、」
「ならば頼まなければ良いんじゃないの。自分で解決すればいいじゃない。できないから下等な人間に頼むのではないのかしら。」エリスさんもここぞとばかり言い返しています。
「ぐっ」
「この世界に不干渉ならそのまま放置すれば良いであろう」
「それは、そうはいかないわ。」
「ドラゴンとしてのプライドか?」
「そうよ」
「ならばやつに頭を下げるのもプライドが邪魔してできないのか。」
「わかったわよ、お願いすれば良いのでしょう。」
「ちゃんと丁寧にな。あやつはへそを曲げるととどまることを知らんのでなあ。」
「そういじめないでやって。クリスタは、人付き合いもうまくないのだから。」
「何であたしがこんな目に。やったやつを見つけて必ず仕返ししてやる。」
「まあ干渉してきた奴には不干渉でいる必要もないからその限りではないなあ。」


「あなたとは良好な関係を築ける感じがしません。」
「ここまでお願いしているのに。」
「形だけですよね。別に困っていないならそのままでいいじゃないですか。プライドなんてくだらない。そんなもののために下げたくもない頭を下げる必要はないと言っています。」
「人間のことなど些末なことなのでしょう。その人達のことを心配しているわけではなくて、単に神としてあがめられている自分を悪く言われたくないだけですよね。万人に良く思われたいなんてどんなプライドですか。単なるかっこつけでしかない、そんなのプライドでもなんでもないですよ。」
「水の壺の件を手伝ったのはどうしてよ」
「いいですか、ヒメツキさんは先に干渉されているんですよ。自分の物を取られて取り返し、なおかつ今後取られないようにと人間と共存するための方法を模索しています。でも、あなたはこれまで恩恵という形で人間に干渉してきて立場が悪くなったから何とかして欲しいといっているのですよ。干渉してきた責任も取らず、ただ問題をごまかしたいだけでしょう。これからのことを何か考えているんですか。」
「私だってね、祝いの恩恵なんてね、したくはないの。それでも、恩恵を受けた人たちが、結果を報告に来たときのあの笑顔はいいなあって思うの。だから続けても良いかなあと思っているだけなのね」
「あなた本当は人間が好きですよね」
「ええ、そうよ。」
「でもドラゴンのプライドがそれを阻む」
「だってわたしドラゴンですもの」
「・・・」
「人間のひたむきさ、絶望感悲壮感、達成感愛みんな好きよだから恩恵を与えていたのよ。それなのにどうしてこんなことになってしまったの。」
「そういうことをするもの人間じゃないですか。人をうらやみ、ねたみ、疑い裏切る。それこそが人間の欲望ですよ」
「でもね、わざわざ苦しんでいる姿なんか見ていたくはないのよ。」
「今後も恩恵を与え続けますか。」
「もちろんよ、たとえあなたの言うように些細な恩恵だったとしてもね。」
「わかりました。一度その祭壇に行きましょう。」
「行く気になったのか。」
「自分にその呪いを掛けてみればわかりますからねえ。実際にルートをたどって神殿に向かいましょう。」
「一度準備のために家に戻ります。」
 帰りの道すがら、私は、モーラに独り言を聞いてもらっています。
「私にはどうにも理解不能なのです。ドラゴンはこの世界に不干渉とか行っておきながら、干渉しまくっていて、その結果の不整合はプライドがあるから自分からは手を出せないとかよくわからない理屈です。」
「確かになあ、じゃが、それがおもしろいであろう。不干渉だからこそ、つい手を出したくなる。人間やら他の種族やらを愛してしまったからなあ。ドラゴンも万能では無いから、不干渉なのに手を出して変な方向に行ったときに自分でどうにもできなくなったとき、誰にも助けてとも言えないのじゃ。」
「人間より始末に負えませんねえ。」
「まあそうじゃな」
 そう話しながら歩いていると、目の前に人が現れました。思わず立ち止まってしまいます。
「草木のどうしてここに、まさか今回の件におぬしが、関わっているのか」
