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第18話 人柱ならぬ天使柱
第18-5話 謁見
しおりを挟む街の反対の方なのだろう、そちらの方に歩いていく。
「さて、場所はこれからお教えいたします。一緒にどうぞ。」
「じゃあお願いしますね。」
そして、私は、その男とモーラ、アンジー、メアが一緒にその居酒屋に向かう。
「まったく、おぬしはすぐ飯を食いたがるのう。」
「私はお酒はからっきしですからねえ。」
「さて、冒険者さん名前を聞かせてもらってもいいですかね。」
「そういえば名乗っていませんでしたね。失礼しました。」
その男は立ち止まり私達に振り向いた。
「スペイパル王国王子、ヤクドネル・スペイパルと言います。」
そして丁寧にお辞儀をする。
「なるほどな、冒険者でもあるということかな」モーラが品定めをするように見ている。
「はい、私は、王子ではありますが、上に兄がいて、継承権は第2位なので、自由の身なので。」
「それで、わしらと接触した意図はなんじゃ。」
「私も表向きだけ冒険者をしていまして、まあ、臣下の者を伴って、あちこちの国を回っています。国王直属の間者の報告が本当なのかを自分の目で確かめて回っているのです。」
「そんな時に3千人対1の戦争を私は、直接見ることが出来ました。」
「そうでしたか。どうしてその場にいたのですか?」
「まあ、ロスティアの間者の者と私の臣下の者が通じておりまして、たまに情報を流してくれています。本当に偶然でしたが、あの現場を直接見ることが出来ました。」
「なるほど。正体はばれていたということですか。」
「はい、それとその魔法使いとマジシャンズセブンの魔法使いが同一人物ということも疑っていたのですが、今回お会いできたことで確認も出来ました。」
「わしらがそのマジシャンズセブンだと言う証拠はないであろう。」
「あっはっは、モーラさん。国王の前であれだけのことをしておいて、今更何を言いますか。そして、そちらの天使様は光になって地下牢までいっているんですよ。どう考えても同一人物ですよね。」
「なるほど、あの一連を見ていたか。まあ、わしらもちょっとばかり冷静さを欠いていたからなあ。」
「まあ、国王に張り付かせていた臣下の者の報告ですから私が直接見たわけではありませんが。」
「それで、おぬしはどうしたいのじゃ。」
「この件について、協力させていただきたいと思いまして。」
「なぜじゃ。協力したとしてもおぬしになんのメリットも無いであろう。」
「まあ、父である国王に対する意趣返しもありましてね。兄が凡庸であることをわかっていながら重用せざるを得ないところはわかるのですが、私を冷遇することはないと思うのですよ。それも、冷遇しないと弟の方が兄を越えてしまうと危惧して、と言うところがです。国のためなら、別に兄を国王にして私を参謀にすれば良いのですよ。私は国王の地位なんていらないのです。国を動かせたら面白いのになあと思っています。しかも、失敗した時には兄が私のせいにして、切り捨てれば良いのです。」
「そこまで考えられる奴が野望を持ったら兄を殺して国王になりそうだがな。」
「まあ、その辺を危惧しているのでしょうけど、実際、国王崩御後は、そうなるかもしれませんよ。もっとも今の兄の出来では、この国の外交はすぐ破綻して、他の国に占領されそうですけどね。」
「さて、鼻を明かせれば良いというのなら、協力してもらおうか。そうだな、手始めにおぬしの先祖の話を聞かせて欲しいが何か知っておるか。」
「その前にそちらの知っていることも教えてくださいよ。」
「聞ける立場にあると思うのか。」
「私としては、今、膝が震えているくらい怖いのですが、一応、今回の件は、命をかけています。ですからまず事情を聞かせてもらえせんか。ああ、ここで私を殺したら、国王に話しが行くようその辺に臣下に見張らせております。ここで殺さないのが得策かと。」
「ふふ、交渉ごとも得意そうだな。まあ、よい、話してやれ。」
「お願いします。」王子は頭を下げる。
「簡単に言うと、天使様を解放すると、城の下の地盤が崩れてこの辺一帯が一気に崩落して国民がみんな巻き沿いになります。天使様はあと3ヶ月くらいしか持ちません。ですから、私達としては、天使様を解放し、土地の崩落を止め市民が安全でいられるように何か案は無いかと考えています。」
「なるほど、そう言うことでしたか。やはりあなた様は賢者でおらせられますね。」
そこで私の前に膝をつく第2王子
