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本編
第7話 俺様の誘拐事件とデスクの書類
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屋敷のほうへ歩いていくと、太った商人の声が聞こえて来たのだ。「ひぃ」とか声をだして情けないやつだ。ちょっと様子を見てやるかな。声は向こうの窓から聞こえてくるな。ちょっと開いているから、窓枠に飛び上がって隙間からするっと中へ入ってみたのだ。
部屋の中には、大きなデスクと、その前にソファーセットに小さなテーブル。白髭の爺さんの部屋と似た感じだな。ソファに太った商人が座って「ひぃひぃ」と悲鳴をあげてるけどな。足から血が出てるから、ちょっとやり過ぎたか? 最近ちょっと力が強くなった気がするからな。ごめんよ。
それから、メイド服ってやつかな、女の人がタライの水で傷を流してあげてる。水をかける度に「ひぃひぃ」言ってるから、メイド服の女の人もわざとやってないか?
そういえば、ちょっと喉が乾いたしな、水をもらっていいかな? 傍まで近づいて声をかけてみた。
「にゃ~~~」
「「ひぃぃぃ」」
メイド服の女の人と太った商人が一緒に驚いているけど、そこまでビックリしなくても良くないか?
ま、それは、それとして、お水をもらおう。たらいに前足をかけて、水をぺろぺろ。美味しくないけどな。
「これが旦那様を襲った凶暴なヌコでございますか?」
「こいつだ、悪魔のように凶暴なやつだ!!」
ん? 俺様のことかな? ちょっと首を傾けてメイド服の女の人を見上げてみた。
「 ・・・・・・かわいらしいヌコにしか見えませんが・・・・・・」
メイド服の女の人の足元を軽くスリスリ。それから、ソファの上に飛び乗ってみた。
ふっかふかだな。さらっとしてて気持ちいいぞ、これは昼寝するしかないな。
「おい! ソファから降りろ!」
そんなこと言われても、気持ちい場所だからな。俺様は気にせずに丸くなる。
「たかがヌコの分際でソファに上がるなど、身の程をわきまえろ!」
うっすら目を開けて見たら、真っ赤になって怒ってるけどさ。
「旦那様、先に傷口を洗ってしまいましょう。足をこちらへ」
メイド服の女の人が足をもってひっぱったら、太った商人は「いててて」とか言って大人しくなった。
「ポーションを取りに行かせてますから、もう少しガマンして下さいませ」
ポーションね、臭い人達がいつも持ってるやつだな。下級ポーションとか中級ポーションとか。
どんな味かな? 舐めたことないから今度狙ってやろう。
ソファの上で落ち着くところを探していると、廊下の方が騒がしくなったぞ? 耳をピクピクして聞き耳を立てていると、誰か走ってくる音がして扉がバタンと勢い良く開いて駆け込んできた。
「ちっちっちっ」のおじさん達だな。腕が包帯でぐるぐる巻きだけど、大丈夫?
「ステハン様!! 倉庫が! 倉庫が消えてます!!!」
「はぁ?」
「ですから、倉庫が無いんです。何もないんですよ! ポーションを取りに行ったら2番倉庫が消えてるんです」
「下級ポーションの在庫が1000本はあったはずだろうが! 中級は? それも無いのか? 上級もか?」
「だから、倉庫ごと消えてるんですってば」
うーん、また騒がしくてなった。昼寝できないのだ。せっかくふかふかのソファなのにな。
俺様は、立ち上がって背伸び、クルッと回って、もっかい寝た。やっぱりふかふかの感触は捨てがたいのだ。
「まさか、このヌコ?」
「そうなのか! すごいぞ、このヌコが居れば倉庫ごと持ち運んで商売ができる! おい鎖をもってこい、ヌコを繋いでおけ!」
「ちっちっち」のおじさん達が、どたどたと部屋を出ていったから静かになると思ったけどな。太った商人だけでもうるさいのは同じだったのだ。
「おい、ポーションを持ってきたんだろう。ここに出せ!」
うーん、そうだな・・・尻尾 をふって知らんぷり。俺様の収納に入ったんだから、俺様のモノなのだ。
ま、気が向いたら出してやるのだ。今は昼寝で忙しいからまた今度な。
「このやろう、身の程を・・・」
太った商人は、腕を振り上げて俺様を叩こうとしたみたいだけどな。片目を開けてちょっと見つめたらピタッと止まった。ふう・・・騒がしいヤツらのおかげで昼寝の気分が台無しなのだ。
うーん、と立ち上がって、ソファを飛び降りたら、テテテと走ってデスクにジャンプ。着地したら、紙束が散らばるけど、わざとじゃないからな。
「こら! 書類を勝手にさわるな!」
太った商人があわてて立ち上がった。足を引きずって来るけど、転ぶなよ? あ、ほら、ちょっと、やっぱり転んだ。机の角に頭をぶつけてゴッツンと大きな音がした。
そのせいで、山積みになった紙束が散乱してバサバサっと床に散らばったからな。これはチャンスなのだ。俺様は紙束にダイブ。全身で紙をガサガサして遊ぶのだ。
何が楽しいのかって? 愚問だな、楽しいから楽しいのだ。
「おい! やめろ大事な書類だ。汚れるだろうが! さっさと片付けろ」
ガサガサの楽しさが解らないのか? かわいそうなヤツだな。
それより、無理して立ち上がったら危ないぞ? ほら、フラフラしてるだろ? あ~ほら、また倒れる!! ほらまたデスクにぶつかる! 危ないからな!