「いや、今回の件というのは何のことだい。たぶんそれは自分には関係ないと思うよ。どうしてもおまえに話しておきたいことがあったんだ。」
「なるほど、他の者達に見られたくないとな。」
「ああ、森の件の感謝を伝えたくてね。命をかけてくれて本当にありがとう。」
「あれはなあ、そんなつもりではないのじゃ。感謝されることをした憶えもない。おかげで脱皮も憶えたしのう。かえって助かったぞ。」
「それでも、あの森を守ってくれてありがとう。」
「で、わざわざここに来たのか。」
「さすがに今は、火とも一緒に動く気にならなくて、」
「あいつがやらせたわけでもないのであろう?」モーラは手の内をさらさない。
「確かに魔族がやったんだが、噛んでは、いたらしいのさ。」
 ふむ、闇は、草木には言っていないのか。火が間接的に加担したのに。まあ、闇にしたら自分も同罪だし、言いづらいのか。3人で結託しているとヒメツキは言っておったが、あれは、草木を裏切るような行為だから、火は、草木を利用しているだけなのかもしれないな。としたら、草木にも人間を恨む何かがあったから火の側についたのか。
「そうか、草木にとっては、一番して欲しくないことなのになあ」
「そうだね、あと、この先も色々と火はやるつもりだけど俺は関与しないつもりだから。」
「そうか。それは里に言っておいた方がいいのじゃないか。」
「いや、里とも距離を取るつもりだ。あっちはあっちで変なんだよ」
「どう、変なんじゃ」
「わからない、突然、人の真似をしたり、他の種族の動向を気にしたりし始めてるんだ。これまでは、不干渉だったのにな」
「そうか。」
「なあ、土のおまえじゃ火は抑えられないのかい」
「火の奴が何かしたとしてもわしでは止められん。土の下から溶岩を呼び出すことはできても納めることはできんのじゃ。蓋はできるが、したところで勢いがあれば噴き出すからのう。」
「そうか、やっぱりそうだよね。」
「すまんな。力になれなくて。」
「とにかく、あの森の件では、感謝しているよ。本当にありがとう。」


 私は、家に戻って皆さんに経過を話しました。
「はたして我々のような異種族の集団にも呪いは発動するのでしょうか。」
「人以外には訪れないのか?」
「たぶん、願うのは人ばかりなのかもしれませんね。」
「ならば、人が起こしたことか。」
「それは、実際に行ってみればわかりそうな感じがするわ。」


出発
「さて、なんだかんだと行くことになってしまいました。」
「まあ、ドラゴンに頼まれたら嫌とはいえないわねえ」とアンジー
「内容は、大体わかりましたが、誰が一緒に行きますか。」パムさんが言った。
「そうですねえ、今までどおり皆さんで行きましょう。」
「大所帯になりますが、いいのですか?」パムが人数を絞ったほうが良いと思っているようです。
「まあ、最初の頃に、魔術師さんに襲われたことがあって、その時に私たちが別れて行動していたトラウマと言いますか、別れるとまずいことが起きそうで不安なのですよ。ですから、できるだけ全員でと思っています。」
「確かに、これまでの事件は、ほとんどが全員でかからないと収まらない事ばかりだったのよねえ。」
「でも、ネクロマンサーの事件は3人で片付けられてしまいましたけど。」
 ユーリが怒って言いました。そしてアンジーも大きく頷いています。そうですか根に持っていますか。
「あれは、魔術師さんに襲われた直後でしたからねえ。」
「ユーリは、あの時幽霊に怯えていただろうが。」
「まあまあ、では、全員で行くことで良いですか?」
 全員がうなずく。
「そういえば、これまで呪いとかあまり関わってこなかったから、ノウハウが無いわねえ」
「確かに、もし呪われたら、解除方法とかわかりませんねえ」
「得意そうなのは、闇のやつだが、どこにいるかわからんしなあ。まあ、あやつに借りを作ると後々面倒だし」
「少なくともドラゴンさんの仲間同士で助け合うことってないのですか?」
「ああ、知り合いや友達関係なら多少はなあ」
「モーラは、友達少ないですからねえ」
「ほっとけ。とりあえず、聖属性のアンジーがいるのじゃ大丈夫じゃろう?」