「立ってください。残念ながら賢者ではありませんよ。私は、私に関わった人たちだけの安全と幸せのために動いています。ですから・・・」
「いいえ、国民の安全まで考えながらというのは、すでに賢者様の考えることです。」
「考え違いをしないでください。この地に住んでいる人は、この件に全く関係ないのです。関係ないからこそ、誰も不幸になってはいけないのです。」
「わかりました。ぜひ協力させてください。」
「ありがとうございます。」
そうして王子は立ち上がった。私は彼と握手をする。
「ああ、それとねえ、話が終わったから話しておくけれど、さっき自分が死んだら国王にという下りがあったわよね、残念だけどあなたの臣下は伝えに行けないのよ。」とアンジーが言った。
「それは、どういう・・」
パムが人を抱えて連れてくる。
「あと2人ほど捕らえてあります。それ以外にいたら私の確認不足としか言えません。」
「大丈夫よ、その3人だけだから。王子様すごいわね、複数の人に自分を監視をさせて、さらにその監視している人を監視させるなんて。そこまで徹底して出来る人はなかなかいないわ。」
「どうして、わかったんですか。」顔が青ざめている王子。
「それは、教えられないわよ。だからね、自分の命を担保に取引をしようとしても無駄なのよ。交渉のテーブルにも立てない。それは今後、肝に銘じてね。私達にとって人を殺すのも国を滅ぼすのも簡単だから。」
「まあ、そこまではやらんがなあ。わしらにもプライドがあるから、そんな些細なことに自分の力を使うなどプライドが許さんからなあ。」
「これも噂ではうまく伝わっていないのですが、私に話を聞きたい時やお願いしたい時には、知っていることを全て正直に話してくださいね。私達があなたに協力して、後からあなたの嘘がばれたり、ごまかしていたり、まずいことがあって言っていないことがあると、何かが起きて取り返しのつかないことになった時に私の怒りの矛先はあなたに向かいます。そのことは肝に銘じておいてくださいね。」
「は、はい。」なぜか震えています。まあ、そうでしょうねえ。
「こちらのお話はしました。今度は、さきほど話していたとおり、この国の伝説、言い伝え、禁忌、噂話など何でも良いので教えてくださいね。」
「わかりました。」
「それではまた明日の夕方にお会いしましょう。」
「失礼します。」
王子様は、その場に臣下を残して逃げるように帰って行った。臣下は大事にしないと裏切られますよ。置いていくのはどうかと思いますよー。あと、居酒屋の場所教えてくださいよ。
「モーラ、ではあの酒場に戻りますか。」
「いや、エルフィをかついだユーリ達は、すでに店を出ているぞ。まもなくここに来る」
「そうですか。では、宿屋に引き上げましょうか。」
ユーリと合流した後、宿屋に着くと、2人ほど人影がありました。ひとりは見覚えありませんが、もう一人の美人さんには見覚えがあります。
「おお、エリスじゃないか。どうしてここへきたんじゃ」
「ああ、この子にお願いされてね。」そう言って、後ろに隠れようとする女の子を前に出す。
「はい、挨拶して。」
「初めまして。私はこの街で薬屋をやっている。ロクサーヌ・ベントルドンと言います。よろしくお願いします。」
そう言って頭を下げる。三つ編みのお下げを両脇に垂らしている子を久しぶりに見ました。身長とその髪型でかなり幼い印象を受けます。
「どうも初めまして、私は・・・」
「辺境の賢者様ですよね。姉弟子よりいろいろ聞いています。」
「辺境の賢者ですか。私にはいろいろ名前があって面白いですね。でも、賢者と呼ばれたのは、ロスティアの王女に会った時しかありませんよ。」
「はい、あの時ロスティアの王女様と一緒にいた魔法使いが私の姉弟子に当たります。でも、死んでしまいました。」おや、意外にさらりと姉弟子の死を話すのですねえ。
「ああ、そうでしたねえ。ところでその方は本当に死んだのですか?」
「は、いえ、その・・・」急にドギマギしています。ああ、演技が下手ですね。
「死んだと噂になっているわ。それで良いかしら。」
エリスさんが割り込みました。しかし私は、さらに続けました
「そうでしたか、せっかく勉強熱心な子だったので惜しいなあと思いまして、あのように聡明な子ならうまく生き延びていてくれるのでは、と思っていました。それにしても私に会った後すぐお会いしているのですねえ、あのあとすぐに殺されたようですので。」
「あ、ええとその多分そうだと思います。私も実際死んだと聞かされただけですので。」
