俺様はネコなのだ〜猫は異世界に行ってもネコ〜

わんこ

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本編

第6話 俺様のダンジョンツアーとかくれんぼ

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「くそ! ネクロマンサーがスケルトンを召喚しやがった!! みーちゃん隠れてろよ!」

現れたスケルトンは7体。臭い人ガイルは少し前に出て待ち構え、襲ってきたスケルトンに大きな包丁ショートソードを叩きつけた。カシャーンと音がしてバラバラになって崩れ落ちた。続けて2体のスケルトンにも大きな包丁ショートソードを叩きつけたけれど、次のは間に合わなくて蹴飛ばしてバラバラにしていた。
こうして見ていると、臭い人ガイルは結構強いんだなと感心するな。

スケルトンが砕けて、骨が床に落ちるたびに、カンカラカンと良い音がする。
臭い人ガイルが拳で殴り飛ばしたスケルトンが、バラバラにならずに俺様の方に倒れてきた。頭蓋骨が床に当たった時に、カコーンと音が響いたから、俺様は走り寄って右の前足で頭を押さえ込んだ。
骨だけど動くから面白いな。と思ってたら顎の骨がカクカク動いて口が開いたり閉まったりしている。だから、左前足で顎を押さえ込んむ。ちょうど両手で抑える感じになった。
そしたら、口を開けたまま動かなくなった。ちょっと口の中を除きこんでみる。
ほどよい狭さ。
俺様は首を突っ込んでみた。もぞもぞ動いて背中まで押し込んで、そこから、体の向きをかえつつお尻まで入り込んだ。

いい具合に収まったな。案外と快適かもしれない。
と、思っているとスケルトンが動き出した。立ち上がってちょっとふらふらしながら歩いている。
俺様は、もう一度 体を回して隙間から外が見えるようにした。これは、ちょうど目の所だな。そこから片目で外をみる。

ちょうど、臭い人ガイル大きな包丁ショートソードを構え直して、スケルトンと向かい合った所が見えた。スケルトンも曲がった包丁シミターを持っているな。

そしたらまた、あの甲高い叫び声が聞こえた。それもすぐ横で。
うるさいな! と思ったら、このスケルトンは黒い人影ネクロマンサーの隣まで来ていたみたいだ。

叫び声が収まると、今度は床一面に大きな丸い光が沢山現れた。そしてスケルトンがいっぱい現れると臭い人ガイルに襲いかかっていった。

俺様は頭蓋骨の中に居るから襲われる心配はなさそうだ。がんばれ臭い人ガイル、俺様はここで隠れているからな。でも、このスケルトンを倒すのは後回しにしてほしいな。
俺様は、臭い人ガイルから見えるように、口から尻尾を出して振ってみたり、目から前足をだしてみたりした。

もぞもぞもぞと動いて、前足で押したり後ろ足で蹴ったりして体を動かしていたら、突然ペキっと音がして、頭蓋骨が割れた。カラカラと音がして俺様は床に落っこちた。おっと、背中から落ちるなんてヘマはしないからな。

シュタッっと着地した俺様の目の前に黒い人影ネクロマンサー。ちょっとお互いに気まずい雰囲気だな。これは挨拶した方がいいのか? 縄張りに勝手に入ったから機嫌が悪いんだろうか?
じゃあ、ちょっとだけ、ごはんをお裾分けしてやるからな。

俺様は、収納から魚の干物を一枚取り出した。干物が床にぺちっと落ちる。
これ美味しいから食べてみなよ。

黒い人影ネクロマンサーは、戸惑っているみたい? 食べないのかな。魚はキライなのかい?

魚の干物を眺めていたらと俺様も食べたくなった。干物をもう一枚だす。
床にぺちっと落ちたら「いただきまーす」 うにゃうにゃ言いながら食べる。やっぱ旨いぞ。黒い人影ネクロマンサーを見る。ほれ、旨いんだぞ?

黒い人影ネクロマンサーが大きく揺らめいたと思ったら、何か気配を飛ばしてきた。そうしたら、魚の干物の下に小さめの光の輪が光った。
そしたら、魚の干物がピチピチと動き出した。
なんだこれは?! 干物が活け作りになったぞ?

前足で押さえると止まる。前足を退けるとピチピチする。
押さえる止まる、離すピチピチする。ちょっと楽しくなってきた。
思わずガブリとかじってみる。
すごい! めちゃくちゃ美味しい!!

その時、ガラガラっと骨が飛んできて、臭い人ガイル黒い人影ネクロマンサーに包丁を叩きつけた。黒い人影ネクロマンサーはササっと壁際まで逃げていく。あの動きはGに似ているぞ。

「みーちゃん、この隙に撤退するぞ」

え? もう帰るの?

俺様は、ぴちぴちしている干物を収納へぽいっと投げ入れる。
そうそう、あいつ用のが、もう一枚、床でピチピチしている。
せっかく出してあげたのにな。
そっちも咥えて収納へ入れようとしたところで臭い人ガイルにつまみ上げられた。
そのまま走って階段まで戻って駆け上がる。

最下層から5階層へ戻ったら、階段からすこし離れたところで臭い人ガイルが座り込んだ。汗だくで息が洗いからすごく疲れているみたいだ。

でもね。汗だくで臭いから俺様はちょっと離れて座った。

「あの状況で干物食ってたのか? すげーな、みーちゃんは!」

そうそう、魚の干物をくわえてるのを忘れてた。地面にポてっと降ろす。ぴちぴちと跳ねる。

「なっ! なんだそりゃ? 干物が動くだと???」

臭い人ガイルは両手を地面について、ぴちぴち干物に顔を近づけて観察している。

「こりゃ、もしかしてゾンビか? 魚の干物のゾンビ?」

魚の干物のゾンビが地面でぴちゃんと大きくはねた。俺様はすかさずキャッチ!!

「みーちゃん、それ食う気なのか? 大丈夫か?」

もちろん食べるぞ? めちゃ旨だぞ?
俺様は、干物をうにゃうにゃ言いながら食べる。

「うーん、美味そうに食うんだな。オレにもひと口くれ」

臭い人ガイルが魚の干物ゾンビを指でつまもうとした。
ちょっと待て! ごはんを横取りするな!

「フギャァァァァァァァッァァァ!!」

「すまん、わるかった」

「フォォオォォ~!!!」

俺様はこの町に来てから初めて割と本気で怒ったかもしれない。

「怒ったみーちゃんはネクロマンサーよりおっかねえな」

俺様は、魚の干物ゾンビを収納にぽいっとしまうと、ちょっと深呼吸して背中をペロペロっと舐めた。
まあ、今回は許してやるかな。
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