巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。

秋.水

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第23章 父を探してどこまで行くの?

第23-1話 旅立ちは頭痛の種から

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 いつもにこやかで楽しそうなエルフィがイライラしている。
「どうしましたエルフィ」
「なんか~イライラするのですよ~」そう言いながらもわざと眉間にしわを寄せる真似をしてみせるエルフィ。ああ、またレイが隣で同じポーズを取っています。
「今度はエルフィですか。」
「なんか、たまに心臓の鼓動のような音がかすかに聞こえるのです。その音が聞こえると眠れないのです~なので今度は私と一緒に寝てください~」エルフィが私にいつもどおり背中に飛びついてくる。
「私と一緒に寝ても同じでしょう。」
「でも安心できるので~」そう言いながら肩や背中にグリグリと大きい胸を押しつけてくる。いつもどおり良い弾力ですねえ。
「調べますかねえ。いつからですか?」
「最近です~」うれしそうですねえ。反対にメアがすまなそうな顔をしています。
「その事なのですが、実は、あの地下室にあったペンダントを父親の形見として持ち帰ったのですが、家に戻って胸に下げてみると、私の視界に何か点のようなものが表示されるのです。どうやら、そのペンダントがかすかな信号を受信して、その方向を表示しているようなのです。」
「見せてもらっていいですか?」
「はい。」私はメアからそのペンダントを受け取り、解析を始める。
「なるほどねえ。確かに何か受信する装置のようです。しかも近くにある魔力に反応して動いているようですねえ。」
「身につけた人の魔力を使って、かなり遠くの微弱な生体信号を捉えて反応しているようです。鼓動のようなタイミングなので、もしかしたら父の心音を捉えているのではないでしょうか。」
「そうだとすると、メアさんのお父さんは、きっと生きているのでしょう。エルフィの安眠のためにもそれは調査が必要ですねえ。」
「申し訳ありません。」
「せっかく落ち着いたところ申し訳ありませんが、また旅をしましょう。」
「メアさんその方向はどちらを向いていますか。」
「南東の山です。」
「それでは、支度をしましょうか。」
「すまんがわしは動けんぞ。長命な人族がこの辺に落ち着いて暮らせるまでは、さすがに動けないぞ。」
「私も行きたいのは、やまやまなのだけれど、教会の件で手が離せないわ。」
「その音を聞きながらになるのですよね。ちょっと無理っぽいです」とエルフィは、言った。
「そうですか皆さん忙しそうですから、少し寂しいですが、2人で行ってきます。」
「いえ、今回は私も同行させてください。未踏査の所に行くのであれば是非。」パムが焦ったように言った。
「私も一緒に行きます。私には今のところ何も急ぎの用事はありません」ユーリもそう言った。
「二人とも本音がダダ漏れじゃのう」
「そうね、置いていかれることへの焦りと寂しさを感じたわよ。」
「・・・・」2人は見つめ合ったあと恥ずかしそうに下を向く。
「僕も行きたいです。」と、レイが言った。こちらも寂しそうだ。
「行ってきたら良いじゃない。何が問題なの?」
「獣人達の世話が・・・」
「問題が何かあるの?」
「けんかがまだ多くて、人に怪我をさせないか心配なのです。」
「わしが何とかしてやるから行ってこい。心配するな。」
「モーラ様、良いのですか?大丈夫ですか?」モーラを見て目を輝かせるレイ。
「先に獣人達に言っておけ、僕の不在の間に何かあったらモーラ様が出てくると。」
「わかりました。これから行ってみんなに言ってきます。」そう言ってレイは出て行った。
「大丈夫ですか?ここを守る戦力が足りていますか?」
「この縄張りの中ならわしはほとんど無敵じゃ。心配するな。」