「そうでしたか。ああ、すいません横道にそれてしまい。それでエリスさんこの子に頼まれて私達に何か用事なのでしょうか。」
「じゃあこの子から話してもらうわ。お願いね。」
「はい・・・」
「ご主人様、立ち話も何ですので、宿屋に入りませんか。夜は冷えます。」
「そうですね。エリスさんそれからベントルドンさん。」
「ロクサーヌいえ、ロジーとお呼びください。」
「では、中へどうぞ。」
そうして、10人はゾロゾロと中に入って行く。宿屋の一階にある食堂がまだ人気が無かったのでそこを使わせてもらった。全員でロジーとエリスさんを囲むように座っている。ああ、エルフィは、テーブルの上に突っ伏している。
メアが、宿屋のご主人にお願いをして厨房に入りお茶の支度をして、みんなに配った。
「さて、お願いします。といってもこちらからまずお聞きしますが、どのようなご用件で来られたのですか。わざわざエリスさんを呼んで。」
「はい、まず先に何点かお聞きしたいのですが、今回皆様がこちらに来られたのは、王国付きの魔法使いフェイベール・ルミネア・アーカーソンさんを連れて戻られましたね、それはなぜですか?」
「それをお答えするには、まず私の質問に答えてからにしてください。」
「それは・・・お願いしたいことがあるからです。」
「では、まずそれを聞かせてください。」
「何をされるのかをお聞かせいただいて、私の出来ることならお手伝いをしたいと考えております。」
「それはなぜですか?」
「それは・・・」
「あーわかったわよ。私から言うわ。もう、あんた達がこの街に来て、天使に会ったのを私達の方でも気付いたのよ。」
「私ではなく私達・・・ですか?」
「そうよ魔法使いの里でよ。それで、貴方たちのおかげで、天使の恩恵もあと数ヶ月、恩恵が無くなればその辺一帯の土地が陥没して、何千人の人が死ぬかもしれないと情報が入ったの。」
「なるほど。それで?」
「それだけの人が死ぬのを街の魔法使いとしては見過ごせないから、何とかして欲しいとこの子から魔法使いの里に連絡が入って、私が呼び出されたわけ。そうよね。」
その子が頷いた。
「なるほどな、街の魔法使いは、街に何かある時は何かしらしなければならないのか。」
「まあ、本来ならそんなことまでしなくても良いのだけれど。この子としては、何とかしたいと思ったからなのでしょう。」
「なにやら、急いでいるなあ。エリス嬢ちゃん。何も隠していなかろうなあ。」
「あたりまえでしょ。あんた達に隠し事してばれたら何されるかわかったもんじゃ無いのよ。だから包み隠さず話しているわ。そうでしょ?」
その子も怯えてうなずいている。
「だから、何をしようとしているのか教えて欲しいのよ。協力させて欲しいの」
その子もうなずいている。あなた赤べこですか。妙に可愛いですねえ
「モーラ、アンジーどうします?」
「まあ、人手は多い方が良いからなあ。特に魔法使いが大量に使えれば、わしらはかなり助かるぞ。」
「そうなの?」
アンジーは、意外に今回のことについては、あまり関心が無いというか、あの親子のことが心配すぎてそれどころではないようだ。
「モーラ、では私が話しますね。」
「おう、面倒くさいことは任せた」
「この国は・・・というかこの地方一帯は、今も草木のドラゴンの縄張りなのですが、過去に草木のドラゴンとのいさかいがあって、草木のドラゴンの縄張りであるにもかかわらず、その恩恵を受けられずに土地は痩せています。一部の地方の人々は、自分たちの力で土をよみがえらせようと頑張っていて、そこに豊穣の天使が降り立ち、その中の一人の男と恋に落ちて子どもを作ります。その天使の恩恵は、その地方に豊かな作物を与えていましたが、死んだ夫の願いで、娘と暮らす限りこの地に恩恵をと言われていて、恩恵を与え続けていたのです。しかし、それを知った国が、娘を人質にして、城の地下にある洞窟の草木のドラゴンの地脈に彼女を封じてその天使の恩恵を受け続けて今に至ります。たまたま娘さんと知り合った私達がお会いしたところ、あと余命数ヶ月というところだと判明して、このままだと、天使様は光になり消えた後、城の一帯の土地は、城ごと崩落することになります。なので、天使様が光になって消える前に天界に帰し、崩落を止めなければならないのです。」
「なるほどね、そういうことなの。水神様のところに行ったわよね。」
「ふん、監視しておったか。」
「まあ、魔法使いの里では、あなた達は要注意人物ですからね。あなたがあの町を離れて、この街に来て、水神様のところに行って戻ったところまでは把握しているわ。」