「だから、さっきも言ったとおりノウハウが無いって」
「困ったのう。安請け合いしてしまったか?」
「とりあえず、私が、呪いを受けてみますので、その呪いを解析しましょう」
「じゃが、おぬしが呪いのせいで倒れたり頭が働かなくなるかもしれんのだぞ、おぬしの役割は、呪われた人を見て解析する役回りではないか。」
「そうなんでしょうねえ、」
「僕は絶対お供します。」レイが珍しく言った。
「たぶん寒い地方では、僕やパムさんの方がわかっていると思います。」
「ええ、例えば、武器などは、冷えると肌について、皮膚が剥がれることもあります。防寒は大事です。とりあえず、冬の装備を準備しましょう。」
「メアさんは、パムとレイの話を聞いて毛皮を準備してください。馬の分も必要になりますから、メアさんの指示で全員で作らないとなりませんね。」
「おや、そうですね。この際ですから裁縫技術も皆さんに憶えてもらいましょう。」
「そうなりますか。」
「僕は・・・」手が器用でないレイは、逃げ腰だ。
「レイの耳が凍傷で無くなったら困りますねえ。ちゃんと揃っていて可愛いのに」
「やります。頑張ります。」
「のせるのがうまいのう」
「これからは、みんな何でもできないといけませんよ。」
「そうじゃな。まあ、わしは・・・」
「確かに必要ないでしょうが、見ているこちらが寒そうなので上に羽織るものは作りましょうね。」
「わかった、一緒にやろう。」
 夜なべしてみんなでわいわい作っている。毛皮は、これまでに結構保存してあったので、人数分は何とか足りたようです。
 翌朝には完成して、全員がエスキモー状態です。
「今はさすがに暑いなあ。」
「まあ、もう脱いで、馬車に積んでおきましょう。」
「お揃いです。みんなお揃いです。」なぜかレイがはしゃいでいます。そうですか。みんな獣人になったように見えたのですかねえ。

 とりあえず、モーラの手に乗って氷の神殿に近いところまで来ました。しかし、定められたルートを通ることが必要なため、その最初の森の入り口まで馬車で行った。そこには、広場があって、そこに馬車を止めて森の中に入るようになっている。
「観光名所のようですねえ。」
「ここは、見るものも無いし、ただ歩くだけよ。」アンジーが答える。他の人には観光が通じるはずもない。
「では、馬を連れて森に入りましょうか。」
さすがにこの場に2頭の馬を置き去りにもできないので、鞍に荷物を載せて馬も一緒に歩いて行く。手綱はエルフィとユーリが握っている。
 レイは、先に行ったり戻って来たりとこの森の中を満喫しているようです。そのうちに馬も走りたくなったのか、手綱を取るエルフィに声を掛けて、2頭とも先に走っていく。
「人がいたらどうするのじゃ。」
「まあ、その時はその時で、レイもいますし。」
「あいつら荷物積んだままじゃから、飯が無いぞ。そういえば牧草もありませんから、食事どうしましょうかねえ。」
 おなかがすいた頃、馬たちが、エルフィを乗せて、先ほど馬車を置いてきたところに戻り、馬車を引いてきた。
「今回の件は、人族だけのことみたいですから。私とか関係なさそうなんで、ずるしますね~」
「まあそうか、わしらは影響受けそうに無いのう。」
「残念ですが、モーラ、アンジー、メアさんについては、歩いてもらいますよ」
「なんでじゃ」
「3人とも人型になっているときは、髪がベトベトになるとか人間くさくなっていますので、影響を受けると思います。」
「ああ、確かにそうですね。」パムがうなずいている。
「まあ、確かにそうじゃが。」
「そうなんだけど。」
「今のモーラ、アンジー、おふたりなら、体力的には問題ないでしょう。歩いてくださいね。」
「はいはい、研究熱心なことで。」
「そうなんですよ。いろいろな条件を試してみないと。」
「皮肉じゃ。」
「そんなことは、わかっていますよ。とりあえず、自分の分の食料は背中に背負っているのですから。降ろして食事にしましょう。」
私は、その辺に落ちている枯れ木に火をつけようとしました。