俺様はとっさに収納画面を出して、ポイっと机に飛ばした。
よーし、間に合ったな、机が無くなったから頭をぶつけなくて良かったのだ。猫でも、具合が悪い時には気分を落ち着けて横になっていないとダメだからな。
商人の顔を覗き込んでみる。フンフンフン、この臭いなら大丈夫だろう。ほっとこう。
部屋の中には、大きなデスクと、その前にソファーセットに小さなテーブル。白髭の爺さんの部屋と似た感じだな。ソファに太った商人が座って「ひぃひぃ」と悲鳴をあげてるけどな。足から血が出てるから、ちょっとやり過ぎたか? 最近ちょっと力が強くなった気がするからな。ごめんよ。
それから、メイド服ってやつかな、女の人がタライの水で傷を流してあげてる。水をかける度に「ひぃひぃ」言ってるから、メイド服の女の人もわざとやってないか?
そういえば、ちょっと喉が乾いたしな、水をもらっていいかな? 傍まで近づいて声をかけてみた。
「にゃ~~~」
「「ひぃぃぃ」」
メイド服の女の人と太った商人が一緒に驚いているけど、そこまでビックリしなくても良くないか?
ま、それは、それとして、お水をもらおう。たらいに前足をかけて、水をぺろぺろ。美味しくないけどな。
「これが旦那様を襲った凶暴なヌコでございますか?」
「こいつだ、悪魔のように凶暴なやつだ!!」
ん? 俺様のことかな? ちょっと首を傾けてメイド服の女の人を見上げてみた。
「 ・・・・・・かわいらしいヌコにしか見えませんが・・・・・・」
メイド服の女の人の足元を軽くスリスリ。それから、ソファの上に飛び乗ってみた。
ふっかふかだな。さらっとしてて気持ちいいぞ、これは昼寝するしかないな。
「おい! ソファから降りろ!」
そんなこと言われても、気持ちい場所だからな。俺様は気にせずに丸くなる。
「たかがヌコの分際でソファに上がるなど、身の程をわきまえろ!」
うっすら目を開けて見たら、真っ赤になって怒ってるけどさ。
「旦那様、先に傷口を洗ってしまいましょう。足をこちらへ」
メイド服の女の人が足をもってひっぱったら、太った商人は「いててて」とか言って大人しくなった。
「ポーションを取りに行かせてますから、もう少しガマンして下さいませ」
ポーションね、臭い人達がいつも持ってるやつだな。下級ポーションとか中級ポーションとか。
どんな味かな? 舐めたことないから今度狙ってやろう。
ソファの上で落ち着くところを探していると、廊下の方が騒がしくなったぞ? 耳をピクピクして聞き耳を立てていると、誰か走ってくる音がして扉がバタンと勢い良く開いて駆け込んできた。
「ちっちっちっ」のおじさん達だな。腕が包帯でぐるぐる巻きだけど、大丈夫?
「ステハン様!! 倉庫が! 倉庫が消えてます!!!」
「はぁ?」
「ですから、倉庫が無いんです。何もないんですよ! ポーションを取りに行ったら2番倉庫が消えてるんです」
「下級ポーションの在庫が1000本はあったはずだろうが! 中級は? それも無いのか? 上級もか?」
「だから、倉庫ごと消えてるんですってば」
うーん、また騒がしくてなった。昼寝できないのだ。せっかくふかふかのソファなのにな。
俺様は、立ち上がって背伸び、クルッと回って、もっかい寝た。やっぱりふかふかの感触は捨てがたいのだ。
「まさか、このヌコ?」
「そうなのか! すごいぞ、このヌコが居れば倉庫ごと持ち運んで商売ができる! おい鎖をもってこい、ヌコを繋いでおけ!」
「ちっちっち」のおじさん達が、どたどたと部屋を出ていったから静かになると思ったけどな。太った商人だけでもうるさいのは同じだったのだ。
「おい、ポーションを持ってきたんだろう。ここに出せ!」
うーん、そうだな・・・尻尾 をふって知らんぷり。俺様の収納に入ったんだから、俺様のモノなのだ。
ま、気が向いたら出してやるのだ。今は昼寝で忙しいからまた今度な。
「このやろう、身の程を・・・」
太った商人は、腕を振り上げて俺様を叩こうとしたみたいだけどな。片目を開けてちょっと見つめたらピタッと止まった。ふう・・・騒がしいヤツらのおかげで昼寝の気分が台無しなのだ。
うーん、と立ち上がって、ソファを飛び降りたら、テテテと走ってデスクにジャンプ。着地したら、紙束が散らばるけど、わざとじゃないからな。
「こら! 書類を勝手にさわるな!」
太った商人があわてて立ち上がった。足を引きずって来るけど、転ぶなよ? あ、ほら、ちょっと、やっぱり転んだ。机の角に頭をぶつけてゴッツンと大きな音がした。
そのせいで、山積みになった紙束が散乱してバサバサっと床に散らばったからな。これはチャンスなのだ。俺様は紙束にダイブ。全身で紙をガサガサして遊ぶのだ。
何が楽しいのかって? 愚問だな、楽しいから楽しいのだ。
「おい! やめろ大事な書類だ。汚れるだろうが! さっさと片付けろ」
ガサガサの楽しさが解らないのか? かわいそうなヤツだな。
それより、無理して立ち上がったら危ないぞ? ほら、フラフラしてるだろ? あ~ほら、また倒れる!! ほらまたデスクにぶつかる! 危ないからな!
俺様はとっさに収納画面を出して、ポイっと机に飛ばした。
よーし、間に合ったな、机が無くなったから頭をぶつけなくて良かったのだ。猫でも、具合が悪い時には気分を落ち着けて横になっていないとダメだからな。
商人の顔を覗き込んでみる。フンフンフン、この臭いなら大丈夫だろう。ほっとこう。
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