「わかりました。では、準備をしに行きましょうか。」メア、パム、ユーリに声をかける。4人で荷馬車に乗ってファーンに向かった。途中でレイも合流する予定です。
 そうして、家の中にはモーラとアンジーそしてエルフィが残っている。
「ね~行かせて良いのですか~」
「わしも一緒に行きたいが、わしにはやることがあるのでなあ。」
「わたしもそうなのよ。でも、エルフィもそうなのでしょう?」
「えへへ、やっぱりわかります~?」
「まあ、あやつもそう思ってるに違いないし、パムもそう思っているだろうな。」
「まったく頭が良いのも善し悪しよねえ。」
「それはお互い様であろう。考えすぎるところもな。」
「家族の中で腹の探り合いをしてもねえ。まあ、あいつに言わせれば家族にだって秘密のひとつやふたつあるから気にしないでいましょうと言うわよね。自分が一番気にしているのにね。」
「まあ、そこまでもお互い考えているのだから良いことにしようじゃあないか。」
「では、みんなが出かけたら、それぞれの用事を手早く済ませましょう。」
「ああ、手早くな。」
「は~い」
 レイが合流してファーンまで到着して、買い物をしている。
「どうもあの3人おかしくないですか?」レイが珍しく怒っている。
「レイもさすがにわかってきたね」とユーリが笑っている。
「だって、あのエルフィさんでさえ今回一緒に行かないって言ったんですよ。変じゃないですか。」
「みんな一緒に行くのが私達家族ですからねえ。」
「あの3人のことです。何かしらあるのでしょう。考え出したらきりがありませんよ。」と私が言った。
「親方様は寂しくないのですか。」
「そりゃあ。寂しいですよ。でもね、レイが獣人の所に行ってもユーリがふるさとに行っても同様に寂しかったのです。どちらも用事があって仕方がなかったのですから。」
「あ」
「たぶんみんなのためになることをしたいのだけれど心配されるので黙っているのですよきっと。」
「たぶん私達がこう考えていると家に居る皆さんもそう思っているのですよね。」ユーリが言った。パムも同意している。
「だから気にしつつも尊重しているのです。」パムがやさしくレイの頭を撫でる。
「レイ、思いやりですよ。」
「はい」
 そして、ある店に向かう。食料品はスルーしている。不思議そうにレイがついてくる。
「今回の旅は、節約が大事です。いいですか。食料は現地調達で野営を基本とします。最近大名旅行ばかりでしたので、気を引き締め直します。もっともメアさんのおいしい料理ですから問題ありませんし、お風呂も完璧です。」
「わ~い」
「なので干し草の買い付けがメインです。」
「そうなりますね。」
「お肉は?」レイがよだれを垂らしている。女の子なのですからはしたないです。
「買いません。」メアがきっぱりと言った。がっくりと肩を落とすレイ。なだめるユーリ。
「それでも知らない地方の獣はまた違った味わいですよ。」パムがフォローするとレイの顔が明るくなる。現金な子です。
「一番贅沢なのが馬というのはどうなのでしょう。」
「文句は言いませんけど食べませんからねえ。」
 干し草の買い付けも終わり、調味料などの買い足しを行い、町を出ようとすると、町長が出入り口に立っていた。私は馬を止めて、馬車を降りて町長に近づく。
「どうしたのですか町長、こんなところで」
「いや、あんたが干し草を買っていったと聞いてな。また旅に出るのだろうと思って顔を見に来たのじゃ。」
「干し草を買っただけでそれがわかりますか。」
「まあ、いつもは買わないものじゃからなあ。しかも他に食料品は買っていない。野営が前提の長旅だろうと思ったのじゃがどうだろうか」
「町長には恐れ入りましたね。そのとおりです。ですがモーラもアンジーもエルフィも残っていますので安心してください。」
「いや、そうではない。おぬしを心配している。気をつけて行きなさい。」
「ありがとうございます。気をつけます。」
「では、戻って来た時にまたな。」
「はい必ず。」