「ご主人様それは行けません。この森のものには手をつけないようにお願いします。」
「もしかしてトイレにも行けないとか言わないよねえ」
「それは問題ないようですが、一応、土を掘って、用を足してから土をかけてくださいね。」
「この凍った土をですか。」足で踏みしめる。滑りはしないが土の下は凍っている感じがします。
「そうしないとダメなようです。」
「なるほど、そういう制約があるから過酷だと言われるのじゃな。」
「そうらしいです。」
「風呂に入りたいー」アンジーがだだをこねる。
「確かに寒いですから、お風呂に入りたいですねえ」
「ねえ、作ってよ」
「今回は無理です。呪いが発生しないかもしれませんから。」
「水浴びしますか?」パムがさりげなく言った。
「それは、この気温では凍え死ぬぞ。」
「神殿までは頑張りましょう。」
 そうして、火もたかず。干し肉と乾燥野菜ドライフルーツなどを食べて3日掛けて森を抜けました。エルフィは、馬車で先に森を抜けて我々を待っていた。
「ここからは、さすがに馬車も無理そうねえ。」
 勾配がきつく、さらに道路が土というより氷に近くて、馬が上っていくと滑って転びそうです。
「私、寒いので馬車にいます。」エルフィが震えている。その防寒着を着てもまだ寒いですか。
「ああ、じゃあ馬たちと一緒にここで待っていてくださいね。何かあったら連絡してください。」
「はぁぁぁぁぁい」私は、シールドを張って、馬たちがシールドの中に入っていく。
2頭とエルフィの顔がうれしそうです。まあ、中は保温されていますからねえ。
「うーん、ぬくぬくです。」
「暖房を切っておかなくてよいのか。」
「まあ、寒がりなのはしようがないですからねえ。」
 そして、他の7人はその凍った土を踏みしめて坂を上っていく。
「歩きづらいわねえ」
「確かに。」
「今日中に着くのか?」
「一応、普通の人でも日が暮れるくらいまでには到着するようですよ。」
 道は、蛇行していて、なだらかに昇っていく道になっている。まあ、山の上がどの辺かわかっているから、直線で行くこうと思うと行けないわけでもなさそうなんですが、山自体は切り立っているため、かなり勾配がきつくなりますから、その道を行くしかなく、しかたなく歩いている。
「さすがに厳しいのう。寒さも坂も」
「これは、この坂と恩恵では、割に合いませんよねえ」
「人間とは欲深い、ものだなあ。」
「そうですねえ、この労苦に見合う恩恵ではないと絶対に思いますけどねえ。」
「そうでもないようですよ。まもなく神殿が見えます。」
 ユーリが言った。目をキラキラさせている。ああ、見える神殿は非常に豪奢に見える。
「すごくきらびやかねえ、氷でできているのかしら。」木の合間から見える神殿は、キラキラ輝いている。
「でも、見えてからが長そうですね。」
「ご主人様、たぶんまだかかりますよ。」
「そうですか。簡単にいきませんねえ。」
 獣化して、うれしそうに行っては戻りを繰り返していたレイもさすがにへばってきている。
「レイ、だから言ったじゃない。無駄な動きは控えないと」
「でも、楽しいですよ。」舌を出しながらハアハアいっている。
 そうして歩いていると、やっと道が切れて、豪奢な造りの神殿の全容が見渡せるところまで来た。
「やーっと到着か。」
 扉が見えました。まだ少しありますけれども、ここまで休憩なしだったのでみんなで立ったまま休んでいる。
「ここからが本番なのだけどね。」そうです、アンジー座り込んではいけません。立てなくなりますよ。
「確かになあ、これからが大事なのじゃ」
「ユーリ、体調はどうですか。」
「問題ありません。息も切れていません。体は温まっています。」
「他の人はどうですか。」
 全員問題ないようです。レイも獣人化しています。
「であれば、行きましょう。」
 そう言って扉に近づく。扉もかなり大きい。両手で押してあくのかというくらい大きい。私を除く全員が扉の前に立つ。
「おぬしも準備は良いか。」
「はい、ひとりずつお願いします。まず、ユーリ扉を開けてください」
