俺様はネコなのだ〜猫は異世界に行ってもネコ〜

わんこ

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本編

第1話 俺様のプロローグ(4)

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今、俺様は、臭い人の背中に居る。背中の荷物の上だ。
抱えられたり、肩に載せられたりしたけど、少しでも臭いがマシな荷物の上にしがみつく事にした。

臭い人はのっしのっしと進んでいく。
もう少し揺れないように歩いて欲しいものだ。

「おまえ、名前はあるのか? おれはガイルだ。この先のキャンパリフの町でハンターやってんだ。ハンターって知ってるか? ハンターってのはだな~」

色々と話しているけど俺様は昼寝の時間だ。荷物がいい感じに体を受け止めてくれるからのんびり眠れる。
俺様は昼寝、臭い人ガイルは歩け~
なんか時々「ガハハハ」って大きな声で笑うから、その度に耳をピクピクして起きちまう。静かに歩けよ。

何度か休憩して空気が少し冷たくなってきた頃、やっと到着したみたいだ。

「よーし、ここがキャンパリフの町だぞ。はじめて来たか?」

荷物の上で、んん~っと背伸びをする。狭いから座って上に伸びるスタイルだ。

ふーん。ここが町か、ちょっと上を向いて空の匂いを嗅いでみる。
うーん・・・料理の匂い? 動物の匂い? 大勢の人の匂いもするかな。
なんか大きな壁がある。あの中から色んな臭いがしてくるな。

「よう、ガイル、なんだその背中のヌコは?」

壁の大きな穴のところで、長い棒をもった人が話しかけてきた。

「おう戻ったぜ。こいつ、東の草原で見つけたんだけどよ。なんで草原に居たのかはわからねえ」

棒の人が、俺様を覗き込んできた。この人はそんなに臭くないな。

「ふーん、ヌコだな。白ヌコを連れている行商人がたまに居るから、そんなとこじゃないか?」

「馬車から逃げ出したか、行商人が襲われちまったってところか?」

「だいたい、そんなとこだろうよ。
  そんじゃ一応規則だからギルドカードを見せてくれ」

「てめーいい加減に”顔パス”ってやつにしてくれや」

「むさいオッサンの顔なんざ覚えたくもないね。
  ほら早く出せ、よし通っていいぞ」

「おう、じゃあまたな」

大きな穴をくぐると、そこは町だった。
どどーんと広い道が続いていて、でっかいトカゲが車を引っ張ってる。
トカゲの尻尾がフリフリしていると、飛びつきたくなってきたぞ。
でもデカすぎるから獲物にはできない。

「そんじゃ、一度ギルドに行くぜ」

臭い人ガイルは、のっしのっし歩いていく。
○んち(たぶんトカゲの)が落ちてるけど気にせず踏んでいく。
あんたが臭いのはそれが原因か? 後頭部を軽く猫パンチ

「お? なんだよ。そうだな、ちょっと小腹が空いたところだ、あれ買ってくか?」

よし! いい感じに話が転んだぞ。
臭い人ガイルが指す先をみると馬車っぽいような屋台っぽいようなところで、なにか焼いてる。
この臭いは・・・お肉っぽいかな

「おうオヤジ、一本くれ」

「オヤジ言うなガイル、オマエの方が年上だろうが」

「オヤジっぽいからオヤジでいいだろ。
  ほれ銅貨3枚」

「まいど」

「こんなとこで商売やってワラントのヤツらに目を付けられないようにしろよ、じゃあな」

でっかい焼鳥みたいのをフリフリしながら臭い人ガイルはまた歩き出した。
その焼き鳥でっかいね。美味しいのかな?

「に”ゃ~~」

この鳴き声は、ちゃんと意味あるよ。はやく味見させろっていう抗議だ。

「ほれ、おまえも食え」

臭い人ガイルは、でっかい焼鳥を、背中の荷物の上の俺様の前まで差し出した。
なに? お皿に入れないの? このままカジッていいの?
荷物の上は揺れるから、かじりにくいんだけどさ。
左前足でビシっと抑えて、右前足で、ガシッと臭い人ガイルの後頭部に爪を立てる。

「痛っ おい! なんで爪立てる?!」

ふふん、そんなの知らないよ。
お肉をカプっと咥えてみる。うん、お肉だ。
シンプルな味付け、いや、味付けしてない自然なお味。
俺様の猫缶に近いかも・・・とうことはだな、これは俺様の好きじゃない味ってことだ。

お肉から口を離して、汚れた左前足をなめなめする。

「なんだ、食わねえのか? まったくヌコってのは訳がわからねえな」

臭い人ガイルは、焼き鳥に豪快にかぶりつくと、次々と飲み込んでいく。もうちょっと、ちゃんと噛んで食べたら?ってママに言われるよ。

「よーし、ここがハンターギルドだ」

ハンターギルドってなんだ?
臭い人ガイルが、扉をバーンッって開けてずんずん中に入っていく。
うわー、変な臭いがいっぱい。変な人がいっぱい。

「よーーガイル戻ったか、リハビリはどうだったぃ ハッハッハ」

「てめえら、もう出来上がってるのか、
  ちょっと待ってろ! 報告済ませてくるぜ」

臭い人ガイルは、奥まで進んで「依頼受付・報告」って書いてるところまで来た。

「ほれ、オマエは降りろ、ほれほれ」

トタンっと机の上に着地する。キマったな俺様かっこいい。
どうだ!っと机の向こうの女の人を見上げる。

「まあ、かわいいヌコちゃん、こんにちは、ハンターギルドへようこそ」

やっぱり女の人はいいな。
くんくんくん、ちょっと安心できる臭いだな。
茶色の毛並み? 優しそうな感じだな、俺様がサービスしてやろう。
女の人の手にスリスリっと。

「おまえは、女の子には愛想いいのかよ。まあ解るけどよ」

「ガイルさん、おかえりなさい。リハビリはどうでした? コボルトの討伐でしたよね」

「おうバッチリだ。だいぶカンを取り戻したぜ。こっちが討伐証明部位だ」

臭い人ガイルが、腰あたりから革袋を取り出す。
それ妙に臭そうなんですけど? 机の上に中身を取り出す。
犬の耳みたいのが、バラバラバラっと?!