「それは、それは、私達は、VIPレベルですね。」
「それくらいなら、モーラの力で何とかなるでしょう。・・・ああ、草木のドラゴンが黙っていないのかしら。」
「いや、わしが直接会って話しは通してあるが、わしでもちょっと難しくてなあ。」
「どう難しいのかしら」
「まず、今回の事でわしが手を出すと、他のドラゴンの縄張りに手を出した罪で、縄張り剥奪のうえ、里に拘束されるらしいぞ。なので、手は出せぬ。さらに手を出せたとしても、自然に出来た洞窟だけならわしでも何とか出来るのじゃが、その地下にかなり深くまで人工の穴が縦横無尽に空いていてなあ、そこに大量の土を持ち込まないとわしの力でも到底無理なのじゃよ。」
「人工の穴ですって。」
「ああ、かなり昔に魔法か何かで掘ったのであろうなあ。土をどうやって外に出したのか。まあ、時間をかければ掘った土を外にも出せよう。そしてその土があれば埋め戻しもできようが、短期間でやるとバランスが崩れて崩落するかもしれんのでなあ。」
「あなたコンクリート作れそうよねえ。」
「ああ、無理です。あれは、まずセメントを作成するんですが、作成する時に高温にしてすりつぶして石灰混ぜで・・」
「わかった無理なのね」
さすがエリスさん。私の説明好きをよく知っていらっしゃる。もちろん心をおる方法も。
「そうです。」
「で、どうするつもりなの?」
「まあ、人海戦術しかありませんねえ。エリスさんなら炭鉱の横穴についてご存じでしょう?木を組んで崩落しないようにするやつを。まずそれを作って、それから土を入れていかないとなりません。」
「わかったわ。とりあえず里に聞いてみるわ。」
「里で何かしてくれるのですか。」
「聞くだけよ、人手を出してもらえれば、なんとかなりそうなのでしょ。」
「まあ、砂を中に運び込んでもらえれば、モーラが何とかしてくれるでしょうから。」
「わしは無理じゃ。最下層から順番に土を入れて埋めていけば良いじゃろう。わしではなくておぬしがやるんじゃがな。」
「あなたのシールドは使えないの。」
「一層ずつならいけますよ。それが前提です。」
「そうなの?」
「ええ、まず最下層にシールドをかけて、その上の階に砂を運び入れて、それを少しずつ下の階に注ぎ込むんです。もちろんモーラが隙間無く埋めていくんですけどね。」
「砂なの?土なの?」
「土じゃあ運び込めないでしょう。砂もその下には落ちていかないように何か仕掛けが必要になりますけどね。」
「それは、大丈夫じゃ。多少は硬化させればよいのだから。」
「明日もう一度その地下に入れないかしら。」
「まあ、わしらは無断で入っているからのう。」
「どうやって?」
「まあ不可視化の魔法で入って行くだけじゃ。」
「じゃあ明日連れて行ってちょうだい。ロジー帰るわよ」
「はい、」そう言ってロジーは、私に握手を求め、お辞儀をしてから帰って行った。
出て行ったのを確認しても少しだけ沈黙が続く。
「どう思います?」
「魔法使いの里がどうして急に動き出したのかが気になるのう。」
「あやしいとは思いますが、こちらとしては、協力を断る理由はありませんね」
「まあそうだな。ちなみにおぬしの考えていた「手」というのは、なんじゃ。」
「ああ、人間の手を使って、洞窟の中に木で支えを作っていくというものですからねえ。私の国には、炭鉱という石炭を山から掘り出す時に木でトンネルを作るものですから、それを人間の力で突貫工事を行おうかと思ったのです。」
「確かにそれでも何とかなるがなあ。そうしなかったのはなぜじゃ。」
「城の地下にそれだけの人を入れて作業するのが難しいですからねえ。国王が許すかどうかわかりませんし。」
「国王は、洞窟の下にさらに地下道があることを知っているのだろうか。」
「見たところかなり古いものでしたから、今の王様は知らないかもしれませんね。」
「だろうなあ。にしても、魔法で作られたような地下通路で誰が一体何をしていたのであろうなあ。」
「何かを掘ったのかもしれませんねえ。」
「今となってはわからないのであろうなあ。」
次の日、再び内緒で地下に入る。今度は全員で中に入った。まあ、アンジーは、あの親子のところに文字通り飛んで行きましたけど。
洞窟の下の地下道に入った時、エリスさんが言った。
「これは、すごいわね。これが、あと何階層あるのかしら。」
「8階層ですねえ。地下に行くほど、面積が広がっていっているのですよ。」
「何かを掘っていたのね。」