 そうして町長と別れて家に戻った。家に戻ってその話をする。
「ほう町長がそんなことをわざわざ。しかし、よく気付くものじゃなあ」
「やっぱり普通のことなのよねえ。その着眼点。でも気になるわねえ。わざわざ声をかけるところとか。」
「素直に取れば気にしてもらっているとしか取れませんけどねえ。勘ぐり出すと逆にしか取れないと言うところですね。」
「皆さん汚れています。素直に好意として受け取りましょう。」ユーリが少し怒っています。
そうですよね。私達、根が腐っていますから。モーラもアンジーもパムもへこんでいる。もちろん私もですが。
「さて夕食を取ってお風呂に入りましょう。」メアがそう言って夕食になる。
「そういえば、パムさん革製品の仕上がり具合はどうだったんですか。」
「パープルさんの集落に作業場を作りまして、そこで作ってもらっていますが、品質にまだムラがありますから、市場に出せるのは何割かですね。ドワーフのほうは主体を鉄の加工にシフトを始めていますので、そっちももう少しかと。」
「エルフィの方の木工細工の方はどうですか。」
「1つに時間がかかりすぎています、もう少し効率よく削っていかないと厳しいかもしれません~けど、こちらも慣れですね~」
「なるほど。まだまだ先ですねえ。」
 そんな話をしながら食事は進みますが、最近のように元気な声がありません。すまなさそうなメアさんが静かにしていますので、私のぼけにも突っ込んでくれません。
 そして入浴です。全員で入っていますが。妙にぎこちないです。まあ、仕方がないのでしょうけど慣れませんねえ。
 湯上がりの牛乳タイムにエルフィが言った。
「今日は私と一緒に寝てください。お願いします。」みんながびっくりするくらい大きな声でした。
「え、ええ。いいですよ。他に誰か」
「ひ、ひとりでお願いします。」下を向いて耳まで真っ赤にしてまた大きい声でエルフィは、言いました。ああ、エルフの耳は端まで真っ赤になるのですねえ。とか思いました。
「他の人が良ければ。」見ると全員がニヤニヤ笑っている。ああ、申し入れ済みですか。
「じゃあ、歯を磨いて寝ますか。」私が手を出すとそーっと手をつかんでエルフィが言った。
「は、はぃぃぃ」おや噛んでいますねえ。みんなのニヤニヤ顔に見送られて私とエルフィは、歯を磨いてから、私の部屋に入りました。
「あかりを消しても良いですか?」相変わらず耳まで真っ赤にしているエルフィは、そう言ってモジモジしている。
「では、あかりを消しますね。」消してから私は毛布の中に入りました。なぜか衣擦れの音がして、それから毛布がめくられてエルフィが中に入ってきた。いつもなら背中が私の側に向けられるので後ろから抱きしめる形で寝るのだけれどどうやらエルフィは、こちらを向いているらしく手が背中に当たった。しかも肌の感触です。
「エルフィ、もしかして寝間着を脱いでいますか」
「はぃ」声が真正面からしかもか細く聞こえる。
「どうしたのですか。」
「みんなにそそのかされてきました。」
「そそのかされたのですか?」
「旦那様がきっと私が隠していることを気にしているから身の潔白を証明するためにはこれしかないと言うんです。」
「今は話せないのですか。こんな恥ずかしい事をするよりもですか」
「はい、恥ずかしいです。でも、旦那様としばらく会えなくなるからぎゅーっと抱きしめて欲しくて、それもあったのです。」
「私はね」そう言いながら私は、上半身だけ寝間着を脱いでからエルフィを抱きしめる。胸が当たって押しつぶされてもぎゅーっと抱きしめる。お互いの体温を感じる。たぶんお互い顔は真っ赤だろう。
「あなたのその天真爛漫さがうらやましいのです。寂しがり屋なところもね。素直に気持ちを表せて、人への気遣いもこれでもかというほどに出来る。私にはとうていできないのです。だからうらやましい。」
「そんな事を言わないでください。泣いちゃいます。」
「エルフィが今我慢していることが言えるようになるまで待っています。だから嫌いになんてならないですよ。身の潔白なんて証明する必要はないんです。」