「はい、」
 そう言って、ユーリが扉を開けて中に入る。確かに中に入ろうとしたところで、黒い霧のようなものがユーリの頭から肩まで覆い、すぐ消えていった。
「なるほどな、今の見えたか」
「はい、見えました。では、他の方達は、ゆっくりと順番に入って行ってください。」
「時間をおかなくても良いのか」
「はい、大丈夫です。」
 まずレイが中に入り、パムが入り、メアが入って、最後にモーラとアンジーの順番で入って行く。先ほどのユーリに起きた黒い霧は、現れず、やはり何も起きませんでした。
「やっぱりそうなんですねえ。」私はそう言ってから。中に入ろうと歩き出す。
「おぬし、良いのか、入ったら呪われてしまうかもしれんのだぞ。」
「大丈夫です。これは呪いじゃないんです。」
 そう言いながら私も中に入りました。黒い霧は、現れましたが、先ほどとは違いすぐ霧散してしまいました。
「あら、人間でも現れ方が違うわねえ。」
「呪いじゃ無いというのは、どういうことだ?」
「ちゃんと恩恵なんですよ。色を変えられただけみたいですね。」
「なんだそう言うことか。」
「でも、ひとつだけ変わっている点があります。」
「なんなのよ」
「ここでタネ明かしても良いのですが、一度外に出ましょうか。ユーリには悪いのですが検証したいので、町に行きませんか。」
「僕がですか?」
「噂にあったように、町に戻ると悪いことが起きるという点です。確認させてもらってもいいですかねえ。」
「また、おぬしはユーリを実験台にするのか。」
「今回は、私も同じように悪いことが起きるかもしれません。」
「ああ、確かに先ほど黒い霧が少しだけ現れましたね。」
「はい、一応、大丈夫だとは思うのですが、隠されている魔法があるかもしれませんので、それを確認したいのです。」
「うむ、やむを得んな」
「ちょっと、教えていきなさいよ」そう言って氷のドラゴンクリスタは姿を現す。
「とりあえず、答えられるのは呪いでは無いと言うことだけですから。後はまだわかりません。誰がやったのかとかどうしてそうなったのかとかは、」
「わかったわ。戻ってくるんでしょうね」
「ええ、戻って来てこの魔法を変化させた人の正体を明かさなければなりません」
「待っているわ。」
 そして私達は、神殿を出て、モーラの手に乗って馬車のところまで降りて、馬車で一気に森を突っ切り、近くの町に急いだ。
「到着は、夜になりそうですねえ。ならば、町に入る前に野宿しましょう。」
「お風呂ー」
「アンジーさんもう一晩だけ待ってくださいね。」
「えー」
「もう一晩の我慢ですから。」
 そして、町の近くで野宿をして3日ぶりに火の通った肉を食べました。
 翌朝、町まで歩いて移動します。
「あの神殿の恩恵を受けた人は、あの神殿を降りて、だいたい、この町で一泊するはずなのです。もちろん、そのまま別の町に行く人もいるでしょうが、なので、ユーリと私は、この町に一緒に入ります。」
 私は、ユーリと手をつないで町に入り、朝とは言え、人の混み合っている町の中心部に歩いて行く。
「あっ」
 ユーリが声を出して何も無いところで転びそうになりました。私は、つないでいた手でユーリを支え、空いた手の方でユーリを抱きかかえる。ユーリの顔が真っ赤です。
「大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。」
「それが、呪いの正体か。」
「そうです。正体です。これで、ユーリには恩恵が付与されました。」
「なるほどな、そういう仕掛けか。」
「はい、そういう仕掛けです。」
「ちょっとどういうことよ。教えなさいよ。」アンジー、その言い方は、氷の方のようですよ。
「朝食がまだでした。どこかで食べましょう。」
 そうして、みんなで屋台に行ってラーメンのようなそばを注文してフォークでそばをつついています。食べづらそうですねえ。
「話しなさいよ。」丸いテーブルを囲むように全員が顔を近づける。もちろん食べながらですが。
「祝福の箱っておぼえていますか。」
「ああ、最初に起きたトラブルね。」