おええええええ、臭い!!
臭い人ガイルが臭いのはそれが原因かあ!!!
とてもココには居られない。
机の上からジタバタっと走り出す。

おえええええ

「おおい、どこへ行く!」

「だめよヌコちゃん、そっち行っちゃ!」

知るか! そんな臭いもの出してくるほうが悪い!!
ドタバタ走りながら落ち着けるところを探す。
奥の方まで走って壁に突き当たる。適当な机にスタっと飛び乗る。

「あらあら? ヌコちゃん、どこから来たの?」

また女の人だ。この子は赤い毛並み。
なんかゆるーい感じ?

「ナリン! そのヌコちゃん、捕まえておいて!!!」

「はーい先輩わかりましたぁ~、
  ヌコちゃん、ちょっとここで待っててね~イタズラはダメよぉ」

赤毛の女の子ナリンは俺様の頭をナデナデすると、だれも居ないところを見ながら一人で話しだした。

「さ、もうちょっと練習しとこう、コホン、えーと・・・
ハンターギルドへようこそ、登録の方ですか? それでは、こちらの用紙に記入して下さい。字が書けないようでしたら代筆も可能ですよ。
はい、代筆ですね。追加料金がかかりますがよろしいですか?
では、まずお名前を教えて下さい」

なんか、変な人ばかりに出会うなあ。とりあえず返事しとくか

「みゃ~」

「ふふふ、ヌコちゃん練習を手伝ってくれるの? じゃあ、お願いしようかな
お名前はみーちゃんですね。
種族はヌコでよろしいですね?」

「にゃー」

「はい、続いて、使えるスキルを教えて下さい」

スキル? こたつとか、無限収納とか?

「うにゃにょぐにょにゃにゃ~」

俺様はネコだからね。喋れないからこうなる。

「はい、ありがとうございます」

赤毛の女の子ナリンは、用紙になにか書き込んでいる。くんくんくんと覗き込む。うん、何か書いてる。俺様には読めないけどな。

「少しまってくださいね~
ハンターの人たちもヌコさんみたいにカワイイ人たちなら良いんですけどね~
どうしてあんなにむさ苦しいんでしょ、ちょっとは見た目に気を使てばいいのにね」

俺様はネコだから見た目はどうでも良いんだけどな。あの臭いはなんとかしてほしい。

「さあ、できました。
  では、こちらのプレートがあなたのギルド証になりますよ。
あなたの血か唾液を一滴、この裏面につけて下さい。
て言うとね、ハンターに人たちは見栄をはって、わざわざナイフで血をだすんだってさ、痛くないのかな、唾液でいいじゃんね。ちょっと汚いけどさ」

くんくんくん、ふむ、このプレートに唾液? 舐めればいいのかな。
ぺろぺろぺろ。
うわー味しない。臭いもしないけど。

「はい、ありがとうございます。少々お待ち下さい」

赤毛の子は、横にあった何かの機械に用紙とプレートを載せると、両手をかざして「ぶつぶつぶつ」っとつぶやいた。
俺様にはそうとしか聞こえなかったけど、なにか気配が動いたから意味があったのかな。

プレートがふわっと光り輝いた

「え! えぇぇ?! どういうこと?」

赤毛の子がびっくりして大きな声をだした。

「ちょっとナリン、また何やらかしたのよ!!」

茶色の女の人エヌエラがやってくる

「せんぱーい、このヌコちゃん、登録できちゃいましたぁ~」

「え? ヌコちゃんを登録したの? 何やっているの」

「だって、動物は登録できないはずじゃないですかぁ、練習にちょうどいいと思ってぇ」

「それにしたって、また勝手なことを・・・、でもそうね、動物は登録できないわ」

茶色の女の人エヌエラは、機械みたいのからプレートを拾ってじっと見てた。

「名前、みーちゃん、レベル1、HPとMPはヌコだからこんなものなの? スキル・・・こたつ? 無限収納?? 言語理解??」

茶色の女の人エヌエラは、なにこれどういうこと?って何度も言ってる。
赤毛の女の子ナリンは、おろろろしてる。
俺様は、とりあえずペンを転がす。
ころころっと転がって机から落ちる。

「ああ、だめでしょ。
  ちょっとナリン この子を捕まえておいてね」

茶色の女の人エヌエラは、どこかへ行ってしまった。赤毛の女の子ナリンは、プレートを見ながら

「あなたのお名前は、本当にみーちゃんだったのね。私すごくない? これをお首につけましょね」

赤毛の女の子ナリンは、机の下からバックを取り出すと中をごそごそ。

「えーと何かないかな。そっか、これでいいかな」

バックから赤いリボンを取り出した。

「私、髪の毛が赤っぽいでしょ?
  だから赤いリボンはちょっとイマイチなの。
  ハンターのおじさん達はわかってないのよね」

プレートの両サイドの穴にリボンを通すと、俺様の首に巻きつけた。

「ほーら、可愛く結べたわ。これであなたもF級ハンターね。
ヌコちゃんがハンターになるなんて、たぶん世界初よ! すごいぞ私!」

俺様はハンターになったらしい。臭くなるのはやだな~~~
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