「はい。でも寂しくて。会えないと寂しくて。」
「でも、大事なことをしているのでしょう」
「はい」
「でしたら、寂しさに負けないで頑張ってください。」
「お願いしても良いですか?」
「なんでしょうか。」
「チューしてください。」
「キスして欲しいのですか。」私はおでこのあたりにキスをしようとしています。
「違います。口にです。」
「わがままな子ですねえ。」私はそう言って口にキスをしました。逆に押し倒されて馬乗りになったエルフィは、暗闇でもわかるくらいにギラギラした目で
「このまま最後まで~」
「ちょっとエルフィそれはまずいですよ。みんな聞いて・・・むぐ」エルフィに口を塞がれてしまいました。もちろん唇で。
「だって・チュ・・とまらなく・・チュ・なったんだもの~」キスの攻撃と手が私のズボンにかかり、脱がそうとしている。まずいですよこれは。
「はい、そこまで~」アンジーが入ってきて明かりがつく。
「え~、今日は一人きりの約束だったはずなのに~」
「条件は言ったはずよ。あんたが一線を越えようとしないことってね」
「でも~合意の上なら良いって~」
「だから合意の上でも誰かに邪魔されたらそこで終わりって協定で言っていたでしょう。しかもさっきまではちゃんとしていたのにどうしたのよ。」
「そうなんですよ~最初はちゃんとしていたんですけど。キスしたらね・・・なんかたがが外れてしまったみたいなんですよ~」
「とりあえず寝間着を着なさいね。目のやり場に困るから。」はい、そうです。私は目をつぶったままですよ。
「ちぇ~でもいいやなんか吹っ切れたし~」そう言って床に落ちていた寝間着を着ているようだ。着終わったのか、わたしの寝ている後ろに潜り込んだ。
「じゃあお休み~」私の腕に胸を押しつけつつ瞬く間に寝てしまった。
「やるわね~まあ、いいか。私も隣、良いかしら」
「あ、はあ。」私が間の抜けた返事をするとアンジーが明かりを消して毛布に入ってくる。
「あら、上半身裸なのね。暖かくてちょうど良いわ。」そう言ってアンジーも眠ってしまった。私は、興奮したままどうすれば良いのでしょう状態で眠れませんでしたよ。このまま眠ったら朝にやばいことになりそうだったので、トイレに行きました。扉を出るとそこには、他の5人が待っていました。
「惜しかったのう」
「何がですか。」
「わしら初の成功者が出るところじゃったのに」
「いやサクセスしてどうするんですか。でもあんなことまでして話せない事なんてどんなことなのでしょうか。気になるじゃないですか。」
「さすがにわしも知らないのでなあ」他の4人も知らないようで首を横に振る。
「さて、トイレに行ったら戻りますね。皆さんおやすみなさい。」
「ああ、寝るわおやすみ」
「おやすみなさい。」
 そうして、私はトイレに行ってからベッドに戻りました。もちろん賢者になってからですけれど。
 翌日、メアの作った朝食を食べて、モーラ達に送ってもらい小型の荷馬車の方で出発した。
「エルフィ、泣くなよ」モーラが言った。
「な、泣いてないもん。」すでに涙声のエルフィ。
「本当に罪な男ねえ。たくさん女泣かしているもの、しかも家族を」とアンジー
「そういう言い方したらダメです~」
「そうね。そうだったわねえ。」3人とも荷馬車が見えなくなるまで見送ってくれた。

「荷馬車で来て良かったのですか?」手綱を取るユーリが言った。
「野営の道具を馬に積むよりはましかと思いましたので、それにこちらの荷馬車は、悪路に強い設定にしてありますから多少の道は大丈夫ですよ。ねえ、ウンとクウ」
「ヒヒーン」と答えるウンとクウです。
「あるじ様は、相変わらず馬と会話していますね。」
「そうです不思議です。」
「この子達が優秀なだけですよ。さてメアさん方向はこっちで間違いないですか。」
「はい、しばらくはこの道で良いかと。」
 そうして、旅は始まった。途中で道がなくなり迂回する場面も出てきたが、徐々に近づいていく。そして、すでに道はなく荷馬車での移動も無理になった。目の前に山がそびえ立っている。もちろん急傾斜で馬が登っていけるとは思えない。急激に気温も低下を始めている。