「エリスさんのところで、あのネクロマンサーの子の箱を回収しましたよねえ。」
「あの時には、エリスさんが、悪い事が起きても軽減してしまう願いの箱の話をしていました。もっともその時の箱は真っ赤な偽物で、単なる魔法検知器だったのですが。」
「その箱と同じ魔法だというの?」
「似たようなものだと言うことです。つまり」
「つまり?」
「普通は、願いを持って、森を抜けてあの神殿に到着するという苦難の対価を先に払って、願いを叶えるための恩恵を受けるのですが、あの黒い霧のようなものは、願いを先に聞いて、この町に来て最初にうける災いを対価にするように書き換えられていたようなのです。」
「たかだか転んだだけのことを対価にして?」
「今回のは、転んでもいませんでしたので、微々たる恩恵ですけどね。」
「つまり、願いを持ってあの神殿を訪れ、その願いを持ってあの黒い霧を浴びると、恩恵の対価として、相応の悪いことが起きると言うことで良いのでしょうか。」
「つまり、願いが大きければ大きいほど、ひどいことが起きる。と言うことですか。」メアさんが言いました。
「そうです。」
「ということは、まさかと思いますが、その書き換えを行ったのは、」
「そうです。あの恩恵の魔法を紐解き、改良を加えていますから、たぶん魔法使いだと思われます。魔族なのか人族なのかはわかりませんが。」
「なんでですか?人族のために恩恵を与えているのに、あの神殿までの苦労が対価になるはずなのにそれを魔法使いがなぜ」
「おおかた逆恨みでは無いのか?」
「ああ、自分はあそこまで苦労もせずに登ったため対価をほとんど支払わず、恩恵を求めた。しかし、ほとんど何も恩恵は無く、魔法を調べたら苦労に応じて恩恵が付与されていたのを知る。そこで、知らない人たちが願いを持って神殿を訪れたら、それを逆手に意地悪をする。でも、ちゃんと恩恵は与えられている。もっとも願いの大きさによっては、大けがをしているかもしれないけどというところですかね。」
「じゃあ、誰がやったのか。」
「さすがにわかりませんねえ」
「解析・改良の得意なおぬしならできそうじゃが。」
「それはまあ、できますよ。」
「もしかしておぬしを罠にはめるためにこんな事をしたのかもしれないとは思わぬか。」
「あまり意味がありませんよねえ。そもそもここに来たことありませんし。」
「おぬしのフリをしてここに誰か来たとすれば。」
「私にはアリバイがありますよね。」
「おぬしが使える空間魔法ではどうじゃ。」
「マーカーでも置いてあれば来られますけど、ありませんよ。」
「でも、できないことの証明はできないですよね。」
「確かに、空間魔法が使えると思われていますから、当然できるだろうと思われているかもしれませんねえ。」
「また、誰かに、先手を取られたか。」
「でも、この件の目的は何ですか。」
「さあな、氷のドラゴンとの関係を悪化させるとか、逆に親密にさせるとか、氷のドラゴンと人間の関係を悪化させる。くらいかのう」
「でもなぜ魔法使いさん達がこんなことを」
「ほら、今の発言。魔法使いの里がやったように思っていないかしら」
「ああ、疑心暗鬼にさせるところですか。なるほど。」
「だが、今回の件では、誰なのか特定しなければいけないのではないですか。」
「そうですねえ、でも復讐とかはさせたくないですねえ。不干渉のままではダメですかねえ。」
「そもそも」
「とりあえず、この件について、共通の人がいることはわかっています。」
「ああ、エリスか。確かに氷のドラゴンと知り合いで、祝いの箱のことを知っているのは、エリスくらいか。」
「はい、祝いの箱について教えてもらわなければなりません。」
「とりあえず、神殿に戻りましょう。氷のドラゴンさんにエリスさんを呼んでもらいましょうか。」
「そうするか。」
 そして再び氷の神殿に戻りました。クリスタ様に呪いでは無いことを簡単に説明した。


 続く
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