「そうみたいですねえ。心当たりありますか?」
「里がからんでいるのかどうかはわからないけど、どう見ても魔法使いによるものだわねえ。」
「やっぱりそうですか。」
「でもこれだけのことをやるには、一人じゃ出来ないわねえ。」
そう言って、エリスさんとロジーは、いろんな所を見て回っている。
「おや?」
私は、自分の視界の左下に青い色の石が反応しているのを見た。掘削跡があり、その影に隠れたところに小さく見えていて、どうやら見落とされていたようだ。持ち上げようとしたら、簡単には取れなかった。意外に岩盤の中に埋まっていて、かなり大きな石だった。
頭の中の分析結果では、魔鉱石となっていた。さすがにどういう用途かまでは記載されていない。しばらく気をつけて見て歩いているとけっこうな数が見つかったのでポケットにしまいながら歩いていた。
「大体の規模がわかったわ。ありがとう。」各階層の大きさを測るために2人して走り回っていたので大分疲れているようだ。私に言ってくれれば、レーザービームで測定したのにと思っているいやな性格の私です。
地上に戻るとすでに夕方近くになっていました、大分やつれたアンジーを連れて、昨日行った酒場に寄って、居酒屋の場所を教えてもらい、その場所に行ってみる。
そこにはすでに昨日のほぼ全員がたむろしていた。
「待ってたぜ。」
男達はそう言って、私達を中へ通す。そこには、昨日の王子様がいた。
「そういえば、場所を教えないまま帰ってしまいましたね。すいませんでした。」
「いえ、ちょっと脅しすぎましたね。すいません。」
「では、店長、料理を出してください。」
「ああ、私達も手伝います。ホストは私ですから。」
「ホストはなにもしないものですよ。」
「いいえ、ホスト自らサービスするのが私達流ですので。」
「では、私もやりましょう。」
そうして宴会が始まる。色々な人が居て、童話、伝承系の話など色々聞けているようだ。
私は途中で抜けて例のマスターの所に寄る。
「いいのかい、途中で抜けて」
「いつもの事じゃありませんか。」
「そうだな。今日は消えることは無いからゆっくりしていってくれ。と言いたいところだが、家族が迎えに来るのだろうなあ」
「まあ、そうなります。夜中でもまた来ますから。」
「私は、早じまいだからなあ。」
「閉まっていたら諦めます」
「ノックはしてくれよ」
「はい」
そうしてしばらくそこでコーヒーを何杯か飲んだ。
「ま~た消えおって。またあのバーか。」
「ええまあ。そろそろお開きですか。」
「あの男が勝手に仕切っておる。まあ、王子だしなあ。やらせておくか。」
「彼にも頼まなければ行けませんね。」
「そうなるか。」
次の日、宿屋の主人に起こされる。来客だそうだ。
「おや、エリスさんとロジー」
「とりあえず、手伝うことにはなったわ。何人かは魔法使いを派遣してくれるそうよ。」
「では、段取りがついたら連絡をします。」
「薬屋の場所は、わかるかしら」
「たぶん」
「では、作業の段取りがついたらまた来るから、それまでこの子をよろしく頼むわね」
エリスはそう言ってその子を残して行ってしまいました。その子はどうして良いかわからずただ立っています。
「これから、国王に会いに行きますので一緒に行きましょう。」
「え?え?え?」その子はうろたえている。
「まあ、こういうことも慣れていかないと街では暮らせませんから。練習、練習」
そう言って、私達は城に向かう。
ユーリとレイが気をつかってその子と話をしてくれている。おじさんでは、話しが続かないですからねえ。しょぼん。
「気味が悪いのう」ポツリとモーラが言った。
「ええ、本当に、今回のような一つの国の中のことに魔法使いは出てきたりしないはずなのにね。」
「そうなんじゃよ。元魔王から聞いた話の中にもそんな話はなかったな。」
「どう考えても裏があるわねえ。」
「私達が考えても無駄ですよ。今回は、利害の一致があったということにしましょう。」
私はそう言った。
「あんたのそのお気楽さは、何も考えていないようで何か考えているのでしょうねえ。」
「いや、何も考えていませんよ。なるようになれです。」
「そうじゃのう」
そうして、昨日の夜に話をしていた王子と城の前で合流する。その子と王子が挨拶をして、王子がその子を笑わせたところで、王子と私、モーラとアンジーとロジーは、城の中に向かう。他のメンバーは、パムの指示で城の前で待機となった。
続く
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