「ここからは徒歩になりますね。ユーリお願いがあります。この馬たちを連れて、麓の町まで戻ってください。」
「私、ですか。わかりました馬を連れて麓の町まで戻ります。」
「ここまで1ヶ月近くかけて来ていますから、納得できないでしょうけど馬たちにはここからは無理です。ユーリも体温保持のために魔法を使うことが出来ないようですから凍傷になられても困ります。」
「ユーリ、私は、寒冷地で育ってきて体質と硬質化で体温低下を止められます。私もあなたを無理させたくないのです。」パムが私のフォローをしてくれました。
「わかっていますがくやしいです。魔法をもっと覚えなければ。あるじ様その魔法持っていないのですか。」
「残念ながらその魔法は習得していないです。」
「でも、あるじ様とメアさんは大丈夫なのですよね。」
「ユーリ、ホムンクルスの体は、そもそもそんなに体温を必要としません。私の脳と心臓とそこに使っている血液は、体内で温められていますからたいした魔力を必要としていないのです。」
「私は、魔法で全身に耐寒装備をしています。これは、魔力の消費が大きいのでユーリには無理だと思います。アとウンをよろしくお願いします。」
「わかりました、下山します」
「よろしくお願いします。」そうしてユーリは、馬車に乗って山を下り始める。
「ユーリならまだ進めたと思いますが良かったのでしょうか。」
「ここから先はたぶん未知の領域になります。突然天候が変わったりします。」
「こんなに晴れているのにですか。雲ひとつありませんよ。」
「しばらく歩いてみてからもう一度聞きますね。」
 そうしてしばらく山道を歩いていると、突然周囲が白い雪に囲まれ吹雪になった。これまで歩いてきた道も真っ白になり足跡も残っていない。
「これはどういうことですか。いきなり雪山になりました。」さすがにパムも驚いている。
「たぶんあそこから違うところに飛ばされたんだと思います。メアさんどうですか。」
「いいえ、座標も飛ばされてはいませんし、指している地点の方角も変わっていません。しかし、近づいています。どういうことでしょうか。」
「しばらく歩きましょうか。」私は、ポケットの中の物を1個だけそこに落とした。
 しばらく歩くと雪がなくなってなだらかな道になり、さらにその先には林が、その中を歩いていると徐々に勾配がきつくなり、上に登っている感覚があり、そのまま進んだ。林を抜けると先ほどと同じような雪原が広がっていて、さらに歩いて行くと足元にさっき落とした物が落ちている。
「やっぱり周回させられていますか。メアさんどうですか。」
「光の位置が一周しました。」
「では、今度はメアさんの光を頼りに登りましょう。」
 私は、そう言ってメアを先頭に進む。しかし、メアは途中で止まった。
「どうも光を少しだけ曲げられています。だんだんずれていきますね。」
「さてどうしますか。この山の中腹までは行けそうですがその先の目標が不明では困ります。」
「お待ちください。上ばかり気にしていましたが、足下には青い点がいくつも見えるのです。これは・・・魔鉱石ではありませんか?」メアはそのひとつをつまみ上げて私に渡す。
「ああ、確かにそうですね。そして、何か記号が浮かび上がります。緯度と経度を示していますね。しかし、0の座標がどこなのかわからないと判断できません。」
「いくつか離れたところにあります。」
「ぬし様、いきなり気温が下がり始めています。これは、まずいです。」いつの間にか夕暮れから夜になった。おかしいですねえ。まだ昼頃のはずなのに。
「天候や気象を操るのですか、やっかいですね。一度戻りましょう。でも、もう一点の座標だけ確認しましょう。さすがに何か成果が欲しいところです。」
私はパムの回りに土のシールドを構築してその周囲を炎で一度焼いた。
「どうですか少しは暖かいでしょう。」
「はい助かりました。」
「例のワイヤーをつないで少し離れます。常に引っ張っていますから注意してくださいね。」
「はい。」
「メアさんどうですか。近くに青いポイントがありますか。」
「はい、ここから先の少し右の方にあります。」
「ああ、ありました。おや風が強くなってきましたね。手にしたワイヤーが凍っていく?パムさん大丈夫ですか。」
「2回引っ張ります。確認できましたか。」
「たぶん強い風のせいでたわみがひどくて確認できないようです。仕方ありません、一度山を下りましょう。」
「ご主人様お待ちください。座標が判明しました。一度戻って体制を立て直しましょう。」
「パムさん、ああ、シールドがすごい雪に覆われてしまいました。焼き払います。」
 私は炎の魔法を使い、雪を溶かしにかかります。しかし風が強く上手く溶かせないでいる。
 パムは、シールドのもろくなった部分をこぶしで破壊してそこから出て雪を越えて出てくる。
「ぬし様急ぎましょう。とりあえず下に向かいましょう。」3人で転がるように坂を下る。
 しばらくすると風も止み雪も無くなり普通の木立に風景が変化する。その変化に私達は足を止める。
「ユーリ聞こえますか。」
「ああ、やっとつながりました。何度も呼びかけていたのですが全然聞こえませんでした。何かあったのですか。」
「どうやら深みにはまったようですね。でも、面白くなってきました。」
「ぬし様、お声からわくわくしているのが感じられます。怖くはないのですか。」
「ええ、ちょっとこれまで、楽をしすぎていたと感じたところです。やはり冒険はこうでないといけません。」
「ご主人様を止めた方が良いのでしょうけど、きっと止まりませんね。」
「ちょっと怖いですねえ。ついて行けるのか不安です。」パムが不安そうだ。
 3人で話しながら山を下りていく。麓の町の手前でユーリが待っていた。
「大丈夫ですか?」
「実は、ユーリと別れてからしばらくして、雪になりました。そして道がループしていて元に戻るようになり、メアさんの示す目的を目指しても少しずつ歪んで歩かされていて、風と雪が強くなり、あきらめて戻って来たのです。」
「ご主人様、それについてですが、少し疑問がございます。」
「メアさん何かありましたか。」
「実は、さきほどの状態の補助脳の記憶を見直したのですが、おかしいのです。」
「どうおかしいのですか。」
「私も寒さを感じ、強い雪の感触がありました。しかし、補助脳の記録では、気温も下がっていないし、風もなく雪など存在していないのです。」
「なるほど、私達の脳に直接感じさせたということですか。」
「私にはわかりませんが実際の記録と記憶は間違いなく違うようです。」
「でも、ワイヤーも凍りつき、シールドも雪で覆われ雪をよけて出てきました。あれが、嘘だというのですか。」
「魔法をかけられた感じはありませんでしたが、確かに戻ってくるときもいきなり雪がなくなりましたからね。」
「あれは、不思議としか言い様がありませんが、雪とはそんなに唐突に現れたりなくなったりするもなのですか。」パムが不思議そうだ。
「雪のないところで育ったのならわからないかもしれませんね。」
「いえ、寒冷地にはいましたけど雪というのは最初からあるもので消えたりするものではないと思っていました。」
「つまり、雪は一定の場所にしかないと」
「そうですね。降ってもその地方だけです。」
「わかりました。一度家に戻って装備を再考しましょう。」
「いいのですか?」
「まあ、結論を急ぐのは早いので。今度来るときには、ここまで一気に来られるように、ここにマーカーを埋めておきます。」
「では、ペンダントを使って戻ります。私の作る魔法陣の中から出ないでくださいね。」
「いいのですか?」
「魔法使いの里では、もう使われていますよ。では、」
 そうして一気に自分の家の前に飛んだ。しかし、そこは、以前住んでいた家の前だ。
「ああ、そういえば座標設定あのままでしたねえ。」
『おぬしらいつ帰ってきた。突然現れたようだがなにかあったのか。』
『大丈夫です、以前に使ったペンダントと同じ魔法で帰ってきました。』
『設定が前の家の前だったようです。』
『ああ、そういうことか。早く帰ってこい。エルフィが涙で溶けそうじゃ。』
『はいはい。』
 馬たちを厩舎に入れて、荷馬車から荷物を降ろして倉庫に一度入れる。衣類などは袋に入れて家の中に持ってはいる。
「だんだざばぁ」扉を開けてはいるとエルフィが涙ながらに飛びついてくる。
「寂しかったのかい。ごめんねえ。」
「ざう゛ぃしがっだのぅ。」
「これはこれは、大変ですね。」
「少し前に連絡が途絶えたじゃろう。すぐに出発しようとするのを止めるのが大変だったぞ。」
「帰ってくる直前ですよね。」
「ああ、何かあったのか。」
「お風呂で話しましょうか。」
「ああ、そうするか。食事はどうする。」
「旅の途中で干し肉やらいろいろ作りましたし、新鮮な魔獣の肉もありますからそれを食べましょうか。」
「助かる。わしら3人では食事を作ることが出来なくてなあ。」
 台所からメアさんの悲鳴がかすかに聞こえた。
「ああ、ユーリ、レイ、台所に行って手伝いましょうか。」
「はい」そして入った台所の惨状に悲鳴をあげそうになる。
「どうやったらこんなにひどいことになりますか。」メアがこめかみを手で押さえる。
「いや、まあ、なんだ、すまん」
「いいえ、こうなる危険を見抜けなかった私のせいです。」
 そう言って片付けを始めるメア。私とユーリとレイは、積み上がった食器をひとつずつ丁寧に降ろして、シンクを広げる作業にはいる。どうやったらこんなに上手く積み上がるのでしょうか。
 片付けが終わり、傍らで料理をしていたメアが作った鍋物が良い匂いを運んでくる。
 私達も追い出されて、テーブルで食事が出てくるのを待つ。出てきた鍋は、簡単な鍋料理なのに出汁のきいたおいしい鍋になっている。当然、野菜はほとんど入っていない。
「いただきます。」アンジーのお祈りの後静かに食事は始まる。と思ったら、モーラとアンジーとエルフィがガツガツと食べ始める。
「おなかすいていたんですねえ。」
「ちがうわよ。おいしいものに飢えているだけよ。」
「なるほど。」
 そうして、食事も終わり、お風呂に入る。
「途中で帰ってきたと言うことは、何かあったのじゃな。」
「はい」私はそう言って体験したことを話す。
「ふ~む、どういうカラクリかのう」
「さっぱりわからないわねえ。脳に直接働きかける感じだけど、仕組みがねえ。」
「それでこの後どうするのじゃ。ここでしまいか。」
「そうはなりませんよ。どうせ、ここに残ったのは、何か原因があるのでしょう?モーラとアンジーには。」私の問いにモーラとアンジーが互いに顔を見合わせる。
「さすが、賢者様よくおわかりじゃな。」
「ちょっと頭の回転よくなりすぎじゃない。」
「お褒めいただきありがとうございます。師匠が良いせいですかねえ。」
「ま、それもあるか。」
「今回の件は、非常にまずいと思ってな。おぬしが絶対行くのは間違いなかったから、里にその話をしに行ってきたのじゃ。」
「私もね、どうせ止めても行くのだから勝手に行ったことにして、天界とルシフェル様にその話をしに行ってきたのよねえ。」とアンジー。
「単にメアさんのお父さんを探しに行っただけなので、そんなにまずいことをした覚えはありませんけど。どういうことなんですか。」
「里で長老と話をしたのじゃが、まあ、行こうとしている山は、入ってはならないと言われている山らしかったのじゃ。どうやらメアの父親はこの世界の禁断に触れたようなのじゃ。だから生きていたとしても会っただけでおぬしらも全員ここには戻られなかったと思われるのじゃよ。」
「あの山にはそんな秘密があったのですか。それはぜひリベンジしないと。」
「やっぱりまた行くつもりなのねえ。止めはしないけど。」
「おや、アンジーさん引き留めませんか。」
「止めれば止めるだけ行きたがるだろうし。しかも私達に黙って勝手に行くだろうし。私としてもメアの父親が生きているのなら会わせたいしねえ。」
「あとね、一応あんたならこの世界の禁断に触れたところでふれ回ることもないだろうしねえ。天界にはそう説得して渋々了解させたわよ。」
「ああ、里にも念押しはしておいたわ。」
「では、再度装備を整えて出発します。」
「行くしかないみたいねえ。」
「わしも一緒に行って、その地を縄張りとするドラゴンに挨拶しておこうかのう。」
「そこは、誰の縄張りなんですか。」
「ああ、そういえば知らせてなかったな。光の奴だよ。もっともその手前までじゃがな。」
「現在のドラゴンのナンバーツーじゃないですか。」
「ああそんなことはないぞ、始祖龍を除けばほとんどが対等なのでなあ、普通に話せる奴じゃよ。」
「じゃあお手数でしょうけど私達を乗せてそこまで飛んで行ってくれませんか。」
「それがのう、光の縄張りまでの間に住んでいるドラゴンが問題なんじゃ。」
「モーラ様、以前は、気配を感じただけで、昔勝負を挑んできたドラゴンはほとんど襲ってこないと言っていませんでしたか。」ユーリが不思議そうに言った。
「まあ、そう言う意味では近づいてこない者がほとんどだったのだが、こやつだけはのう、恨みに近いものを感じているらしくてなあ。わしにもどうにも出来ないのじゃ。」
「そうなのですか。」
「まあ、里にいたときの話じゃからもう忘れているかもしれないのじゃが、わしがこの地に縄張りを持ち、あやつが光のそばに縄張りを持ったときにわしも安心したのじゃよ。」
「そんなに因縁があるのですか。」
「わしも生まれたばかりで若かったからのう。何度倒されても向かってくるあやつに対して、最後の方は、かなり手ひどくやり返したこともあるのでなあ。」
「何か向かってくるだけの理由があったのでしょうか。」パムが尋ねる。
「今となってみると、わしのすぐ前に生まれて、ちやほやされていたのに急にわしが生まれて、長老達の感心がわしに向いたのが気に入らなかったのかもしれないな。」
「それっていじめじゃないんですか。」
「最初は、生まれたてでよう判らなかったから、わしも対応が中途半端でなあ、それも奴の怒りに火をつけたのかもしれんのじゃ。」
「そのドラゴンさんて属性はなんなのですか?」
「影じゃ。」
「影ですか。」
「ああ、影じゃ。」
「闇ではなくて?」
「属性は闇になるのじゃろうが、影じゃ。」
「どんな魔法なのですか。」
「そうじゃな。人の影の中に潜伏してそこから魔法で攻撃できたりする。影の針でなあ。」
「日に当たって消えたりしないのですか。」
「ああ、影の中で生成したものは、光に当たっても消えない。じゃが影でしかない。日の光や月明かりがないと影は出来ぬ。その間は普通のドラゴンで存在する。わしが里にいた頃には、わしが地面を移動するときに影に混じっていたずらをされたりしたのでなあ。あと、空を飛んでいても、地面にある影から直線的に攻撃できるので大変やっかいじゃったわ。」
「苦手だったんですねえ。」
「最初はよく腹に攻撃されて痛かったが、皮膚が堅くなってからは、鈍い痛みしか感じなくなったので、気にしないようになったからなあ。その次からは、鋭い針のような影で攻撃したり、ドラゴンの姿で直接攻撃してきたりしたわ。わしの印象は面倒くさい奴という認識で、別れたときには、本当にせいせいしたわ。」
「では、行かない方が良いのではありませんか。」
「光の奴には会っておきたいのでなあ。なので、手前で降りて地上を進むつもりじゃ。空を飛んでいるときに攻撃されたらおぬし達を落としそうだからのう」
「たいした攻撃ではなかったのでしょう?」
「それは小さいときの話で、わしだって脱皮をしてかなり攻撃力を増しているであろう。あやつとて、それなりに成長しているであろう。どんな攻撃が繰り出されるかわからん。地面にいれば、少なくとも何らかの気配がわかると思うのでなあ。」
「であれば、普通に馬車で参りましょう。」パムが言った。


  続く

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